新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
ジャンヌ「こんなところで愚痴らないでください…。どうも、皆様。ジャンヌ・ドラニエスです。」
レイ「でもでも!教室いい感じだよっ!本当に家の中みたいでさっ!どうも、みんな!レイ・オーバだよっ!」
さぁ、今回でようやく零次元編こと第2章終了!第3章へのつなぎとなるエピソードになります、第81話の投稿です。計90話ですよ。
レイ「鈴ちゃんや絵里奈ちゃんの他にも新しい登場人物もでるよっ。」
ジャンヌ「話し相手としてだけは出ている方もいて、本当に新登場となる方は少なめですね。皆様は分かるでしょうか?」
さて、そろそろ本編へ!
光樹達が零次元を去った直後、とある世界のとある部隊では、大きな動きをみせていた。空中要塞の作戦室に、次々と人が集まっていたのだ。そのメンバーは、いずれも青年、もしくは少女で、大人には不十分な幼さを残しつつも、表情を真剣にしていた。
そして、そこに一人の少女が更に入ってくる。少女は黒髪をツインテールでまとめ、肩の前に垂らした髪型をしていた。更に服装はオレンジを基調に白と水色の入ったジャケットとスカートを纏っている。しかしながら、その表情は性格が出ており、少し垂れ目になっていた。
しかし、容姿はしっかりとした服装であり、その意匠は他のメンバーの服にも見られていた。それも当然、それは組織共通の制服だったからだ。
色鮮やかな制服を身に纏った青年少女達は、その少女が入ったことで合図のようにその少女の方を向く。それに対してやってきた少女は気をつけをすると、右手を額に当て、敬礼をする。それに合わせ、他の者達は彼女に対し答礼を行う。
それら一式が終わると、少女…福内絵里奈は声を出す。
「じゃあ、今から報告するよー。光樹君の行方についてと作戦行動について。鈴ちゃん。観測機器の情報をー。」
絵里奈は今回全員を集めた理由を話す。それは、二日前より行方不明の少年であり、GKSWAXPの総司令、そして、絵里奈が思いを抱く青年、和藤光樹の行方についての報告結果とそれに基づいた行動確認であった。
まるでやる気のなさそうな声ではあったが、それが彼女の平常運転の姿でもあった。いつも通りのその呼びかけと共に、一人の少女が前に出る。少女はショートカットの髪に、同じような制服の内、下をズボンタイプのものした服装を身に纏う。そんな彼女だが、その顔は、超次元にてケーシャやネプテューヌと共に戦ったあの少女の顔だった。
彼女の名は「光木鈴」。超次元ゲイムギョウ界にて光樹の捜索を行っていた、MP「ガンダムR-EXE・グレイガ」を操る少女だ。鈴は早速、端末を操作する。すると、足元のパネルにいくつものデータが表示される。いくつか開いた後、鈴は説明する。
「まず、さっきの時の次元力観測機器で得られた次元波についての報告から行くわ。この次元波だけれど、波状識別から、これはゴッドクロスのものだということが分かったわ。」
「ゴッドクロス…つまり、ダイモードを起動したってことか?」
鈴の報告に、青年が口を開く。紺を基調とした服を着る青年、古谷 勇也(ふるや ゆうや)だ。
彼は光樹とかつて鈴を巡って対立していたこともある青年だ。結局は二人共、今は振られ、特に理由なくいがみ合っているのだが。しかしながら、その腕は一級で、光樹と張り合うことができる数少ないトップエースの一人でもあった。
勇也のその指摘が正しいことを、鈴は報告する。
「そう。時間としては、ゴッドクロス・ダイの最大稼働時間の約5分の1程度だけどね。」
「最大稼働時間に満たない…これって鈴ちゃんが聞いてたとおりってこと?」
鈴の言葉に、絵里奈がそう聞く。聞いてたとおりとは、光樹の記憶喪失のことについてだった。
鈴が元のこの世界に戻り、状況を報告した際に、絵里奈や他の全員も光樹が記憶喪失であることは聞いていた。
けど、最初聞いた時には、驚いたなぁ。光樹君が生きてることと、…記憶がなくなっていることに。こうして反応が検知されることから、記憶がなくても戦える、それか記憶が戻ってきてるのか。どっちかは分からないけど、光樹君は元気にやってるみたい。
絵里奈は光樹がどうしているのか気になり、考えを巡らせる。しかしながら、絵里奈が考えている間に話は進む。
「多分ね。おそらく光樹は、記憶がないことでゴッドクロスの性能を引き出しきれていないのよ。」
「それはきついな。ゴッドクロスは、俺達2代目SSRNPがマスターだった時代のNPをモデルに作られたVVVシリーズ第3世代型だろ?制御も難しいし。」
「松木。俺ら3代目SSRNPのマスターが言うセリフだろ、それ。」
鈴の出した結論に青年が付け加えるが、その松木という名の青年に、スポーツ刈りの青年、鈴宮敦也がそんな言葉をはっきりと言う。後代が先代に対しいろいろ言うのは少しおかしいかもしれないが、彼らは全員同級生。そのためタメ口で話すことが多かった。
その証拠に、敦也のNPの先代である「松木 悠(まつき はる)」はその言葉に対し笑って返す。
「そうだな。でもまぁ、光樹と一年間戦闘を共にしたから、つい気になるからな。今のマスター程、言えないこともないからな。」
「ははっ、流石だな、俺の前にガンダム・ホワイトジャックシリーズを使ってたことはあるな。」
「うーん、二人とも、そういう風に楽しそうにするのはいいけどさー。それだったら、私たち、「初代」メンバーの方が、付き合いは長いんだからねー!」
悠と敦也の会話に、絵里奈がいきなり入っていく。しかし絵里奈としては、光樹とは一番付き合いが長いといえる自分の方が心配しているということをどうしても示したかったのだ。
その言葉に対し、作戦会議の場に笑いが起こる。
「くくっ!」
「ははは!」
「へ?わ、私、何か変なこと言った!?」
いきなりの笑いに、絵里奈は戸惑う。絵里奈は自分も光樹を心配しているということを示したかっただけだった。
だが、絵里奈の言葉は、ある意味では誤解を生む言葉だった。そして、それをメンバーのほとんどがそっちの意味で解釈していたのだ。
そんな事も知らず、戸惑う絵里奈に、他の2代目、3代目SSRNPのマスターとなった者たちがフォローに入る。
「大丈夫。絵里奈さんはそれでいいんですって!」
「そうだよ。絵里奈ちゃんが別におかしいってわけじゃないんだから。でもちょっと…笑っちゃうけれど!」
「えぇー?真奈ちゃんに真由美ちゃんまでー。おかしくないって言ってるけど、笑ってるよー!?」
絵里奈にそう言ったのは2代目SSRNPマスターである「米山 真奈(よねやま まな)」と「岡野 真由美(おかの まゆみ)」だ。2代目からは初代メンバーである絵里奈や鈴、勇也とは学校が違う為学校生活では特に関係は深くはなかった。が、GKSWAXPのメンバーに初代メンバーの光樹以外の三人が戻って以降は、任務を行う内に今のような関係となっていた。
そんな二人のフォローに絵里奈も思わず友達との話の時のように笑って返す。が、そこで鈴の咳き込む声が響く。
「…ごほんっ。」
「!!鈴さん。」
その声で鈴の怒りを抑えるように、落ち着いた様子を見せる理恵が制止する。それで話の主旨が外れていることに気づいた絵里奈は鈴に謝罪する。
「あー、鈴ちゃん、ごめんねぇ。そういえば、今回の集まりは、光樹君の場所が分かったことでどうするかってことだったよねー。」
「まぁ、あなたがあの馬鹿の無事を気にしてるのは今に始まったことじゃないし、気になるのは仕方がないわ。でも、今は馬鹿との合流が先なんだからね。」
鈴は絵里奈の言葉を聞いて、溜息をつきつつも、改めて目標の確認を取る。しかし、鈴による光樹に対する馬鹿発言に絵里奈は文句を言う。
「うー。鈴ちゃん相変わらず光樹君のこと馬鹿扱いするよねー。」
「それだったら、古谷も同じよ。」
「そこで俺を出すか…。」
「いいじゃない。今でもあたしのことについて二人でいろいろと言い争っているんだから。」
いきなりの責任転嫁に、勇也も驚きを隠せないでいた。しかし、事の重大性を考えて、勇也は特に反論なく口を閉じる。そうしてようやく静かになったところで鈴は再び話を元に戻す。
「とりあえず、あたしたちの今後のことを考えた結果、GKSWAXP総司令、「和藤光樹」の復帰が必要。…そして更に、もう一つ重要なことが発覚したわ。」
「重要な、ことですか?」
鈴の意味深な言葉に、青色のジャケットを纏う少女、京香が疑問を口にする。鈴の話し方から、何か嫌な感じがしたためだ。それは京香だけでなく他のメンバーも同じことを思っていた。
一体、何があったのか。全員が鈴の言葉に注目する。その鈴から告げられた事実は、絵里奈すらも慌てさせることとなる。
「光樹がゴッドクロス・ダイを起動させた世界で、共鳴するように次元波を観測したわ。…それも、京香から報告のあった、光樹を追いつめたNPのね…。」
「…へ?」
♦
周りの風景が光が溢れる空間だけ、という状況の中、光樹達はその光の中を一直線に進んでいく。現在光樹達はうずめ達がいた零次元から、元の次元、超次元への帰還途中だった。イストワールの開いた次元移動ゲートの内部だ。シェアの力によるもののためか、いるだけで目がだんだんとチカチカとしてくる。
「なんか、目が疲れるなぁ。」
「ちょっとそれは言えますね。でも、シェアの道によるものですから仕方がないですよ。」
疲れたことを呟く光樹にネプギアは言葉をかける。光樹からしてみれば、この光景はかなり光樹の目に負担を掛けていた。先程まで極限までゴッドクロス・ダイを使用していたことも重なり、光樹は外傷はないのに体の方は限界に近かったのだ。既に何度かこの空間の中でふらっと体が揺れることがあった。しかし、それでもここを抜ければようやく安心して超次元に帰れる。それを思うと、光樹は意識を持ち直す。
そんな中、道の先をシェアの光とは違う光が差し込む。その光に気づいたネプテューヌが出口であることを知らせる。
「二人共!いよいよ元の次元だよっ!」
「お姉ちゃん、ほんと!?」
「ようやく、戻ってこれたのか…。」
「そうそう!早く帰っていーすんに無事な顔を見せよっ!」
そう大声を出したネプテューヌが先にゲートを潜り抜ける。その後を追いかけるようにネプギアも駆け出していく。
二人ほど元気ではなかったものの、二人に遅れるわけにもいかず、光樹もまたゲートの出口へと駆けて行った。
光が晴れる。先程よりも瞼で感じる明かりが弱くなったことで光樹は目的地へと着いたのだと悟る。そして、ゆっくりと目を開けた先に、小さな妖精、人工生命体イストワールの顔が映る。
「お帰りなさい。ネプギアさん、光樹さん。」
いつものイストワールの様子で、こちらに帰還を喜ぶ言葉をかける。かなりの間、イストワールとは会っていなかったので、なんだかすごく懐かしい空気を光樹は感じる。とはいっても、先程の戦闘の時には通信回線でながらも会っているので、間違っているのだが。
しかしながら、その声を聞いて光樹は安心する。ようやく超次元に帰ってこれたのだ。まだ本当の元の世界に帰ることは出来ないが、今の光樹にとっては、このゲイムギョウ界のプラネテューヌ協会ことプラネタワーが元の世界だ。
これから、どんなことが起こるのか、光樹は気になりつつも、イストワールに帰りの言葉を返す。
「あぁ、ただいまです。イストワールさ…ま……」
しかし、その言葉を言い終える前に、光樹は意識を失った。
「うん…ここは…。」
光樹は意識を目覚めさせる。しかし、目覚めたのは超次元の世界ではなく、最初に超次元に来た時に見た「夢」の世界であった。
久しぶりの「夢」の世界だったので、何なのだろうと思っていると、背後から声がかかる。
『久しぶりだね、光樹。』
「!!うずめ!…って、お前は…オレンジハート?」
光樹はすぐにその名を呼ぶ。言い直した理由としては、うずめの変身するオレンジハートとは雰囲気が違っていたため、こうした差別化がいると思い、オレンジ色の女神をオレンジハートととして呼んだのだ。
その言葉に、オレンジハートは笑みを見せて言う。
『フフッ。私のこと、少しわかったみたいだね。でも、残念だけど、私は彼女であって、彼女じゃない。』
「うずめであって、うずめでない?どういうことだ?」
その言葉に、光樹も疑問を浮かべる。うずめでないのは分かるが、うずめでもあるということに疑問を持ったのだ。うずめでないなら、彼女は一体誰なのか。光樹の頭の中はそれでいっぱいになる。
だが、オレンジハートは気にせずに言う。
『これで最初の次元は越えた…でも、気をつけて。まだ戦いは終わらない。物語はまだ、始まったばかり。』
「!始まった…ばかり…。」
光樹は顎に手を当て、下に目を向ける。確かにオレンジハートは三つの次元を巡り、自分を救うように要求した。そして、その最初の次元はうずめ達のいた零次元だ。これで残る世界はあと二つ。二つの次元で、何かをすれば、目の前にいるオレンジハートはおそらく助けられるのだろう。
そう思っていると、オレンジハートはそれを聞いていたかのように言葉を付け足す。
『私を救ってくれようとするのは嬉しいよ。でも、正確には、私と同じ姿をした女の子。つまり、天王星うずめこと、本当のオレンジハートを助けることになるよ。』
「何?君はオレンジハートじゃないのか?」
『うん。彼女であると言えば、言える。けど、私は違う。私は…』
光樹の質問に対し、オレンジハートもとい、橙の女神は言葉に詰まる。まるで、この先を言いたくないかのように。
しばらくして、再び橙の女神が単刀直入に言う。
『とにかく、あなたがやるべきことはただ一つ。これからも立ちはだかる敵を倒していくこと。そのガンダム。双子座の力を備えた機動兵器で。』
「それは、分かってる。でも、どうやって他の二つの次元に?またゲーム機を使うのか?」
橙の女神の言葉に、光樹は翻弄されていく。一応やってほしいことは分かるが、それを行うための方法が分からなければ、光樹はその役目を果たすことは出来ないのだから。
すると、橙の女神はその質問に返す。
『大丈夫…。あなたはもう…次の戦いの場にいる。ううん。「戻って」きた。これからは、…あなたの味方も……一緒…だ…』
「お、おい!!」
しかし、その最後の言葉を聞く前に、光樹の意識は元の世界へと覚醒することとなった。
「うっ…ここは。」
「あっ、光樹さん。大丈夫ですか?」
目を開けると、そこには濡れたタオルを持つコンパと、コンパの手伝いをするネプギアの姿があった。その様子からして、自身の世話をしてくれたことを悟る。
心配してくれていた二人の顔を見るため、光樹は起き上がる。
「うっ…く。」
「こ、光樹さん!まだ寝てなきゃ…。」
「大丈夫だよ、ネプギア。少し寝たらよくなったからな。」
心配するネプギアに、光樹はそう答える。
そこで、周りを見ると、そこは光樹の部屋だった。その事から光樹は二人がここまで運んで来たのかと考える。そうでないにしろ、布団の上で寝られたことで体のだるさは少し解消されていた。しかし、いまなお、体の痛みは残っていた。
しかしながら、その様子を見て、命には別条がないことを感じ取ったコンパが後は体を休めるだけであることを言った。
「それは良かったです。ギアちゃんやねぷねぷから呼び出された時にはどうなっているか心配でしたが、体の怪我は大丈夫みたいですね。後は一日安静にすればいいと思うです。」
「あぁ。そうかn…って痛た!?」
しかしながら、答える途中で体の痛みを感じ取った光樹は悲鳴を上げる。そのただならぬ声から二人は慌てる。
「こ、光樹さん!?」
「はわわ!外傷ではなくて、内部の怪我ですか!?」
そのコンパの言葉は正しかった。目立った傷は感じないものの、体の内部からの痛みを光樹は感じて悲鳴を上げたのだ。
そこでふと、光樹はゴッドクロス・ダイの注意事項のことを思い出す。
(そういえば、体に負担がかかるとか言ってたな、ゼロは。)
それにより、状況をなんとなく理解した光樹は二人を落ち着かせて理由を述べる。
「多分、大丈夫だ。この痛みはゴッドクロスの最後の切り札を使ったからだと思う。」
「ごっどくろす、です?」
「光樹さんのガンダムの、最後の切り札!?」
コンパはよくわからないような声を出すが、反対にネプギアは目を輝かせて興奮する。ゼロが何と言うかは分からないが、後日ネプギアにも見せてあげようと思い、光樹は言葉を続ける。
「あぁ。だから、これはその反動だと思うから、心配しないでくれ。」
「手当は、大丈夫ですか?」
「あぁ。だから、二人共晩飯の準備を頼むよ。何だかお腹が減ってさ。」
「分かりました。じゃあコンパさん、行きましょう!」
「そ、そうですね。機械によるものでは私もあまり役には立てないですから。なら美味しいご飯を作ってあげるです!」
そう言って二人は部屋を出て行った。一人になった部屋で光樹は夢の中での出来事について呟く。
「俺の味方…。ネプテューヌやネプギア?それとも…。」
だがしかし、そんないつのことかも分からないことを気にする気もなく、光樹はコンパ達が料理を作るを待って、再びベットに背を預けたのであった。
CHAPTER 2 END
TO BE CONNTINUED
NEXT CHAPTER 3 超次元編 四女神STORY 「黄金の戦士達と新たなガンダムマイスター達」
今回もお読みいただき、ありがとうございます。あとすみません。この後は黒の館です(汗)
レイ「そうだよー?黒の館で、光樹君のゴッドクロス・ダイの紹介ッ!」
ジャンヌ「それが終わって、ようやく第3章ですね。」
さーて、皆様も次の黒の館を見終えて、すぐに第3章を見たいでしょうが、私のスタイルは変えませんよ?(笑)…でもまぁ、次回は月曜日なんですが…
ジャンヌ「あら?黒の館は5日更新では?」
ごめん、流石に学園祭の疲れを日曜日だけで回復させるのは私には無理!それにちょっとそろそろシェアプロテクターの設定も詳しく書き留めておきたい。
レイ「まぁ、しょうがないよね。藤和木の学校の学園祭、金曜日と土曜日だもんね。」
ジャンヌ「そうですね。では、次回の投稿は月曜日ですっ。」
レイ「じゃあみんなー、また次回の黒の館でッ!」