新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも、皆様、お元気でしょうか。明日がまた試験な藤和木弘でございます。先週に引き続いてだよ…(´;ω;`)

ジャンヌ「まだそんな事言ってます…。昨日はあれだけサービスしたんですから、シャキッとしてくださいっ!どうも、皆様。ジャンヌ・ドラニエスです。」

レイ「ホントホント!ジャンヌちゃん昨日はいつもより藤和木にサービス精神あったんだから、頑張りなよ。どうも、みんな!レイ・オーバだよっ!」

昨日のポッキーゲームは、うん、嬉しかったよ。でもそれをやっても試験が延びることはない…悲しい。
と、言ってられないですね。

レイ「そうそう!今日は第83話だよっ。でも更新前に藤和木が話の話数をミスってた件について。」

いやー、なんかおかしいなーと思ってたら、原稿の話数が間違うという失態。危なかった危なかった。

ジャンヌ「見直ししてて良かったですね、藤和木。今回は光樹さんのゴッドクロス・ダイ関連のお話でしたよね?」

そうそう。ダイの力はどのくらいなのか?「彼ら」の協力を持ってして、ゴッドクロス・ダイの性能が分かります。

レイ「ゴッドクロス・ダイ、今の力はプロローグとどれだけ違うのかな?それじゃあ、本編に!」


第83話 ダイの解析、迫る感謝祭

 

「…という話になりました。」

 

「結局、ネプテューヌの案が採用されたのか…。」

 

ネプギアからの通達に、光樹はそう答える。現在光樹とネプギアはプラネテューヌの「SP」…別名、「シェアプロテクター」用の工廠施設に来ていた。シェアプロテクターとは、光樹が以前戦った、ゲイムギョウ界の新型機動兵器のことだ。

工廠施設は、光樹達が零次元へ行っている間にイストワールが建造の指示を出し、完成度は今の所70%。しかしながら、まだ機体性能があまり解析できていないことと、現状況で一番戦力としての力がある機動兵器であることから、光樹のガンダムの専用整備ハンガーが完成していたのだ。後々、本命のシェアプロテクターもこの工廠に来る予定であったが、先に光樹のガンダムの解析を行うために稼働試験も兼ねての運用であった。

ただし、光樹は既に来ており、来たのはネプギアだけなのだが。そのネプギアの説明で、四女神達は四か国合同の感謝祭を決定したことを知る。光樹は昨夜、イストワールに国民の不信感をどうにかするように言われたネプテューヌと一緒に、その解決策を考えていた際にその案を聞いたのだ。ネプテューヌの考えを聞いた際には、ネプテューヌらしい考えとは思ったが、それを他の全員が納得するかが問題だった。

しかしながら、光樹もあの三人ならこの案には乗ってくれるのではないだろうかと思っていたので、それほど驚きはしなかったのだ。と、言っても、ノワールが素直に従ったということだけは(否定は少ししているが)、少し驚きを見せる。

 

「まさかノワールをその意見で納得させるとはなぁ。ネプテューヌの考えは間違っていなかったってことか。」

 

光樹としても、ノワールがこの案で障害となる存在だと思っていた。ノワールに失礼だが、基本ぼっちなノワールが他の三人と進んで協力するというのがあまり見たことがなかったからだ。

そう言いながら、光樹はドッグにアームで固定されていたゴッドクロスを装着する。電子化していく体がゴッドクロスに入っていく。装着が完了するとアームが外れ、光樹に対しドッグの整備員が声をかける。

 

「では、光樹君。これより昨日の続きとして、ゴッドクロスの第二形態、「ダイ」と呼ばれる機能の解析を開始させていただきます。DAIモードの起動を。」

 

「あぁ。ネプギアも見ていくか?」

 

「はいっ。零次元での最後の戦いで使ったモードなんですよね?私もまだ見たことがないので、見てみたいです。」

 

ネプギアも光樹のガンダムの機体解析に興味を持つ。それも当然。ゴッドクロス・ダイの姿をゲイムギョウ界の面々は見たことがなかったからだ。もちろん、ネプギアもだ。ちなみに、この解析調査はイストワールが必須事項として光樹に命じていたことである。イストワールによると、今後ガンダム自体に関連して厄介な問題が起きた際の弁護のためのデータ取りとのことだ。無理もない話だ。何せ、今のゴッドクロスの第二形態「ダイ」は女神三人を軽々超えるほどの性能を計算上持つ機体なのだから。

イストワールからの頼みに応えるべく、光樹はDAIモード始動の言葉を口にする。

 

「モード・フルドライブ・アップ、DAIモード、始動!!」

 

その言葉と同時に、ゴッドクロスは変形を開始する。腕部、脚部の装甲が展開し、ゴッドクロスの四肢を拡張させる。更に胸部装甲は胸部砲口の周りが前に少し突き出る。また、背部のウイングは全てのスラスターが展開し、ゴッドクロスのシルエットを大きくする。

その展開する姿を見て、ネプギアが興奮した様子を見せる。ネプギアとしても、まだ自分が見たことのない機動兵器の変形に興味を持つのであった。驚きの度合いが違うが、作業用アームの操作を受け持つ整備員の者達も驚きの表情を見せる。

 

「すごい…機体の装甲裏に配置させた装甲を展開して、各部を大きくすることで武器のリーチを伸ばしているんだ!」

 

ネプギアの解説も交えつつ、ゴッドクロスは最後の変形を開始する。肩部を武器装着ユニットごと大型化させ、胸部の砲口の隙間から緑色の光を灯す。それが終わると、ゴッドクロス・ダイが姿を現す。

 

「変形完了っ。じゃあ、アームユニットに再固定しますよ?」

 

光樹は変形を終えたことを告げ、アームの固定を願う。それに整備員が答える。

 

「はい。ではアーム再固定開始。…3、2、1、…固定します。」

 

ガチャコン!!

 

その音と共にゴッドクロス・ダイはハンガーに固定された。固定を確認すると、光樹はゴッドクロス・ダイから分離する。

地面に着地すると、ネプギアが目を輝かせながら、光樹に疑問をぶつけてくる。

 

「光樹さんっ!今度のガンダムって、どの位の性能なんでしょうか!?」

 

「それは…まだ分からないな。というか、それを調べるための今回の整備だからな。」

 

「そ、そうですよね…すみません。」

 

ネプギアの疑問に、光樹はそう返す。光樹の言う通り、今のハンガー入りはゴッドクロス・ダイの性能を測るためのものでもあるのだ。それら関連のものは、これから分かる物だ。

それを忘れていたのか、それとも光樹なら既に分かっていると思ったのか、どちらかは知らないが言葉を返されたネプギアは顔を赤らめながら謝る。しかしながら、その反応から、おそらく前者であろうと光樹は判断するに至る。

光樹は恥ずかしがるネプギアに悪かったと伝える。

 

「いや、ネプギアが謝ることはないって。機体の性能を理解しきれていない俺の方が…。」

 

「い、いえ!光樹さんはまだ記憶が戻っていないんですから。そんな時に性能がどうとか聞いた私の方が…。」

 

謝る光樹に対し、ネプギアもまた謝る。それは互いに自分が悪いという連鎖が生んでしまっていた。ネプギアも光樹も、お互いに生真面目な所があるために謝り合戦の様相を見せる。

しかしながら、いつまでも整備ハンガーの中に居ては、整備員の迷惑だろう。そう思った光樹はネプギアにここから離れることを提案する。

 

「うーん、確かに、そうだな。でも少しずつは戻ってきてるし、でも、今すぐに性能を言うのは無理だけどな。それより、整備員の所で具体的な性能を聞こうぜ?」

 

「そうですね。じゃあ、すぐに整備員さんの所に行きましょう!」

 

そう言って、二人は整備員のいる、ハンガー脇のデータ観測所に入る。部屋の中には多数の計器類が存在した。そこで光樹達は整備員に軽くお辞儀をして、整備員の計器類の前に立つ。二人が計器類の前に立ったのを確認して、整備員達は計器を操作していく。

そのすぐ後で、ゴッドクロス・ダイを固定するハンガーアームのランプが点灯。それにより機体の周りをデータの光が覆う。それはダイの機能の解析が開始されたのだ。

ここで気になるのは、なぜゴッドクロス・ダイの機体性能解析が実機での運用テスト方式ではなく、機材を用いた、外部からの接続で能力を測るのか、ということだ。以前性能を測った際はブラックエースⅣを光樹が動かしていたのだが、今回は理由があったため違う。

その理由は簡単。ゴッドクロス・ダイが制限時間を持つからだ。制限時間の関係上、ゴッドクロス・ダイの変身が終わるまでに検査を終わらせるのは何日もかかる作業だ。それでは効率が悪い。

それに加え、光樹への負担も尋常ではない。一日に何回もやれるようなものではない。更には何日間も続けるのも不可能。だからこそ、整備員らがゴッドクロス・ダイの性能を測れる安全策として、この方式が取られたのだ。

加えて、ゼロもこの試験に協力。主に出力の計算をゲイムギョウ界側の演算コンピューターのレベルに合わせる役割を持っていた。

しばらくの間、待っていると、次々と整備員からデータが読み上げられていく。

 

「電子空間での「ダイ」、機動データ限界値測定…反応速度0.12、機動速度…秒速18メートル!?」

 

「ほ、本当ですか!?そのデータ!?」

 

「はい、間違いありません。」

 

まず最初の機動系統のデータだけで整備員とネプギアは驚く。その反応に、光樹はすごいということだけ理解する。実際に動かしている光樹にも、ゴッドクロス・ダイの性能全てがとんでもないことは分かってはいたが、それが実際に数字に表された際にどんなものなのかは、全く分かっていなかった。

その為、光樹はすぐにその疑問をネプギアと整備員にぶつける。

 

「な、なぁ、二人共。具体的に言って、どれくらいすごいことなんだ?」

 

その質問に、ネプギアは答える。

 

「い、いいですか?私たちの技術で制作された、シェアプロテクターが大体、反応速度が0.9秒をギリギリ超える速度、そして速度が秒速5メートルくらいなんです。でも、さっきのゴッドクロス・ダイの計算された速度は、限界まで入力したのがさっきの数値…分かりますか?」

 

「あ、うん。大体分かった。つまり「ダイ」はネプギア達の世界のテクノロジーを余裕で超える性能ってこと?」

 

光樹はそのネプギアの説明でようやく理解する。数値の桁が違い過ぎる。反応速度は1秒未満を余裕でマークし、更に速度は秒速で表示。この差は流石に数学系統の問題を苦手とする光樹にもゴッドクロス・ダイの性能がバカげていることを教えていた。

しかしながら、それだけで計測は終わることはない。整備員達もその結果に汗を浮かべつつ、測定を続けていった。

 

 

 

 

測定はこの日でなんとか終わることは出来た。とはいえ、それでも整備員らは残業する形となったが。

そして、その結果だがそれを測定した整備員ら、加えてそれを見ていたネプギアさえも顔を真っ青とする程の結果が出された。その性能は、機動データはシェアプロテクターの約4倍、出力はなんとSPのおよそ6倍以上のデータを記録していた。

簡単に言えば、その性能はもはや人が全力で扱うことは不可能というレベル。女神が仮に装着できたとしても、その限界までの性能を一人で操作することは不可能という。

これを光樹が扱えた理由は、大きな要因として、ゼロという存在があった故であることが結論として出された。

ところが、ゼロによる話とこれまでの運用データから、今のままではゴッドクロス・ダイの性能を引き出しきれないという。それは、この機体を制御する存在が欠けているため。それにより、現在のゴッドクロス・ダイはその性能を半分も出し切れていないことが明らかとなった。

それらの結果に、整備員らはうなだれ、帰る足取りは重く、光樹に不安を抱かせた。誰か自分達の技術の粋を集めた機体(SP)を超える機体を超える機体が今目の前にあったことに絶望し、自殺する者が出るのではないかと。そして…

 

(これは…俺に扱いきれる代物なのか…?)

 

そう思いつつ、光樹もネプギアと共にプラネタワーへと帰ったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

光樹のガンダムの測定があった日から数か月後。この日ネプギアは再びシェアプロテクター、およびガンダムの工廠ハンガーに足を踏み入れていた。

実はこの時、女神側でもとある大きなイベントが控えていた。それは、以前ネプテューヌが提案した、ゲイムギョウ界感謝祭の準備を行っていたのだ。だが、今ネプギアはこうして数か月前も訪れたシェアプロテクター工廠に訪れていた。それはなぜか。

それは、この日、光樹のガンダム、「シュバルトゼロガンダム・ゴッドクロス・ダイ」とゲイムギョウ界四大国家すべてに配備されたワンオフモデルシェアプロテクター、「パープルプロテクター」「ブラックプロテクター」「ホワイトプロテクター」そして「グリーンプロテクター」との性能対決があったのだ。その見とどけ人として、イストワールからの指示でネプギアが派遣されたのだ。

ネプギアとしても、この戦いは非情に気になるものだった。自分たちの技術の粋を集めて制作された「SP」と光樹の操る「NP」、ガンダム。どちらが強いのか。普通に戦えば、数で勝るSPの方が上だろうが、それでも単機の性能はゴッドクロス・ダイの方が上回る。

イストワールの命令でもあったこの命令。ネプギアは非常に緊張を感じる。

 

(私たちの力と、光樹さんの異世界の力…どっちが強いんだろう…楽しみです!)

 

私はそう思う。いーすんさんの光樹さんのガンダムの危険性を察しての杞憂も分かるけど、それを除いてもこの戦いは本当に気になる。これで負けても、SPの性能強化に一役買うことだってできる。その時には私も参加したいなぁ…。SPの制作には極秘事項ってことで私はあんまり直接的に参加できなかったから、もしかしたら今回は…!

そう思いつつネプギアは工廠内を歩いて行く。途中で案内の人と出会い、対戦の場所へと進んでいく。

そして、大きなドアの所で案内係の人物が壁面のパネルを操作する。すると目の前の大きなドアが開く。そのドアを潜り抜けていくと、そこにはすでに何人もの整備員、技術者の方々がいた。

ネプギアが案内されるまま、席に着席すると、それが合図のようにスタッフの面々が口々に指示を飛ばしていく。

 

「これより、ガンダムとシェアプロテクター4機の実戦形式テストを始める。」

 

それと同時に、情報のモニターに試験場の様子が移される。そこにはすでに光樹のゴッドクロスが準備していた。

そこに、反対側の地面の方に穴が開かれる。そこからは4機の機動兵器が姿を現す。その色は紫・黒・白・緑と、四か国の女神のパーソナルカラーをそれぞれ塗装されていた。そう、シェアプロテクターだ。

そうしてテスト用の全機体が揃ったところで、スタッフが全員に開始を告げる。

 

 

 

「それでは、対戦開始!!」

 

 

 

その声と同時に、4機のシェアプロテクターが飛ぶ。先行するのは海優のパープルプロテクター。それに対し、光樹はすぐにゴッドクロスを変形させる。

海優のSPが近づく前に、ゴッドクロスはダイへと変形を完了させる。それと同時に、ゴッドクロス・ダイは消える。

 

『!?』

 

それを見て海優の驚く声がスピーカーに流れる。しかし、それと同時にもう一人の声も響く。

 

『な…早…ッ!?!?』

 

ホワイトプロテクターを操る少年、「ミヤト・サカザキ」の声が聞こえる。と同時に何かにぶつかったような音が響く。

何が起こったのかを見ると、全体の様子を移すモニターに、それは映っていた。試験場の壁に砂煙が引き起こされていた。光樹のダイが起こしたものだ。一瞬にして海優の正面視界から消えると同時に、最後尾にいたミヤトの顔面を打ち据え、殴り飛ばしたのだ。

一瞬の事で、唖然とするSPメンバー。だけどそれにいち早く行動したのは、四人をまとめるリーダー、カテリーナさんだ。

すぐに身をひるがえして、腕に構えたパルチザンらしき武装を伸ばして攻撃を行う。

 

『早いですね。なら手加減いたしません!』

 

高速で放たれる突きの攻撃。しかしながら、光樹はゴッドクロス・ダイの機動力をもってして、この攻撃を最小限の動きにて回避する。

 

『リーダーの攻撃を回避した!?』

 

『スピードならカテリーナが一番なのに…アイツ、かなり腕を上げてる…っ!』

 

その圧倒的な性能に、パープルプロテクターの海鳴海優とブラックプロテクターの黒崎閃は驚く。彼らの中で、カテリーナの実力はかなり上だと思っていたが為の発言だった。それにはネプギアも驚いていた。

カテリーナさんの槍術はベールさんも一目置くほどの実力の持ち主だ。並大抵の人ではそれを避けることは出来ない。その上、今のカテリーナさんはシェアプロテクターを纏っている。以前の時よりもSPの運用には慣れが出来て、攻撃速度も上がっているはず…。それなのに、光樹さんは…。

光樹の操縦技能が上回っていることを感じ取っていた海優と閃の二人だが、それでも三人ならば。そう考えたように二人はカテリーナの攻撃に合わせ援護する。ライフルブレードとビームソードの二刀流による攻撃。海優の連撃を、槍から逃れた光樹のガンダムに向けて放つ。

それを光樹はまた避ける。着地に放った一撃ではあったはずなのに、光樹は六枚のウイングユニットによる噴射で後方に下がったのだ。

だが、それはSP側の狙いであった。突如、ゴッドクロス・ダイの後方の風景が歪む。それと同時に黒き機影…ブラックプロテクターが姿を現す。

 

『もらった!!』

 

『っ!!』

 

いきなりの出現に光樹も驚きの声を出す。これはブラックプロテクターに備えられた特殊機能「ミラージュライド」だ。自身の装甲を周りの風景と一体化させ、姿を隠す、いわゆるステルスであった。

この機能はプロテクター標準装備ってわけじゃない。実はそれぞれの国家に配備するにあたって、それぞれの国オリジナルの機能をつけようというお姉ちゃんからの発言の元、実現された「シークレットウエポン」の一つ。例えば私たちプラネテューヌなら、シェアエネルギーの消費を多くする代わりに攻撃力を倍加させる「熱血モード(お姉ちゃんのネーミングです)」、ブランさんたちのルウィーならシェアシールドを機体全体に張る「絶対零度の鎧~アブソリュート・レアアーマー~(ブランさんのネーミング…)」だったりと、女神の皆さんがつけたいと思った機能を再現している。

ノワールさん以外が全員自身の戦闘スタイルに合ったものを機能として搭載させている中、ノワールさんのラステイションだけは、ノワールさんたっての希望で、ステルス機能を取り付けたんだよね。理由が諜報活動にも力を入れたいんだそうです。ノワールさんはやっぱり実用的な機能を求めるんだね。

その機能のおかげで、見事ゴッドクロス・ダイの虚を突くことができた。ブラックプロテクターはそのまま手に持ったナイフブレードを振り下ろす。この勢いなら、ゴッドクロス・ダイに一撃与えられる。そう誰もが思っていた。

だが。

 

 

 

 

『ゼロッ!!』

 

『ノイズフォースビックバン、「ディメンション・ブレイカー」』

 

一瞬で反転し、攻撃を左手で受け止めた。攻撃を受け止めるのはある程度予測は出来たが、まさか機体本体で受け止めるとは、誰も思いもしなかった。しかも、その状態で、ゴッドクロス・ダイは必殺の一撃を放つとまでしていた。

 

『マズイ!』

 

攻撃を喰らうまいとブラックプロテクターはゴッドクロス・ダイから離れようとする。ところが、そうもいかないことになる。

剣を引こうとするが、全く動かない。何度も引こうとする様子はモニターを見ていたネプギアにも分かったが、何度やっても、ナイフブレードは動かない。

その状況に、海優が閃に言い放った。

 

『閃!今は避けて!!』

 

『海優…!くっ!!』

 

その指示を受け、閃も了解した様子を見せて武装から手を離して回避しようとする。

が、それはゴッドクロス・ダイにとっての、チャンスだった。

 

『逃がさないっ!!』

 

光樹の叫び声と共に、ゴッドクロス・ダイはスラスターを吹かし、小ジャンプをする。そのジャンプで剣の峰をブラックプロテクターに押し込む。そしてそのまま―――――――

 

 

 

 

左手から極太ビームが放たれる。

 

 

 

 

しかし、今までのビームとは違う。機体を覆う、緑色の光と同じ色のビームだ。その攻撃が手で押さえていたナイフブレードを撃ち抜きつつ、ブラックプロテクターを襲う。

たちまちブラックプロテクターはそのビームに飲み込まれる。そのまま直進したビームは更に後ろにいて、攻撃から立ち直ったばかりのホワイトプロテクター、ミヤトにも迫る。

 

『んな!嘘やろ!?』

 

ミヤトの声も虚しく、ホワイトプロテクターもその極太ビームに飲み込まれる。飲み込まれたのち、二機の機体が居た場所で爆発が起きる。

その爆発と共に、計器類を見ていた技術者たちが叫ぶ。

 

「ブラック、ホワイト、両プロテクター大破!!」

 

「え!?一気に二機も!?」

 

ネプギアもまた驚く。偶然とはいえ、まさかこんなことになるとは考えていない。だが、そう考える裏で、こうも思う。もしかすると、光樹とゼロはこれを狙っていたのではと。

ネプギアの考えでは、光樹のゴッドクロス・ダイは、その圧倒的な性能と引き換えに、そのガンダムでいられる時間に限りがある。だからこそ、機体を同時に撃破してでも、敵を減らす必要があった。効率的に戦い、場を制圧する。これこそゴッドクロス・ダイの運用法でもあると。

その爆発を見ていた残り2機のSP、グリーンプロテクターのカテリーナとパープルプロテクターの海優はすぐに爆発の中に飛び込む。あの破壊力を見て、危険を感じた二人は、早々に決着を着けないと勝てないと理解したのだ。

そこで爆炎に隠れることで、発見を鈍らせようとしたのだ。煙の中の様子は、ネプギアには分からない。上手くいくのかどうかに目を向ける。

そして――――

 

煙から、機体が飛び出す。

 

しかし、その機体はSPではない。NP、ゴッドクロス・ダイだ。

体の向きを変えつつ地面に着地したダイはそのまま左腕を回す動作をして、右手を銃の形にする。その先にエネルギーを溜めて。

その指先から、攻撃が放たれる。ゼロの音声と共に。

 

 

『ノイズフォースビックバン、「ミドガルズオルム」』

 

 

指先から放たれたエネルギー弾が煙を吹き飛ばしつつ直進する。

そして、その一撃は、緑のSP、グリーンプロテクターを直撃し、壁へと撃ち込む。

 

『きゃあ!!………。』

 

カテリーナさんの声が響く。しかし、その後沈黙し、モニターにグリーンプロテクターが戦闘不能になったことを知らされる。

そして、残ったパープルプロテクターの海優さんがヤケになって突っ込む。

 

『よくも…みんなを!!!けど、それもここまでよ!!』

 

その声と共に、機体を虹色に輝かせる。シェアリング・フルコンタクトモードを起動させたのだ。加速した機体がゴッドクロス・ダイに突っ込む。

それに対応するように、光樹は右手を開く。すると、その先の空間が歪む。というよりも、何かが出てくるような電子的なものが現れる。

そして、そこから出てきたのは、―――――――――巨大な大型武装だった。見た目は巨大なランチャーのような武装だ。けど、それは明らかに大きすぎる、手持ち武器にしてはいささか過剰な見た目だ。

その見た目に屈することなく、パープルプロテクターは突撃する。その様子に光樹が言う。

 

『海優…これが、俺の新たな力だ!!「ビルレスト」、フルシュート!!』

 

『!!光樹ィィィィィィ!!!』

 

 

 

 

モニターが、光で覆われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……」

 

SP対ダイの激突から数十分後、海優はSP操作用カプセルから目を覚ましていた。まだ頭がボーっとしていたが、それでも事態を理解していた。

その結果は、海優たちの全面敗北。SPは全て撃墜判定。一方ゴッドクロス・ダイはダメージ判定がブラックプロテクターの物のみ。完全な敗北だった。

しかし、それに対して、海優はなぜか悔しがらなかった。もちろん、本当に悔しがっていないわけではないが、表面には出してはいなかった。

以前と違い、ちゃんと自分の力で戦い、負けた。それが何故だか、自身のわだかまりをすっきりとさせていたのだ。本気でぶつかっても、勝てなかったのには少々落ち込むが。

と、しばらくした所に、とある人物がやってくる。

 

「お疲れ、海優。」

 

「!光樹…。」

 

それは、先程戦った人物、光樹であった。その顔は特に勝ちを誇った顔ではなく、少し疲れたような表情だった。それも当然。先程の戦闘は光樹にとってもきついものだったのだ。

やってきた光樹に対し、海優は言う。

 

「流石よ。まさか、4人で戦っても、あそこまで圧倒されるなんて。」

 

「それはこっちのセリフだと思うんだけど…。4人の連携は合っていたし。」

 

「何を言ってるのよ、アンタは。最初に近接戦に持ち込むために、砲撃戦仕様のホワイトを行動不能にして、近接戦に持ち込ませたくせに。」

 

「あ、ばれてたか。」

 

「バレるに決まってるでしょ?ミヤトが結構怒っていたわよ?」

 

「マジか。これは後で謝っておかないとな。」

 

そんな感じで笑いを見せる。こんなやつが、あたし達4人を圧倒していたなんて、と思う。

と、そこで海優は光樹に聞く。それは、感謝祭のことだ。

 

「で、アンタも出るんでしょ?感謝祭の「アレ」に。」

 

「まあな。でもそっちも出るんだろう?感謝祭。」

 

「えぇ。今度こそ、アンタを倒す!!」

 

光樹の問いに拳を突き出してそう答える。もう既に次の戦いの場で、リベンジする気は満々だ。

そして二人は最後に言葉を交わす。

 

「感謝祭、負けるなよ?」

 

「そっちもね。ゲイムギョウ界トーナメント・ロボ部門。戦うのはあたし達よ!!」

 

そう意気込んで、二人は帰るべき場所へと帰っていった。

 

 

TO BE CONNTINUED

 




今回もお読みいただき、ありがとうございます。

レイ「ま、まさかの四対一で勝利!?何、光樹君はバトスピの異界プレイヤー並みの力を持ってるってこと!?」

た、例え方がおかしい気がする…(;´・ω・)とはいえ、光樹君はこれでもまだ記憶があまりない状態。記憶を取り戻した時には、これ以上の性能はあると思ってもらった方がいいですね。

ジャンヌ「やはりそうなんですね。そういえば、光樹さんが最後に使っていた武装…あれは一体…?」

あ、すみません。あれ黒の館で紹介し忘れてたやつです。

ジャンヌ「はいっ!?」

レイ「えー!?紹介し損ねてたの!?」

い、いやー。あれはオプション兵装なので、機体とは別で大まかな設定集に入ってたから、完全に忘れてました…多分次の黒の館にて新キャラ一人の紹介と共に紹介したいと思います。では、そろそろ次回の投稿の方に。

ジャンヌ「はい。では次回の投稿は金曜日になります。」

レイ「それじゃあ、みんな!また次回ッ!!」

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