新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも、皆様、ご機嫌いかがですか?ジャンヌさんがいなくなって泣いてるだって?ははつ、そんなことはないと言わせてもらいます、藤和木弘でございます。

光樹「とか言ってるけど、Twitterでも泣いている時あるじゃねぇか。どうも、皆様、主人公の和藤光樹です。」

そ、そんなこと、あろうはずがございません…。さ、さぁ、まずは、ジャンヌさんとレイさんに代わる一時的なアシスタントのご紹介です。

光樹「それはいいんだけどさ。なんか嫌な予感がしてならない。」

ん?なんで?

光樹「いや…マジで艦これのキャラに代役任せるのか、と。」

あぁ、その案残念ながら却下になりました。

光樹「あ、そうなのか。でも、なんで…」

ジャンヌさんに押し倒された。この意味わかる?

光樹「あ…(察し)」

というわけで、ジャンヌさんもこの人物ならということで、ご紹介するのはこの二人!

絵里奈「はーい!SSRと言う名のG、光樹君の仲間で、元ガンダム・アズールセブンシリーズのNPマスターで、現在ガンダムR-ZXのマスター、福内絵里奈だよー。それからー」

鈴「まぁ、少しは出てるから、分かるわよね。ガンダムR-EXEグレイガのマスター、光木鈴よ。ジャンヌから藤和木のアシスタントを任されたわ。よろしく。」

光樹「り、鈴さんかよ…というか、もう一人の子俺知らないというか、まだ会ってないから覚えてないんだけど…。」

まぁ、そこは気にするな。後々分かるから。さて、今回は第87話です。過信しすぎた力…これが意味するのは…?

光樹「嫌なタイトルだけど、まぁ勝てるだろ。」

絵里奈「それはどうかな?光樹君強いけど、今は記憶ないからねー。」

鈴「油断はどんなミスよりも致命的なもの。さぁ、力を過信しすぎたのはどちらかしら?」

それでは本編スタートです!


第87話 一人の力、過信しすぎた力

 

 

光樹の目の前に現れた次なる乱入者。それは全員が機械の装甲で覆われていた。その様子はどう見てもロボット。なぜいきなり、乱入してきたのだろうか。そう思う光樹の疑問はすぐに解決することとなる。

 

「ふぅ…大丈夫か?ビーシャ。」

 

「うん!まだ動けるよ。」

 

再び乱入してきた別の者達はゴールドサァド達に無事を確かめる。どうやら、この機械の体を持つ者…ゴールドソフツと名乗った者達も、ゴールドサァドのメンバーのようだ。

無事を確認した機動兵器達はこちらを向く。そして光樹を視界に捉えると、中でも一際大きい体を持つ、ゴーグルのような頭部が特徴的なロボットが声を大にする。

 

「よぉ!黒い装甲を纏う少年!よくも俺達の仲間に怪我させてくれたな!」

 

「…それで、何が目的だ?」

 

「そんなの簡単さ。俺達がお前を倒すのさ。女神が勝っているような状況は嫌だし、それに俺としては、「ロボボ」でかなりの強さを誇るお前と戦いたいと思ってるからな!」

 

光樹の質問に、ゴーグルロボットはそう答える。狙いは先程のゴールドサァド達と同じように、女神の強さの没落。それと同時に、今度は光樹自身との対決を望んでいる。先程までのゴールドサァドの言葉から、ひょっとすると今喋っている奴だけがそう思っているのかもしれない。

しかし、それで断ることはしない。こちらに向かってくるのなら、今は戦うのみ。光樹はその言葉に対し言葉を返す。

 

「挑戦者ってことか。俺の目的は女神の地位を守るってことなんだけどな…でも、そっちが来るなら、こっちも行くだけだ!行くぞ!!」

 

「そう来なくっちゃなぁ!!」

 

二人の考えが重なる。その掛け合いで他のロボット達も戦闘態勢を取る。

光樹は今現在の粒子供給量を頭部コンソールに表示させる。まだ想定起動限界時間が訪れる気配はない。それでも、あの敵がどれほどの力を備えているか分からない。

先程は生身の人との戦いだったため、ある程度気にすることはなかったが、同じ機械同士の相手なら、ダメージもこちらにはかなり来ると思っていた。とはいえ、こっちには切り札もある。制限時間があるとはいえ、あのモードなら…DAIモードなら、一瞬で倒すこともできるはずだ。

そう考えた光樹は、すぐにゼロにDAIモード起動の指示を出す。

 

「ゼロ、ゴッドクロス・ダイで仕掛ける!」

 

『了解。ゴッドクロス、DAIモードドライブ開始。』

 

指示を受けたゼロがDAIモード始動画面を開く。それを確認して、光樹はシステム始動の言葉を声高々に言い放つ。

 

「モード・フルドライブアップ、DAIモード、始動!!」

 

その宣言と共に、ゴッドクロス・ダイを光が覆う。緑色の光を各部から放ちつつも、機体各部の変形を開始させる。次々と装甲が展開し、ゴッドクロスの体を拡張していく。変形により閉じられていたウイングも展開し、ウイングを肥大化させると、ゴッドクロスの胸部が光り、DAIモードへの変身を完了させる。

変身が完了し、光樹も戦闘へと意識を向ける。これでさっさと終わらせて、あとの試合で勝たなくてはいけない。「ロボボ」の試合前にDAIモードを見せるのは癪だったが、それでも今は起動させるしかない。

 

「さて、この後のロボボも戦わないといけないんだ。さっさと終わらせる…」

 

だが、その言葉を言い切る前に。

 

 

 

「この…馬鹿!!」

 

ガツゥン!!

 

「あ!?」

 

 

 

いきなり光樹の頭を衝撃が襲う。と言っても、単に驚いて衝撃を受けたのではない。物理的な痛みとして頭部を叩かれたのだ。

いきなりなんだと俺は思う。最初は敵が高速で攻撃してきたのかと思った。しかし、叩かれる瞬間に放たれた言葉とアラートが鳴っていないことから、敵ではないのことが分かっていた。なら一体誰だ?

だが、それと同時に、その声にどこか聞き覚えがあった。何故か聞いていて気分が落ち込むけど懐かしい様な声に。

頭部装甲がなんともないのを確認してから後ろを確認する。すると、そこにいたのは…緑色の獣のような耳を備える―――ガンダムの姿であった。

 

「な…ガンダム!?俺以外のガンダムだと?」

 

いきなりの登場に光樹も驚く。今までガンダムといえば光樹自身のガンダムのみ。ガンダムに似たような存在としては、超次元のゲイムギョウ界にて開発されたシェアプロテクター、もしくは零次元で最後の決戦を行なった相手であるエクスやエクストリィムくらいだった。

だが、エクストリームガンダムがベースとなっているようなエクスを除いて、これほど完全にガンダムである機体は初めてだった。それも、光樹の今まで見たガンダムとは全く違う、シュバルトゼロガンダムと同じ完全にオリジナルの機体だ。

どこの機体かと未だに驚いている光樹に対し、そのガンダムから声が響いた。

 

「ちょっと、馬鹿光樹!あんた何いきなりDAIモードを起動させてるのよ!?」

 

いきなりの一声に光樹は二つの意味で驚くこととなった。一つはいきなり怒声を浴びせられたこと。そしてもう一つは、自身の名前と、このガンダムの機能を知っているということだ。

特に後者に当たる、ゴッドクロスが変形することは、光樹自身の知っている範囲では四女神とネプギア、それにゴッドクロス・ダイの試験に協力したシェアプロテクター装着者の4人とプラネテューヌSP技術者達だけだ。それに光樹のガンダムはクエストもこなしている都合上、一応公に公開されているものの、それでもゴッドクロス・ダイは極秘情報となっていて、知る者は女神関係者以外は知ることは難しい。

なぜ、そんな事を当たり前のように知っているのか。光樹は悩んだが、答えを出す前に突如後方から声が飛ぶ。

 

「おいおい…いきなりなんだ?この茶番はよぉ。さっさと始めようぜ?」

 

ゴーグル型ヘルメットをかぶったロボットがそのもめ合いに介入したのだ。それで光樹も思い出す。今はこのガンダムに関わっている暇はない、と。

少し新たなガンダムを見たのち、迷いを晴らすようにゴールドサァド側のロボットに目を向ける。ここで勝たなければ、女神に未来はないかもしれない。信仰を失い、没落していく。特にネプテューヌがその傾向になりそうだ。そうならないためにも、戦いに集中する。

スタジアムにて、両者が向かい合う。対決は先程と同じ1対4。しかし、光樹も負けるつもりはなかった。

そんな中、戦いは急遽始まる。光樹が先に動いたのだ。

今のゴッドクロス・ダイは制限時間がある。現在はゴッドクロス・ダイの制限時間を延ばす訓練で零次元の最後の戦いの時よりも時間が伸びたとはいえ、それでも時間は2分のみ。今の話し合いで2秒ほど消費していた。これ以上時間をかければ、こちらが不利になる。だからこそ、光樹は先に仕掛けたのだ。

光樹はゴッドクロス・ダイの圧倒的な推力で一気に距離を詰める。まずはいかにも攻撃力の高い敵である、ゴーグル型ヘルメットのロボットに攻撃を仕掛ける。あいさつ代わりとして右手に拳を作って構える。殴ることのできる範囲まで急接近したゴッドクロス・ダイはそのまま拳を振り下ろす。

ところが、その拳はゴーグル型ヘルメットのロボットに届かなかった。一瞬で光樹とゴーグルロボットの間に割って入った影があったのだ。

間に割って入ったのは、体は細身の、小さな翼を備えた天使のようなロボットだった。そのロボットは、右手に装備していたユニットを展開し、剣のようにしてゴッドクロス・ダイの右手を受け止めていた。

 

「攻撃を…受け止めた!?」

 

光樹はその速さに驚く。あの速度に対応できると思っていなかったのだ。動揺する光樹に対し、攻撃を受け止めた天使型ロボットが言葉を返す。

 

「その程度では、私を止めることは出来ません。」

 

「くっ…!言ってくれる…けど!」

 

光樹は相手の言葉に反論しつつ、拳を剣に打ち据えて、その反動で後方に下がる。距離を取った光樹は、続いて右手を構えて引く。そこから左腕を前に突き出す。突き出した右腕は人差し指を伸ばして銃のような形を作る。その先にエネルギーを溜め、光樹はその攻撃名を発する。

 

「ミドガルズオルム!!」

 

指先から次元力を圧縮した円形の波動が放たれた。正に弾丸ともいえる次元力が、再びゴーグルロボットに向かって進む。

だが、今度はゴーグルロボットが行動に出る。右腕を前に構えると、光の球が腕部より放たれる。

 

「念力結界、「ドミニオンズボウル」!!」

 

光の球体がゴーグルロボットの目の前に次々と射出される。その先には、光樹が放った次元弾「ミドガルズオルム」が迫っていた。自身の攻撃でミドガルズオルムの弾丸を相殺しようとしていたのだ。

ゴーグルの「ドミニオンズボウル」と光樹の「ミドガルズオルム」がぶつかり合う。最初の内は次々と迫りくる小球を蹴散らしていくミドガルズオルムだったが、徐々にその速度が落ちていく。威力を殺されていったミドガルズオルムに次々とドミニオンズボウルが集まっていく。そしてとうとう、ミドガルズオルムが結界で覆われ、はじけ飛ぶ。

自身の攻撃を受け止められた光樹は少し危機感を感じる。光樹の攻撃を敵は見事に受け止めている。現在は敵に若干押され気味になってきていた。しかし、まだ最初の内。これからさらに責め立てようと光樹は考える。

考えを決めて、すぐにゴッドクロス・ダイで戦闘を続ける。生半可な拳も射撃も効かない以上、こちらも手加減をするつもりはなくなっていた。ならば本気でぶつかるのみであった。着地したゴッドクロス・ダイは足で地面を思い切り蹴って飛び込む。その速度を保ちつつ、光樹は両腕を構える。

この時光樹は近接格闘攻撃の連撃をかけようとしていた。一発ずつの攻撃では攻めきれないと考えたのだ。次元力の連撃なら、これを突破できると判断したのだ。

それを今度はエスーシャと何か言葉を交わしていた白と黄色の騎士型ロボットが迎撃に来る。騎士型ロボットの手には、灰色の真ん中が割れた剣が握られていた。

その状態で、2機は激突する。交戦の直前、敵の剣が剣の形に戻り、赤く発光する。拳と剣がぶつかり合ったのち、次々と連撃が放たれる。しかし、互いに拳、剣で攻撃を相殺する。

このままではキリがない。そう光樹は考える。無論、光樹自身はこのような拳と剣のぶつかり合いを好きでやっているわけではない。目の前の敵に直撃させようとしていた。が、その速度に敵がついて来れていたのだ攻撃を決めきれないことに焦る中、光樹は敵の姿を見てとあることに気づく。

 

(なんか、この敵。何かに似ている気がする…。)

 

何故なのかは知らないが、戦っていた敵に、既視感を感じていたのだ。目の前の敵は後部にパーツの伸びた白い兜と騎士甲冑を被ったような白い装甲を持つロボット。それに今ぶつけ合っている剣もどこかで見たことがあった。

と、そこで光樹はとあることを思い出す。光樹の記憶の中に居たのだ。その特徴に合う機動兵器が。それと同時に他の機体についてもそれぞれの機体の既視感の理由を拳をぶつけつつも理解する。

 

(そうだ。こいつは今剣で戦ってるやつは…ランスロット!)

 

そう、今光樹の目の前で戦っている機体は、光樹の知るアニメの一つ、「コードギアス」という作品にて登場する機動兵器「ナイトメア」の一機、「ランスロット」に姿が似ていたのだ。白い装甲はもちろんの事、特徴的な頭部はランスロットの特徴に当てはまっていた。

更に他のやつらも確認するために一度後退する。一瞬のうちに全員を見ると、他の3機もまた、光樹の知る存在であることを知る。まず、ゴーグル型ヘルメットをかぶっている、大型ロボットはゴーグルからしてスーパーロボット大戦シリーズの3機が合体して生まれる機動兵器、「SRX」だろう。ゴーグルのようなヘルメットなら、SRX以外はありえないだろう。

続いて見たのは腕部に剣に変形する武器を備えた天使型ロボットだ。天使という例えなら、分かりづらいかもしれないが、腕部の武器と、天使と仮定した理由でもある背部の小さな翼、それに目のような部分が見えないことを元に、そのモデルとして予想したのは「ゾーン・オブ・エンダーズ」に登場した機動兵器「ジェフティ」に似ていると思った。機体の色もなんとなく青緑に見えることからも、そうではないだろうか。

そして、これまでの戦闘に関わることのなかった、最後の者は…と考えた矢先に、後退する光樹に目がけてその最後の機動兵器がこちらに迫ってくる。

 

「シーシャたちをよくも!許さない!!」

 

「!!腕が…くそっ!!」

 

敵は腕部を変形させてソードに変えるとその腕を振り下ろす。その攻撃を光樹は右腕部のシールドユニットで受け止めた。いきなりの事ではあったが、攻撃を受けることにはならずに済んだ。それと同時に、今戦っているロボットの…もとい、機動兵器のモチーフを悟る。腕部を剣に変形させる前、敵の左手が右腕のデバイスを操作していたのを見たのだ。それに機体全体を見てみると、目立った武器は存在せず、背部にウイングが一対と円盤状のウイングが一対存在した。

それらをすべて加味してみると、とある存在にたどり着く。それは光樹のガンダムのモデルともなっているだろう電脳の戦士。その二つの姿が、一つに重なって光樹の目に見えていた。

そう、光樹が今相手にしている機動兵器、そのモデルの正体は…流星のロックマンのファイナライズ形態、「ブラックエース」と「レッドジョーカー」であった。カラーリングも赤と黒を主体にしていることからも、あの二機を連想させていた。

その事に気づいたものの、それに気づいたところで、という状況であった。今は目の前で切り結んでいるブラックエース似の機動兵器を退ける必要がある。すぐに光樹は左腕にミドガルズオルムを溜めて、ブラックエースもどきに向けて放つ。

 

「このっ!!」

 

「うっ!?」

 

攻撃が直撃する。光樹の攻撃をもろに受けて、ブラックエース似の兵器は吹き飛ばされる。ようやく一体を倒せた、と思った光樹だったが、そう甘くはなかった。吹っ飛ばされた赤と黒の、翼を持った機体は空中で回転すると、無事地面へと降り立つ。

光樹は心の中で危険を感じる。何故かといえば、もうすぐでゴッドクロス・ダイの制限時間が来るのだ。制限時間はあと30秒。その時間で決める必要があった。

が、そのことに目を取られてしまい、目の前にワープしてきたジェフティ似の機体に反応しきれなかった。

 

「もらった。」

 

「な…」

 

ジェフティに似た機体は、光樹の懐近くにまで機体を潜り込ませていた。光樹はすぐに防御態勢を取ろうとしたが、その距離では拳による迎撃は不能。更に防御するにも間に合わない。となればただ一つ。回避するしかなかった。ウイングを前方に向けてジェフティをモデルとするロボットの攻撃範囲から逃れようとする。

しかし、青緑の機体の剣が展開され、振り抜かれる。振り抜かれた刃はゴッドクロス・ダイの装甲の一部に刃に切り込みを入れ、火花を散らせる。

一撃を入れられ、動揺する光樹。そこに地面を滑ってランスロットを模した姿をする白騎士が急接近する。

 

「いっけぇぇぇぇっ!!」

 

「くそっ!!」

 

光樹は体を捻らせ、回避しようとするが思い通りにはいかない。ランスロットのような機体は回避先に蹴りを入れてくる。蹴りを入れられて光樹は吹っ飛ばされる。

吹っ飛ばされた光樹に対し、今度はファイナライズタイプの黒と赤の機体が急接近する。急接近する機体の腕は、両方ともエネルギー端末になって、発振口からはビームの剣が出力されていた。その剣で、光樹が体勢を整える前に切りつける。

 

「イットウブレード、二刀流!!」

 

「くそっ!…く…サイドバインダーが…!」

 

攻撃が左腰のサイドバインダーを切り裂く。サイドバインダーはAN高純化射撃兵装に加えANロング・メガ・マグナムも装備する位置だったため、二つの武器がまとめて爆発を引き起こす。

至近距離の爆風により、光樹は吹き飛ばされる。爆風であおられた鋼鉄の体は地面へと重力の関係で地面へと叩き付けられる。

見せつけられる圧倒的な力の差に、光樹は焦りを見せていた。数でも圧倒されるばかりではない。一人一人の実力も高かった。こちらの攻撃を、敵は受け止める、もしくは避ける。代わりにこちらは攻撃を上手く回避できない。

一方的な攻めに加え、迫る制限時間。それによって光樹は決断する。最強の一撃でこの場を突破すると。この状況、もはや長く続けていれば、こちらが持たなかった。既に光樹も息が自然と上がっていたのだ。

そう考えた光樹は、ゼロに指示を出す。

 

「ゼロ、こっちは限界だ。「ビルレスト」の全門一斉射撃で撃ち抜く!」

 

『体力的にも限界を確認。…それしかないだろう。不服ではあるが、これに賭ける以外ない。』

 

ゼロも光樹と同じ考えであったことを告げる。二人の考えが一致した以上、その考えが最良というべきものであった。

意見の一致を確認した光樹はすぐに右手を開く。それに合わせ、ゼロが異次元より巨大武装砲「ビルレスト」ユニットを転送する。右手で持ち手を掴む。そしてそのまま、敵へと向ける。

それに対し、相手からはSRX似の機動兵器が他の三人の前に立つ。そこから同じく右手を開く動作をする。すると、上方から何かが飛来する。それは人型の機動兵器であった。急襲した人型の機動兵器はSRXのような機動兵器の前に飛来すると同時に、変化を始める。腕部が折りたたまれ、胸部が前倒しになる。腕部にあったキャノン砲のようなユニットは取り外され、代わりに脚部へと移動し、機体自体を新たな砲へと変形させた。

その姿に、見覚えがあった。あれは、SRXの外部式強化兵装ともいえる機体、R-GUNパワードの形態の一つ、「メタルジェノサイダーモード」に似ていた。そこから放たれる攻撃も、その威力の危険性も光樹は客観的にだが知っていた。

しかし、ここで撃たなければやられる。光樹は残り時間の少ないDAIモードから供給される次元力を全て巨大武装砲「ビルレスト」に供給する。その間に、SRXを模した機体もその手に変形したR-GUNであろう銃を手に取り、こちらに向けて構える。敵もまた、その銃身にエネルギーをチャージする動作を見せる。

しばらくエネルギーチャージの時間が起きる。そこで光樹は疑問を持つ。なぜ、敵は攻撃してこないのか。その間に光樹は動けなかったので敵は十分攻撃する時間があった。しかし、そこで攻撃を行わなかったのはミスか、それとも、攻撃を押し返すだけの力があったのか。

だが、それも脳内の考えから捨て去る。「ビルレスト」のチャージが終わったのだ。エネルギーのチャージを完了したのを確認すると、光樹はすぐにそのトリガーを引く。

 

「いくぜ!ビルレスト・フルバースト!!」

 

上下左右、四つの側面から二種類のビームが高出力で一斉に放たれる。球状のビーム弾と細い線を描くビームがSRXに思える機体に迫る。

それを見て、敵も動く。光樹に狙いを定めて、攻撃を放つ。

 

 

 

「次元無敵の、一発必中砲!!」

 

 

 

手にした武器から、高出力ビーム砲が放たれる。だが、光樹の放ったビームとは違い、一つの砲身から巨大なビームを放っていた。そのビームによって、光樹の放ったビームは次々と飲み込まれ、消失し、光樹へと真っ直ぐ伸びていく。

その攻撃に、光樹も危機感を感じる。というよりも危機感しか感じなかった。こちらの最大出力はあれだけしかないことは知ってはいたが、予想以上の威力の違いに光樹は驚いていた。武装の大きさで言えばこちらの方が大きいはずなのに、ビームは敵の方が大きすぎたため、こちらが飲み込まれる形となる。

そのまま伸びたビームに光樹は飲み込まれる。咄嗟にビルレストユニットを前にしてシールド代わりにする。なんとか攻撃を受け止めるが、端の所からビームに削られていく。

そして、最終的にビームの温度に耐えきれなかったビルレストユニットが爆発を起こす。生じた爆風が光樹を、ゴッドクロス・ダイを吹き飛ばす。

 

「ぐぅああ!!?」

 

吹っ飛んでいく間にも降り注ぐビーム。それにより機体の肩部や脚部に展開させた装甲が弾き飛ばされる。最終的にビームの雨が降り終わった後、ゴッドクロス・ダイは地面へと叩き付けられる。

すぐに光樹は立ち上がろうとするが、そこで突然、体が動かなくなる。機体状況を映すモニターのウインドウを見ると、「DAIモード起動限界」の文字が。DAIモードの時間切れだった。

 

(そんな…ここまでだっていうのか!?)

 

認めたくなかった。自分の力が及ばなかったことに。自分は零次元に迫った巨大な敵をも倒したはずなのに、負けるということが信じられなかった。

そう思って、光樹は立ち上がろうとするが、既にNPシュバルトゼロガンダム・ゴッドクロスはDAIモードが制限時間切れによる機能停止。その影響で機体がオーバーフローを起こし、システムに障害が出ていた。その為、ゴッドクロスへと戻ったガンダムの重量は元に戻り、光樹の体にその重量が襲っていた。

立ち上がれない光樹を見て、敵が余裕を見せる。

 

「どうやら、ここまでみたいだな。」

 

「解析結果。その機動兵器に、もはやエネルギーはない。私達の勝利は確定。」

 

SRX似のロボットに、ジェフティを模した機動兵器が結論を導き出す。そう、光樹はもはや戦えない。敗北したのだ。

光樹も負け、もはやこれまでと女神達が思っていた、その時だった。

 

 

 

 

「まったく…やっぱりあんたは馬鹿光樹よ。」

 

「…何…?」

 

 

 

 

光樹の前に一機の機体が庇うようにして現れる。その機体は横から割り込む形で入ってきており、すぐ傍にいたということを意味させる。それに、その姿は、光樹が先程見た姿…ロボット達と戦う前に光樹を叩いた存在と同じ、ガンダムの姿。

彼女だけではない。次々とスタジアムの下段、更には観客席から光樹らのいるステージへと飛び出していく。それも、全員が、見たことのない人型の機械の姿をして。

彼らが全員で揃うと同時に、少女はロボット達と、光樹に対し宣言する。

 

 

 

 

「私達、GKSWAXPが、この戦闘に終止符を打つわ!」

 

 

TO BE CONNTINUED

 




今回もお読みいただき、ありがとうございます。さて、光樹君完全敗北ですね(笑)

光樹「う…うるさい!四対一じゃなかったら…。」

絵里奈「うーん、それもあるけどー。今回は光樹君の練度不足!だね。」

光樹「れ、練度不足!?記憶がないからとかじゃないくて?」

鈴「確かに、記憶も光樹の戦いを再現するのに必要なことよ。でも、そんなものは所詮記憶なだけ。光樹は今までも新しいガンダムを纏うたびに訓練を欠かさなかった。そこに「アイツ」との一心同体のコンビネーションのおかげでこれまでの戦いを切り抜けてきたのよ。今回は、そこまで思い出せなかった、あるいは訓練できなかった光樹、あんたの今のままで十分だっていう「過信」よ。」

光樹「う…反論できない……。でも、てことはゼロと一心同体の状況までリンクすれば、解決できるってこと…」

鈴「あんたバカァ?」

光樹「やめろ!その言葉は何かの逆鱗に触れる!っていうか、あれ、違うの?」

絵里奈「うーん、ここで言ってもいいんだけど…藤和木さん、言ってもいいの?」

あ、ごめん。流石にそれは本編での話のネタにするから、ネタバレ禁止で。

絵里奈「りょーかーい!」

鈴「さて、今日はここまでとのことよ。次回は次の月曜。珍しく、今回はその日確定らしいわ。なんでも…」

あ、それ言わないでね?

鈴「…はいはい……。」

絵里奈「じゃあみんな!これから少しの間だけど、よろしくねー!」

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