新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
さぁ、どうも皆様、ストックに余裕が出来たので、投稿しました、藤和木弘です。
レイ「いやー、まさか本当に月曜日に投稿できるなんて。藤和木のことだからダメかと思ったよ。レイ・オーバだよっ!」
ちょっと!レイさん酷い(´;ω;`)
ジャンヌ「藤和木がサボっていたりするからですっ。もう…。どうも、皆様、ジャンヌ・ドラニエスです。」
さぁ、お待たせしました。第59話投稿です。
レイ「今回はお風呂って入ってるねー。ひょっとしてネプギアちゃんたち裸なの?」
い、一応そうですが…。
ジャンヌ「じー…。」
大丈夫です!私あの三人をメチャメチャにしようとなんて思ってませんから!
ジャンヌ「その発言がそもそもセクハラだと思うんですが。」
えぇ!?(;゚Д゚)そうなんですか!?
ジャンヌ「なーんて、嘘ですよっ、藤和木っ。」
よ、よかった…。
レイ「ジャンヌちゃん藤和木いじるね。」
ジャンヌ「藤和木はいじりがいがありますから。さて、そろそろ本編に行った方がいいですか、藤和木。」
そうですね。では、本編へ、
レイ「レッツゴー!」
「わぁ。自然が残っているところがまだあったんですね。とっても素敵な場所。」
ネプギアは興味津々に周りの風景を見渡していた。まるで、自然を見るのが珍しいみたいな反応だった。ネプギアだけじゃなくて、あのロボット…ここまで来るまでの間に聞いた、「ガンダム」っていう機動兵器を身に纏って戦っていた光樹って子も、ネプギア程の反応ではなかったけど、その様子に少しばかり驚いた様子を見せていた。
けれど、よくよく考えると、私もこの世界で自然を見るのはあまりなかった気がする。「クロちゃん」に言われてこの世界に立ち寄ってみて、色々あってから今の状況に至るまで、モンスターみたいなのは多く見たけど、自然らしい生き物にもほとんど出会っていない。
そう振り返っていると、ネプテューヌ達の目の前に、ゲル状のモンスターが目の前に現れた。よく見るモンスターの一体、スライヌであった。けれど、敵意は感じていなかった。そして、そのスライヌは、うずめに対して声をかけてくる。
「あれ?うずめさんお帰り?」
スライヌはうずめが帰ってきたことを喜ぶように体をブヨブヨと上下に振るわせる。すると、それに反応したように、草木の間から、次々とスライヌが増えていく。
そうして増えたスライヌ達に対して、うずめが返事を返す。
「おう、お前ら久しぶりだな。ただいま。」
「おーい、みんなー!うずめさんが帰ってきたよー。」
スライヌが大声を出すと、奥の方にいたと思われるモンスター達も一斉に集まってくる。それだけじゃない。いつの間にか、後ろの方にも既にたくさんのモンスター達が集まってきていた。
「うずめさんと海男さんだー。」
「お帰りっす、うずめさん。そして、海男さんも。」
「あれあれ?知らない人がいるよ?」
次々と話し出すモンスターの姿に、ネプギアが驚く。
「わわっ!?なんだか沢山モンスターが出てきましたよ!?」
「ここは俺だけの拠点じゃなくて、こいつらの拠点でもあるからな。棲家を失ったやつらが身を寄せてるんだよ。」
「そうなのか?でもよく見ると、種類の違うモンスター同士、仲が良さそうに見えるし、そう見えるな。」
うずめの説明に、ネプギアのように警戒していた光樹が改めて見て、そう言った。
しかし、辺りを見回しただけでもモンスター達が大量に居る光景は、ネプテューヌも初めてだった。これだけいると、少し警戒心も強くなる。
そこに、海男が先程のうずめの言葉の補足をする。
「崩壊によって土地を失った者、凶暴なモンスターに襲われ棲家を失った者。デカブツらにより棲家を燃やされてしまった者…。みんな、うずめが助けてここに連れてきたんだ。」
そんな話を聞いて、わたしはうずめは優しいんだなぁ、と思った。一緒に戦っていた時は、元気いっぱいの女の子だったり、邪魔をするやつは容赦しない!って言葉が似合うような昔の不良みたいな子かなって思っていたけど、むしろ頼れる姉さんみたいで、カッコよさを求めている女の子だと今では感じる。
その海男の話に、ネプギアが食いつく。
「だから、こんなに沢山モンスターたちがいるんですね。そして、うずめさんも凄いです!こんなに沢山のモンスターを助けているなんて。」
ネプギアのうずめに対する褒め言葉は、うずめを照れさせる。
「お、俺は別に大したことはしてないさ。それ以上に、こいつらの方が俺の為にシェアクリスタルを探してくれたりするんだ。ホント、頭が下がるよ。」
うずめは謙遜する。でも、ネプテューヌもネプギアと同じように、うずめはすごいと思う。これだけのモンスターを助けるなんて、うずめの仲間を助けたいという思いが凄く伝わってくる。
その証拠に、モンスター達もうずめのことを助けてくれているのだから、お互いに助け合っているのが聞いていて分かる。
と、そこで唐突にネプテューヌの目にあるものが映った。その視線の先には、上の部分が開けられているドラム缶であった。けれども、ただのドラム缶ではない。下の方に、ドラム缶を支えるようにして石がくみ上げられていて、中心には薪だったり枝だったりがくべられているのが見える。それを見て、ネプテューヌは直感的に理解する。それが、いわゆる「ドラム缶風呂」というものであることに。
それを理解すると、ネプテューヌのテンションが上がってくる。だって、ドラム缶風呂なんて、最近はあんまりやらないレトロな風呂なのだ。一度は入ってみたいと思っていたネプテューヌとしては、入りたいと思っていた。
なので、わたしはうずめ達にそのことを確かめるようにして入る許可を求めた。
「ねぇねぇ、これドラム缶風呂だよね?わたし、本物みたの初めてかも!わたし、これに入ってみたーい。」
その事を聞いて、海男がそれに答える。
「大きくても、ねぷっちは相変わらずのようだね。早速だけど、君が何者なのかを話してくれないかい?お風呂はその後で、ね?」
ドラム缶風呂に入らせてくれるのだったら、そのくらいお安いご用だった。それに、こっちも知りたいことはたくさんあった。
早くお風呂に入りたいこともあって、ネプテューヌは話を進める。
「うん、いいよー。その代わり、この世界のこととか、あなたたちのこと教えてくれないかな?ずーっと一人だったから何がなんだかサッパリだったんだ。」
そう言って、わたしたちはそれぞれの状況について話し合い始めた。
♦
「おーっ、わたし以外にもわたしがいたんだー。会ってみたいなー。」
お姉ちゃん…じゃなくて、ネプテューヌさんは喜びの声を上げる。その言葉に返すように、私はネプテューヌさんに先程の話…ネプテューヌさんがお姉ちゃんと違うことを再確認する。
「えと、じゃあ、あなたは私のお姉ちゃんとは別のお姉ちゃん、ってことでいいんですよね?」
「うん、そうだよ。話を聞いた感じ、ネプギアのいた世界とわたしのいた世界は違うみたいだしね。」
その話を聞いて、ネプギアは相槌を打つ。
さっきの話も考えると、確かにこの人は私の知るお姉ちゃんとは違うみたいだ。何より、女神ではないことがそのことを物語っている。けれども、それは同時に、むしろ女神でないのにあの強さが、流石、自分の姉とは別次元の本人だと思わされる。
その話聞いて、あることに気づく。それは、その世界では誰が女神を務めているのか、ということだ。一応、先程聞いた話によると、大きなネプテューヌの住んでいる世界も、ゲイムギョウ界であるとのことだった。それに加えて、大きなネプテューヌが住んでいた場所の名前がプラネテューヌであることも聞いたので、ますます誰がプラネテューヌの女神なのだろうかと気になって仕方がなかった。
早くも聞きたいネプギアは、早速その質問をぶつけてみた。
「じゃあ、その世界じゃ、お姉ちゃんじゃない女神が国を束ねているんだね。」
確認のような質問だったが、大きなネプテューヌはその質問に頷きつつ答える。
「そうそう。えと、プルなんとかって言う女神様なんだ。と言っても、元の世界より別の次元を旅している時間の方が長いから会ったことも見たこともないんだけどね。」
ネプテューヌさんはあっさりとそう語った。でも、あっさりと話された内容に、私は反応した。
「…プルなんとか?あれ?それってもしかして…」
ネプギアの脳裏に、ある人物の存在がよぎる。その人物は、神次元の女神様、プルルートだ。「プル」という名前も入っているし、神次元ではお姉ちゃんに代わってプラネテューヌの女神をしている。その考えは外れてはないだろう。
そのネプギアと同じ考えをしたのが、もう一人いた。
「ひょっとして…それプルルートか?」
その言葉を言ったのは、光樹であった。
ゲームでネプギアたちの戦いを見ていたなら、やっぱりそうかなとは思ったけど、予想通りそのことについて触れた。
その言葉に、大きなネプテューヌが思い出したように答える。
「そうそう!そんな感じの名前だよ!よく知ってるね、光樹。」
「神次元での戦いはよく覚えてるよ。何せ、初めてプレイしたネプテューヌのゲームだったからな。」
光樹さんが得意げに答える。
そんな話で盛り上がっていたけど、私はネプテューヌさんが言ったもう一つの事について問う。
「じゃなくて!今、色んな次元で旅をしているっていいました?」
そう。確かにネプテューヌさんはさっき、別の次元を旅しているという内容の話を言っていた。もしかすると、と思って聞いたのだ。
すると、ネプテューヌさんは言う。
「そうだけど、それがどうかしたの?」
「それって、もしかして好きな次元に自由に行き来できたりします?」
もしかすると、と興奮する気持ちを抑えつつ、そう聞く。すると、大きなネプテューヌが発する。
「できるよ。」
その言葉を聞いて、一気に心の中で喜びが弾ける。
よかった。これで帰る方法は見つかった。帰れるって安心感に、私は安心感を得る。
それは、光樹さんにも伝播する。
「本当か!」
光樹さんもあまり上げない大きな声で反応する。その反応から、驚きがよくわかる。その話を聞いていたうずめさんが、私たち二人に声をかける。
「よかったじゃないか、ぎあっち、光樹!まさかこんなに早く元の世界に帰れる方法が見つかるなんてラッキーだったな。」
早速、ネプギアは大きなネプテューヌにお願いをする。
「お願いがあるんですけど、私と光樹さんを元の世界に連れていってくれませんか?」
「方法は見つけたんだが、本に収まってるマジェコンヌと逃げたエクスのせいで水泡に帰しちまったんだ。何とか出来るか?」
光樹もネプギアに続いて協力を請う。すると、その話を聞いていた大きなネプテューヌが返事をする。
「いいよー!と、言っても次元を移動できるのはわたしじゃなくて、クロちゃんの方なんだけどね。」
ネプテューヌさんが言った、くろちゃんという人物に、私は注目した。クロって名前からして、犬みたいな不思議な生物なのかな?と疑問を持つ。
その話に、海男さんがそのクロちゃんがいるところについて問いかける。
「それで、そのクロちゃんと言うのは何処にいるんだい?」
未だ一度もその姿を見てないから、ネプテューヌさんとは別行動をしているのかなと感じていた。
すると、大きなネプテューヌが、困った表情を見せつつ、そのいきさつについて語る。
「実は、この世界に来るなり、巨人みたいなのを見かけたと思ったら、面白そうとか言って飛んで行っちゃったんだ。」
「巨人って言うと、ダークメガミとエクストリィムか…。あの二体を見て面白そうとか、どんな子供な思想の持主なんだ?」
光樹はクロちゃんさんの行動と言動に、呆れた様子を見せていた。確かにあんな巨大で凶悪な敵に対してその発言は、どうなんだろうとネプギア自身も思ってはいた。
そうしてクロちゃんさんの人物像がどんなのなのか考えている内に、海男さんが、次の行動について話を出す。
「なら、次の目的は決まりだね。」
「あぁ。ポッと出の紫ババアもぶっ倒したし、エクスは逃がしちまったけど、直すのは大変だろうし、明日からはそのクロちゃんってのを探そうぜ。」
うずめさんも、次にクロちゃんさんを探すことに賛成する。それに続いて、私と光樹さんも返事をする。
「はい!」
「そうだな。次はクロ探しだな。」
数十分後…、ネプギアとうずめ、そして大きなネプテューヌは、ドラム缶風呂でお風呂に入っていた。
「…ふぅ。いい湯だなぁ…。」
「そうですね。こうしてドラム缶風呂に入りながら見る風景も、風情があっていいですね。」
うずめの落ち着いた声に、ネプギアも同じく、ゆったりとした様子で返事をする。こうしてちゃんとしたお風呂に入るのはいつ以来だろうか、とネプギアは思う。
思えば、お姉ちゃんと光樹さんと一緒にこの世界に来たのも、昔のことのように感じる。早く元の世界に戻って、懐かしいお風呂にも早く入りたいなぁという考えも思いつく。
そんな感じに想像にふけっていたネプギアの耳に、うずめのとある一つの不満が聞こえてくる。
「…風呂に三人で入って狭くなければ、なおさらいいんだけどなぁ。」
うずめさんの言葉には賛成だ。ドラム缶自体、かなり入り口が狭いので三人で入るのにはきつすぎる。今も、ネプテューヌさんが上半身を外に出しつつ、風呂に入っている状態だ。
そのネプテューヌさんの隠そうともしない開放的な裸に、私は注目する。うん。私のお姉ちゃんよりも、背は高いのはよく分かったけど、それ以上に、胸が大きいのにはびっくりだ。女神化した時のお姉ちゃんのよりは小さいけれど、それでもかなりの大きさで、並行世界の同一人物とは思えなかった。
すると、大きなネプテューヌが、うずめとネプギアの先程の発言に反対する。
「ダメダメ!やっぱり、お風呂はみんなで一緒に入らなきゃ!これ、お約束なんだよ。このことは、ねぷのーとにしっかりと書いとかないと。」
ネプテューヌさんの言葉に、ネプギアは心の中で笑う。ノートに思い出を書き込むっていう考えは、お姉ちゃんに似ている。本当にノートとかに書いてるわけじゃないけど、いーすんさんに大きな戦いが終わった後に仕事で捕まった時、その事件の整理のための報告書とかで、その戦いのことをよく書いていたりするのだ。もちろん、お姉ちゃん視点での、それも面白おかしくした話だから、全然報告書になってないけど。でも、それはちゃんといーすんさんによって、女神の記録ということで保存されていたりする。実にいーすんさんらしい対応だと、その時は思っていた。
ところが、そこで少し疑問が残る。マジェコンヌと戦闘した後、そのねぷのーとは標本のように使っていることを説明してくれたはずだ。なのに、書くとは…ノートっていうくらいだから、書けるのかもしれないけれど、気になった私は、ネプテューヌさんに話を聞いてみることにした。
「えっ、あれって標本じゃないですか?」
「ねぷのーとは、ねぷのーとだよ?ノートとして書くこともできるし、何でも標本にできる便利なノートなんだ。ちなみに、標本にした相手が特殊能力持ちだと、その力の一部を自由に引き出して使うことができるんだ。」
その話を聞くと、どうやら先程思った通り、ノートとしても使うことは出来るみたい。更には標本として吸収した相手の能力を、限定的ながら使うことができるという。その時点で、もはやノートという域を超えて、別世界の便利端末みたいに思えてくる。
「凄い…。そんなノートが実在するんだ…。」
そんな言葉を漏らす。ネプギアとしては、そのノートを詳しく調べてみたいところだったが、今はまだあのノートが必要な状況だ。それにいくらネプテューヌさんでも、それを貸して、調べさせてもらうなんてこと、無理そうなので、調査は諦めた方が良さそうだ。
驚きを見せたネプギアに、大きなネプテューヌは更に、これまでそのノートを使ってここまでのことを語る。
「そのノートがあったから、クロちゃんの能力を使って、今まで色んな次元を旅してきたんだよ。けど、こうして女の子同士、仲良くお風呂に入ったのは、今回が初めてかな。いやぁ、極楽極楽ぅ…。」
私たちと一緒に入れたことがかなり嬉しかったようで、ネプテューヌさんは満足したことを大きく言った。と、そこでうずめさんが小さな声でこちらに声をかけてくる。
「………なぁ、ぎあっち。その…なんだ。…悪かったな。今ここにいない、光樹のことについてもさ。」
唐突の謝罪に、私は驚く。おそらく、マジェコンヌ達から逃げていた時に怒鳴ったことを言ったのだろう。けれども、こちらも謝られるのも困る。だって、本当ならあの時点で帰れたはずなのに、自分たちのわがままで、ここまで付いてきてしまっているのだ。むしろ、うずめさんの方に、こちらは迷惑をかけてしまっていて、謝らなければいけないはずなのに。きっと、光樹さんも同じことを言うはずだ。
とりあえず、ネプギアはうずめに気にしないようにと答える。
「まだそんなこと言ってるんですか。私は気にしてませんし、それはきっと光樹さんも同じです。そして、うずめさんが責任を感じることもないですよ。」
「でも、俺のせいで…」
「いいんです。中途半端に問題を残して帰るのもやっぱり無責任ですし。それに、結果として帰れる方法も見つかりました。私はこれで良かったと思ってます。」
そう言ってうずめの反論を抑える。うずめはその言葉を聞いて、納得できなさそうにしながらも、口を噤む。とても反論したそうに見える。けれど、いつまでもそんなことを気にしているのはうずめらしくないと思ったネプギアは笑顔で通す。
そうして反論を抑えたところで、聞きにくいことを、ネプギアはうずめに聞く。
「…けど、一緒には来てくれないんですよね。」
「あぁ…。せっかく誘ってくれたのにわりぃな。」
それを聞いて、落ち込む。やはり、うずめさんは私や光樹さんと一緒にこの世界から私たちの世界へは来てくれないようだ。でも、しょうがないことだとは思う。前にもうずめさんが言っていた通り、簡単に自分の世界を捨てることなんて出来ない。うずめさんの意見を尊重するべきだ。
「いいんです。無理に連れて行っても、喜んでもらえませんし。」
ネプギアはそう答える。けれども、やはりうずめのことが気になってしまうネプギアだった。そこで、うずめがそれを察したのか、はたまた偶然か、あることをネプギアに話す。
「…実はな、ねぷっちにも誘われたんだよ。ねぷっちの世界に来ないかって。」
「お姉ちゃんにも、ですか?」
ネプギアは聞き返す。まさか、自分の姉も同じことを聞いていたとは。姉妹だからってことも関係するのかもしれないが、同じように言っていたんだ、と思った。
うずめは話を続ける。
「あぁ、ぎあっちと同じことを気にしてくれてた。けど、こんなんでも俺は女神なんだよ。だからさ、いつかはこの国を立て直して人でいっぱいの国にして見せる。」
うずめさんのその話に、私は声に出さずに感動する。決して折れない意志に、心を打たれたのだ。もし私が同じ状況だったら、諦めていたかもしれない。女神であるという責任が、ここまでうずめさんを支えていることなのだろう。
感動するネプギアに対し、うずめはとある約束をする。
「ゼロからのスタートだが、これが俺の夢だ。叶えたら、ぎあっちの世界に遊びに行くよ。」
それは、いつかネプギアたちの世界に来るということだった。その嬉しい発言に、ネプギアも答える。
「約束ですよ?」
「あぁ、約束だ。その為にも、ぎあっちは俺が責任を持って元の世界に帰してやるからな。」
「はい。……ふふっ。」
「ん?どうした、いきなり笑ったりして。」
いきなり笑ったことに対して、うずめさんが聞いてくる。理由は、そんなことを言ううずめさんがかっこいいと思い、喜んだからだ。せっかくなので、うずめさんにそのことを伝える。
「今のうずめさん、カッコイイと思っちゃいました。」
「おっ!マジか!やっと、ぎあっちも俺のカッコよさをわかってくれたようだな!そうかそうか。やっぱ俺ってカッコイイか。」
「…あ、けど、カッコイイって言われて喜ぶうずめさんは可愛いかも。」
そんな笑い話をしながら、私たちのお風呂の時間は過ぎていく。せっかくだから、光樹さんにも、後で入ってもらいたいと思う。一人なのは寂しいかもだけど、この景色はいいものがあるから、きっと喜ぶだろう。
しばらくの間、話をしてネプギアたちは風呂から出た。
♦
ネプギア達がお風呂でわいわいと騒いでいたころ、光樹はキャンプから少し離れた森の中で、一人立っていた。その身は既に新たなガンダム、シュバルトゼロガンダム・クロスを身に纏い、戦闘状態へと入っていた。
しかしながら周りに敵はいない。そう、これは戦闘ではなかった。これは、テストであった。シュバルトゼロ・クロスの武器を把握するための。
おそらく、またエクスとの戦いは間違いなく起こるだろう。あいつとマジェコンヌを完全に倒しきらなければ、この戦いは終わらない。ならば、こちらも万全の用意をする必要がある。
だがしかし、ここでとあることを知る。それは、ゼロから知らされたことだった。
『光樹。腰部のANプロトスタビライザービームキャノンは使うな。あれは制御が現在できない。』
「……はぁ!?」
あまりに唐突な知らせに、光樹も声を大にする。制御が効かないとは、完全に武器としては欠陥ではないだろうか。
ところが、光樹が気づいたことが、あった。それはエクスと戦って分かったことだった。
それは、武器の性能が天よりも低い気がしたのだ。クロス・カップリングシステムは確かにすごい。高速戦闘により、エクスとの戦いでも、エクスを上回って、背後を取って、一撃を決めることが出来た。
だが、普通なら、あんな近距離で攻撃したのに腕だけが溶解、肩部が残る程度の被害だけというのに納得できなかった。
「なぁ、ゼロ。クロスが天より弱い気がするんだが…。」
そう聞いてみると、ゼロが答える。
『当然。クロスは天より消費エネルギーを減らしたり、制御が効きやすくするために天よりも性能は抑えられている。』
「なんだよ、それは…。後継機なのにモデルになった機体より弱いのか?」
ゼロの答えに、光樹はつっこむ。本当に性能が低いとは思っていなかった。光樹はがっかりした反応を見せる。
すると、ゼロがフォローを入れる。
『しかしながら、本機はクロス・カップリングシステムに特化している。クロス・カップリングシステム時には、天以上の性能を見せられる。』
要するに、クロス・カップリングシステムに頼れ、という発言だった。それでもやはり、光樹としてはそんなので本当に勝てるのだろうか心配になってくる。
ところがゼロは、その後すぐにとあることを進めていることを教えてくる。
『しかしながら、敵との決戦のため、シュバルトゼロガンダム・ゴッドクロスの修復を急ピッチで進めている。それなら、あのガンダムも倒せる。』
「ゴッドクロス……?」
聞いたことのないガンダムの名前だった。シュバルトゼロの後継機であることは分かるが、どんな機体なのかは分からなかった。
しかしながら、その機体ならばきっとエクスも倒せるのだろう。ゼロも倒せるというのだから、間違いないはずだ。
「よし。じゃあそっちの修復、頼んだぞ?」
『分かっている。』
ゼロにそう声をかけた後、光樹は再び、武器の調整に戻った。
TO BE CONNTINUED
今回もここまで読んでいただきありがとうございます。
レイ「なんだか今回ほのぼの回かと思ったら、意外と衝撃的な事実が出てきたね。」
ジャンヌ「ゴッドクロスのことは知っていましたが、やはり、あの性能で天より性能が低いだなんて。」
でも、性能の安定性は高いから、光樹君としては使いやすいだろうな。
さて、今回はここまでで!
レイ「次回はいつなの?」
一応月曜日辺りかな?でも進みが良ければ、やっぱり6日更新の日曜日になるかな。
ジャンヌ「じゃあ、しっかりと書いてくださいね、藤和木。」
うん、頑張ります。
レイ「それじゃあ、次回もよろしくーっ!!」