新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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(二人共、行きますよ?)

ジャンヌ&レイ(はい。(うん!))


全員「祝・ハーメルン活動一周年!!」

はい、というわけで、皆様、お元気でしょうか?藤和木弘です!

レイ「今日は少し始まり方が違うよーっ!レイ・オーバだよっ!」

ジャンヌ「今回は特別ですから…どうも、皆様。ジャンヌ・ドラニエスですっ。」

先日5月16日に私、藤和木弘はハーメルンでの活動一周年となりましたっ!ここまで続けられて嬉しいです!

ジャンヌ「ここまで続けられたのは、皆様のおかげです。ありがとうございますっ。(ペコリッ)」

さて、今回のお話はエクス達との決着です!そして、あとがきでは、とある発表をいたします!

レイ「さぁ、そろそろ本編行ってみよー!!」


第58話 マジェコンヌの捕縛、エクス逃す

 

光樹のシュバルトゼロ・クロスがエクスの左腕を吹っ飛ばしたのと同じころ、マジェコンヌを相手にしていたネプギアたちの方も、終盤に差し掛かっていた。

 

「えい!たぁ!!」

 

ネプギアのM.P.B.Lの連撃が、マジェコンヌの体を切りつける。攻撃を受けたマジェコンヌが、すぐさま反撃に転じようとするけど、遅い。疲労のたまった攻撃は、ネプギアを捕えることはない。ネプギアは攻撃を下がって回避する。

攻撃が空ぶると、うずめさんが続いて追撃を加えに行く。

 

「てぇーりゃぁ!!グルグルぱーんち!!」

 

うずめさんの手にらせん状のエネルギーが集中する。ドリルのようになった魔力を腕に纏い、うずめさんはマジェコンヌに突撃する。ドリルパンチはマジェコンヌの背面の顔のような部分に直撃する。そして、そのままの勢いで、マジェコンヌを貫き抜いた。

マジェコンヌの背面の顔は、いくつもの抉ったような傷が出来ていた。。先程のうずめさんの攻撃した部分は損傷が特にひどく、らせん状の傷がこちらからも分かった。

その攻撃を受けて、マジェコンヌが吐き捨てる。

 

「おのれェ…!!」

 

そして、目の前に大きな魔方陣を展開する。今までの物よりも、かなり大きめの魔方陣で、三人を丸ごと飲み込むほどの大きさだった。その魔方陣に、周りの魔力が吸収されていく。

その大技の構えに、ネプギアは退こうとしたがそれは無用となる。後ろの方で待機していた大きなネプテューヌが突撃したのだ。その攻撃が放たれる前に、ネプテューヌは決める。

 

「これぞ、二刀流の神髄。」

 

魔方陣を超えて懐に飛び込んだネプテューヌさんはマジェコンヌに、その二振りの両刃剣による連続攻撃を浴びせる。

 

「がぁああ!?」

 

その攻撃を受けて、マジェコンヌは後ろに数歩下がってからうなだれる。どうやらさっきの一撃が決め手になったみたいだ。先程まではここまでの威力はなかった気がするのは、多分待機している間に、強化魔法を唱えていたからだろう。私がやうずめさんが攻撃している間、ネプテューヌさんは自身に魔法をかけている様子が見えたので、間違いないだろう。

勝利できたのを感じ取ったネプテューヌさんが、声を大にして勝利を喜ぶ。

 

「だいしょうりー!」

 

その言葉に、ネプギアたちも勝てたことを感じ取り、喜ぶ。劣勢になった時はどうなるかと思ったけれど、こうして勝つことが出来た。でも勝てたのは、支援に来てくれた大きなお姉ちゃんこと、ネプテューヌさんのおかげだろう。

一方、その様子を忌々し気にマジェコンヌは見て呟く。

 

「馬鹿な!この私が、こんなふざけた小娘如きに敗れるなど…。」

 

負けると思っていなかったマジェコンヌにとっては、これは予想外のことだっただろう。しかし、まだ油断は出来ない。なぜなら、まだ光樹さんの方の戦闘が終わってないから…と思っていると、そちらも動きを見せた。

突然、マジェコンヌと私たちの間にエクスがすべり込むようにして割って入ってくる。いきなり割り込んできたのも驚いたが、更にエクスの左側も見て、驚きは増す。エクスの左腕は、丸ごと消えており、残っているのは熱で溶けたような、肩のパーツの一部だけだった。おそらく、光樹さんの新たなガンダムの攻撃によるものだろうと、ネプギアは予想した。流石、光樹さんだ。

そう思っていると、エクスを追うように、光樹さんも横合いから私たちの前に地を滑りながら現れた。その姿は、先程の姿よりも違っていたけど、間違いなく光樹さんだった。

エクスを退けた光樹に、うずめが声を出す。

 

「光樹!そっちも終わったんだね。」

 

そのうずめさんの言葉に、光樹さんが答える。

 

「あぁ。何とかな。」

 

少し疲れていそうな声だったけど、その言葉を聞いて安堵する。これでもう障害はなくなった。

対して、マジェコンヌは、エクスのそのダメージにも驚いていた。

 

「エクス!貴様、楽に倒せるのではなかったのか!?」

 

「楽に倒せるとは言ってはいない。だが、油断した。まさか記憶を失くした黒の少年がこれほどまでとは…。」

 

「くそっ、嘘だ!このような結果など…!」

 

マジェコンヌはその事実を受け入れようとはしなかった。けれど、そこに、ネプテューヌさんが敗北の事実を宣告する。

 

「それが実際には負けちゃってるんだなー、これが!」

 

「ぐぬぬぬぬ…。」

 

その事実を突きつけられ、マジェコンヌは歯ぎしりをする。エクスも、歯ぎしりなどはしなかったけど、ジッとこちらを見返している。けど、これは私たちというのは正確には違い、ネプテューヌさんと、光樹さんに向けられているように見える。それもそのはず、二人が負けた直接の原因が、その二人によるものなのだからだ。

しばらくの間、勝利に歓喜していた四人だったけど、そこで、ネプギアたちを見ていた大きなネプテューヌが、ある事実に気づいた。

 

「あれ?もしかして、二人って女神様だったの?」

 

それは、私たちが女神だということだった。言うタイミングが遅すぎる気がするけど、そこは多分、戦闘の方に集中していて、気づかなかったということなのだろう。

それを聞いたうずめさんは変身を解き、ネプテューヌさんの質問に答える。

 

「まぁな。名乗り遅れたが、俺の名はうずめ。この国の女神だ。さっきは助かったよ。」

 

うずめさんは例を言う。その姿を見て、ネプテューヌさんが興奮する。

 

「おーっ!うずめって、普段はカッコイイんだね!」

 

「俺がかっこいいだと!?ふっ、さすがねぷっち、わかってるじゃないか。」

 

ネプテューヌさんのその感想を聞いて、うずめさんは喜ぶ。素直にカッコイイと言われたから喜んでいるんだろう。でも、うずめさん、お姉ちゃんとは同じ名前だけど、お姉ちゃん本人ではないと思います…。

そして、大きなネプテューヌは続いてネプギアの姿についても言及する。

 

「ネプギアは女神化を解くと、名前だけじゃなくて見た目もわたしとそっくりさんになるんだね。」

 

先ほどは変身していたから、元の姿が分からなかった故の言葉だった。でも、本当にネプテューヌさんは、お姉ちゃんとそっくりだ。ネプテューヌさんも、思わず願望を口にする。

 

「わたしに妹がいたらきっとネプギアみたいな子なんだろうなぁ。いいなぁ、妹欲しいなぁ。」

 

その言葉を聞いて、ネプテューヌさんが一人っ子であることを知る。でも、まさか自分を見て、自分みたいな妹が欲しいと言ってくれるなんて、少しうれしかった。

けれど、ネプギアはどう反応していいか困る。先程気になっていた、いきなり自分の姉とそっくりな人物が目の前に現れたことに、未だに納得できなかったからだ。

それを察した海男さんと変身をまだ解いていない光樹さんが、ネプテューヌさんに言う。

 

「こらこらねぷっち。ぎあっちが困っているよ。」

 

「そうだぞ。大人ネプテューヌ、少しは落ち着けって。」

 

「ごめんごめん。困らせるつもりじゃなかったんだよ?つい、浮かれちゃって…。」

 

ネプテューヌさんはこちらに対して謝ってくる。でも、確かに困ってたけど、ネプテューヌさんがいなかったら、この戦いにも勝てなかったわけで…。

でも、ネプテューヌさんの驚きは、まだ続いた。それも、驚きの反応が。

 

「っていうか、ロボットっぽくなってる君。――――――ひょっとして、黒の機械天使?」

 

「…え?」

 

その言葉に、光樹さんも戸惑う。だって、光樹さんのことを知っている人が出たのだから。

光樹さんは慌てて、そのことについて追及した。

 

「ちょっと待て、大人ネプテューヌ!過去の俺を知っているのか!?」

 

「あ、うん。ちょっと君みたいな姿をした機動戦士が女神様と一緒にきせーじょーれいと戦ったって話を聞いたことがあるんだ。」

 

きせーじょーれい。それを聞いて、私は思い出しました。

キセイジョウ・レイ。かつて、神次元と呼ばれるゲイムギョウ界を巻き込んだ事件での、黒幕でもあり、被害者でもある人だ。その時は、プルルートさんや、神次元の女神様、それにピーシェちゃんとも協力して、レイさんを止め、最後はタリの女神の力をプルルートさんや正気に戻ったレイさんの尽力で、その力は消え、事件は終幕を迎えた。

けど、先程のネプテューヌさんの話は違っていた。私たちと光樹さんは、お姉ちゃんが拾ってきた時が初めて会うはずなのに、既に光樹さんが私たち女神と会っているなんて。光樹さん程の特徴的な人、忘れているはずがないのに。

その話を聞いて、光樹も考え込むように手を顎に当たる部分に当てる。けれど、話の内容は、元の話へと戻る。

 

「あ、そういえば。このグロテスクなのと青いロボットはどうするの?マザコングとエックスって言ったっけ?」

 

大きいネプテューヌの発言に、ネプギアたちも思い出す。倒したのはいいけれども、どうするかなんて考えてすらいなかった。

その事を、そのまま口にした。

 

「どうしましょう?倒したあとのこと考えてなかったかも…。」

 

「まさか、逆転できるとは思ってなかったからな。」

 

「正直言って、敗走するか掴まるか、やられるか、って思ってたし、さて、本当にどうするか…。」

 

うずめさんや光樹さんの言う通り、先程はとにかくやられるか、もしくは倒すかということしか考えてなかった。倒した後どうするかなんてことを考える暇がないくらい、ギリギリだったので、どうすればいいかを考え始める。

すると、うずめが直球の意見を出した。

 

「けど、散々いたぶってくれた礼をするにはもってこいの展開だな。」

 

「暴力で解決するのかよ…。」

 

うずめさんの直情的な意見に、光樹さんがあまり賛成的ではないことを伝える。

ネプギアとしても、いくらこちらをしつこく狙ってきたとはいえ、あまりいたぶるというのはちょっと…という気持ちがある。

けれども、うずめさんはそのままマジェコンヌたちに言い放つ。

 

「へっへっへー。さぁーて、どんな目に合わせてやろうかぁ。俺直々にかっこよく制裁してやるから覚悟しやがれ。」

 

その言葉は、明らかに悪役の言いそうな言葉であった。女神様が言うような言葉ではない。何回も邪魔されたら、その行動はある意味正しいけれど、流石にそれはやり過ぎだ。

その言葉に、マジェコンヌも狼狽える。

 

「わ、私にはこれ以上貴様らと戦う意志はないんだぞ!それでも女神か!?女神なら女神らしく捕虜の扱いは法律に則ってだな!」

 

「法律?んなもん知らねぇよ!この国の女神は、俺だ。つまり、俺が法律だ。だから、テメェに俺が何したって法定内なんだよ!うっかり、テメェを殴り殺しても法定内での事故なら、仕方ねぇよな?あぁん!?」

 

「ぼ、暴力はいけない!」

 

必死にその制裁から逃れようと説得をするマジェコンヌの言葉には、同情する。けれど、うずめは全く許す気はなく、手をポキポキと音を鳴らす。完全に制裁を加えることしか、考えていなさそうだった。その様子はまるで一昔前のヤンキーとでも言うべき話し方だった。

 

「うずめさん、ノリノリですね。」

 

「これではまるでタチの悪いヤンキーだね…。それほど鬱憤がたまっていたのだろう。」

 

「…けど、完全に悪役キャラですよね。」

 

うずめの様子に、ネプギアと海男が苦笑いしつつその様子を眺める。これでは、どっちが悪役なのか分からなくなってくる。

マジェコンヌが怯えている一方で、エクスが冷静に言い返す。

 

「ふん。貴様の制裁など、痛くもない。」

 

「へぇ。じゃあ、エクスに対する制裁は、光樹に任せるかなー。どうだ、光樹?」

 

余裕そうなエクスを怖がらせるために光樹さんを使おうとうずめさんは思ったのだろう。よく考えると、エクスはロボットだから、私たちの方での制裁ではエクスにはあまり効かないのかもしれない。そう思うと、エクスを中破させた光樹さんがぴったりだろう。

その言葉を聞いた光樹さんは、ノリノリではない様子を見せながらも、従う。

 

「さっきのマジェコンヌの言葉って、カミーユ…って今はどうでもいいか。さて、あんまり無駄な制裁っていうのはしたくないんだけどな。…悪いけど、俺もちょっと怒ってる。だから覚悟しろよ?」

 

「出来るものなら、やってみろ。貴様は我を捕えることなど、出来ないのだからな。」

 

しかし、エクスは余裕で言い返す。まだ、この状況から逃げられると思っているのだろう。けれど、何の根拠があって?ネプギアはエクスを注視する。

と、物騒な考えが出てくる中で、話に入ってなかったネプテューヌさんが仲裁に入った。

 

「待って待って!暴力はダメだってばー。」

 

「なっ、貴様…。私を助けてくれるのか…。」

 

その後ろ姿を見たマジェコンヌが呟く。悪役も助ける辺り、お姉ちゃんらしいとは思った。けど、お姉ちゃんではないことを思い出し、違う存在であることを頭の中に置く。

そんなネプテューヌさんに対し、うずめさんが文句を言う。

 

「どけ、デッカイねぷっち。こいつだけは見逃してやる義理はねぇ。」

 

「ネプテューヌらしいな。けど、それならどうするんだ?」

 

光樹さんも、ネプテューヌさんの言葉に興味を持つ。主人公を自負するお姉ちゃんのそっくりさんだから、きっと主人公らしいこと…たとえば、仲間にしようとか、そういうことを思っているのかな?マジェコンヌを知っているお姉ちゃんだったら、そういうことはしないんだろう。けど、きっとこのネプテューヌさんはマジェコンヌを知らないから、もしかするとそういうことなのかも。

だがしかし、ネプギアの考えは、続いて語られた大きなネプテューヌの言葉によって、変えられることになった。

 

 

 

 

 

「ダメったらダメなの!このグロいのとロボットは、わたしが標本にしたり、軍隊に持ってくって決めてるんだから、だめなの!」

 

 

 

 

 

「…え。」

 

「何…だと?」

 

「…はい?」

 

その発言に、その場にいた全員が驚きを見せる。特にその対象であるマジェコンヌとエクス、それにうずめと同じようにエクスを成敗しようとしていた光樹は、声を出して唖然としている。

けれど、その発言に気にすることなく、大きなネプテューヌは自分の考えを語っていく。

 

「だって、見てよ、この紫色の羽根。如何にも毒を持っている珍しい蝶って感じだし、ぜったいレアな生物だって!それにロボットの方だって、どうやったら、あんなに姿を変えられるのか、気になる人も多いから、技術者さんに見せたら、目の色変えて解体したがるはずだよ!」

 

「た、確かに私、あの体解体したいかも!」

 

大きなネプテューヌ発言に、ネプギア自身も賛成する。

だって、あんな多彩な攻撃が出来たり、機体が発光するって、光樹さんのガンダムを調べたことのある私でも、気になっていたから!もしここで捕まえられたら、好きに解体してもいいってことだよね!もしかしたら、その時に分かった技術を使って、私も機械生命体を作れたり…!

そんな想像を膨らませるネプギアに、危険を感じたのか、光樹がしっかりするように言う。

 

「やめとけ、ネプギア!あいつを解体したら色々不幸になる!」

 

「な、なんでですか!だって、光樹さんも中がどうなってるかとか、気にならないんですか!?」

 

光樹さんの意見に、私は反対する。すると、光樹さんが、きっぱりと言い切る。

 

「ロボットの内部機構は…特にエクストリームは夢の中だけにしてくれ。俺の好きなガンダムの一体にエクストリームがいるから!頼むから身内でそんなことするやつがいると知れたら嫌がられるからやめてくれ!」

 

「は、はい…。」

 

光樹さんの勢いに負け、そう言った。でも、気になるなぁ。

とりあえず、それは保留にしておくとして、ネプテューヌさんはそれらを含めた結論を言う。

 

「だから、生きたまま標本にして、わたしのコレクションにするんだー。」

 

「ひいぃぃぃぃ!?!?!?!?」

 

「…ある意味、一番たちが悪いな。」

 

マジェコンヌは慄く。その発想に、狂気を感じたからだろう。海男さんもそう呟く。そこに、エクスが光樹さんに助けを求めた。

 

「おい、黒の少年!そんなに我のモチーフになったエクストリームが好きなら、見逃すな!?」

 

「あ、ごめん。流石に敵だから助けはしないから、助かりたかったら自分で逃げて。それから、また攻めて来たら、そうなることは覚悟しておけよ?」

 

光樹さんがそう言う。逃がすだなんて…そんなこと、うずめさんが許すだろうか?

うずめの方を見ると、うずめさんは光樹の方に怒りの表情を見せている。やはり許す気はないようだ。そのため、ネプギアは光樹に逃がさないようにと言った。

 

「だ、ダメですよ、光樹さん。ここで逃がして、また強くなって襲ってきたら…。」

 

すると、その質問にゼロさんが答えた。

 

『危険。やつはまだ力を残している。』

 

「え?」

 

言っている意味が分からなかった。力を残している?だって、エクスは失った左腕を庇って…。

そう思ってエクスの方を見ると、エクスは笑い声を出す。

 

「フフフッ。バレていたか。」

 

「あぁ、ディメンションバンカーを最大火力で撃ったのに、意外と余裕そうだったからな。」

 

まさか、笑う余裕があるなんて…。ネプギアはその姿に恐れを感じる。

そして、エクスが背部にウイングを装着し、浮き上がる。

 

「しかし、これは不利だ。今回は退かせてもらおう。マジェコンヌ、貴様は自分でなんとかするのだな。」

 

「エクス貴様、一人で逃げる気か!」

 

マジェコンヌが制止する。しかし、エクスは飛び立つ。

 

「再び会う時には、貴様らは地に付くだろう。その時まで首を洗って待っているがいい。」

 

去り際にその言葉を残して、エクスは飛び去った。

その様子を見送るだけしか、私たちは出来なかった。けれど、いつまでもそんな過ぎた相手にばかり気にしていなかった。ネプテューヌさんが、早速残ったマジェコンヌを標本にするために、行動する。

 

「そんなわけで、きゅーしゅー!えーい!」

 

その言葉を手帳のようなものを向けて言う。すると、手帳から何かを吸い込むように風が発生する。

 

「す、吸われるううぅぅぅ。」

 

マジェコンヌは、その体を小さくされながら、本へと吸われていく。

 

「わっ、すごい。マジェコンヌが小さくなりながら本に吸収されていく。」

 

そして、完全にその小さくなった体が、本に吸い込まれる。

 

「そして、最後にテープで止めたら…はい、おしまいっ、と。」

 

テープが張られ、完全に動けない状態になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

大人ネプテューヌがやったその技に、うずめが食いつく。

 

「へぇ…凄いな、この本。あんなにデカかったやつがこんなに小さくなって貼り付けられてやがるぜ。」

 

ネプテューヌが吸収した本には、確かに厚みのあるシールのように小さくなって、ノートに張り付けられたマジェコンンヌの姿が見えた。まさか、こんなことが出来るなんて、光樹も驚いていた。

しばらく眺めていると、張り付けられたマジェコンヌが驚きの声を上げる。

 

「おい、これはなんだ!この私を誰だと思っている!今すぐ解放しろ。」

 

声が高めになったマジェコンヌが、ブルブルと震えながらそう言う。その様子は、見ていて滑稽だった。ここまで小さくなると、怖さよりもむしろ可愛さが出てくる。

 

「なんか言ってますね。けど、こんなに厚さがあるんじゃ、本が閉じないんじゃないかな?」

 

「こらー!わたしを無視するなー!」

 

ネプギアのその疑問は納得できる。せっかくここまで小さくしても、本が閉じられなければ、持ち運ぶのも難しい。

すると、大人ネプテューヌが慣れたように言う。

 

「それなら、だいじょーぶ。えいっ。」

 

そう言うと、勢いよく、本を閉じた!

 

「あべし」

 

勢いよく本が閉じられたためか、マジェコンヌが奇声を上げた。まさか、そんな無理やり閉じるなんて、思ってもいなかったので、驚く。

同じく、ネプギアもそのことについて発言する。

 

「わっ、潰しちゃった。」

 

一応、閉じれたので持ち運びは問題ない。が、潰れたことでいくら敵とはいえ、マジェコンヌの身を案じてしまう。

だが

その心配は無用であることを大人ネプテューヌが言う。

 

「大丈夫大丈夫。よくわからないんだけど、こうして閉じちゃえばさっきのまま保存できる便利な本なんだ。」

 

「そうか、それなら…え、よく分からないのか?」

 

「いつもこーしてるけど、それで死んじゃったことはないから、大丈夫だよ。」

 

(死んでないなら、大丈夫か。)

 

光樹はそう思った。とりあえず、マジェコンヌはこうして捕まえることは出来た。後でどうすることも出来るなら、これでオッケーだろう。

 

「よくわからねぇけど、なんだかすげぇな。」

 

「けど、これなら持ち運びも便利だし、あとでゆっくり彼女から話を聞き出すこともできるだろう。」

 

海男もそう言った。

だが、うずめは不満そうに呟く。

 

「俺としては、ボコリ足りねぇけどな。」

 

不満を口にするうずめに対して、光樹はなだめる。

 

「まぁまぁ、そう言うなって。あまりそんな発言ばっかりしてると、女神じゃなくて不良に見えるぞ?」

 

「それだけ怒ってんだよ。特に光樹、みすみすとあのガンダムもどきを逃がしやがってよぉ。」

 

突然のうずめからの不満に、光樹はギクッ、とびくつく。やはり、逃がしたことは怒られてしまうか、と思う。

しかし、ZEROシステムから、動かない方がいいという予測をもらったため、それに従って行動したまでだ。確かに、エクスを逃がしたのはキツイ。ああは言ったが、まさか本当に逃がしてしまうとは、思ってなかった。

そこで、海男が元の目的へと話を進める。

 

「さて、それでは改めて本拠点に出発しようか。」

 

「そうだな。でっかいねぷっちも一緒に来るか?」

 

うずめも大人ネプテューヌに同行するか聞く。すると、ネプテューヌは聞き返してくる。

 

「わたしもいいの?」

 

「助けてくれたんだ、当然だ。これから一緒に来てくれると、戦力的にも嬉しいし、何か礼もしたいしな。」

 

光樹がそう言うと、大人ネプテューヌははしゃいだ声を出す。

 

「わーい、やったー!この世界に来てからずっと一人ぼっちだったから寂しかったんだよねー。それにもってた携帯食料がなくて、野垂れ死に寸前だったんだ…。」

 

そんな言葉を聞いて、光樹は少し驚く。

驚いた理由は、ここまで別世界のネプテューヌがしっかりとしていたからだ。以前光樹自身がプレイした「神次元ゲイムネプテューヌV」では、並行世界のネプテューヌはおそらくニートで自立していけないと言われていたのだ。しかし、目の前にいる、おそらく別次元のネプテューヌ(まだどこの世界出身かは知らないが。)は、携帯食料をちゃんと持ってきていて、しかも言葉も大分超次元のネプテューヌよりもしっかりとした言葉遣いで、まるで別人…。それこそ、光樹が仮称している大人という言葉にピッタリだった。

先程の言葉に、うずめが答える。

 

「なら、礼に腹いっぱい食わせてやるよ。」

 

「本当!?ありがとう!」

 

「それじゃあ、出発しようか。込み入った話は、拠点についてからだ。」

 

 

 

 

 

歩いて一時間ほどで、山の中の川沿いに、キャンプ場のような場所にたどり着く。

 

「ここが、俺の拠点だ。」

 

その言葉で、ここが本拠点ということを知る。少し長かったが、ようやく、休めるようだ。

先に進んでいくうずめ達の後を、光樹達は付いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

光樹達が本拠点に着く、三十分ほど前。比較的被害が少ない街の施設の一角に、エクスはいた。

左腕はまだ溶けたままのぶらんとさせ、若干ぶらつく。そうして歩いている内に、とある建物で足を止める。そこはエクス達がこの世界を崩壊させるための拠点だった。その中には、その左手を交換するための機材が置かれており、修理するために戻ってきたのだった。

すぐに部屋に入った所で、エクスのコンピューター内に、一本の通信が入る。通信主は、自身とマジェコンヌのそれぞれの主達であった。すぐに、エクスはその回線に出る。

 

「こちらエクス。」

 

『やぁ、エクス。どうやら黒の少年に後れを取ったようだね。』

 

男の声、自分の主の声。エクスはそれを聞いて言葉を詰まらせる。相変わらず、まるで物事を見ているかのようだった。言葉を詰まらせるエクスに対し、もう一人の声が響く。

 

『まさかマジェコンヌはおろか、君までもが引かされることになるとは、「オレ」も驚きだよ。』

 

「…申し訳ない。」

 

そう呟くと、自分の主が言う。

 

『別に謝らなくていい。君は所詮その程度なのは知っている。それよりも…』

 

その言葉が紡がれる前にこちらから言う。

 

「分かっております。次は必ず、黒の少年を討ちます。」

 

『あぁ。頼むよ。』

 

そう言って通信は切れる。

失敗は許されない。あのお方の前では、すぐに塵にされる。そのことを思いつつ、エクスは左腕を交換する。

手を動かし、接続されたのを確認する。

そして、エクスは独り言を言う。

 

 

 

 

「今度こそ黒の少年…いや、あのお方の因縁の敵を討つ…!」

 

光樹を討つことを考えながら。

 

 

TO BE CONNTINUED

 




さぁさぁ、今回もお読みいただき、ありがとうございます。さて、お話の後に、今回は発表があります!

ジャンヌ「それは…なんと、作者・藤和木弘とわたくし、ジャンヌ・ドラニエス、そしてレイさんことレイ・オーバの三人がメインメンバーとなる、現状「新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG」の外伝を発表いたします!」



レイ「作者・藤和木弘の妄想と言う名の現実により描かれる、SSRと言う名のGの制作裏での、ちょっとした裏話…!」

タイトルは、「SSRと言う名のG外伝~藤和木弘の極めて中二病な裏話~」です!

ジャンヌ「一応藤和木の二作目となる作品になりますね。」

そうですね。しかし、とある問題が…。

レイ「ん?なんなの?」

原作がどれにすればいいか分からん\(^o^)/

ジャンヌ「へ?超次元ゲイムネプテューヌを原作にすればいいのでは…?」

そんなことしたら同じ作者さんたちにタコ殴りにされる。これネプテューヌじゃないだろって。

レイ「じゃあ、バトルスピリッツかな?」

そしたらバトスピ小説の作者さんたちに…

ジャンヌ「だったら、どうするんですか…。」

そこで私は考えた!原作を「クロスオーバー」にすれば万事解決じゃね?と…!

レイ「あー、確かにそれならバトスピとネプテューヌ混じってても問題なさそうだねっ!」

ジャンヌ「けれど、読んでいただけるのでしょうか?」

そこはまだ分からない。けど、やるならやってみせる!でも、実際私としても他の人の意見を聞きたいです。
というわけで、アンケートです。この極めて中二病な裏話…略して「のめてな」!

レイ「略し方ヒドッ!?」

ジャンヌ「どこかで聞いたような略し方ですね…。」

気にするな。この「のめてな」の原作は何がいいですか?について、今日からアンケートを行いたいと思います。詳しくは、活動報告の方に案内載せておきます。

ジャンヌ「今二つの作品を同時に進めるという今まで経験したことのないことを同時進行中の藤和木としても、かなり困っています。」

レイ「だから、一人でもアンケートに協力してほしいなっ!」

よろしくお願いします<(_ _)>
というわけで、今回はここまで!

レイ「次回の黒の館は、さっきも言ったように、少し藤和木のスケジュールが厳しいから、火曜日辺りになるよ。」

ジャンヌ「次回もよろしくお願いします。」

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