新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
レイ「みんなー、元気ー?レイ・オーバだよっ!…って、あれ?ジャンヌちゃんは?」
あぁ、それが…
ジャンヌ「Gは消えなさいGは消えなさいGは消えなさい…(ブツブツ)」
レイ「あ、ひょっとして藤和木の学校の準備の時の?」
そうです。実は前準備で取りに行った場所で、ガンダムじゃないGが出現しまして…その時にジャンヌさんが肩から落ちて、目の前にGが出たショックで錯乱中です。
レイ「先週は藤和木が胃腸風邪で、今度はジャンヌちゃんがノイローゼ?なの?」
ははは、私もガンダムじゃないGは怖いから逃げたので原因の一つですがね。さて、今回は第80話を投稿です。もうすぐで計90話くらいになります。
レイ「今回は、光樹君達とうずめちゃんの別れ、だね。」
二人は別れ、一つの物語に、終わりが迎えようとする。今がその時です。では、本編へ。
「何故ダ、ナゼ勝テヌ!?」
ダークメガミもとい、マジェコンヌはそう呻く。体が消えようと粒子を飛び散らせていた。その事を大きなネプテューヌも気づき、指摘する。
「見て!マザコングが崩れていくよ。」
マジェコンヌは何とかしてそれを食い止めようと抗うが、もはや何をしても無駄だった。ダークメガミの声に同調してマジェコンヌも消えたくない一心で叫ぶ。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!?!?」
だが、そんな必死の抵抗も虚しく、マジェコンヌはダークメガミの体ごと、消滅していった。それを確認すると、オレンジハートがぼんやりとしつつも、声を出す。
「…勝った、の?うずめたち、勝ったんだよね?」
それは、勝った事実を未だに信じられない気持ちから出た言葉だった。オレンジハートとしては、自身が願い続けていたことであったため、それがまるで夢のような出来事なのだから。
そんなオレンジハートに対し、戦闘中に岩陰で隠れていた海男が笑みを見せて答える。
「あぁ、オレたちの勝利だ。」
その言葉を聞いて、ようやくオレンジハートは喜びを露わにする。そして、完全にシリアスな雰囲気を吹き飛ばして、喜びを解放する。
「やった!やったよ海男!今度こそ、本当に勝ったんだよー!」
オレンジハートの喜びに同調したい気持ちがあったが、それでも、向こうの方で戦っていた青年…光樹が決着を着けなければ、本当の勝利とは言えない。それを海男らも呟く。
「嬉しい気持ちは分かるけど、まだ光樹の方が終わっていないかもしれないからね。油断はまだ早いよ。」
「そうですね。光樹さんが苦戦しているかもしれませんし…。」
「そうだね、海男、ぎあっち。…あれ?でも光樹が行った所、もうでっかいガンダムの姿が見えないね。」
そう言われて、パープルハートも気づく。
うずめの言うとおりね。確かにどこを見ても、あの巨体の機械の体は見えない。もしかすると、本当に光樹一人だけで倒した可能性もある。
そして、それは現実であることになった。
「見て!あの機体。あれって光樹じゃない?」
「本当だ!光樹だよっ!!」
パープルハートたちに向かってくる物体を確認する。それは六枚の羽根を備えた機械の人、光樹であることを示していた。
こちらに気づいたように、接近してくる存在は、こちらに飛んでくる。徐々に近づいてくるのと同時に、それが光樹であることが確実となる。その接近に大きなネプテューヌもオレンジハートも声を高めて気分が高まる。
光樹のガンダムが地面に降り立つと、光樹がこちらに聞いてくる。
「こっちも終わったよ。そっちも倒せたみたいだな。」
「はい!」
「少し手こずったけれど、問題ないわ。それより、あなたのガンダム、しばらく見ないうちに随分と変わったわね。」
私は無事に倒したことと共に、光樹のガンダムの話題について触れる。既にネプギアたちが体験している話題だけれども、ここはそれに触れた方がいいかもしれないから触れておくことにした。
その質問に対し、光樹は笑って答える。
「まぁな。これが俺達の最後の切り札、って言ったところらしい。いや、切り札だ、かな。」
その言葉には、迷いなく言い切った感じが見て取れる。ここまでの戦いで、度胸が付いた証拠のようだとパープルハートは感じ取る。
その度胸がこの世界での戦いで身に付いたことは間違いない。だが、それは、光樹が多々見る「夢」による戦闘の記憶を思い出したことも関係していた。
しかし、それまでは知らないパープルハートはこの戦いが光樹を成長させたと思い、笑みを浮かべる。
と、そこで光樹が反対にパープルハートが来たことについて発言する。
「しかし驚いたぜ。まさか最後の決戦の中でネプテューヌがこっちの世界に来るなんてな。どんな方法を使ったんだ?」
「そうだよ。タイミングが良すぎて、私もびっくりしちゃった。」
それは、光樹だけではない疑問だった。一体どうして、パープルハートことネプテューヌが零次元に戻ってきたのか。この次元へ次元移動できる手段は今のところ、あのゲーム機しかない。しかし、あれではピンポイントに光樹達がいた場所に、それもシェアリングフィールドの中に直接転送されるとは考えられなかったのだ。
その疑問に答えるべく、パープルハートは女神化を解除する。
女神化を解除したネプテューヌは先程のシリアスな口調から一転、明るいいつもの陽気さで先程の疑問に答える。
「いーすんがパッチでアップデートされたおかげで次元を超えるゲートを作れるようになったんだ。条件はシビアみたいなんだけどね。でも、決戦前にいーすんのアップデートと再起動が間に合ってよかったよ。」
ネプテューヌの言う通り、ネプギアたちが丁度ダークメガミとの決戦に向け、移動し始めたころにイストワールが目覚めていたのだ。そして再起動したイストワールに、いきなりの頼み事としてネプギアたちの救援に力を貸してほしいと頼んだ。それにイストワールは断ることなく、これに応えた。自身に新たに付与された次元移動用のゲートを作り、ネプテューヌを再び零次元へと戻す。以前までのイストワールなら出来なかったことだが、それにより、ネプテューヌは零次元へと救援に向かうことが出来たのだ。
そこで話がネプテューヌの同士の話に移った。戦闘を終えたことで、余裕が戻った大きなネプテューヌが、女神の小さなネプテューヌを見て一言。
「うわーっ!小さいわたし、かわいい!」
大きなネプテューヌはもう一人の自分のかわいさに歓喜していた。
うん、やっぱりわたしって、主人公さと一緒にヒロインのようなかわいさがあるよね!大きなわたしの言葉に、わたしも思わず自画自賛する。
お返しにわたしも大きなわたしに見た目の感想を返す。
「そういうあなたは、大きいわたし!へぇ、わたしって、大きくなるとこんな風になるんだ。よかった、身長だけじゃなくてちゃんと胸も成長してるみたいで安心したよ。」
大きなネプテューヌの姿は、小さなネプテューヌからしてみても、自身が成長していたら、こんな風に、と思わせる外見だった。ちなみに、女神という存在はシェアの力によって歳をとることはない。その為、ネプテューヌは大きく成長した別次元のネプテューヌがいるという事実をネプギアと光樹から聞いた時に、あってみたいと思っていたのだ。
一戦交えてからの顔合わせではあったが、服こそ黒色でも、本質は変わらないように見えた。それに戦闘スタイルが大剣の二刀流というのがネプテューヌに更に好奇心を抱かせた。
あんなに大きな剣を二本、両手に持つなんてすごい!変身してる時のわたしなら、持てないこともないだろうけど、女神じゃないのにあんな剣を使いこなすなんて…別次元のわたしは本当にすごいなぁ。見た目もクールビューティーって感じだし!
それに、何よりもちゃんと成長してるところは成長してるしね!ブランが変身した時みたいにならずに、大人になっても大きくなっていて、別の次元の、それも人として生きてるわたしと会えて、安心だよ。
ネプテューヌが色々と大きなネプテューヌに思っている間に、オレンジハートとパープルシスターも女神化を解除。うずめとネプギアの姿に戻る。二人もまた、大きなネプテューヌと女神の小さなネプテューヌがいることについて話す。
「にしても、ねぷっちが二人並んでるってのも、不思議な光景だな。」
「ですね。こうしてみると、本当にそっくりです。でも、どう呼び分けしよう…。」
ネプギアが二人をどう呼ぼうかと考えていると、こちらもまた変身、というより、装着を解除した光樹が話に入ってくる。
「だったら、大人って付ければいいんじゃないか?大人お姉ちゃんっていうのはおかしいけどさ。」
「うーん、それもありといえばあり、なのかな?」
「少なくとも、俺は大きい方は黒ネプか大人ネプって分けてるな。」
「へぇ、なんか、ゲームでの用語の略称みたいだな。」
光樹の発案に、二人も反応する。実際にそう呼ぶかはまだ分からないが、もしかすると、その案を採用するかもしれない。いずれにせよ、それを決めるのはネプギアだ。光樹も特に強制する様子はなかった。
そのように話が賑わいでくる中、上を見上げたうずめがシェアリングフィールドの限界を知らせる。
「さて、この空間もそろそろ消えかかってるし、さっさと元の次元に…」
「あーっと、待ってうずめ!ストップストップ!!」
零次元へと戻ろうとするうずめにネプテューヌは待ったをかける。いきなりのストップにうずめは疑問を浮かべる。
「ん?なんでだ?」
うずめのその質問に、ネプテューヌは答える。それは、この空間、シェアリングフィールドがネプテューヌたちの帰還に重要な役割を持っていたからだ。その詳しい内容をネプテューヌはイストワールから次元移動用のゲートを作る際に聞いた話を元に説明する。
「実はこの空間が消えちゃうと、わたしもネプギアも、光樹も元の世界に帰れなくなっちゃうんだ。」
「え?そうなのか?ネプテューヌ。」
「お姉ちゃん、それって、どういうことなの?」
その発言に、光樹とネプギアの二人も思わず聞き返す。その話に驚いたのだ。何しろ、帰れるかどうかの話の内容だったからだ。
更に二人に分かるように説明を続ける。
「しかもこのゲートってさぁ、開くだけじゃなくて、維持するのにも、物凄い量のシェアエネルギーが必要なんだ。」
「なるほどな。つまり、ネプテューヌがナイスタイミングで登場したんじゃなく、俺達がナイスタイミングで戦闘を開始したってことか?」
「そうそう!わたしとしては主人公的な展開じゃなくって残念なんだけど、そういうことなんだよねー。いやーほんと、このタイミングでこの空間作ってくれてありがとう!」
「いや、むしろそっちにも礼を言わないといけないよ。シェアの供給をしてくれたんだからな。」
光樹の結論は的を射た答えだった。二つの次元での行動があったからこその出来事の進みだったのだ。ネプテューヌと光樹、二人が互いにそれぞれのタイミングに行動したことに感謝を述べる。
しかしながら、それを聞いてとあることに気づいたネプギアが冷や汗を垂らしながらそのことについて聞いてくる。
「お、お姉ちゃん。プラネテューヌのシェアは大丈夫なの?」
莫大なシェアが必要だということは、プラネテューヌ側にかなりのシェアの消費を要求する。しかも今回はシェアリングフィールド展開のために次元を超えてシェアを送ってきた。いくらシェアリングフィールドがゲート生成のために利用したといっても、その消費量はかなりのものだ。実際ネプギアが感じ取ったシェアの量はかなりの量が超次元から送られたのを感じ取っていた。
そのため、ネプギアは女神の活動にも必要なシェアを今回のためだけに使用しても、今後に影響がないのかを聞いたのだ。しかしながら、それを女神のネプテューヌは自信満々に答える。
「大切な妹と仲間、それにお友達のピンチだもん!もったいぶってられないよ!減ったシェアなら、また溜めればいいだけだしね!」
「それまた、大きな判断をサクッと決めたな…。でも、すぐに決めてなかったら、この展開は起きなかったかもしれないし、今回はネプテューヌの即決に感謝だな。」
ネプテューヌのその決断に、光樹も首を傾けるが、それでも平常運転のように事を飲み込んだ。
それらの話を聞いて、海男がこれまでの情報を整理する。
「…なるほど。シェアエネルギーで構築されたこの空間が消えてしまうと、ゲートも閉じてしまうわけか。」
「そういうこと。だから、のんびりしていられないんだ。」
「…そうか。もう少し一緒にいられると思ってたけど、別れってのは急にくるものなんだな。」
「…あ。」
「っ…。」
うずめはそれを聞いて、残念そうな表情をする。うずめだけではない。ネプギアも同じ表情をし、光樹も少しボーっとした表情を見せる。
いきなりの別れに、どうしたらいいか、どんな言葉を言うのがいいのか、それをうずめとネプギア、光樹は迷っていた。
ネプギアたちの表情を見て、うずめが笑顔を向けて言葉をかける。
「なんだよ、そんな顔するなよ。出会いあれば、別れありだ。…それに、本当だったらあの時にぎあっちと光樹は帰っていたはずなんだ。なのに今まで一緒にいてくれたんだから、俺としては十分楽しませてもらったさ。」
うずめの言葉に、二人も頷く。そう、女神にも当然、出会いと別れがある。二人を見つめるネプテューヌもそれを知っていた。だから、ネプテューヌはいつも出会った一人一人との記憶を忘れないように明るく過ごしていた。
その部分だけは、ネプテューヌは女神としての役割を果たしているとも言えた。唯一だが、大切な女神としての役目であった。
加えてうずめはネプギアに語る。
「それに、お互い女神なんだ、今生の別れってわけじゃあるまいし、いつかきっと会えるさ。」
うずめの言葉にネプテューヌも同じことを考えていた。
そう。わたしたちは女神。女神は基本的に年を取らないんだ。だから、いつまでだって待つこともできる。そのおかげでわたしたちには時間がある。だから、いつかうずめが零次元を復興してこっちの世界に来れれば、また会える。それだけじゃなくて、わたしたちの方から、またゲートを作って会いに行くことだってできる。シェアを使うから、いーすんに怒られるかもだけどね…。
そんな事をネプテューヌは思う。しかしながら、先程のうずめの言葉を聞いて、ネプギアも何かが決まったように表情を改める。まるで迷いがなくなったような顔だった。そのネプギアから、再会を約束する言葉が紡がれる。
「…そうですね。いつか、また会いましょう。」
「あぁ、約束だ。」
ネプギアとうずめは互いにそう言って、別れを惜しむ。一方、光樹も何かを考えていたようにしていたが、ネプギアの後に続いてうずめに話しかける。
「うずめ…。」
「ん?どうした、光樹。お前も別れるのが嫌とかじゃないよな?」
「いや、…でも、いつかまた君と会うだろうな。君のために。」
「俺の、ために?」
光樹の言葉に、うずめは首を傾げる。どういう意味なのか、理解できなかったからだ。ネプテューヌも、告白でもしてるのかなと思っていたくらいだ。
だが、そんな空気を知ってか、光樹は頭を掻く動作をした後、はぐらかす。
「まぁ、とにかく。会えたら再会を喜ぼうぜ、ってことだよ。」
「なんだ、そういうことか。…もちろんだ。その時は、またよろしくな、光樹!」
二人共、それで満足したように笑みを浮かべて、互いに離れる。光樹はそのまま、ネプテューヌらの所に戻る。
それと同時にネプテューヌの持っていたNギアの画面で待機していたイストワールが声を大にして時元転送の準備を開始する。
『それでは、ゲート、開きます!』
その声と共に、目の前に光の柱のようなものが出現する。これこそ、ネプテューヌを零次元へと戻した、イストワールの作ったゲートであった。
三人は別れを惜しみつつも、ゲートの方へと歩こうとする。すると、そこで大きなネプテューヌと一緒に居た存在が清々したように声を発する。
「これで、ようやくこの次元ともおさらばだぜ。」
声の主、クロワールは勢いよく大きなネプテューヌの服の裏から飛び出す。しかしながら、力を奪ったマジェコンヌを倒しはしたが、まだ力が戻っていないのか、姿は未だ蝶のような翼だけの姿であった。
その姿に、最初こそ小さなネプテューヌは驚くが、声を聞いてその声の主の正体にたどり着く。
「うわっ、何この蝶!?てか、この声…まさか、クロワールなの!?」
小さなネプテューヌとしても、まさか以前に騒動を起こしたラスボスの腰巾着が今いるのは考えていなかった。それも当然。小さなネプテューヌは大きなネプテューヌは知っていても、クロワールのことはネプギアたちから聞いてはいなかったのだから。以前連絡を取った時には、まだクロちゃんという大きなネプテューヌと一緒に旅をしている人物という情報しかなかったため、知らないのも無理はなかった。
驚きつつもクロワールであることを指摘した小さなネプテューヌに対し、クロワールは文句を呟く。
「悪かったな、こんな姿で。俺だって、好きでこんな姿してるわけじゃねぇよ。」
その雰囲気と他の全員からの目線から、なんとなく状況を理解した小さなネプテューヌは、反省をするようにとクロワールに言う。
「けど、こんな大騒ぎ起こしたんだから自業自得だよね。少しは反省する気になった?」
「反省も何も、俺はただ面白い歴史を記録しようとしただけだっつーの!」
しかし、小さなネプテューヌの言葉も虚しく、クロワールは自身の起こしたことを否定する。
まったく!神次元の時も色々と悪さをしたけど、今回のことも反省する気が無いみたい!それを理解したわたしはしつけの必要があることを口にする。
「反省の色無し。これはお仕置きが必要だね。」
その言葉に賛成するように、大きなネプテューヌも同じように表情を曇らせる。お仕置きを行なおうとする雰囲気を見て、クロワールは言う。
「誰が、お前らにお仕置きなんかされるかよ!それじゃあな!」
そう言い放つと、クロワールはゲートの中へと入る。
「ねぷっ!?逃げ足速っ!?」
そのスピードに小さなネプテューヌも思わず驚きの声を上げてしまう。逃げた時にはクロワールを自身の手で捕まえようとしていたのだが、判断すらも追いつかずに取り逃がしてしまう。
それを見て、大きなネプテューヌが慌てて追いかける。
「ちょっと、クロちゃんてば!置いていかないでってばー!」
クロワールと同じような速度で、大きなネプテューヌは素早くゲートの中へと追いかけるように消えていく。その一連の流れに、ネプテューヌたちは何も言わず、ただ見ているだけだった。何もしなかったというより、何かを起こす暇がなかったというのが正しいが。
「まるで、嵐のような二人だったね。」
あっという間に去っていった大きなネプテューヌとクロワールに、海男がそんなことを口にする。海男の言う通り、本当に二人は出来事を大きくして、一瞬にして去っていったのは間違いない。風来坊、と言ってしまってもいいかもしれなかった。
とはいえ、自分たちもそろそろ帰らなければいけない。先に入っていった二人を追うように、ネプテューヌたちもゲートに入ろうとする。と、そこでうずめがネプギアを呼び止める。
「あ、そうだ、ぎあっち。これ、本当にもらっていいのか。」
そう言ってうずめが示したのはうずめが大事にしている端末機器、ヴィジュアルラジオだった。もっとも、今は改が付いているが。しかしそれは、ネプギアの持っていたNギアのパーツを組み込んで修理したものだ。そのためうずめは、このままもらってもいいのだろうかと気になったのだ。
それに対して、ネプギアは気にしない様子で答えた。
「もちろんです。もともとそれは、うずめさんの物なんですから、うずめさんが持っていてください。」
ネプテューヌとしては、ネプギアらしい対応だと思っていた。例えそれが自分の持っていた大事なものの一部を組み込んだものでも、執着することなくそれをプレゼントする。昔はそういうことはちょっとためらっていた気がしたが、それだけ何度も苦しい戦いを繰り広げて成長したということであった。
それにネプテューヌはこうも思っていた。おそらくネプギアはそれを零次元復興のための一歩としてもらいたいのではと。ネプギアのNギアにはこの次元よりも科学の進んだ、超次元のデータも詰まっているはず。それに、まだモンスターたちを統制するために、他の者と連絡するために必要であるからそれが必要になるはずだ。復興への道しるべにもなるヴィジュアルラジオを渡してもらうなんてこと、できるわけがない。
ネプテューヌはそんな事を思いつつ、二人の様子を見る。その言葉を聞いたうずめは、笑みを作って礼を言う。
「そうか。じゃあ、ありがたくもらうぜ。」
うずめがそう言ったところで、ネプギアは思い出したように声を出す。
「あ、そうだ。今回は諦めますけど、次に会った時こそはうずめさんのシイタケ嫌いを直してみせますから。」
それは、次に会った時の約束だった。けれど、その内容はうずめの苦手な食材を食べさせるという、小さい様な目的だった。でも、うずめがシイタケ嫌いをなくしたら、それはそれでカッコイイと思っていたので、そんな約束もいいかなと思っていた。
「なら、次にぎあっちと会うまでは、間違ってもシイタケ好きにならないようにシイタケを食わないように気をつけなきゃな。」
対するうずめも、皮肉っぽくその質問に答える。うずめもまた、再会の時の楽しみが増えるようにそう言ったようだ。なんだか早くまた会いたくなってしまう。
「じゃあ、そろそろ帰ろうぜ。ネプギア、ネプテューヌ。もうシェアリングフィールドも限界そうだし、うずめにも余計に負担を掛けるわけにもいかないしな。」
「そうですね。それじゃあ、うずめさん。そろそろ私たちも、行きますね。」
光樹にそう言われて、ネプギアも急いでゲートの方に戻る。
「今度こそ、本当のさよならだね。」
「だな。また会おうぜ、ねぷっち、ぎあっち、光樹!」
「はい、また会いましょう。」
そう言い残して、ネプテューヌたちは、光に包まれた。
TO BE CONNTINUED
今回もお読みいただき、ありがとうございます。ここで零次元が終わり…というわけではないんですよねー。
ジャンヌ「はぁ…はぁ…もうあんなの見たくありません…。」
あ、ジャンヌさん大丈夫?
ジャンヌ「藤和木…今度わたくしを落とすようなことがあったら、…分かってますよね?」
も、申し訳ありませんでした…(;´・ω・)
レイ「あはは、ジャンヌちゃんの気持ち、わからないことはないね。私もガンダムじゃないGは怖いし。」
ジャンヌ「もう…レイさんじゃなかったからいいものの…もうあんなことにはなりたくはないですっ。今日は念入りに洗います…。」
レイ「だね。にしても、本編の方、あのあとどうなるの?」
本来なら、うずめ達の視点でこの物語は終わるんですが…今回はネプテューヌ達の視点と、次の物語へ続く視点を描きます。
ジャンヌ「次の物語というと…光木さんが登場するんでしたっけ?」
レイ「鈴ちゃんが登場かぁ、楽しみだねっ。」
他にも、光樹君陣営、超次元編の中立?陣営のゴールドサァド、そして超次元編の敵陣営のアフィ魔X側のキャラも本格的に登場です。次章の話は、また次回以降ということで…さて、そろそろ締めましょうか。
レイ「うんっ。次回の投稿は火曜日辺りになりそうだよっ!」
ジャンヌ「では皆様、また次回にお会いしましょう。」