新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
第7話、投稿です。
少し時間がかかり過ぎたことには目を瞑ってください。
では本編どうぞ。
「う…ん……。ここは?」
光樹はゆっくりと目を覚ます。そして、現在の状況を整理しようとする。
その時、
「あっ、光樹さん。起きたんですね!」
という声が聞こえる。声の主はネプギアであった。その隣にはコンパもいた。ネプギアはすぐにイスから立ち上がると、ドアを開け、「お姉ちゃん!アイエフさん!光樹さんが起きたよ!」と叫ぶ。
その間に光樹は状況を把握する。
(そうだ、俺はあの時、気絶して…。)
周りを見ると、今自分が寝ていたのが自分の部屋であることが分かった。
状況を理解したところで、部屋に新たな人物たちが入ってくる。ネプテューヌとアイエフ、それにイストワール様だった。
「やっほー、光樹―!大丈夫?」
「ああ、心配させてごめん。」
「全く…いきなり気絶するんだから…。それより、分かっているわよね?」
「?何?」
光樹がそう聞くと、アイエフが溜息をつく。その溜息に疑問を持っていると、ネプギアが前に出てくる。
「光樹さん、お願いします。…さっきの戦闘で装着していたあのメカを、解析させてください!」
「そういうことか。」
ネプギアにそう言われて、納得する。そういえば意識を失う直前に、ネプギアにあの「ガンダム」を触らせることを言っていたような気がする。
だがそのことをアイエフも言ったことは、おそらく「そういうこと」なのだろう。
謎の兵器を使用した以上、危険人物として認識されている、ということに。そうなれば、こちらも、思い出したことを話さなければならない。
「分かった、協力するよ。ちょっと待ってて。」
そう言ってベットから起き出すと、あの流星ペンダント…いや、正しくはデバイス「シューティングスターB」を手に持ち、はっきりとした声で言う。
「セット・オン!」
その言葉と同時に、部屋の中にノイズの球体が出現する。そしてそのノイズが晴れると、あの機動兵器を身に着けた光樹が姿を現す。
「いやはや、今見てもかなりカッコイイよね!頭の姿以外は。」
「はいはい、ネプ子は少し黙ってて。…で、それ外せるの?」
「ネプテューヌの意見は確かにそうかも…っと、そうだな、アイエフ。エース、セパレート!」
『了解、セパレートモードを起動、装着者を排出します。』
エースの音声と同時に機体が光り輝く。そしてその光が分離する。その光が消えるとそこには光樹とガンダム・ブラックエースⅣが存在していた。
「わあ、すごい!どうやってそれを外しているんですか?」
「ごめん、詳しい原理は覚えていないんだ。とりあえず、ネプギアについて行ってくれ、エース。そのあとは…」
『分かっています、解析ですね。大丈夫です。私は抵抗しません。』
そう答えると、ネプギアとエースの操るガンダム・ブラックエースⅣは部屋の外へと出ていく。
その様子を見届けると、イストワールが口を開く。
「では、光樹さん。アイエフさんから聞いたのですが、思い出したこととは一体?」
「ああ、それですね。それはあの機体…いや、俺の世界で言うなら、「ガンダム」ですね。それについて思い出しました。」
「ガン…ダム?」
イストワールがそう復唱する。この時は気づかなかったが、アイエフも小さく「ガンダム…ねえ。」と言っていた。
「ええ、そうです。あれは、あの姿は俺の世界でテレビアニメとして放送されている機動兵器、モビルスーツの種類の一つなんです。」
「アニメですか…でも、なぜそのような架空上の物を、光樹さんが?」
イストワールがそのような質問をしてくる。まあ、予想通りの問いだ。そこで俺は早速、思い出したことを話す。
「俺が思い出した範囲で、ですが話しましょう。俺の時代の約5、6年に、とある事件が起きたんです。それはとある遺跡が爆発したんですが、そのあたりから、あのガンダムのようなノイズドプロテクター…通称NPという機動兵器が出現するようになったらしいです。」
「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
そう話した辺りで、アイエフが言葉を遮る。何に反応したのだろう。
「なんだ、アイエフ?」
「その遺跡とNPが何の関係が…」
「ああ、それは簡単だよ。NPって古代の人々が残した、いわゆる「オーバーテクノロジー」ってやつだよ。」
「なっ…!」
「おおー!スゴイじゃん!正に昔の人が残した超兵器って感じで!」
アイエフが絶句し、ネプテューヌが話に食いついてくる。アイエフが絶句するのには驚いたが、ネプテューヌの反応は予想できてた。ネプギアが知れば、いや、知るだろうから、おそらく大喜びだろう。
と、そこでイストワールが聞いてくる。
「でも、なぜそのようなことを?」
「それなんですけど、実は最近の学校の社会系の授業で教科書に載っているんですよ。それに確かその事件は普通にニュースで取り上げられるようになっていたんですよ。もちろん、NPの事もね。」
「なるほど、つまり光樹さんはそれを知っていたから…。」
「はい。で、あの機体は俺のNPなんですよ。」
「じゃあ、なんでそんなものをあんたが持っているのよ!あんな危険なものを、高校生が持つことなんて考えられないわ。」
そこにアイエフが疑問をぶつけてくる。だがその質問には今は答えることは出来なかった。なぜなら…。
「実は…あの機体の名前と武装について少し思い出しただけで、なんで持っているのかも分からないんだ…。」
『…え?』
三人が同じ反応を取る。まあ、無理もない。言った俺自身も、言ってて「何言ってんだ」と思っている。
そんな状況を変えるため、光樹は話を振ることにした。
「ま、まあとにかくだ。俺は少なくともみんなの敵ってわけじゃない。むしろ元の世界ではネプテューヌ関連のゲームが好きだったし…とりあえず、俺の今話せることは話したから、どうするんだ?」
「そ、そうですね。とりあえず、光樹さんの話は本当のようですし、あとは光樹さんのガンダムの解析が終わってから、その結果で判断しましょう。」
「確かにそうですね。光樹自身も悪意はないようだし…ネプギアとプラネテューヌのメカニックの解析が終わるまで、少し待ちましょうか。」
イストワールとアイエフの言葉を聞いて安堵する。この状況でも信じてくれるその精神に感謝しなければならない。
「よーし!じゃあそれまでの間、おやつでも食べない?」
「ではそうしましょうか。光樹さんも何か甘いものでも欲しいのでは?」
「そうですね。ちょっと小腹すいちゃいましたし、何か食べましょうか。」
そう言って光樹達は部屋を後にした。
♦
「お待たせしました!機体の解析、一先ず終わりました!」
ネプギアがリビングに入ってくる。その服には少しオイルが付いているので、おそらく機体の簡易的なメンテナンスも行ってくれたのであろう。
光樹はそんなネプギアに対してお茶と茶菓子を手に持って、差し出す。
「お疲れ様、ネプギア。で、どうだった?調べてみた感想は。」
「はい!もう最高でした!こちらの世界にはない機械パーツがいっぱいで、少しパーツをもらっちゃおうかと…」
「え?マジでパーツ抜いちゃったり?」
「冗談ですよ。あの機体を見ていてわかったんですけど、あれは精密機械の塊のようなものだったので、下手をすると動かなくなっちゃって光樹さんが困ってしまいますから。」
一瞬、本当だろうか、と思ってしまったが、すぐにその考えは捨て去った。先程のイストワール様やアイエフが自分の話を信じてくれたのに、自分が他の人を信用しなければ、信頼は生まれない。
「お疲れ様、ネプギア。で、分かったことは何?」
「まず、ハードウェアから分かったことを言いますね。」
アイエフの言葉にそう返して、ネプギアは空いていたイスに座る。
お茶を少し口にしてから、ネプギアは報告を始める。
「あの機動兵器には特殊な動力機関がありました。光る粒子を放出していて、その粒子があの機体の持つ武器のエネルギー、機動のための源になっていることは確かだと思います。武装の方は、その粒子…エースさんから教えてもらった「AN粒子」の性質をふんだんに利用したものでした。」
「なるほど…つまりそのAN粒子によってあの機動兵器…ガンダムはフェンリルの群れと互角に戦えたのですね。」
「おそらくそうだったんでしょうけど、でもあの数のフェンリルを倒せたのは、機体を制御するシステム系のおかげだと思います。」
「?どういうこと?」
アイエフが首を傾げる。どうやらシステム系がフェンリルを倒した大きな要因であることが納得できないようだ。
そこでネプギアがそのことについて話を続ける。
「実はあの機体のインターフェースであるエースさん、ACEシステム・ノルンがあの時は機体制御を行っていたそうなんです。主に射撃時のロックオンとか、機体のスラスターの制御とか担当されていたらしいです。」
「…ってことは、光樹は何もしてなかったの?全部、エースのおかげなの?」
ネプテューヌが鋭いツッコミを入れられる。確かにそこだけを聞くとそう思ってしまうのも無理はない。でも、俺もちゃんと戦っていたんだぜ?
と、そこでネプギアがフォローを入れる。
「でもエースさんからの話では、光樹さんがそれを自分の意志でやったから、自分はそれのアシストをしただけだ、とのことです。」
「へえ、ちゃんと光樹が動かして戦ってたんだね。やっぱ、光樹すごいね!」
「考えをくるっと変えたな。」
「ネプ子はこうだから、気にしないでおきなさい。で、他は何かわからなかったの?」
「あ…実はですね……。」
アイエフの質問に対し、ネプギアは少し狼狽える。だがすぐにそのことを話す。
「あの機体、ほとんどがブラックボックスのようになっていて、分かったのはエースさんの事とAN粒子を生み出すANドライヴの事と、バトルカードシステムと言う、特殊な武器召喚システムがあることしか…」
『バトルカードシステム?』
イストワールとアイエフ、それにネプテューヌが一斉に口にした様子に、光樹は少し笑ってしまいそうになる。まあそれはネプギアが説明してくれるだろうと考えたが、ネプギアの方を見るとネプギアもどう説明したらいいか困っている様子が見て取れた。
仕方ないので光樹は席を立って説明することにした。
「簡単に言えば、カード状のプログラムをロードして、武器を生成するものだよ。場合によっては腕を換装するような物もあるけどな。で、これのモデルは流星のロックマンっていうゲームのバトルカードっていう攻撃方法なんだけどな。」
「つまり、武器を何でも呼べるってわけ?」
「まあその認識でいいよ。でもオリジナルは一戦闘に30枚しか使えないけどな。ネプギア、あれは何枚まで使えるか分かった?」
「あ、それは一回変身したら、30枚までだそうです。」
「マジか…少なすぎだろ。だからこいつには武装が取り付けられているのか…はたまたバトルカードシステムは趣味で付けられたのか…現状の記憶では後者…いや、名前的に前者かな?」
そう言いながら茶菓子を口にする。
他のみんなも少し食べることに集中して、しばらく沈黙が続いたのち、ネプテューヌが口を開く。
「それで、これからどうするの?」
「それなんだけど、実は武装のテストもしようと思ったんだけど、エースさんに「この環境では通常出力のビームでも被害が出てしまう。」ってことで出来なかったんだ。」
「そうですか…これは困りましたね。」
まさかエースの発言によってまだ武装の分析がまだ終わっていないとは。だがネプテューヌ達もあの機体の性能を知っておかなければ、戦闘面や日常面で困るかもしれない。
「何とか武装のテストが出来る場所を見つけないとね…どうしたものかしら。」
アイエフの言うとおりだ。プラネテューヌは割と技術が高い方なはずだから、大丈夫だと思ったのだが…こうなると別のところでやらなければならない。
(だけどプラネテューヌの教会の施設以外に軍事的なもののテストが出来るような場所なんて……いや、待てよ。)
その時光樹の中で一つのアイデアが浮かんだ。それは、このゲイムギョウ界の設定から思いついたものであった。だがそれを行動に移すには、ネプテューヌやイストワールの許可をもらう必要があるだろう。けれどもそれ以外にはいい方法は無いだろう。
そこで、光樹は思い切って言うことにした。
「あ、あのさ。」
「?何でしょうか、光樹さん。」
「何かいいアイデアでも思い浮かんだのかしら?」
「絶対いい、とは言えないけどな。…このゲイムギョウ界にはあるじゃないか。軍事に特化した国が。」
『!!!』
そこにいた全員が一斉にその言葉に反応する。どうやら気づいたようだ。光樹の案に。
そして、ゆっくりと言う。
「四大国家の一つ、リーンボックスに協力を要請する、っていうことだ!」
部屋にそう響き渡った。
TO BE CONNTINUED
いかがだったでしょうか。
次回からはリーンボックスに舞台が移ります。
それから、次の投稿日なのですが、こちらの都合により、来週の火曜日にさせていただきます。
理由は実は今、テスト期間で全然話を書けていないのが一つの理由。
もう一つが、新しいオリジナルガンダムの設定を決めるためです。
前者は勉強のためなので本当に申し訳ないです。
後者は以前から考えていたオリジナルガンダムの細かな設定と、それとは別のオリジナルガンダムのベースを変えるため、それの期間が必要なためです。現状では3、4日かかると思います。
ということで、来週の火曜日にお会いしましょう。
皆様の中にも、テスト期間の人がおられたら、頑張ってください!自分も頑張ります。