新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
ジャンヌ「今日はバトスピの最新弾の発売日でしたね。藤和木も買ってきました。どうも、皆様。ジャンヌ・ドラニエスです。」
レイ「当たったXレアはトリック・ワスプ・Aと亥(いのしし)の十二神皇カラミティ・ボアだったよ。どうも、みんな!レイ・オーバだよっ!」
さて、夏本番となる中、第69話、投稿です。そして、この後、すぐに藤和木弘の極めて中二的な裏話も投稿いたしますので、今回はさっさと本編へ行きます!さて、前回の悪夢ともいえる展開、どうなる、光樹君達!
「光樹さんっ!こんな…こんなの、どうやって戦えば…。」
「落ち着け、ネプギア。あの時みたいにエクス達はこっちで対応する。その間はネプギア達でマジェコンヌの相手をすればいい。そうじゃないか?」
「…は、はい。」
この状況に流石のネプギアも動揺を見せる。そんなネプギアを、光樹は落ち着かせる。だがこの状況で落ち着けなんて、無茶な話だろう。
二人の出した隠し玉ともいえる切り札に、力を与えたクロワールは、大喜びだった。
「おーっ!なんだ、マジェコンヌもやればできるじゃねぇか!エクスもこんな面白れぇもんだせるなんて、これは盛り上がってきたぜー!」
クロワールとしては、混沌を求めているため、この展開はおいしかったのだろう。おかげで楽しい歴史を見ることができるのだから。
そのように盛り上がっていた敵側だったが、それが嫌な方向へとヒートアップしていくこととなる。
「ハーッハッハッハッハ!もっと、モっとだ!もット絶望ニ染まレ!!」
「クハハハハハハハ!我ノ絶望ニ、慄クがヨい!!」
その言葉に、だんだんと狂いが見えてくる。カタコトのしゃべりが混じってくるのが分かってくる。
気味悪さが混じってくる中、うずめが前に出て宣言する。
「誰が、絶望なんかに染まるか!それに絶望に膝付くかよ!テメェらみたいな吐き気のする悪なんざ、この俺が何度だってぶっ飛ばしてやるよ!」
うずめはどうやらここで決着を着けるつもりのようだ。だが、ここまで疲弊した状態で勝つには、シェアリングフィールドが必要なはずだ。あの時は味方のモンスター達からのシェアエネルギーの供給があったからこそ良かったが、今回は違う。味方モンスターは居ない。うずめにはそれでもシェアリングフィールドを張る気なのか。
そこでうずめが、海男に手持ちのクリスタルの確認を取る。
「海男、手持ちのクリスタルでシェアリングフィールドは行けるか?」
「無理だね。ねぷっちを帰す時にほとんど消費してしまったからね。今あるのも、うずめを女神化させるくらいのものばかりだ。」
だが、残念ながら、うずめ達にシェアリングフィールドを張れるほどのシェアクリスタルはなかった。そうなると、ここは撤退するのが一番だった。シェアエネルギーを得られない以上、ここで戦っても無意味だからだ。
溜め息をつきつつ、海男が諦めの言葉を出す。
「全てを使ったところでアイツを包み込むことは無理だろう。」
「じゃあ、どうすればいいの!?わたしたち、やられちゃうの!?」
大人ネプテューヌが先程の言葉に対し、聞く。このままではその言葉通り、やられてしまうだけだ。光樹も逃げることを提案しようとする中、一人、うずめだけが、その顔に笑みを浮かべる。
「…へっ。そんなもん、決まってんだろ。アイツの持ってる特大のシェアクリスタルを奪うんだよ!」
うずめはそう言って走り出す。それは的を射た考えではあったが、あまりにも突発的で、無謀な発言だった。今の疲弊している状態で、強化されているマジェコンヌに立ち向かっても、やられる可能性が大きい。まともに相手にしないにしても、その後のダークメガミ戦を戦い抜けるかどうか、厳しいと思われた。
あまりにも無茶な追撃に、光樹も止めるように飛ぶ。
「待て、うずめ!!」
うずめに対し叫ぶが、うずめはこちらを向くことなく、マジェコンヌと対峙する。
突撃してくるうずめに、マジェコンヌが迎え撃つ。
「させルか!」
「もらった!」
互いに互いを狙い、交差する。
魔力のこもった杖と、うずめの拳、どちらも一撃でかなりのダメージを与える攻撃だった。その一撃は、戦いに決着を付けた。
「……。」
「…フッ。」
「うずめ!!」
うずめが何も言わず、ではなく、言えずに地面に倒れこむ。倒れこむ直前に、体に一瞬で切り傷ができる。あの一瞬で、そこまで攻撃の威力と範囲が大きかったのだ。
そうして一騎打ちに負けたうずめ。そのうずめに、エクスがトドメを放とうとする。
「消エろ、橙の女神ィ!!」
「させる…かよ!!」
エクスのファンネルに、ゴッドクロスが一瞬でドライブモードへと移行する。ドライブを発動すると同時に、左手を敵に向けて構える。そこから叫ぶ。
「ディメンション・ブレイカー!!」
広範囲に対しての全体攻撃に、エクスの放ったファンネル全てが攻撃を受けて落ちる。うずめに対する追撃を阻止するも、エクスは再び背部ウイングよりファンネルを形成しようとする。しかし、流石に同じことはさせるつもりはなかった。右手で保持していたANデストロイイーターⅡを投げる。その攻撃はエクスには回避されるが、光樹はこれが狙いだった。
うずめへの射線を切るという目的は成功した。そのスピードを保った状態で、うずめの元に地を滑りながら着地する。そのままうずめを抱える。そこに、ネプギア達も駆け寄ってくる。
「うずめさん!」
「大丈夫だ。まだ息は十分ある。」
ネプギアの心配を取り除くようにして言う。実際、怪我の方は浅そうだし、まだ大丈夫なはずだ。しかし、このまま流血しているままは危険だと思っていた。そこで、大人ネプテューヌが撤退することを提案する。
「ネプギア、光樹、うずめがやられたんじゃこれ以上は無理だよ!逃げよう!」
「わかりました!うずめさん、私の肩につかまって下さい。」
ネプギアがうずめに手を差し伸べる。今の俺よりも、ネプギアに預けた方が、こちらも殿だったりをする時にはいいだろう。
うずめもそれを断ることなく、ネプギアに謝りながら呟く。
「…っ…すまねぇ、ぎあっち…。」
「しゃべらない方がいい。傷は深くはないけど、いくつも出来ているし、もしかすると深い傷もあるかもしれない。」
「そうです。今は無茶をしないで!」
うずめに安静にするように言う。しかし、心残りだったのか、申し訳なさそうにうずめが苦しそうに言う。
「俺は…お前らとの、約束、を……。」
「約束なんてどうでもいいんです!だから…だから…!」
またネプギアが泣きそうになる。けれども、ネプギアも泣いている暇ではないことを考えてか、すぐに元の冷静さを取り戻して逃げる方へと動く。
「ネプギア、準備はできたね。なら、逃げるよ!光樹もいい?」
「あぁ、俺が殿を務める。二人は先に逃げて!」
うずめを支えた二人が先に後退する。しかし、その様子を見て、逃がす気は相手になかった。マジェコンヌが逃がさないことを口にする。
「誰ガ逃すもノか!!こコは貴様らノ墓場なンだよ!」
「行クゾ、ダークメガミ、エクストリィムよ!圧倒的な力デ、黒の少年も全テを破壊するノだ!!」
その命令に、ダークパープルとエクストリィムが動く。拳を地面に向けて構えの姿勢を取る。手始めにこのスタジアムを破壊しようとしていたように見えた。これ以上被害を出させるわけにはいかない。光樹は真っ向から言う。
「させるかよ!!」
両手にANロング・メガ・マグナムを構える。全ての武装をもって、撃滅する必要があった。
攻撃の構えを取って万全に待っていたが、一方で、その行動にクロワールが慌てた様子を見せる。
「バカかオメェら!それじゃあ、俺たちまで巻き込まれるじゃねぇか!」
クロワールは暴走する二人を制止する。流石に、その行動はまずいと思ったのだろうか。おそらくは自分まで巻き込まれるのはごめんというものなのだろうが。自分から争いを起こそうとしているくせに、自分からは巻き込まれたくはないようだ。
しかし、そんなこともお構いなしと言わんばかりにすっとぼける様子を見せる。
「そレガどウシた?」
「もハや我らノ身ヲ考える必要ナドナい!!」
「女神ト世界二破滅ト終焉をもたらすモノ!女神さヱ、女神サヱ始末できレバこの生命、惜しクハナい!!」
完全に狂った反応だった。もはや人としての、正常な意志はないようだ。その様子に、クロワールも困惑する。どうやら完全に手元から離れたようだ。このままいるのも、もしかすると危険かもしれない。クロワールもその状態に危険性を感じる。
「やべぇ!?こいつ、力のオーバーフローで完全に頭のネジがぶっ飛んでやがる!」
そんなクロワールの言葉も聞いていないかのように、マジェコンヌ達は更に暴走する。
「女神よ、機動戦士よ、そしてゲイムギョウ界よ!私にヒれ伏し、そシて、滅ビヨ!!」
「手始メに、黒の少年ヨ。我らの生贄トなルがいイ!!」
その声に反応し、ダークパープルとエクストリィムは光を放つ。光線と光剣にエネルギーが集中し始める。
「くそっ!まずい…!」
慌ててその場から退避する。レーダーからの反応だが、マジェコンヌ達のところから小さな反応が離脱するのが分かった。おそらくだが、クロワールも逃げ出したようだ。
高速で離脱する中、後方に、光が灯った。
♦
ここはうずめの本拠点の近く。そこでは、マジェコンヌ達を追いかけて行ったうずめ達を送り出すために、モンスター達が守りを固めたり、シェアクリスタルの捜索をするため、個々に動いていた。
「…ふぅ。結構集まったかな。」
一体のひよこ虫が息をつく。ひよこ虫の近くには、大量のシェアクリスタルが置かれていた。大きさは小さめのものが多い。
そんな様子を見て、近くにいたもう一体のひよこ虫が驚く。
「わぁ!シェアクリスタルがこんなに!これ、どうしたの?」
「一族のみんなが集めて来てくれたんだ。うずめさん、喜んでくれるかな。」
「これだけあれば、きっと喜んでくれるよ。」
自分達の、小さくはあるが重要な成果を喜んでもらえるか、そんな事を考えていた。それでも、精一杯の今までの感謝をしたいモンスター達は、早くうずめが帰って来ないかを待ちわびていた。
そんな所で、異変が起こる。
「………あれ。」
「どうしたの?」
一体のひよこ虫が、その異変に気づく。その視線を先を、もう一体のひよこ虫も見つめる。その先には、何やら光が見えた。紫色の光が、不気味な光のように、ドーム型に広がっていた。
「今、向こうの山の方で何か光った気がして…。」
「本当だ。なんだろう、あの光。シェアクリスタルの光かな?…いや…違う…違うな。シェアクリスタルはもっとぱあーって輝くもんね。」
その光を目にして、二体はそう話し合う。その光に、他のモンスター達も気づき、なにやら話し込む。
「…ねぇ、あっちって、うずめさんたちが行った方向だよね。なにも、なければいいんだけど…。」
ふとそう呟く。この時、ひよこ虫達は気づかなかった。いや、気づくわけがなかった。その光は、うずめ達の戦闘した場所での出来事であることを。その後、最悪の状況が待っているとも知らずに。
♦
光が収まった後、大人ネプテューヌたちは来た道を駆け抜けていた。といっても、うずめの状態もあり、少し速足と言う速度だったのだが。ネプギアの左隣、大人ネプテューヌの右隣にはうずめが肩に腕を回して運ばれていた。その傷は直後は大丈夫そうだったけど、徐々に傷口から流血をし始めていた。
その様子に、ネプギアも軽く青ざめた表情を見せていた。けど、わたしが大丈夫?と声をかけると、ネプギアは平静を取り戻し、前へと駆けだしていく。
その途中で、ネプギアがうずめに声をかける。
「うずめさん、頑張ってください。あと、もう少しで本拠点です。」
「拠点につけば、きちんとした治療ができるはずだ。それまで頑張れ、うずめ。」
うずめを元気づけるように、ネプギアと海男が声をかける。
「……」
しかし、うずめは答えることなく、むしろ痛みで苦しみながら、うめき声を吐くのみだった。このままではうずめが危ないのは、大人ネプテューヌにも分かった。しかし、今自分…自分だけではなく、ネプギアたちに出来るのは、一刻も早くうずめを本拠点に運び、治療することだと大人ネプテューヌは思っていた。
しかし、流れはどんどん悪くなっていく。ふと、うずめの手を取ると、脈が弱くなっていくことに気づいた。
「どうしよう、うずめの鼓動がどんどん弱くなってくよ…。」
わたしは不安な気持ちを露わにした。このままじゃ、うずめは本当に…。
そんな言葉に急かされたのか、ネプギアの速度が上がっていく。それに合わせるようにして、大人ネプテューヌも速度を上げ、本拠点へと急いだ。
そのままの勢いで、大人ネプテューヌたちは、本拠点へと戻ってきた。戻ってきたことに気づいたモンスターの一体が、全てのモンスターたちに届く声で知らせる。
「おーい!うずめさんたちが帰ってきたぞー!」
「ほんと!うずめさん戻ってきたの!?」
最初はみんな、うずめが帰ってきたことに夢中だったけど、わたしたちの方を見て状況を理解したモンスターがすぐに状況に対応する。
「ここにいるやつは急いでベッドと治療の用意だ!」
「…え、なに。何があったの…?」
「うずめさんがやられて死にそうなんだ!だから、ありったけの薬草と包帯をかき集めて!」
その事を聞いて、モンスターたちがあちこちへ行ってその知らせを飛ばしていくのが見えた。
モンスターたちが治療の準備の最中の時には、既に大人ネプテューヌたちは本拠点のキャンプ近くまでたどり着いていた。息をついたところで、わたしはたどり着けたことに安心する。
「はぁ、なんとか着いたぁ…。」
これでうずめの治療ができる。かなり容体はひどくなっているけど、まだ何とか間に合うはずだよね。でも、うずめを心配したモンスターたちがこっちに集まってきて、通れなくなっちゃった。うずめを気にする気持ちは分かるけど、早く手当てをしないとうずめが!
大人ネプテューヌの思っていたことを、ネプギアが代わりに言う。
「道を開けてください!それと、とにかく薬をあるだけ持ってきてください!」
ネプギアの声に律されて、群がっていたモンスターたちは群れるのをやめ、すぐにテントへの道を開け、薬の用意を始めた。開いた道を、大人ネプテューヌが進んでいった。
テントに入った後、早速ネプギアが手当てを始める。傷薬を傷口に当ててから包帯を巻いて、出血を抑えていく。巻き方は少しぎこちなく、上手いとは言えなかったけど、今は手当てできるだけマシだと思う。
うずめの方を見てみると、少しだけうめき声を唸らせ、苦しそうにしながらも息はあった。
「………」
そんな様子を見て、手当てに協力していたひよこ虫…女神のネプテューヌに「エビフライ」と名づけられたひよこ虫が心配そうに聞く。
「ねぇ、うずめさんは大丈夫なの?助かるの?」
「…正直、オレにもわからない。ただ、もしものときのために、覚悟だけはしておいた方がいいかもしれない。」
ひよこ虫の言葉に、海男も言葉に困りつつそう答えた。海男もやっぱりどうなるかは分からないみたいだ。とにかく、ここが正念場だと思う。
その時だった。テントの幕が荒っぽくあげられる。全員がその方向を向くと、ガンダムを装着していた光樹がいた。
「光樹!無事だったんだね。」
「あぁ。何とかな。それより、うずめの状況は?」
わたしの言葉に、光樹は軽く答えてから、うずめの様子を聞いた。ネプギアは治療に集中しながらも、容体を答える。
「今は、薬を塗りながら、包帯を巻いているところです。これが終わった辺りで、落ち着いてくれるといいんですが…。」
「そうか…。頼んだぞ、ネプギア。」
光樹もネプギアの邪魔をするまいと、それ以上の話をするのはやめた。ネプギアがうずめの手当てに集中し、光樹が後ろの方に離れる。
光樹はこうして戻ってきたけど、マジェコンヌとかはどうしたんだろう。あの後、後ろから光は見えたんだけど、どうなったのかは光樹くらいしか分からない。
そこで、気になった大人ネプテューヌは光樹にそのことを聞いてみた。
「そういえば、マジェコンヌとかはどうなったの?」
「あぁ、そっちもネプギアが手当てを終わらせてから、話すとするよ。…結構、厄介そうなことになったからな。」
光樹は何か含みのあるような言葉で、大人ネプテューヌに告げた。
何だろう?何か嫌な感じがする。そんな思いを感じるのも珍しかったけど、でもまだ戦わなくちゃいけない。うずめの手当ても、ちゃんとしないとね。
大人ネプテューヌはそう思って、ネプギアによるうずめの手当てが終わるのを待った。
♦
うずめの怪我の手当てをしている時、ネプギアの脳裏に、あることが浮かんだ。それは海男との話で少し出た話の内容だった。
もし、零次元最後の女神であるうずめが消えたら、この世界がどうなるのかを。
うずめさんがいなくなれば、ゲイムギョウ界という世界は、支えを失って消滅してしまうことを聞いていた。もし、このまま本当になったら?
(最後の女神がゲイムギョウ界から消える時が、ゲイムギョウ界の終り…。)
「そんなこと、私がさせません。うずめさんは私が助けます!」
ネプギアははっきりと宣言した。
TO BE CONNTINUED
今回もお読みいただき、ありがとうございます。
レイ「ど、どうしよう!うずめちゃんやられちゃったよ!?」
ジャンヌ「確かにかなりの重症ですね…うずめさんは大丈夫でしょうか…。」
助かるかどうかは次の光樹君達の行動次第ですね。さて、今回はここまで!
レイ「み、短いね…。でも、今日はこれだけじゃないよね!」
ジャンヌ「そうです!今日は「SSRと言う名のG外伝 藤和木弘の極めて中二的な裏話」の初投稿日です!」
いよいよこの時が来ましたよ!さて、次の投稿なんですが…先に謝っておこう!まだ夏休み分の全部打ててない!だからSSRと言う名のGの投稿間隔が伸びます!
レイ「どれくらいのペースになるの?」
8日感覚デス。私が二人くらい欲しいほどヤバいです。次は黒の館なんですが、それでも余裕がない!
ジャンヌ「なので、皆様。投稿期間が伸びることお詫び申し上げます。それでは皆様、また次回。」