新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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レイ「みんな、お待たせ!レイ・オーバだよ!」

ジャンヌ「専門学校までの行き帰りは人が多くて大変ですね、とジャンヌ・ドラニエスです。」

どうも、皆様、最近よりかなり遅れてしまい申し訳ないです、と藤和木弘です。お待たせしました、第53話投稿です。
今回の話は再び舞台が零次元へと戻ります。

レイ「あの後、どうなったのか気になる人も多いよね!」

ジャンヌ「早速、本編へ参ります!」


第53話 零次元に残った二人

 

ネプギアの言葉が聞こえたと思った時には、既にうずめの体は、その場から離れていた。その直後、魔力の塊が空を穿っていく。そして、爆発音が響き渡る。

しかし、それだけでは終わらない。目の前にまた再び光が走るのが見えた。が、その光は突如目の前に現れた翼を持った者が構えた盾のようなもので届くことはなかった。弾かれたビームの残留粒子がこちらに流れてくる。

一瞬の間に起きた出来事に、うずめの頭は理解が追い付かなかった。だがしかし、後ろから響いた轟音で、意識を引き戻す。そこには、転送台に穴が開き、火花が飛び散った転送装置があった。それが意味するのはただ一つ、転送装置が破壊されたのだ。

 

「…そんな。転送装置が…。」

 

うずめは絶句する。転送装置が壊れたことについてもそうだが、それ以上に驚いていた。まだネプギアと光樹が残っていることに。驚くのも無理はない。本来なら今ここに二人はいないはずなのだ。なのに二人は今この場にいる。

なぜ?それを考える。だが、それを考え付く前に、ネプギアが声をかけてくる。

 

「うずめさん、大丈夫ですか。」

 

その言葉に、思わず声を張り上げて怒鳴る。

 

「馬鹿野郎!!お前ら、自分が何をしたのかわかってんのか!!」

 

帰るように言ったのに。どうして自分を助けようとしたのか、それを問わずにはいられなかった。

すると、光樹が言った。

 

「悪い。こんなことしてさ。…でも、うずめをあいつらにはやらせはしない。こいつらに敗れでもして、この世界が消滅したら、どうするんだ。」

 

「それでもっ!この世界と一緒に、お前たちまで消えちまったら、意味ないだろ!!」

 

そう反論すると、光樹は口を閉ざす。ぎあっちも困った仕草を見せる。そんな二人に、俺は説教のように言い聞かせる。

 

「せっかく帰れるチャンスだったんだぞ!」

 

そう。このチャンスしかなかったのだ。今ねぷっちたちを元の世界に帰すことが出来るのは、後にも先にもこれしかないかもしれなかったのに…。その怒りがこみ上げてくる。

でも、今はそんな事を怒っている場合ではなかった。海男が指示してくる。

 

「うずめ、こうなった以上は仕方がない。今は逃げることを考えるんだ。」

 

その言葉で、状況を思い出す。今はこの部屋に紫ババアとガンダム野郎がいるのだ。今はこの状況を脱しなければならない。

 

「ちっ!なら、正面から無理やり突破する。」

 

「なら俺に任せてくれ!」

 

その提案に光樹が続く。それと同時に、光樹が持っていた大剣の切っ先をモンスターたちに向ける。そして叫ぶ。

 

「みんな、捕まって!一点突破する!」

 

その言葉に従い、全員が光樹のガンダムの腰や翼に掴まる。

掴まったのを確認すると、光樹はウイングから粒子を噴射させ、加速する。それを見て、紫ババアどもが立ちふさがろうとする。

 

「みすみす逃すものか!!」

 

「迎撃など容易…」

 

しかし、その言葉を言い切る前に、光樹のガンダムが敵軍に突撃した。その攻撃に当たったモンスターたちは吹っ飛ばされる。その様子は、正に蹴散らしていた。その攻撃の危険性を察したのか、マジェコンヌとエクスはその場から飛び退く。

しかし、それにも構わず、光樹は突撃をやめない。そうだ。今はあいつらを倒すことが目的じゃない。今はこの包囲網を突破することだけを考えればいい。いずれまたあいつらとは戦わなければならないはずだ。

曲がる道で壁に足を着けて急速方向転換をしつつ、無事四人は(海男も入れて)転送装置の建物から脱出することに成功した。だが外にもモンスターはまだたくさんいた。そこで光樹がこちらにどこに行けばいいか聞いてくる。

 

「うずめ、海男。どこに行けばいい!」

 

その言葉に、うずめが答える。

 

「とりあえず、このまま北に少し向かってくれ。モンスターのいないところまで一旦行くぞ。」

 

「了解した。しっかり掴まってろよ、二人共。あと海男も。」

 

「あぁ。」

 

「はい!」

 

「頼んだぞ、光樹。」

 

そのまま急加速した状態で、うずめたちは敵の包囲網を突破した。

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、うずめたちは無事に包囲網を突破していた。敵がいないのを確認し、光樹が高度を下げ、地面に着地する。掴まっていた俺とぎあっち、海男の三人は着地すると同時に光樹から離れる。

 

「はぁ…はぁ…。」

 

ネプギアは息をつく。光樹のガンダムの強引な突破とスピードに疲れてしまたのだろう。うずめも大きく息を吐いて、無事に逃げ切れたことについて言う。

 

「なんとか逃げ切れたみたいだな。」

 

「ごめん、みんな。無理させて。怪我もなさそうだな。」

 

光樹が怪我がないかの確認をする。しかし、今はそれを気にしている余裕はうずめには無かった。それよりも、ネプギアと光樹の行動に対しての気持ちが先に来る。

そのことについてうずめはネプギアと光樹に詰め寄った。

 

「おい、ぎあっち、光樹。なんであんなことをした。」

 

うずめとしては、真っ先に聞きたいことであった。もちろん、先程も同じことを聞いてはいた。しかし、改めて、なぜ二人ともこの世界に留まるような行動をしたのか、聞かずにはいられなかった。

その気迫に、若干引き気味にネプギアが答える。

 

「だって、うずめさんが危なかったから…。気付いたら、体が勝手に動いてたんです…。」

 

「俺のことなんかどうでもいいんだよ!せっかく帰れるチャンスだったんだぞ!それを、俺なんかの為に無駄にしてどうするんだよ!!」

 

こんな自分のためだけに、帰れなくなってしまったことについて、申し訳ないという気持ちが心の中にあった。しかし、ネプギアはうずめに言葉を返す。

 

「無駄じゃありません。今、こうしてうずめさんが無事なんです。だから、決して無駄じゃないんです。誰かの犠牲がなくちゃ帰れないんでしたら、いっそのこと帰れないほうがマシです。きっとお姉ちゃんもそうだろうし、現に光樹さんも、同じように行動したんです。そうですよね、光樹さん。」

 

ぎあっちの言葉に、俺も口を閉ざす。そうだとしても…そのために、帰るチャンスを失くしてしまったのに、まだ諦めない気持ちと、この世界でまた共に戦ってもらわないといけないことを思うと、やるせない気持ちになる。

更に光樹も先程のネプギアの言葉に続く。

 

「俺もネプギアと同じ意見だ。それに、ここでうずめを見捨てちゃいけないと思ったからだ。」

 

「だからって…だからってこれじゃあ、申し訳なさすぎるだろうが…。」

 

二人の言葉に、うずめは泣きそうになるのを堪えつつ、言葉を吐き出した。二人共とても自分のことを思ってくれる。その二人のためにも、なんとしても応えなければいけなかった。

その雰囲気を察した海男が、話の内容を改めさせる。

 

「うずめ。もうこれは過ぎたことだ。今は次に何をするか考えるんだ。」

 

次に何をするか、それはもう決まっている。少しでも早くぎあっちと光樹を返すために、俺は次の行動を言う。

 

「そんなの、今直ぐ戻って一匹残らずぶっ飛ばすに決まってる!」

 

「仮に戻れても、あそこまで壊れたんじゃ転送装置は使えないと思うよ。」

 

海男の言葉が、現実を見せる。海男の目からしても、あれはもう使えないと思ったのだろう。しかし、あいつらをぶっ飛ばさなければ、うずめの気持ちは収まらなかった。うずめの憤りが言葉として出る。

 

「じゃあ、どうすればいいんだよ。」

 

そこで海男がある考えを出してくる。

 

「デカブツと違って明確に意思を持って襲ってくる以上、ここを離れることを、オレは提案しよう。」

 

「確かに、ここにいたら見つかるのも時間の問題だろうしな。」

 

その考えに、光樹が賛成を示す。だが、うずめはそれに反対する。

 

「アイツらから逃げろっていうのか?」

 

直球的な意見だ。これでは逃げているのと同じだ。そんな逃げの姿勢の行動はうずめとしてはしたくはなかった。ここは思い切ってこっちから仕掛けた方が敵の意表を突けるという作戦の方がいいとうずめは思っていた。

しかし、その考えに海男は答える。

 

「違う。態勢を立て直すんだ。デカブツとはタイプが違うからな、こちらから打って出るために作戦を立てるんだ。そして、ぎあっちと光樹を元の世界に戻す方法もね。」

 

それを聞いて、うずめも納得をする。こちらから打って出ることが出来るのは嬉しいことだ。

当然、それは海男の考えの内であった。そう言えば、うずめも無茶な行動はしないだろうということを思ってのことだった。

そんな事には気づかず、うずめは喜びを得る。

 

「ようやく、こっちから打って出れるのか。受け身ばかりで飽きてきたところだったぜ。」

 

そう意気込みを見せたところで、突然光樹の声が響いた。

 

「でも、正直言って、態勢を立て直してもあいつら…少なくともエクスに勝てるかどうかは、正直分からないと思う。」

 

「光樹さん?光樹さんでもそんなに自信がないだなんて…そんなに強かったんですか?」

 

ネプギアが心配そうな声で聞く。うずめもこの世界に来て光樹は自信のある男らしい覚悟の持ったやつだと思っていたが、そんな発言をするとは、と思った。

すると、光樹がその根拠について話してくる。

 

「あぁ。さっき戦ってた時、俺はモンスターとの乱戦を行いながら、マジェコンヌを狙ってたんだけど、全部エクスに攻撃を邪魔されてたんだ。」

 

「えっ!?光樹さんのガンダムって、確か遠隔操作の武器もありましたよね?それも全部あのガンダムは防いでたっていうんですか!?」

 

ネプギアが驚きを露わにする。うずめも少し敵のその戦果にたじろぐ。まさか光樹の攻撃を全部あしらうとは…それもガンダム野郎本人にではない攻撃を全て妨害した、遊撃したというのだからとんでもない敵なのが分かる。

が、それは光樹も承知の上で言ったようで、うずめたちに宣言する。

 

「だけど、あいつを倒せるのは多分俺だけだと思う。だから、あいつの相手は俺に任せてくれ。」

 

「あぁ、頼んだぜ。」

 

うずめはそう返す。あのガンダムは光樹に任せた方が良さそうだと素直に思ったからだ。

それで敵の対応についてまとまった、海男がこの先の行動について口にする。

 

「では、本拠点に戻ろう。あそこなら、仲間はたくさんいるし、なにか方法が見つかるかもしれない。」

 

その言葉に、光樹が反応した。

 

「本拠地って…。俺達が最初にいたあそこは仮の拠点とかだってことか?」

 

同じようにネプギアも疑問を持っていそうな顔を見せる。それを受けて、疑問を持つのも当然だろうとうずめは思った。最初にあそこを見たんじゃ、あそこが本拠地とか、あそこしか本拠地がないと思ってもおかしくない。そこでうずめは二人に説明をする。

 

「そういえば、言ってなかったな。ここはあくまでもデカブツたちと戦う為の一時的な拠点なんだよ。ぎあっちと光樹への説教はそこについてからたっぷりさせてもらうからな。」

 

説明をしつつ、うずめは声のトーンを落とし、叱るように言う。良かれとは思っての行動だろうが、それでもまたあんなことをされてはこちらも困る。それ以上勝手な行動をさせないための発言だった。

それを聞いて、ネプギアと装着を解いた光樹も察したようで、困りつつも、その言葉に返事をする。

 

「お、お手柔らかに…。」

 

「い、痛いのは勘弁してくれ…。」

 

それを聞いて、四人は本拠地に向けて足を進めた。

 

 

TO BE CONNTINUED

 




今回もお読みいただきありがとうございます。いかがだったでしょうか。

ジャンヌ「そういえば、見ていて気がついたのですが、今回はうずめさんの視点だけなんですね。」

そうなんですよ。話の区切りの関係上そうなりました。その為、今回の話はいつもより短い、最初の頃と同じくらいの文字数となっています。短すぎて、申し訳ない。

レイ「そういえば、藤和木はどうして予約投稿みたいなのしないの?すればいいじゃん。」

あぁ、理由があります。それは…

ジャンヌ「分かりました。設定するのが面倒くさいのでしょう。」

レイ「えー。そんなわけ…」

ジャンヌさん、何故分かった…。」

レイ「事実なの!?」

いや、半分当たってるだけ。

レイ「半分って…。正確に言うと?」

一つは、どうやってすれば予約投稿できるのか分からないんですよ。取説見ても大体わかった程度なので、ミスしたらダメだなってことで。

ジャンヌ「じゃあ、もう一つは?」

もう一つは、やっぱり、リアルタイムに投稿した方が話題の事柄にも触れられるからですね。

レイ「あー、確かに私とジャンヌちゃんがディーバ総選挙で入賞した時に投稿してその事言ってたね。」

というのが今回の投稿が遅れる原因となった理由の一つです。そして、これから先も、専門学校の授業の関係上、金・土・日以外に投稿する際は今回と同じくらいの時間になると思われます。本当にごめんなさい。

レイ「じゃあ、次回の投稿は、日曜日あたりだねっ。」

実はその日も遅れる可能性が…(;´・ω・)

レイ「なんでっ!?」

いや、その日うちの学校の入学予定の人対象の説明会のスタッフの集まりがある可能性が…

ジャンヌ「そんなのに立候補するだなんて、珍しいですね。」

ははは、スタッフとして出たら給料もらえるらしいからね。

レイ&ジャンヌ『あっ…(察し)』

一応、早くて日曜日には投稿する予定ではあるので、次回もお楽しみに!

レイ「お楽しみに―!」

ジャンヌ「お楽しみに。」

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