新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
レイ「ど、どうみてもその工程は空しそうに見えるんだけど…。ど、どうも!みんな!レイ・オーバだよっ!」
ジャンヌ「今も小説打つのを合間にして資料作成してますよね、それも死んだ目をしながら…。でも藤和木が先日休んだのがいけないんですよ?どうも、皆様。ジャンヌ・ドラニエスです。」
さーて、こちらは遂に第3章の始まり!しかし、今のストーリーは第3章のプロローグに当たる物語となっております。
ジャンヌ「そういえば、最初の時も、第0章という形でプロローグがありましたよね?」
そうそう。今回もそんな感じで始まります。
レイ「タイトルで、四女神がお茶会かぁ。楽しそうっ!」
ジャンヌ「わたくしには、どう見ても何か面倒なことから逃避したそうなタイトルに見えるんですが…。」
気にしないで気にしないで。大体予想通り。
ジャンヌ「どこが大丈夫なんですか…。」
レイ「さぁ、次の章の始まりは、いつも穏やかな所から!!はっじまるよー!!」
第82話 四女神、作戦会議と言う名のお茶会
ネプテューヌとネプギア、更に光樹達が零次元から帰還して数日後のこと。その日、ネプギアたちは、零次元の件で協力してくれた三女神たちへ、心配を掛けたお詫び、加えて、それらへのお礼を兼ね、プラネテューヌへ小さなお茶会を開催していた。
四女神が揃うのは、久々のことだった。なぜなら、ここ最近はどの国も守護女神の転換期の真っただ中なのだ。そのため、断られる可能性も、ネプギアは考えてはいたが、その考えに反して、三人の女神たちと女神候補生たちはこれに応えて来てくれた。
ここまで聞いていると、再会を喜んで来てくれた、ように思えるだろう。だがしかし、現実はそんなものではない。三人が来た理由。それは…
「あーっ!もう、誰よ勝手にラステイションの女神は友達がいない孤独な守護者とかネットに書き込んで広めたのは!」
大きな声を上げて怒っているのは、ラステイションの守護女神であるノワール。しかしながら、その様子はいつものような冷静さはなく、腹を立てているような口調で、お茶を淹れているネプギアも、いきなりの発声に少し驚く。驚いた影響で、ティーポッドでカップにお茶を淹れる手を止めてしまう。
い、いきなりそんな事を愚痴るなんて…。と私もお茶を淹れつつも傍らでそう思います。けど、それは何もノワールさんだけではないことを知らされる。
「わたくしもですわ。昨日は一日中部屋に缶詰でしたのに、紅茶ショップ巡りをして高い紅茶を経費で沢山買ったことにされていますわ。」
「わたしも。何故か、わたしの名前でAMAZOOの商品レビューを書かれてる。しかも、全部評価が最低で、抽象的な内容。二週間で百以上の商品に最低評価をつけたり、購入を『ココウニュ~』、ゲームを『ゲムー』って書いたりしているあたり、間違いなく煽ってるわ。」
ベールさんやブランさんも、同じく苛立ちを顔にまで表していた。中でもブランさんは、手を少し上げて、握りこぶしを作る始末だ。こうも三人で怒られていると、なかなか話しづらいなぁ…。
今はネプテューヌが話を聞いているため、どうやって話に割り込んでお茶を持っていこうと考えるネプギアであったが、三女神の言っていることは、ネプギアも問題であることを感じていた。四女神に対する悪いイメージは、もちろんプラネテューヌにも波及していたからだ。
女神に対する悪いイメージの放流。それら全ての対応は、今はイストワールが対応していたが、たまに量が多いと、ネプギアと光樹も手伝いを受けていた。その際に、そういった問題の一部に接するのだ。内容も、自身の姉のあることないこと(と言いたかったが、中にはまさにその通りなこともあったけど…。)が書かれていて、ネプギアもそれらを見る度に気持ちを落としていた。
こういった時こそ、女神であり、姉であるネプテューヌに動いてもらわないと、と思うネプギアではあったが、当然ネプテューヌは女神の仕事でありながらも、よく言えば状況静観、悪く言えばサボっている状況だった。
「そして、何故かそれをわたしの裏アカウントだというデマまで出始める始末…。」
そう言ってブランは頭を抱える。そんな三人の女神の愚痴に、ネプテューヌも同感して、自身の不満をぶつける。
「わたしだって、仕事をネプギアやいーすんや光樹に押し付けて遊び呆けてるなんて書き込まれてるんだよ、失礼しちゃうよね!」
自信を持って、言ったセリフのようだったが、それを見ていた三人は口を閉ざしていた。否、むしろあまりに変なことを言っていて、何を言っているのか分からないというような様子を見せていた。
そのネプテューヌの言葉にはネプギアも聞いていて、唸った。
(でも、お姉ちゃん。それ事実…だよね?ノワールさんたちも絶対そう思ってる顔だよね。)
心の中でそう思いつつ、ネプギアはその隙を突くように、お茶をササッと四女神の前へと持っていく。もちろん、お菓子も欠かさずに出す。
それらでようやく意識を遠くから戻した三人の女神がお茶を口にする。
と、いった具合に、同じ国を治めるもの、同じ問題に困らせている同士で愚痴るために、このお茶会の開催は決定したのであった。
♦
ホント、こんな問題は、相手にする方は困っちゃうよねー。わたしはネプギアが出してくれたお菓子とかに口をつけつつ、そう思う。
普段だらけている自分の所だけじゃなく、自分よりもいち早く問題を解決してるようなイメージのあるノワールのラステイションですら、そんな状況だと知ると、同情する気持ちも出てきてしまう。どこも同じ状況。全員が同じ問題に困ってしまう現状に、ネプテューヌは、それを口に出して言う。
「やっぱ、みんなのところも同じかー。まったく、ひどい世の中だよね。ほんと、参っちゃうよ。」
「そのせいで、最近は甘いものがないと、やってられませんわ。これでは、また余計なお肉がついちゃいますわ…。」
ベールのその言葉に、ネプテューヌも納得するような表情を見せる。人は困難に立ち向かう時、頭を使う。そのため、自然と体内の糖分を使用してしまう。それは女神も同じだ。それによる影響、肥満もまた、女神にも起こる。だからこそ、ベールはその心配をしていたのだ。
その一方、ノワールの付き添いでやってきていたユニが呟く。残念ながらネプテューヌの耳に聞こえることはなかったが、ベールの言葉の意味を認識違いしていて、脂肪が別の所につくと思っての発言だったのだ。
ユニの言葉は拾われることなく、続いてブランの付き添いであるラムやロムがネットへの書き込みに対し怒りと悲しみを見せる。
「でも、ひどい人もいるわよね。どうして悪口やウソばっかり平気で書き込むのかしら。」
「お姉ちゃんたち、かわいそう…。」
二人の純粋な気持ちは、その場にいた全員に同情とやるせない気持ちをもたらす。そんな疑問はもっともだが、それをなかなか解決出来ないのが当たり前だ。
ピュアな感情を言葉にした二人に、教えるような口調でベールが語る。
「考えられるのは、二つ。一つは、愉快犯による犯行。そして、もう一つは私たちを陥れたい誰かの陰謀ですわ。」
ベールの言葉は正しく、それらによるものだろうと、四女神は思っていた。ネプテューヌとしては、オンラインゲームで悪口を書き込んでくるようなものだと捉えていた。それもまた、ネット上で起こる問題である。難しいことが苦手なネプテューヌとしては、そちらの方が分かりやすかったので、そう考える。
ラム、ロムに対し、ベールが落ち着いた様子で答える。
「その場合、敵対しあっている国が犯人なのですが…、さすがに、この中ではそれはありえませんわ。」
「お姉ちゃんたち、みんな仲良し。」
その言葉を聞いて、ロムたちも安心した様子を見せる。だが、事態はそんなに簡単な話ではなかった。
「えぇ。なので、わたくしとしても、四人揃って、この時期を乗り越えたいのですが…」
ベールが何か言おうとしたところで、急にノワールがわたしに話を振ってくる。
「ねぇ、ネプテューヌ。そういえば、お茶会の他に、何か重要な話があるとか言ってなかった?」
「そういえば、そんなことを言ってたわね。つい、愚痴るのに夢中で忘れていたけど…。」
もー、なんなのさ、ノワール!それにブランも!ベールが何か重要なこと言おうとしてたのにー、って怒るとこだけど、なんだかベールもマイナスな話をしようとしてたし、なにより、わたしがみんなをお茶会に呼んだもう一つの理由に触れてくれたから、おかげで思い出したし、話さないといけないね。
考えを切り替えたネプテューヌが、ノワールの質問に答える。
「そうそう、そうだよ。わたしもすっかり忘れてた。えっとね、こういう時期だからこそ、個別に対応するんじゃなくて、みんなで連携して乗り越えられないかな、って思ってるんだ。」
「…ネプテューヌにしてはいい案ね。わたしも、一人では限界を感じてたところ。」
それは、共に助け合って、この危機を乗り越えようという考えであった。一人よりも二人、二人より三人、そして、三人より四人。単純に数が増えれば、この危機を乗り越えられる手も考えることができるはずだという考えだ。
ストレートな案に、ブランも賛成を示してくれた。その言葉を受け取りつつ、さらにネプテューヌは持論を展開する。
「でしょでしょ?三本の矢は一本の矢よりなんたらって言うように、こんな時だからこそ協力しあうべきなんだよ!」
明るく未来に目を向けたネプテューヌの発言だったが、それに賛同しつつも、なかなかそれを実行できないとノワールが頭に手を当てて言う。
「協力、ねぇ。いい考えだと思うけど、それはそれでまた叩きの材料にされるのよね…。」
「『慣れ合い政治乙!』や『一人では何もできない守護女神』とか批判の書き込みが目に浮かぶようですわ…。」
「い、いくらなんでも、ネガティブになりすぎじゃあ…。」
ノワールの意見に、ベールも同意だという声を出す。それを聞いていたネプギアも、気まずそうにする。しかし、そのネプギアに、先程ネプテューヌの意見に賛成を見せたブランも、憂鬱になりながらこれまでの苦労を呟く。
「実際に長時間叩かれてみればわかるわ…。良かれと思ったこと全ての揚げ足を取られて叩かれるんじゃ、こっちまでマイナス思考になるわ…はぁ…。」
それらの言葉を聞いてると、そういったマイナスな言葉も思考も出てくるよね。あんまり考えたくはないけど。
でも、今回はそれだけじゃあ、ないんだよね。そう思ってわたしは納得しづらい雰囲気を出している三人を説得する。
「確かにそういうことにもなるよ。でも光樹のガンダムのAI?のゼロが言ってたよ。マイナス思考になってしまったら、失敗しか結果としてならないって。」
「ネガティブさが却って失敗を招く、という意味ですわね。」
「確かに。何もかもマイナス思考じゃ、冷静な判断は下せないわ。」
ネプテューヌがゼロに言って、ゼロが答えた回答の言葉を、ネプテューヌが言う。しかしながら、ゼロの言葉はネプテューヌも理解していた。というより、ゼロが説明したことを、ネプテューヌが理解できなかったため、ゼロが簡単に説明を行い、ようやくこうした言葉になっただけなのが真実ではあったが。
しかしながら、その言葉にベールとブランの二人も納得する。残るノワールにも、更に言葉をかけていく。
「それにさ。今ここにはいない光樹も言ってたけど、わたしたちって、これまでもみんなで協力して、大きな問題に解決してきたでしょ?だから今回も力を合わせて…。」
「協力して、このゲイムギョウ界の危機に立ち向かう、ってことね。いつも通りのことだけど、それが私たちにとって一番なのかもしれないわね。まだ、どうやってするかを聞くまでは納得はしないけれど。」
「そうそう!いやー、さすが光樹!わたしたちのことを外からよく見てるよ!」
ノワールの言葉を聞き、ネプテューヌも少し肩の荷を下ろす。だがしかし、ノワールはネプテューヌが考えた案によって行動すると言った。まだネプテューヌとしても、この計画に賛同してもらう必要があると理解していた。
一方、その案はネプギアたち女神候補生からは期待の声が上がっていた。女神候補生たちは全員で姉たちの力になりたいと思っていたためであろう。
その中で、ユニが先程のネプテューヌの言葉に期待を寄せる。
「でも、やってみる価値はあると思います!きっと、ネプテューヌさんのことだから、凄い案があるんですよね!」
ユニからの言葉は当然だ。案がない状態でこんなことを言うわけはない。ちゃんとネプテューヌなりに、考えた案があった。その案は、光樹どころか、ゼロもスケールの大きさに少しの間言葉を失わせるアイデアだったのだから。
「それは期待し過ぎな気がするけど…、実際はどうなのよ、ネプテューヌ。」
わたしに期待を寄せる自身の妹であるユニちゃんを心配するノワール。でも、ノワールなら、きっとこの案に賛成してくれることを信じて、わたしは宣言するよっ!
テンションを上げてネプテューヌは自身の案を出す。
「うん、わたしたち四国共同で、おっきなおっきなお祭りをやろうと思うんだ!」
「お祭り?それなら、どの国も毎年やってるじゃない。」
その案を聞いて、ノワールがそのことを口にする。ノワールの言う通り、このゲイムギョウ界にもお祭りは存在する。
しかしながら、それはネプテューヌも理解していた。そして、それらを踏まえての意見であることを強調する。
「それは国別でしょ。わたしがやりたいのは、四国合同の、言わばゲイムギョウ界感謝祭的なでっかいやつ。で、国家予算の全部をパーッと派手に使っちゃうんだ!」
ネプテューヌの発言に、ノワールたちが唸る。そう、ネプテューヌが考えていた、一番のセールスポイントこそが、国家予算のすべてを全て使うということであった。
その言葉に、まだ話の内容を聞いていなかったネプギアが躊躇いの声を出す。
「さすがに、それは…」
ネプギアとしても、その意見に賛成するのはいないと思っていたのだ。だがしかし、ネプテューヌはこれに食いつくはずだと思っていた。予算を抑えた政治をするよりも、とんでもないビッグな考えで行った方が、国民からも逆に信頼が得られるかもしれないという、ハイリスクハイリターンな状況にしようという考え。これまでの対応にこまねく状況を打開する、いい案のはずだ。
現に、それを聞いた三女神たちも…。
「………。」
まんざらでもない様子で、それぞれ考え込む。ネプテューヌの案による結果を思案してるのだ。
考え込むのが終わったノワールが、まずはその意見による結果を出す。
「…いえ、いいアイディアね。」
「えぇ!?」
いつものノワールとは違う、リスクを選択した回答に、ネプテューヌに期待を寄せていたユニも思わず声を高くして驚く。が、その言い方は誤解であることをユニに言う。
「誤解しないで。国家予算の件は流してただけよ。」
「よ、よかったぁ…。」
残念ながら、ノワールは当然のように予算を大きく使うハイリスクを避ける選択だった。ユニも姉の壊れたともいえる回答に納得して息を吐く。しかし、ネプテューヌの案に否定というわけではなく、ゲイムギョウ界感謝祭的な考えには賛成するという結果であった。
いやー、ノワールからわたしの意見に賛成してもらえるなんて!でも、やっぱり予算の件になると、そこは譲れないよね。仕方ないかぁ。でも、感謝祭だけには賛成してくれるんなら、無問題だね!
ノワールの賛成に、ネプテューヌも笑顔を見せる。そこに、ベールとブランも賛成の意見を並べる。
「わたくしもネプテューヌの意見に賛成ですわ。今までは国ごとの対応でしたが、この案なら、何か変わるかもしれませんわ。」
「そうね。…もしかしたら、陰で変な情報を流している犯人を炙り出せるかもしれないわ。」
「変な情報を流してるって?」
そこでブランの言葉に引っかかったネプテューヌが、ブランに聞く。陰で変な情報を流している犯人というのが気になったためだ。
そこに気づいたネプテューヌにブランはこれまでに分かっていることを説明する。
「まだ確証はないけど、わたしたちに関してデマや嘘を流して人々を不安に陥れているやつがいるの。」
「これは、あくまで推測ですが、規模的に何かしらの組織の犯行ですわ。でなければ、この量の情報操作は無理ですわ。」
ブランの説明に、ベールの付け足しも含めて、ネプテューヌは相槌を打つ。三人はネプテューヌがいない間のプラネテューヌの支援に加えて、それらも連携して調べていたことを知り、称賛する。
「わたしが向こうに行ってる間に、みんなはいろいろ調べてたんだね。」
そのネプテューヌの言葉に対して、ノワールは溜息を付きつつも、話をまとめる。
「まぁ、ネプテューヌがこういうのに疎いのはいつものこととして、ゲイムギョウ界大感謝祭、やってやろうじゃないの。」
「じゃあ、みんなでお祭り成功させるぞー!」
『おーっ!!』
こうして、ネプテューヌたちの、ゲイムギョウ界大感謝祭の計画が、始まることとなった。
TO BE CONNTINUED
今回もお読みいただきありがとうございます。最初の部分はゲームの超次元編の始まりを光樹君もネプテューヌの言葉として絡ませました。
ジャンヌ「光樹さんは、女神の皆様の事を外から見ていらしてる設定でしたからね。いいと思います。」
レイ「でも、案外今のゲイムギョウ界って黒いんだね…。」
何を言ってらっしゃる、レイさん。現実世界もこういった世界も、どこもどす黒さで満ちてるよ。ポケットに入るモンスターだって、今も昔も黒いよ?
レイ「藤和木が藤和木じゃないよ…。そりゃあ、私たちの世界でもそういったのはあるけどさぁ。」
え?何何?レイさんやジャンヌさんが枕え…(ドガッダン!!)
ジャンヌ「…藤和木?あなた今なんて言おうとしたんですか…?」
スミマセンナンデモアリマセン。
ジャンヌ「全く…レイさんを変なものに関わらせないでくださいっ。」
レイ「?ジャンヌちゃん、藤和木が言ってたこと分かるの?」
ジャンヌ「レ、レイさんには関係ないことですっ!さぁ、藤和木!次回予告の方行きますよ?」
ほいな。次は特に障害なし!土曜日でイッテイーヨ!!
レイ「どこかの仮面のバイク乗り君の武器かな?」
ジャンヌ「それでは皆様。また次回っ。」