新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
ジャンヌ「もう…ちゃんと覚えていてください。わたくしたちが言ってなかったら、完全に忘れてましたよね?」
ごめんごめん、ジャンヌさん。
ジャンヌ「はぁ。…話を戻して、どうも、皆様。この一週間の間、暴走してしまったジャンヌ・ドラニエスです。」
レイ「ヤンデレ彼女面白かったよ!けど、その後ジャンヌちゃんの暴走の被害にあっちゃった、レイ・オーバだよっ!」
暴走というのは、ツイッター上で怒った、ジャンヌHSL(ハッピーシュガーライフ)病み事変のことです。
レイ「そんな名前付けたの…?」
やっぱ付けた方がいいかなってね。
さて、第55話、投稿です。
ジャンヌ「無理やりですね…。今回はエクストリームバーストを解放したエクスが光樹さんと戦います。」
レイ「どっちが勝つのかな?」
では、本編へどうぞ!
「さぁ、始めようか。極限の絶望の序章を。」
エクスがシールドを開く。そしてそこからライフルを取り出し、右手に構える。完全に戦闘態勢に移行していた。
もちろん、光樹も既にシュバルトゼロ天を纏い、更にはシュバルトフェニックスを装着していた。しかし、明らかに敵の殺気とでもいうべきか、そんなオーラのようなものに、ひるんでいた。
(こいつ、エクストリームバーストとか言ってたな。確か覚醒システムの名称がそんな感じだったか?)
光樹は思い出す。エクストリームバーストとは、エクストリームバーサスシリーズの、逆転を作り出すゲームシステム、いわゆるとっておきだ。
その際に機体が光り輝くのだが、それと今のエクスの姿は似ていた。名前からしても、おそらくエクスはそれと同じ状態なのだろう。とすると、かなり速い動きをするのではないだろうか。
そんな事を考えていると、エクスが動く。
「来んのなら…こちらから行かせてもらう!!」
空中に飛ぶと、こちらにライフルを向け、ビームをこちらに撃ってくる。光樹とネプギア、うずめは分断される。その間にマジェコンヌが、別れたネプギアとうずめの方に向かって魔法弾を撃ちながら歩いていく。
すぐにネプギア達に合流しようとする光樹だったが、その行く手を遮るように、エクスがビームライフルからビームを放ってくる。太めのビームが襲ってくるのを見た光樹は、危機を察知して腕部のユニットからビームシールドを形成し、そのビームを防ぐ。ビームの圧に押されながらも、シュバルトゼロ天はビームを防ぎきる。だが、それだけでは終わらなかった。
光樹の目に、シールドの前まで近づいていたエクスの姿が見える。懐まで近づいてきたエクスは、そのままシールドをこちらに向かって殴りつけてくる。ビームシールドと敵のシールドに施されたアンチビームコーティングが弾き合い、火花が散る。その勢いに負け、光樹は吹っ飛ばされる。
「くっ…。」
『反撃…否、離脱。』
ゼロの声と共に、突然右に向かって機体が動く。ウイングスラスターから勢いよく粒子を放出し、回避行動を取ったのだ。光樹が先程までいたところを、ビーム弾が過ぎ去った。間一髪、攻撃を回避したのだ。
「回避したか。」
「今度は…こっちから!」
地面に足を着けた後、シュバルトゼロ天のスラスターから粒子を放出し、瞬発的にエクスに接近する。
それを予測してエクスは後ろに退避する。しかし、攻撃するには十分な距離だった。足を地面にスライディングしつつ着地する。そして力いっぱいシュバルトフェニックス・ソードモードを振るう。
ところが、その攻撃はエクスに当たることはなかった。当たる直前にエクスは攻撃を回避していた。代わりにシュバルトゼロ天の方が攻撃の隙を見せる形になる。思いっ切り武器を振った反動で、光樹の胴体はがら空きになってしまう。
「いただく!」
素早い動きでビームライフルがこちらの方に照準を付けてくるのが見える。光樹が防御態勢を取る前に、エクスのビームライフルが火を噴く。ライフルから再び放たれたビームは、シュバルトゼロ天の腹部装甲をかすめた。
ギリギリのところで、光樹は剣を振った勢いを慣性として生かして回避したのだ。が、そのビームは本体には直撃しなかったものの、その直線状に存在したANVドラグーンⅡ改を飲み込み、爆発を引き起こす。
その衝撃で光樹は前のめりに手を着く。しかし、そんなに悠長にいるわけにはいかない。すぐに後ろに下がる。その直後、ビームの光刃が振り下ろされる。
「なっ!!」
「ちっ…逃したか。」
エクスがシールドを腕部に固定し、空いた手にビームサーベルを持って振ってきたのだ。いくらこの機体がガンダムでも、あの一撃をくらえば、装甲が溶解し、最悪撃破されていたかもしれない。
距離が離れたのを確認すると、光樹は落ち着いて残ったANVドラグーンⅡ改を射出する。ANVドラグーンⅡ改がエクスに向けてビームの雨を降らせる。
「ふん、この程度…!」
自信を持った言葉を発したエクスは、すぐさまライフルで迎撃を開始する。ドラグーンが放つビームより、はるかに太いビームが、ビームを打ち消し、ドラグーンに向かってゆく。光樹はドラグーンが破壊されないようにドラグーンに細かく操作を行う。そのおかげで今のところ、ドラグーンが破壊されることはなかった。
だが、ドラグーンの方に意識を向けすぎた。
「本体に攻撃しないとでも思ったか?」
攻撃を見切ったエクスが、こちらに向けてビームライフルを構え、発砲する。光樹もそれに気づく。しかし、体が反応しきれない。
「しまっ…。」
誰もが当たるだろうと思われた攻撃だったが、その攻撃に、ゼロが反応する。
『光樹、跳躍を。』
その言葉と共に飛び上がる。するとその行動に合わせて、ウイングスラスターから粒子が放出され、上方向に向かって回避する。それにより、ビームは壁に打ち込まれ、消失する。
「何っ!?」
エクスが唖然とする。光樹も偶然で驚いた。しかし、これはチャンスだ。すぐにシュバルトフェニックス・ソードモードを振り下ろす。大きな一撃が、エクスに対して振り下ろされる。
しかし、上手くはいかなかった。
「生意気な!」
その一声と同時に、エクスが瞬間的に下がる。振り下ろされた一撃は、地面へと叩き付けられるのみにとどまった。
シュバルトフェニックス・ソードモードを再び持ち上げた後、光樹は息をつく。ここまで戦っても、敵には疲れの様子は見られなかった。予想外の攻撃を行っても、敵はその攻撃に付いて行き、被害を抑えている。対して、こちらはゼロの助けがあってようやく敵と渡り合えている状態だ。
このままでは、こちらが不利だ。そう思った光樹は大きく息を吐いて、ゼロに言う。
「ゼロ、トランザムシステムを!」
『了解、トランザムモードへ移行。貯蔵粒子解放。』
その言葉と共に、機体が赤色へと変色する。限界まで圧縮された粒子が光り輝いているのだ。
赤色に光り輝く機体を見て、エクスが不敵に笑う。
「ふ、トランザムシステムか。しかし、そんなものでは我を超えることは叶わんぞ!!」
まさか、トランザムをそこまで過小評価するとは…ならば見せるしかないだろう。トランザムシステムの起動性を。
「なら、倒して見せろよ!!」
光樹は一気に加速し、エクスへと急接近する。向こうも同じように、こちらへと飛んでいた。そして二機は互いの武器をぶつけ合う。
何回もシュバルトフェニックスとビームサーベルが激突する。質量で言えば、こちらが勝っていた。そのはずだった。しかし、敵のビームサーベルはこちらの攻撃を跳ね返してくる。先に斬りかかったのはこちらのはずなのに、互角の近接格闘戦を行っている。あながち、先程の敵の言葉は間違いなかったのかもしれない。エクスにとって、トランザムなど苦でもないというのだろう。それだけエクストリームバーストの性能は高い。
けれども、それに素直に認めはしない。トランザムがダメなら、もう一つのシステムを使えばいい。光樹はシュバルトフェニックスを背中に装着させて、ゼロに指示を出す。
「ゼロ。フルバーストモード行けるか?」
すると、ゼロがその質問に答える。
『システム面は問題ない。後は光樹の腕次第。』
そう返され、少しばかり不安になる。今の光樹はそのシステムの使い方をあまり知らない。以前エクストリィムとの決戦で使っただけだ。その時は、まだ動きが遅い分楽に使えたが、今回のような高機動戦は経験していない。ぶっつけ本番のようなものだ。
しかし、やるしかない。光樹はゼロに許可を出す。
「あぁ。俺が合わせる。」
光樹の声に、ゼロが答える。
『了解。――――フルバーストモード移行。デオキシリアシステムリンク。』
同時に機体が変形を開始する。翼の小型スラスターがすべて展開し、内部フレームがむき出しになる。更に、脚部・スカートアーマーの装甲も開き、小型スラスターが露出する。そして、頭部マスク部が口を開くように展開する。その隙間から、湯気のようにAN粒子が放出される。
その姿を見て、エクスが呟く。
「ほう。フルバーストモードか。しかし、一度使っただけで使いこなせるものか。」
そう言い放ったエクスが、ビームライフルを向ける。そして間髪入れずにライフルからビームが放たれる。
攻撃にシュバルトゼロ天が反応する。素早くスラスターを吹かすと、横方向へとスライドするように移動し、回避する。
「むっ!」
エクスが唸る。当たると思っていたのだろう。だがしかし、そんな簡単に当たるわけにはいかない。光樹は取り回しづらいシュバルトフェニックスに代わり、両手にANヴァリアブルアームズⅡ改を持つ。
そして、突っ込む。
「はぁっ!!」
「ちっ!」
その一閃が、敵の装甲をかすめる。初めてこちらが敵に攻撃を当てた。エクスもその攻撃には驚いたのだろう。一度身を引く。
しかし、光樹はその後を追わない。代わりに、ANヴァリアブルアームズⅡ改をライフルモードに切り替え、ビームを放つ。牽制の代わりだ。その攻撃に対応するように、エクスも回避行動を取る。
その間に、光樹はカメラをマジェコンヌと戦っているネプギア達の方に向ける。どうやらあちらは数的にも有利だった分、楽そうに戦いを進めているようだ。
それならば、と光樹は右手側のANヴァリアブルアームズⅡ改をソードモードに切り替える。そしてビームを撃ちながら敵との距離を詰める。
「おのれ…黒の少年!」
「俺は…和藤光樹だっ!」
そんな掛け合いと同時に、切り結ぶ。ビームサーベルとANヴァリアブルアームズⅡ改が鍔迫り合いを行う。この切り結びで分かる。これならいけると。先程まで弾かれ合うのが多かったが、敵はこちらの剣を弾く力がないようだ。間違いなく、出力が上回っている証拠だろう。
そのことに気づいたのか、エクスが動揺したことを口にする。
「まさか、パワーを上回るのか?」
「みたいだな。なら、性能で押す!」
光樹はそう言い放ち、エクスを押し返す。弾かれたエクスは態勢を保とうとする。
この流れはいい感じだ。こちらが押している。この調子で攻撃させなければ、勝てるのも時間の問題だろう。
ところが、エクスもそれを許すわけではなかった。
「少し性能が増しただけで…越えられると思うな!」
今度はエクスの方がこちらに攻撃を仕掛けてくる。ビームサーベルの光刃が振り下ろされる。その攻撃をこちらも構えたANヴァリアブルアームズⅡ改で防ぐ。どうやら、すぐに決着はつかなそうだ。
「悪い…ネプギア、うずめ。しばらくはそっちに参戦できなそうだ。」
向こうで戦っているネプギアとうずめに、聞こえるはずのない独り言を呟きながら、光樹は目の前の困難を突破することに意識を戻した。
♦
「エクスがあのガキを相手にしている分、こちらは楽だ!さぁ、かかってきな!」
マジェコンヌは余裕の言葉を発しながら、こちらに魔力弾を放ってくる。その攻撃を、ネプギアはM.P.B.Lで撃ち落していく。魔力弾とビームがぶつかり合って、互いに消滅していく。攻撃を受けないようにするための行動だ。ネプギアの目に映るうずめもまた、ネプギアと同じようにメガホンの衝撃波で魔力弾を相殺する姿が見えた。
けれども、マジェコンヌは次々と二人に魔力弾を放ってくる。魔力弾はそれほど大した威力ではなさそうだけど、それでも二人はなかなかマジェコンヌに近づけなかった。
「うっ…近づけません…。」
このままではいつまで経っても同じことの繰り返しだ。ここは多少の攻撃は覚悟で、接近するしかない。接近戦に持ち込めば、マジェコンヌはあまり近接戦に強くなさそうだから、この均衡を崩せるはずだ。
「―――行きます!!」
その言葉と共に、ネプギアは飛翔する。次々と襲い掛かってくる魔力弾を避けていく。
「ぎあっち!!よーし、うずめも行くよっ!!」
ネプギアのその行動に気づいたうずめも、同じようにマジェコンヌに向かって突撃する。
二人の同時突撃に、マジェコンヌも動揺を見せる。
「つ、突っ込んでくるだと!?自ら倒されに来たか!」
しかし、すぐに魔力弾でこちらを吹っ飛ばそうと弾幕を濃くしてくる。でも、それにやすやすとやられるわけにはいかない。二人はビームと衝撃波で避けきれない攻撃を相殺しつつ、更に距離を詰める。
見る見るうちに敵との距離は詰まり、そして目の前まで来る。
「ちっ!しまっ…」
「この瞬間を待ってました!!」
近づかれたことに驚いたマジェコンヌに対し、喜びの声と共にネプギアはM.P.B.Lを振る。咄嗟にマジェコンヌは杖で防御し、攻撃を防ぐ。杖とM.P.B.Lは接触面から火花を散らす。
けれど、それを嫌がるようにマジェコンヌは空いた手から魔力弾を発生させて、こちらに投げてくる。
「この距離なら…!」
「!!」
魔力弾を放たれる直前に、ネプギアは鍔迫り合いをやめて、攻撃を回避する。それでマジェコンヌとの距離が開く。さっきの攻撃は鍔迫り合いをやめるために撃った攻撃のようだ。でも、そうはさせない。
「おばちゃーん!今度はうずめが相手だよ?」
距離を取ろうとしたマジェコンヌに、うずめさんが追撃を掛ける。その攻撃を、なんとかしてマジェコンヌは受け止める。うずめの拳が、マジェコンヌの杖を抑える。
「ぎあっち!」
「はいっ!」
うずめさんがこちらに声をかけてくる。すぐに私はM.P.B.Lを射撃モードに切り替えて、撃つ。狙いはマジェコンヌの持つ杖だ。
M.P.B.Lから放たれたビームは、マジェコンヌの杖を弾き飛ばす。そして弾かれたことで、うずめさんの拳がそのままマジェコンヌのお腹に直撃する。
「ぐうぉ!?」
「直撃ー!!」
「うずめさん!そのまま攻撃を!」
「分かってるよ、ぎあっち!えいえいえい!!」
喜ぶうずめに、ネプギアは指示を出す。今の攻撃でマジェコンヌは怯んでいる。このまま攻撃する方が、また距離を放されて魔力弾の弾幕を受けるかもと思ってのことだった。
すぐにうずめさんがマジェコンヌに拳の連打を打ち込んでいく。マジェコンヌはダメージを受けまいと下がりつつガードする。けれど、そのガードはどこか頼りないものだった。何とかしのいでいるように見えた。徐々にマジェコンヌは劣勢になっていく。こうしていると、なんだかいじめているようで、あまり気が乗らなかった。でも、相手はうずめさんと敵対している敵だ。先程も邪魔をされたのだし、そう思うと今は容赦していられない。
何とかしてうずめの攻撃から抜け出したマジェコンヌに、ネプギアは太めのビームを撃つ。
「出力大!撃ちます!」
「何っ。」
ビームがマジェコンヌを飲み込む。けれど、当たる直前にビームが拡散する。ビームを撃ち終わると、マジェコンヌの目の前に障壁のようなものが出現していた。バリアだ。マジェコンヌはバリアを張って、攻撃を防ぎ切ったのだ。
バリアによって、危機を脱したマジェコンヌだったけど、その表情は、先程とまでは違い、余裕のなさそうな顔だった。どうやら、先程までの猛攻撃は効いていたみたいだ。それでも倒せないとは、かなりの敵だということが分かる。油断はできない。
更に気を引き締める。すると、マジェコンヌが舌打ちをして言う。
「っく、なかなかやるな。」
どうやら、こちらの実力を甘く見ていたみたい。でも、まだ戦う気があるみたいだ。その様子を見て、うずめさんがマジェコンヌに対してこの勝負に勝ったようなことを言う。
「ポッと出のくせに強すぎぃ…。けど、この勝負、うずめたちがもらったよ!」
そう意気込む声を出したところで、左の方で音が響き渡った。その直後、光樹さんのシュバルトゼロ天が血を滑りつつ、着地する。反対側には、エクスというガンダムもいる。光樹さんは体を上下させて、疲れているような様子を見せていた。よく見ると、スラスター部がかなり摩擦しているように見えた。かなりの機動を行った証拠だ。心配したネプギアは、光樹に大丈夫かどうかを聞く。
「光樹さん、大丈夫ですか?かなり疲れているみたいですが…。」
「大丈夫…だと思いたいな。全然決定打が与えられてない。あいつ、かなりやる。」
光樹さんはそう語った。ここまで光樹さんを消耗させるなんて…。武器が多い分、光樹さんの方がいろんな手を打てて、有利に進むと思っていたネプギアとしては、驚きだった。
色々と起こったけど、とりあえず、今はマジェコンヌが消耗していて、こちらが有利に見える。光樹さんのガンダムのエネルギー量が心配だけど、ダメージを大きく受けたはずのマジェコンヌのことを考えると、ここは引いてくるんじゃないかなとネプギアは考えた。
でも、ここでマジェコンヌとエクスがあることをこちらに対して聞こえるように言う。
「何を勘違いしている。こちらはまだ半分も力を出していないのだぞ。」
「ふっふーん。そんなハッタリ、うずめは引っかからないもんねー。」
うずめさんが意にも介さないように余裕を見せる。けれど、マジェコンヌの顔は、笑みを含んだ表情を見せていた。本当に、何かあるような…?
その言葉に、エクスが続く。
「構わん、マジェコンヌ。我らの力、見せてやろうぞ!」
「もちろんだ。その身で思い知るがいい!我らが真の姿の力をな!!」
その言葉と共に、二人の体を地面からあふれだす闇が飲み込む。球体をかたどった闇に、三人は退く。
一体、中で何が起こっているのか、何が始まるのか、ネプギアは考えていた。
そして、その不安は、最悪の形になる。
闇が晴れると、そこには二体の悪魔が姿を現した。一方は、まだ原型が分かるくらいの変化だった。機械の体に、新たにパーツが追加された姿…それはエクスであった。脚部にスラスターパーツがふくらはぎに追加され、バックパックが少し大型になっている。そして腕部には、エネルギー放出装置のようなものが取り付けられていた。
そして、もう一方は、おぞましいまでの変化となっていた。紫色の体に、生々しいパーツ、顔のような部分には大きな目玉、腹部から生えたような女性の体は、まるで取り込まれているかのような姿だった。そして、大きな体の部分から生えた四本の巨腕は、まさに「魔王」とでもいうべき姿だった。
そのような姿に変化したエクス、そして、マジェコンヌを見て、光樹とネプギアは呟く。
「その姿は…まさか!?」
「な、なんであなたがその姿に…。」
間違いない。あの姿は、以前戦った犯罪神の姿にそっくり…いや、犯罪神そのものだった。
あの生物とはとても思えない姿に、あの時の戦いの記憶が思い起こされる。その姿に、うずめさんも嫌がる素振りを見せる。
「うげっ、きもっ!?加えてなんか増えてる!?ぎあっち、光樹、わたし、あいつらと戦いたくないかもー。触るのやだなー。」
その逃走宣言とも言えるような言葉に、ネプギアは焦る。
「ええっ!?いきなり何を言い出すんですか!?」
そんな、一人ではあんなのには勝てないよ!そう思うネプギアだったが、すぐにうずめがそんな風に慌てるネプギアを面白そうにしながら冗談であると言う。
「うそうそ、冗談だって。焦るぎあっち、かーわーいーいー。」
「…もう、こんな時に冗談は心臓に悪すぎだよぉ。」
困りつつも安心をみせるネプギア、しかし、そこで光樹が真剣に今の状況の悪さを呟く。
「犯罪神マジェコンヌに加えて、ゼノンフェースだと…?くそっ、どっちも厄介だろ!」
マジェコンヌが危険なのはネプギアにも分かっていた。けれど、エクスの方の追加した武器の強さが、ネプギアには分からなかった。そんなに危険性のあるものなのだろうか。ネプギアは光樹に聞いてみた。
「そ、そんなにエクスのガンダムの新しい装備は危険なんですか?」
すると、光樹さんがその脅威について説明を簡単に行う。
「あの兵装は極限進化用パーツだ。それも、エクストリィムに装備されていた物とは違って、機動戦を前提とした、純粋な戦いに特化した、な。」
「戦闘に特化した、パーツ…。」
その話を聞いて、そう呟く。
エクス…極限進化だなんて、おそらく、飛躍的に能力が向上するのだろう。そんなのも相手にするなんて…。
その話を聞いていたエクスが、声を発する。
「安心しろ、我のターゲットはただ一人…。黒の少年の抹殺のみ!」
その言葉と同時に、エクスが腕部にエネルギーを発生させる。発生したエネルギーは球体を形成する。そして、同じようにマジェコンヌも動く。
「エクスの方ばかりに集中している場合ではないぞ?そんな余裕があるのならば、このまま死ねぇ!」
目玉の部分にエネルギーが集中する。攻撃態勢に入ったのだ。
そして、二体の攻撃が同時に発射される。高速で発射されたエネルギー弾が三人に直撃し、爆発する。
『キャアアアアア!』
「ぐぁあああああ!」
三人は爆風に吹っ飛ばされた。
TO BE CONNTINUED
今回もお読みいただき、ありがとうございます。いかがだったでしょうか。
ジャンヌ「まさか光樹さんが負けてしまうなんて…。」
レイ「信じられないよー!これって初めて負けたんじゃ…」
あぁ、レイさん達は知らないだろうけど、新しいNPで復活して逆転したりとか、あとエクストリィム戦では一回戦闘不能になって倒れてるから、意外と負けてるんだよ。
ジャンヌ「あら、藤和木の中では新しいNPが出て勝った時は勝ちにカウントしてないんですね。」
そりゃあね、その時のNPで勝たなきゃ意味ないでしょ。
レイ「なんかかわいそう。」
だって、光樹君本来ならその時の形態でも互角以上に戦えるくらいだよ?
ジャンヌ「もはやチートでは…?」
だからタグにも後半チート化って書いてあるんだよ。
レイ「そ、そうなんだ…。」
あっ、ここから先はジャンヌさんとレイさん少し耳栓を。
ジャンヌ「え?どうしてですか?」
ちょっとメタいこと話すから。
レイ「了かーい!」
さて、Twitter見て下さる方には分かると思いますが、実は私、結構な中二病です。そのため小説内では、とある能力を使えるようにしています。
分かりやすい例えでは、○○程度の能力ですね。名前をつけるとしたら、妄想が現実になる程度の能力かな?
まぁSSRと言う名のG本編には影響しないのですが、実は光樹君のモデルになった由縁でもあったりします。
まぁ、その時はまた妄想にふけっているのか、程度に見守っていてください。もちろん、ツッコミいれてもいいですよ?というか入れて欲しいくらいです。
さて、今回はここまで、レイさーん、ジャンヌさーん、お願いします。
レイ「うん!次回はゴールデンウィーク中だけど、藤和木の都合で金曜日辺りだって。」
ジャンヌ「感想などもお持ちしております。」
それでは次回もよろしくお願いします。