新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どーも、皆様方。学校の実習で行った先でアニソン集CD買ってご機嫌の藤和木弘です。

レイ「早く聞きたいねっ!レイ・オーバだよっ!!」

ジャンヌ「でも、先に今日の投稿を終わらせないといけませんよ、お二人共。どうも、皆様。ジャンヌ・ドラニエスです。」

さて、第57話投稿です。タイトルにはどこかのアニメで聞いたようなシステム名が出ていますが、もちろん、参考にしてます。

レイ「パクリの域行ってない?」

それは言ってはいけません。ダメなのです。

レイ「だ、だよねー。」

ジャンヌ「作者の考えるガンダムは、皆様にも分かりやすいようにもとからある武器を参考にしてますから、仕方ないですよ。」

まぁ、半分はまっさらな状態から武器作るのは難しいからで…

ジャンヌ「ちょ…!作者!せっかくフォローを…(カッ!)きゃあ!?」

えちょま…倒れ…(ドサッ!)

レイ「うわっ!?二人共大丈夫?ジャンヌちゃん服ちょっと脱げかけてるけど…」

ジャンヌ「ひゃぁああぁ!?さ、作者!あんまり見ないでください!!」

ご、ごめん!!とりあえずレイさん、本編に!!

レイ「じゃ、じゃあ本編にいっくよー!!」


第57話 クロス・カップリングシステム始動

 

 

エクスに対して、強気に言い放った光樹は、すぐに新たな機体、シュバルトゼロ・クロスで戦闘を開始する。腰部に装備されたANカタナの発展型であろう武器を抜き放ち、エクスの高出力ビームサーベル、タキオンスライサーと切り結ぶ。普通なら、エクスの方のタキオンスライサーがすぐにこちらの実体剣であるANカタナⅡを溶断していただろう。

しかし、実体剣はAN粒子でコーティングされることでビームサーベルを切り結ぶことが出来た。それだけではない。機体の出力が更に上がったことで、コーティングする粒子量が更に増大し、タキオンスライサーを負荷なく受け止めるほどの耐久性を持たされていた。

互いに拮抗する状況に、エクスが先に動く。

 

「チッ!」

 

エクスが後ろに下がって攻撃を回避する。空ぶった反動で前のめりになるのを堪える。光樹がすぐに元の体勢に戻ると、エクスが既にこちらに対し、火球を放っていた。

 

「燃え尽きろ!」

 

腕部のバンカーユニットから放たれた火球が、こちらに向かってくる。先程光樹のシュバルトゼロ天を行動不能にした攻撃だ。

しかし、光樹はその攻撃に対し、正面から立ち向かう。

 

『光樹、腕部砲「ディメンションバンカー」を。』

 

「分かった、やってみる。」

 

ゼロからの指示に従い、刀を持った右腕とは反対側の手を火球に対して向ける。そして、手を開く。開いた手のひらの部分には、発射口のようなパーツが露わになる。

そして、そこから攻撃が繰り出される。

 

「キャノンボール!!」

 

腕部にエネルギーが圧縮され、エクスの物と同じような火球が生み出される。すぐにその攻撃は迫ってきていたエクスの火球に向かって放たれる。

同威力の攻撃だったためか、エクスの火球とシュバルトゼロ・クロスのキャノンボールはぶつかると同時に爆発する。爆風のみが互いに吹き、それぞれの攻撃は相殺された。

互いににらみ合う。その様子を、ネプギアとうずめ、海男ともう一人のネプテューヌ、更にエクスの味方であるマジェコンヌがその戦いを見ていた。その様子に意識がいってしまっていた。しかし、あまり見られるのも好きではなかった。光樹はネプギア達に指示する。

 

「こっちの戦いも気になるだろうけど、そっちはそっちで倒しておいてくれよ?こいつと戦った後でそっちまで倒すなんての無理だと思うからさ。」

 

「!!す、すみません。なんだか、光樹さんのガンダムから、エネルギーをもらっているような気がして…。」

 

「ぎあっちも?うずめもなんだか光樹を見てると、凄く気持ちがいいんだー!なんだか勝てる気がしてくるっていうかさー。」

 

ネプギアとうずめはそんな事を口にする。こちらを見ていると元気が出てくるなど、この機体は男性ホルモンでも出しているのだろうか。しかし、海男もこちらを注視していることから、そうではないことが分かった。

だが、そんな事を気にしている状況ではない。ネプギア達にマジェコンヌを倒すように言う。

 

「とにかく、そっちはマジェコンヌを倒してくれ。頼んだぞ、大人ネプテューヌ、今のところ三人の中で満足に動けるのは君だけだから、サポートを!」

 

「んー、了解っと。じゃあ、とりあえずこれどーぞ!」

 

光樹の言葉に反応した大人ネプテューヌがポケットから何か瓶のようなものを出し、二人に手渡す。後部のカメラでその様子を確認していたが、おそらく回復薬だろう。とりあえず、あれを飲めば二人も戦線復帰できるはずだろう。

その様子を見ていたエクスもマジェコンヌにネプギア達を倒すように言う。

 

「あちらは任せたぞ、マジェコンヌ。こちらは我の力を存分に発揮して倒す。」

 

「あぁ。任せたぞ。」

 

その言葉を聞いたマジェコンヌは、ゆっくりとネプギア達の方へと重い足を動かして移動する。横を通るマジェコンヌを、光樹は攻撃することなくあっさりとネプギア達の方へと向かわせた。

その様子を見ていたエクスがこちらにあざ笑うかのように聞く。

 

「通してしまってよかったのか?たかが一人増えたところで、マジェコンヌに勝てるとでも?」

 

その言葉は納得できる。あそこで少しでも攻撃しておけば、ネプギア達が有利に戦いを勧められたかもしれない。

しかし、光樹はそうしなかった理由があった。

 

「マジェコンヌに攻撃したら、絶対マジェコンヌはこっちに向かって攻撃してくる。そこにネプギア達が助けに入って乱戦になったら、不意打ちをするって考えじゃないのか?」

 

光樹は考えていたことをエクスに語る。光樹のほぼ戦闘素人の考えで出した、読みだった。少しくらいは当たっているんじゃないだろうかと自信を持って言った光樹だったが、その考えを聞いて、エクスが笑い声をあげる。

 

「フッ…。確かに普通ならそうだろうな。だがしかし、本来の黒の少年なら、そこまでは考えん…いや、考える必要がない。」

 

「!!記憶のあった時の俺を知っているのか?」

 

光樹は思わずそう口にする。そこで気づく。もしかすると、エクス達は自身が記憶を失っていることを知らなかったのではないのだろうか。先程の笑いが、どうもそんな事を示しているのではないかと深読みに近い考え方を出す。

だが、考えはそこまでとした。エクスがその姿を変えようとしたからだ。エクスがデータの奔流のような光に包まれる。光は球体を形成し、周囲を飲み込んでいく。触れたところから電流が走るのが見えた。それを危険と判断した光樹は、すぐに距離を取る。予測して回避したため、光樹の方に被害はなかった。

光が晴れると、エクスの姿は先程とは違った姿に変わった。両腕に装備していたバンカーユニットや脚部のスラスターユニットが消滅して、代わりに腰にスタビライザーのように下に長いパーツを装備していた。更に肩には巨大なキャノン砲と、後部には縦に長いコンテナ状のパーツを背負う姿が目に映る。

それを見て、光樹がその姿の名前を言う。

 

「エクストリームガンダム…エクリプスフェースか!」

 

その姿は、光樹の記憶にあったガンダム、エクストリームガンダムのエクリプスフェースの姿に似た姿であった。先程もエクストリームガンダムの装備の一つ、ゼノンフェースのパーツを纏っていた。

そのことから、おそらくエクスはエクストリームガンダム、それもタイプex-の装備ではなく、タイプレオスの装備を装着できるのであろう。エクストリィムがex-を、エクスがタイプレオスの装備を使うことを知る。

しかし、装備を変えたのを見ても、光樹は焦らなかった。先程とは違い、近接戦よりも射撃戦を重視した形態に変更したということは、近接戦闘はあちらが不利ということなのだろうと光樹は考えた。きっと距離を取って倒すつもりなのだろう。

それならば、と光樹はシュバルトゼロ・クロスのウイングスラスターを後方に向け、一気に加速する。距離を空けられる前に近接戦闘戦で圧倒すればいいと考えたからだ。

その動きに、エクスも気づいた。エクスはこちらに向かって両手のビームライフルから太めのビーム弾を放ってくる。加えて、腰部からも、ミサイルの掃射を開始する。

その攻撃を、光樹は急停止してから回避を開始する。ビームライフルの弾をスピードで回避し、ミサイルの弾幕を、引き連れつつも距離を取った所で急反転。そして左腕部に装備されたシールドに内蔵しているANフレイムイレイザーレーザー「フレイムテンペスト改」を放射する。炎の光が、引き連れていたミサイルを撃ち落とし、爆発へと姿を変える。

撃たれたミサイル全てを撃ち落したところで間髪入れずにエクスのビームライフルの弾が放たれる。

 

「貫き果てよ!」

 

エクスのイラつきのこもった声と共に並列合体したビームライフルから放たれたビーム。それは光樹のシュバルトゼロ・クロスを捉えていた。しかし、光樹は動いた。

 

「当たるかよ!」

 

反転しつつ、ウイングを左一方向へと向け、一斉に粒子を吹かす。圧倒的なまでの推進力が、シュバルトゼロ・クロスを動かし、ビームを避ける。

そして、そのままの勢いで大きく回るようにエクスへと肉薄する。その間にも、エクスからのビーム・実弾による弾幕が光樹に迫る。だが、光樹も負けてはいない。次々と迫ってくる弾丸を、背部から抜き放ったANブラスターソードエッジで切り裂いていく。刃の部分が少ない、使いづらい武装ではあったが、光樹の振り放つ斬撃は、確実に当たるであろう弾のみを正確に切り払う。

すぐに光樹はエクスの懐まで入り込む。それに慌ててエクスがビームライフルを合体させたうえで右手に持ち、左手にビームサーベルを抜き放って防御する。何とか一撃を凌いだエクスだったが、徐々にエクスが押されていく。いきなりのことだったので、出力をそちらに回しきれていなかったのだろう。

不利に焦るエクスに光樹は言う。

 

「おいおい、随分と押されてないか?さっきまでの勢いはどうしたんだよ?」

 

「おのれ…黒の少年め!」

 

その言葉に怒ったエクスが押し返そうとする。しかし、光樹のガンダムは、更にビームサーベルを押し込む力を強くする。

先程までの不利はいずこかへ。光樹はエクスを圧倒していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

「苦い…。」

 

うずめは表情を曇らせながら、そう言った。苦いと言ったうずめと、ネプギアが飲んだのは、大きなネプテューヌが渡してきた回復薬、「ネプビタンVⅡ」を飲んだからだ。その回復薬の色は、深めの緑色の液体で、いかにも苦そうなのが分かっていた。でも、おっきなねぷっちが、一気にと言ったから、ぎあっちとうずめは勇気を出して飲んだのだ。

しかし、その回復薬のネプビタンVⅡは、予想以上に苦かった。まるで、ゴーヤと納豆とシイタケを混ぜたみたいな、うずめにとっても、そしておそらく、同じように顔を苦味で崩しているぎあっちにとっても、その味は強烈なものだった。

けれど、すぐにその効果が表れてくる。さっきまで痛かったところが、すぐに痛みを感じなくなっていったのだ。

 

「けど、凄い…。傷が癒えてく…。」

 

「それに、なんだか力も更にみなぎってくるかも!これならアイツに負けないかも!」

 

先程の光樹の姿を見ていた時に感じた力の高まりが、更に増す。なんだか、疲れもどこかに行ってしまったみたいだ。

二人が元気になった所で、おっきなねぷっちは戦闘開始の合図を告げる。

 

「それじゃあ、今度こそ張り切ってボス戦いってみよー!」

 

その元気溢れる声と共に、おっきなねぷっちの両手に剣が握られる。でも、ちっちゃなねぷっちが持ってた片方にだけ刃がある刀みたいな剣じゃなく、両側に刃のある西洋の剣だ。結構大きい剣を片手で、それも両手に持つ姿に、驚きを隠せなかった。

でも、そんな間に、戦闘は始まった。

 

 

「次元の旅人、ネプテューヌ。いざ参る!」

 

 

早速、おっきなねぷっちが、おばちゃんに対して剣を振りかぶる。その攻撃は、おばちゃんの体?から生えていた腕に止められた。けど、受け止められた反動で、おっきなねぷっちは宙に舞う。その状態で、左手の大剣を粒子にして仕舞い、代わりに腰から銃を抜く。そして連射する。

ハンドガンサイズの銃から放たれた弾は、マジェコンヌの体に少なからずダメージを与えた。

攻撃を受けたマジェコンヌが舌打ちをする。

 

「ええぃ!ちょこまかと…」

 

ゆっくりとした動きで後ろに回ったネプテューヌを捉えたマジェコンヌが、前方に魔方陣を発生させる。しかし、その攻撃の前に、うずめとネプギアが両サイドから攻める。

 

「いっけぇーー!!」

 

うずめの拳にエネルギーがらせん状に集中する。ぎあっちの方の武器も、エネルギーが集中し、ビームが放たれる。ぎあっちの放つビームに、おばちゃんが怯んだ。

 

「ぬおぅ!」

 

その隙に、らせん状に集中したエネルギーを纏った拳をぶつける。何度もガリガリという音が周りに響き渡る。そして、そのままの勢いで抉り抜ける。うずめの放った「夢幻粉砕拳」で抉った部分から、爆発が起こる。

そこに間髪入れずに、何かが切られたような斬撃音がする。すると爆発を突っ切って、ネプテューヌが出てくる。その構えから、おそらくおばちゃんを切り裂いたんだと予測する。

おっきなねぷっちに注目していると、爆煙が突然晴れる。そこには後ろ側に生えた腕をおおきく振った姿で静止しているおばちゃんの姿が確認できた。おそらく、その大きな腕で起こした風で爆発の煙を振り払ったんだ。

けれど、その体は大きく上下させていた。マジェコンヌが口を開く。

 

「くそっ!調子に乗るな、小娘共ぉ!」

 

そう言い放ったマジェコンヌは腕部の先から魔方陣を展開する。全部で四つの魔方陣を展開すると、そこから大量の魔法弾が、こちらに向かって放たれる。

 

「ちょっ!こっちに!?」

 

うずめはすぐに飛び上がって攻撃を回避する。しかし、その先にも、マジェコンヌは腕の先に発生させた魔方陣を向けて攻撃を放つ。

その攻撃も回避するが、更に別の魔方陣から放たれた魔法弾がうずめに迫る。流石にそんなに攻撃されたら避けるのは無理だった。だから、左腕のシールドから、シェアのシールドを発生させて防御する。攻撃を防いだシールドから振動が何度も伝わってくる。

 

「くぅぅ…!」

 

攻撃は何とか防いでいたけど、いつまでも耐えれるかといえば、さすがのうずめでも、耐えきれる自信がなかった。今ぎあっちとおっきなねぷっちはどうなっているのかは見えなかったけど、大丈夫だろうか?

そんな心配をしたところで、突然魔法弾の弾幕が切れる。シールド越しに、おっきなねぷっちがおばちゃんに攻撃したのが見えた。なんとか怯ませてくれたのだ。

うずめへの攻撃をカットしたネプテューヌは、そのまま大剣二本による連続切りでマジェコンヌにダメージを与えていく。何度かダメージを与えたところで、ネプテューヌが下がる。その後に、細いビームが何本も地面を走った。それは、マジェコンヌの背部の腕の手の指から発射された攻撃だった。

攻撃を回避したネプテューヌは、そのままうずめの所に集まる。同じようにネプギアもうずめと合流する。

 

「うん。なかなか手ごわいね。けど、まだ勝負はここからだよ。ね、二人共!」

 

「はいっ!」

 

「まだまだ行くから、覚悟してよね、おばちゃん!」

 

三人共、強気に宣言する。これまでの攻撃だけで、うまくダメージを蓄積させることが出来ていた。おばちゃんの方も、疲れが出てきているように見える。けれど、こっちも疲れは溜まってきていた。さっきの攻撃がシェアを削り、気力を減らしたのである。

でも、こちらは三人。向こうは一人だから、勝てるはずだ。そう安心する。

息を整えたうずめを確認したネプテューヌが再び突撃しようとしたところで、その戦闘範囲の外で、光が炸裂する。

 

『!!!!』

 

その場にいた全員が、その方向を注目する。戦闘に巻き込まれないように岩陰に隠れていた海男も、何事かと顔をのぞかせる。

その光は、エクスとシュバルトゼロ・クロスの激突によるものだった。

そうだ、光樹もまだ戦ってる。新しい力を手に入れて、光樹の方も順調に戦っていた。そんな光樹に負けないようにと心に決めながら、うずめが先にマジェコンヌに攻撃を仕掛けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

光剣と光剣が互いにぶつかり合う。ビームの火花が、シュバルトゼロ・クロスとエクスの間で散らされる。先程、圧倒したように思えた状況だったが、エクスは追加武装を装着した状態でエクストリームバーストを起動し、またこちらが押される状態となっていた。

エクスがこちらを弾き飛ばすと、両手にヴァリアブル・サイコ・ライフルに持ち替え、ビームを放ってくる。その攻撃を、光樹はシールドのアブソーブシステムで受け止める。何度も放たれるビームを、シールドが吸収し続ける。

だが、突如衝撃がシュバルトゼロ・クロスを襲う。更にシールドの内部が爆発する。

 

「ぐっ!?」

 

爆発と同時に、シールドがパージされたので、爆風波受けたが腕の方にダメージはなかった。煙を払いつつ、後退すると、爆風より何かが突き抜けて飛んでくる。それは数十発のミサイルだった。

光樹は納得する。アブソーブシステムは原作ではミサイルなどの実弾、そして格闘武器に弱い。その弱点を突いて攻撃してきたのだ。以前の戦闘で見ただけでこの策を考えたのか、それとも、元からこのシステムの弱点を知っていたのか。

だが、これでシールドというこの機体唯一とも言える防御兵装はなくなった。この状態でディバイダー・ゼロシステムを使えば、防御不能の状態であの弾幕、もしくは砲撃を実体シールド無しで耐えるのは無理だ。他にも拳による連撃や火球、まだ見ていないアイオスのファンネルを防御することは出来ない。回避するにも、全てを避けるのは今までの攻防で不可能だということは分かっていた。

しばらくの間、互いに相手の手をうかがう形になる。どちらも動かない硬直状態だ。そうなると、残るのはトランザムシステムとフルバーストモードだけだ。

しかし、トランザムはおそらく相手も想定している。フルバーストモードは先程も起動したが、まだ制御が上手くいかなかった。以前の時はフルバーストモードを制御するデオキシリアシステムの本能のまま行動していたため、倒せるかもしれないが、無茶な機動でこっちが負荷で倒れてしまうかもしれなかった。先程の使用時の時点でも、かなり疲労が残っていた。しかも、このシステムもエクスに見られていたから、大体のスピードなどの性能は知られていた。

だがしかし、ここで負けるわけにはいかない。光樹はゼロにトランザムとフルバーストモードを起動させるように言う。

 

「ゼロ、トランザムとフルバーストモードで一気にケリを…」

 

『推奨しない。』

 

ここでゼロは不許可の言葉を告げる。いきなりの反対に、光樹も思わず黙り込む。

 

「………。」

 

だったら、どうしたらよいのだろうか。すると、その意見を察したように、ゼロが代わりの案を提案してくる。

 

『光樹、クロス・カップリングシステムを使うことを提案する。』

 

「カップリングシステム!?」

 

その言葉に、光樹は反応する。カップリングシステムとは、「バディ・コンプレックス」というロボットアニメの主役機が装備する、特殊システムであった。始動させることで、機体は瞬間移動ともとれるスピードを発揮、更には、敵の行動を予知できるという、凄まじいシステムだ。

だが、ここで光樹は疑問を持つ。それは、カップリングシステムは本来、二人での運用が想定されたシステムということだ。

光樹以外に、カップリングシステムを搭載した何かはいない。カップリングシステムは使えるはずはないのに、なぜゼロはそう言ったのか、光樹には理解できなかった。

ところが、続いて言った言葉に光樹は思い出すことになる。

 

『スタンドアローンなら、行ける。』

 

「スタンドアローン…そうか、完結編の!」

 

カップリング相手の必要ないスタンドアローンならば、これでも発動できる。あちらは機体そのもののシステムとリンクしていたが、こちらではどうなるのか…。

だが迷っている暇はない。エクスの方もこちらの様子をすぐにゼロに対し、起動させるように命令する。

 

「よし、いくぞ、ゼロ!」

 

『了解、「コネクティブ・シュバルトゼロ」と発言を。』

 

ゼロの言った言葉は、おそらく呼びかけ、システムを起動させるための認証の合言葉だろう。すぐにその言葉を復唱する。

 

「コネクティブ・シュバルトゼロ!」

 

『アクセプション。』

 

その言葉と同時に、脳内にあらゆる映像が流れ込んでくる。凄まじいまでの膨大な量だったが、苦しみはない。垂れ流されているだけだった。

しかし、その映像は、どこかで見たことがあるような気がしてならなかった。数多もの機動兵器と戦う光景、そして仲間の姿。一瞬の事だったので、覚えられはしなかったが、懐かしさを感じた。

それらが脳内の一瞬の出来事であったのを知ったのは、機体に衝撃と同時に変化が生じたためだった。機体の各部分…正確に言えば、頭部と肩部、そしてウイングの部分が展開される。更に変化はそれだけにとどまらない。展開した各部の噴射口から、光の翼のようなブレード状のパーツが生成される。

変形が完了したのを見て、エクスが驚きの言葉を漏らす。

 

「その姿…クロス・カップリングか!!」

 

どうやら、エクスはこのことまでも知っているようだ。もしかすると、こいつは俺の世界の出身なのでは?と思う。それも、自分と戦ったことのある。

だが、今はそんなことを気にしている暇はない。このシステムがカップリングシステムを元に開発されているのなら、当然このシステムにも制限時間を設けられているということだ。

すぐに光樹はエクスに対して急接近をかける。その動きに反応したエクスも、こちらにヴァリアブル・サイコ・ライフル、腰部のマイクロミサイル、そして左側のコンテナを射出し、腰部の物より大きいミサイル

「エクリプスクラスター」であろうものを、次々と撃ちこんでくる。

しかし、その攻撃に光樹は慌てることなく回避行動を取る。ビームが迫る途中で、体感時間がゆっくりとなる。それと同時に、敵の攻撃の数秒早い時間の光景が脳内に入ってくる。これがカップリングシステムの特徴、未来予測だ。

その未来予測により、当たりそうなビームのみを回避していく。そして、続いて来るミサイルに対しては、一気に後方へと飛び去る。その動きを追うように、ミサイルが高速で逃げるシュバルトゼロ・クロスに向かって飛んでくる。しかし、すぐにミサイルは爆発する。

 

「何っ!?なぜミサイルが…まさか、チャフ!?」

 

チャフ。主に細かい金属板による対電子戦用武器の一つだ。これを撒けば、ミサイルの追尾を振り切ったり、ミサイルを途中で爆破させることも出来る。

だが、シュバルトゼロ・クロスにそんなものは搭載されてはいなかった。それなのに、何故ミサイルは途中で爆散したのか。それは、ただシュバルトゼロ・クロスのクロス・カップリングシステムにより向上したスピードで起きた風圧と、壁を沿うように飛行したために起こった砂埃などがチャフの代わりになったためであった。

光樹自身は、スピードで追尾を振り切ったからだと思っていた。しかし、どちらにしろ、これはいい流れだった。そのままのスピードを維持し、近接戦へと移行する。それを敵も感じ取ったのか、装備をエクリプスからゼノンへと戻す。

高速で突撃する機体と、それを迎え撃つ機体。その二機が交差する。

 

 

 

 

その一瞬での攻防は、エクスが勝つ形となった。光樹が振りかぶった背部の武装、ANブラスターソードエッジを、エクスが受け止めたのだ。

エクスはシュバルトゼロ・クロスの武器を抑えたまま、拳を振るう――――

 

 

 

 

「これで…!」

 

 

 

 

その前に、光樹は動いた。

一瞬で、エクスの目の前から、その後ろへと光樹は移動する。その動きは、残像は見えたが一瞬の事だった。瞬間移動して、息が詰まりながらも、光樹はシュバルトゼロ・クロスの手を開く。

そして、開いたその手は、エクスの左肩を真横から捕らえる。

 

「馬鹿な、一瞬で…」

 

エクスが言い終わる前に、その攻撃をする。

 

『ディメンション…』

 

「バンカァァーーー!!」

 

掌と接していたエクスの左腕が、一瞬にして溶解し、爆発を起こした。

 

 

TO BE CONNTINUED

 




今回もお読みいただき、ありがとうございます。
今回の話ではまたも新たなガンダムがエクスとの戦いに勝ちましたが、うずめ達はどうなったのかは、次のお話で明らかになります。

ジャンヌ「そうですね…。と、とりあえず、次回の投稿は水曜日で、…よろしいでしょうか?」

ジャンヌさん、そんなにキョドらないでください。こっちも内心パニくっているんですから。(;´・ω・)

レイ「二人共別にいいじゃん。割と藤和木もツイッター上ではジャンヌちゃん脱がしたことあr…」

ジャンヌ「レ、レイさんっ!!?そういうことは言わないでくださいっ!!」

レイ「ジャ、ジャンヌちゃん落ち着いてよー。そりゃあ私も藤和木に脱がされたら恥ずかしいよ?でも今回は事故だし…。」

ジャンヌ「じ、事故でも恥ずかしいんです…。」

まぁ、その話はここまでにして、次の投稿は水曜日なんですが…とある発表をいたします!

ジャンヌ「…あ。「あれ」ですか?」

そうそう、「あれ」ですよ。次回当たりの発表が丁度いいですからね。

レイ「ついに発表できるんだねっ!早く水曜日にならないかなっ?」

そんなに早く来たら私が過労死します。( ;∀;)と言うわけで。

レイ「次回も!」

ジャンヌ「お楽しみに…!」

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