新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも皆様、お元気でしょうか。藤和木弘です。
鉄血のオルフェンズ第1期終了しましたね!バルバトスと三日月さん流石です!

ジャンヌ「あの戦いは見ていてハラハラしましたね。どうも皆様、ジャンヌ・ドラニエスです。テイワズの二人が生きていてよかったです。」

レイ「でも三日月君障害起きちゃったね。最終話でガエリオさんが可哀想に思った、レイ・オーバだよ!」

ホント、ガエリオさん可哀想ですよね。
と、第51話投稿です。

レイ「今回は鈴ちゃんのガンダムが出るんだっけ?」

ジャンヌ「確かそうでしたね。どれほどの実力なのか、見ていただけるといいと思います。」

では、本編へ、どうぞ!


第51話 聖地での出会い

鈴が警備兵を撒いてから数分後、ネプテューヌは既に初代プラネテューヌの女神の聖地にたどり着いていた。

 

「さて、ここがベールの言ってた初代プラネテューヌの女神の聖地って場所だね。」

 

ベールの送ってくれた地図の場所が間違いでないなら、ここにサンシローの入魂パッチがあるはずだ。一目見た感じでは、未来感のあるコンピューターの中の世界のような場所だ。こういうダンジョンはよくゲイムギョウ界にはあった。ダンジョンって、自然に出来たものが多いけど、こういう所はどうやって作っているんだろうと思ってしまうことがある。いくらネプテューヌが女神であったとしても、そういうのはあまりよく分からなかった。

けど、その内部も、今まで見てきたダンジョンとは変わらないように見えた。

 

「見た感じ、他のダンジョンとあまり変わりないみたいだけど…。」

 

だが、そこで難しいことを考える暇はなかった。

 

「まぁ、いいや。今はいーすんを直すことを考えないと。」

 

今のネプテューヌにはイストワールを直すという重要な目的がある。そして、ネプギアと光樹の二人を助けに行かないといけなかった。

考えを切り替えたネプテューヌは、早速初代女神の聖地へと足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが、ネプテューヌがいる場所…。」

 

そう呟いた鈴の前には、電子空間のような幻想的な風景が漂っていた。この光景を見ると、かつて自分がSSRシリーズのガンダムシリーズを装着していた時の電脳空間を思い出す。あの頃は、まだあたし達は未熟だった。勇人や絵里奈達と共に世界の敵と対峙していた時だ。

だが、そんな気持ちに浸る暇はない。今はネプテューヌと会い、光樹が何処にいるのかを確かめなければ…。鈴は初代女神の聖地を駆けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

襲い掛かってくるモンスターを蹴散らしつつ、ネプテューヌは奥へと進んでいた。これくらいの敵は問題なく、順調に倒していっていた。そうしてしばらく進んだ結果、ダンジョンの奥のような場所へとたどり着いた。

 

「ここが一番奥っぽいけど、それらしいものは…宝物も墓標もなにもないっぽいかも。」

 

一目見た限りでは、目立つようなものは何もなかった。とすると、これはもしかすると、ゲームではよくある、ボスドロップというやつだろうか。こういった場所には、必ずボスがいて、倒すとボスが落とすアイテムとして手に入れられるというものだ。まさか本当に出来るとは…。でも、まだモンスターはいなかった。ひょっとして、そういうものはないのだろうか。

 

「ていうことは、展開的にはボスモンスターが現れて、倒して入手ってパターンだったりして。」

 

そんなフリを感じさせる言葉を言う。

すると、奥から何かが来るような地響きが聞こえる。それと同時に、唸り声が咆哮する。

 

「グオォォォォッ!」

 

「ねぷっ!?まさか、わたしの予想が当たっちゃった!?」

 

嘘から出た真とは正にこのことだ。そんな感じが十分する竜型のモンスター、種属名「エンシェントドラゴン」がわたしの前に立ちふさがった。

普通なら、いきなりの登場で驚きが尽きないだろうが、今のネプテューヌには確信があった。こんなタイミングで登場するなら、間違いなく、このモンスターがサンシローの入魂パッチを持っているに違いないという確信が。

 

「てことは当然、アイテムもドロップ入手で決まりだね!」

 

やる気満々となったネプテューヌは女神化をする。光の柱に包まれたのち、ネプテューヌはパープルハートへと変身する。

 

「本気で行かせてもらうわ。覚悟しなさい!」

 

変身を終わらせたネプテューヌは、エンシェントドラゴンにそう言い放ち、機械刀を構えてエンシェントドラゴンへと突撃した。

 

 

 

 

まず、パープルハートは横薙ぎに一閃を振るう。その攻撃はエンシェントドラゴンの強固な翼による防御で防がれてしまう。

だがそれは、パープルハートも予測済みだった。攻撃を防いだエンシェントドラゴンは、カウンターの拳を翼を払ってから打ち込む。素早いカウンターだったが、その拳はパープルハートの動きを捉えることはなかった。エンシェントドラゴンの視界にはパープルハートの姿は何処にもない。パープルハートはエンシェントドラゴンの後ろ側にいたのだ。後ろに回り込んでいたパープルハートは翼の付け根を狙って刀を振り上げる。

 

「グオオゥ!?」

 

エンシェントドラゴンは驚いた様子を見せる。だがエンシェントドラゴンも馬鹿ではない。すぐに後ろを向く。しかしそこにはまたもパープルハートの姿はなかった。

その時、パープルハートは空中に飛んでいた。空中と言っても、ちょうどエンシェントドラゴンの真上にいたのでエンシェントドラゴンはそのことに気づいていなかった。そこで、一気に降下する。

 

「甘いわ。」

 

降下と共に斬撃を放った。頭部に直撃する。その攻撃に敵が怯む。攻撃をしたパープルハートは、その反動で後方へと下がる。エンシェントドラゴンが再び攻撃してくるのを待つ。

攻撃を受けたエンシェントドラゴンは後ろに下がったパープルハートの存在に気づく。目視すると同時に、こちらに向かって地面を滑るように翼を羽ばたかせ接近してくる。元来、エンシェントドラゴンのようなモンスターはどっしりと構えているのが多いが、この個体は違うようだ。

けれども、こちらにとってはありがたい。再び上空へと飛ぶ。それを逃さないようにエンシェントドラゴンも飛ぶ。

そして、空中でそれぞれの武器が交差する。剣と爪、互いに切れ味を誇る攻撃は互いにぶつかり合った後、受け流すように弾かれ、横をすり抜ける。

地面に着地したパープルハートは、また次の攻撃のため、後方へと移動する。壁などはないため、空中で浮遊するような形になる。一方、エンシェントドラゴンは空中にいるのをやめて、地面へと降りる。その重量故、地響きが響く。

ここまでの攻撃で、特にこちらは攻撃を受けてはいなかった。上手く敵の攻撃を回避していたためだ。だが、敵の方のダメージは、あまり深手を負っているとは思えなかった。

ここは大技を打ち込むしかない。パープルハートが動く。

 

「クロスコンビネーション!」

 

連撃を叩き込み、最後の振り下ろしを思い切り打ち込む。しかし、その攻撃はほとんどその頑強な腕で防御される。攻撃を受けきったエンシェントドラゴンは攻撃を仕掛けようとしてくる。

そこに、更に攻撃を仕掛ける。

 

「クリティカルエッジ!!」

 

放たれた二撃の斬撃がガードを払いのける。そこに鋭い一閃が刺さる。今のはかなりの手ごたえを感じた。このままの流れなら、勝てる。そう確信した。

とはいっても、流石に敵もボスクラスの敵だ。一瞬傷口を抑えたが、咆哮すると、何やら叫びながらこちらに向かって突撃してくる。

 

「イザ、尋常ニ勝負!!」

 

その突撃を回避するため、後ろに向かって飛翔する。段差の所で着地すると、敵をギリギリまで引き付ける。突進速度の速さはかなりのものだった。すぐに距離が縮まる。そして当たる直前で横に躱す。そのままの勢いでエンシェントドラゴンは段差の下に降りた。

戦いの舞台は先程の場所よりも、少し広めの場所に移行した。こうしたのには訳があり、先程の場所では足を着ける場所が少なく、余裕をもってエンシェントドラゴンと戦いたかったからだ。

仕切り直しのように、そこから第二ラウンドへと突入する。同時に互いの攻撃が激突する。攻撃が防がれるのにも構わず、お互いは刀と爪をぶつけ合う。

 

 

ガキィン!ガキィン!

 

 

何度もぶつかり合ったのち、パープルハートは勝負をかける。刀を構えて突撃する。それを迎撃するようにエンシェントドラゴンの拳が打たれる。しかしパープルハートはその攻撃に防御態勢は取らず、姿勢を低くして回避する。

それによって、パープルハートが敵の懐に飛び込むような形になった。これをパープルハートは狙っていたのだ。もう一度懐に飛び込んで、そこから強力な一撃をもう一度叩き込む。これで運良ければ撃破、悪くても深手を負わせれば…と思ってのことだった。

そして、強烈な一撃を放つ。

 

「桜花一閃!!」

 

低姿勢から切り上げるようにして横一線に敵を切る。

 

「グオゥッ!?」

 

その攻撃が効いたようだ。エンシェントドラゴンは大きく後ろへと退く。そこに追撃のクロスコンビネーションを叩き込む。

その連撃全てが、先程の桜花一閃で刻み込んだ傷口を大きくしていく。最後の打ち下ろしも傷口を抉りつつ放たれる。その攻撃によって、傷口からデータのような粒子が溢れる。これはかなりのダメージのようだ。まだ倒せてはいないが、次で決まる。そう思ったパープルハートはトドメを刺そうと踏み込む。腰溜めに刀を持ち、突き攻撃が放たれる――――――

 

 

その時だった。

突如、上空より光がエンシェントドラゴンを包み込む。いきなりのことだったので、パープルハートも一度退く。一体、何が起こったのか…。戸惑いっていたが、よくその光を見てみると、あることに気づいた。

 

(この光…光樹がガンダムを装着する時の光と同じ…?)

 

すぐには気づかなかったが、今よく見ていると、確かにその光は光樹がガンダムを装着する時に現れる光のノイズに似ていた。その光がなぜいきなり現れたのか。この世界には当然光樹は今はいない。なのにこの光はなぜ現れたのか。

しばらくしてから、ノイズが晴れる。そこには、予想もしなかったことが起きた。

 

「我ハ虚、我ハ空、我ハ刃!!」

 

先程までかなりのダメージを受けていたエンシェントドラゴンは完全に傷が治っていた。それどころか体の至る所に機械のアーマーが装着されていた。更に背中には二門のキャノン砲を持ち、その手には先程までなかった赤い剣を持っていた。

その変化を終えたエンシェントドラゴンが、反撃を開始する。翼に新たに装備されたブースターから、あの赤い粒子が発せられる。と、同時にこちらに向かって飛翔、剣をパープルハートに向かって切りつける。その攻撃を機械刀で受け流す。しかしそれで攻撃は終わらない。こちらに反転し、背中のキャノン砲で砲撃してくる。計四発の砲弾はパープルハートの近くに着弾、爆発する。

周りが煙で何も見えない。すぐにパープルハートは煙の中から抜け出す。

 

「けほっ…。あれは一体なんなの?光樹の時と似ているけど…モンスターの武装化とでも言うの?」

 

パープルハートはそう思う。今までゲイムギョウ界のモンスターは凶暴化したりすることが戦闘中にあった。おそらくこれもまた、そういった部類なのだろう。だが突然モンスターが機械を纏うなど、なかった現象だ。なぜこんなことに、と困惑しているパープルハートに休む暇はなかった。エンシェントドラゴンに新たに追加された肩アーマーに内蔵されていたバルカン砲が火を噴く。それを無理矢理体を曲げて回避する。

 

「くっ…こいつ。」

 

この状況にパープルハートは舌打ちをしつつ、苛烈になった攻撃を回避するだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「きゃうん…。」

 

「………。」

 

うさぎ型モンスターの声にも気にせず、手に持ったレーザーガン「ブラスターCT」を無言で撃つ。十連射によってうさぎモンスター「ラビー」は消滅していく。

そのモンスターの消滅により戦闘は終了する。溜息をしつつ、鈴はレーザーガンの弾数をチェックする。

 

「はぁ。まだ着かないの?ネプテューヌは何処まで行ったのよ。」

 

ここまでかなりの道のりを歩いてきたはずなのだが、その何処にもネプテューヌはいない。おかげでいろいろとアイテムが落ちているのを拾って来たではないか。

そんな独り言に、機械音声が答える。

 

『ここまでの道のりの形跡から、俺達は見逃してはいないぞ。』

 

「そうなのよね。グレイガ。」

 

鈴は自身のガンダムの支援インターフェースの「グレイガ」に言葉を返す。

グレイガは男性タイプの支援OSだ。実際に人の脳を解析してOSが制作されているのだが、自分に合うので話すことで少しはストレス解消になる。もちろん、戦闘ではとても頼りになる。だが、最近は鈴自身の反応速度がグレイガを超え始めていて、少し問題となっているのだが。この事件が終わったら、アップデートした方がいいかもしれない。

またネプテューヌを探して歩いていくと、突然前方方向に人影が見える。もしかすると…と思っていたら、すぐにこっちの方に来た。

その正体は、鈴が望んでいた人物、ネプテューヌであった。それも今は女神化した状態、女神パープルハートの姿であった。これはちょうどいいと鈴は思っていた。あの馬鹿っぽい性格のネプテューヌの時より、パープルハートの方が話はしやすいと思ったからだ。しかし、今の服装では変身前の方がよかっただろうかと考えてしまう。

ところが、それは問題ではなかったことを知る。声をかけようとしたところで、パープルハートがこちらに叫ぶ。

 

「避けて!!」

 

「!?」

 

その言葉に従い、回避行動を取る。パープルハートと同じ方向へジャンプする。すると、先程までいたところに何かが当たり、爆発を起こす。

爆風に吹き飛ばされつつ、なんとか受け身を取る。すぐにその攻撃してきた敵を確認する。その姿を見て、閉口する。

 

「あれは……!?」

 

そこには巨躯の龍がいた。確か名称はエンシェントドラゴンであっただろうか。別世界のゲイムギョウ界で戦ったことがある。だが、その姿は、目の前の個体とは違った。確か西洋のドラゴンのような姿だったはずだ。しかし、今目の前にいるのは、体に機械を纏った、異質な姿をしたドラゴンだった。

それをアナライザーを通して見ていたグレイガが分析する。

 

『鈴、こいつの装甲、これはANカーボンだ。』

 

「なんですって?」

 

その事実に驚愕する。なぜゲイムギョウ界のモンスターにANカーボンが使われた装甲を纏っているのか。

そんな疑問が脳内を駆け巡る。しかし、迷っている暇はなさそうだった。パープルハートからとあることを言われた。

 

「あなた、早くここから逃げて。こいつは普通じゃないわ。」

 

その言葉に、抵抗感が沸いた。確かに一般人相手なら、その対応は間違いはない。だが、自分は仮にも戦闘員だ。それも隊員のようなランクではなく、一部隊をまとめる隊長クラスの。

そんなパープルハートの言葉に、鈴は返す。

 

「生憎ながら、あたしは普通じゃないわ。ここであなたを見失うわけにもいかない…ここはあたしも戦わせてもらうわ!」

 

「あなた…一体。」

 

そんなパープルハートに鈴は黒コートのフードを取って答える。

 

「通りすがりの戦場歌姫よ。さぁ、行くわよ、グレイガ!」

 

『やれやれ、仕方ないなぁ。変身ロック解除、…いけるぜ。』

 

変身の準備が完了した報告を受けて、懐よりエグゼスキャナーを取り出す。先程は不良の制圧というくだらない所で変身してしまったが、今は許容範囲内だ。ためらいなくエグゼスキャナーを首元に当て、認証させる。

 

 

 

『スキャン完了。R-EXE・グレイガ、アーマー・セットスタンバイ。』

 

 

 

エグゼスキャナーをから、AN粒子が放出される。その奔流が鈴を包み込む。奔流の中で、体は電子化され、その情報をベースに、覆うようにアーマーが装着される。プロテクターを纏い終わると、次に武装が装着される。

装着終了と同時に、AN粒子は吹き飛び、その姿が外界に認識される。頭部に備えられたV字アンテナがガンダムであることを物語る。が、側頭部近くの獣の耳のようなパーツ、そして口元の牙のようなラインが入ったマスクは、まるで機体が獣であるかのようなことを見た者に感じさせる。だがそれだけではない。両腕部には実体剣を三つ並べたシールドクローを装備し、足元にも爪のようなパーツを備え、リアスカート下部には尾のようなパーツを装備するなど、人型でありながら、獣をモチーフとした装備を持つ機体が姿を現す。

それを見ていたパープルハートも驚きを隠せないようだ。口元を手で覆い、口が開いているのを隠している。そこにグレイガの機械音声が響く。

 

『ガンダム・R-EXE・グレイガ、セット・オン完了。』

 

それと同時に口元のマスクが割れ、咆哮が響く。

 

グオォォォォォ!!

 

これで装着工程が終わる。その姿に驚いたままのパープルハートに話しかける。

 

「さて、行くわよ、女神パープルハート。あいつを倒しましょ。」

 

「え、えぇ。今はあいつを倒さなければいけないわ。」

 

パープルハートの方も戦闘の方に意識を戻す。そうしてエンシェントドラゴン・アーマードと戦闘を開始する。

 

 

 

 

「たぁ!」

 

R-EXEグレイガの腕部に装備された主兵装、ANファングクローシールドが初撃となる。敵の装甲に当たったので、火花が散りはしたが、敵にダメージを与えたような様子は見られなかった。特にダメージを受けた様子を見せなかったエンシェントドラゴン・アーマードが攻撃を行う。手に持った赤い剣で横薙ぎに攻撃してくる。その攻撃を、鈴は逆にANファングクローシールドで受け止める。刃と刃がぶつかり、火花を散らせる。動きが止まった。そこに、パープルハートが攻撃を見舞う。

 

「食らいなさい!」

 

その攻撃は的確にエンシェントドラゴンの装甲に覆われていない部分…生身のところを突き刺す。その状態から、横一線に斬る。攻撃を受けたことで、傷口からデータの破片のようなものが散る。どうやら攻撃は効いているようだ。

とすればこちらの攻撃の狙いは変わることはない。パープルハートには生身の部分を攻撃してもらって体力を削がせ、こちらは装甲をメインに削って弱体化させる方法を取るべきだろう。パープルハートの方も察しているようだ。

その暗黙の了解の元、二人はエンシェントドラゴンに引き続き、攻撃していく。まず鈴が先手を仕掛けて攻撃を受け止めたまま、少し後ろのパープルハートが動けない状態のエンシェントドラゴンを斬る。これがループのように繰り返された。

だが、エンシェントドラゴンの方もそれに気づく。それによって攻撃の方法を変える。再び剣とANファングクローシールドが交差した後、背部のキャノン砲が動く。かがむようにしなければ撃てない状態だったキャノン砲の砲口がこちらに向けられる。

 

「可動アームね!?」

 

『鈴、回避だ!』

 

危険を察したグレイガの言葉に鈴も従う。剣を受け流すと同時に、シールドを構えて退く。同時にキャノン砲も火を噴く。その砲弾はシールドに直撃し、鈴の体に大きな衝撃が襲う。

予想外の攻撃だったが、ダメージは受けていない。すぐに攻撃態勢に戻る。見ると、パープルハートは鈴の隙を埋めるように、前に出ていた。

 

「せぇい!!」

 

機械剣の一撃がキャノン砲の砲身を切断する。砲身を斬られた敵の左側のキャノン砲はパージされた後、爆発を起こす。後ろからの爆発による爆風で、エンシェントドラゴン・アーマードは怯む。大きな隙だ。

鈴はパープルハートに向かって叫ぶ。

 

「パープルハート、避けなさい!」

 

「!分かったわ。」

 

それに反応し、パープルハートは上空に飛ぶ。その間に鈴は姿勢を低くし、手を地面に着ける。その様子は、大地に足を着ける獣だ。

その状態から、バックパックが動く。下に長いパーツの上下が反転する。ブースターのような兵装は、カノン砲のような兵装へと変化する。足を固定したのを確認すると背部のカノン砲、ANソードカノンⅢの砲身は開く。開いた砲身からはスパークが絡み合う。そして、ビームが放たれる。

ANソードカノンⅢから放たれた赤黒い粒子ビームが、エンシェントドラゴンに向かって直進する。その攻撃を認識するのが遅れ、エンシェントドラゴン・アーマードは避けるのが間に合わず、右の翼がビームに飲み込まれる。

そのビームにより、エンシェントドラゴン・アーマードの右翼はアーマーごと半分ほど消滅する。その痛みにエンシェントドラゴンが悲鳴のようなものを上げる。

 

「ヌォゥ!?」

 

まさか先程の攻撃であそこまでダメージを与えられるとは思わなかった。だが、好都合だ。早めに倒したかった鈴は、追撃を加えに接近する。

パープルハートも敵に攻撃を加えるために接近する。迎撃しようとエンシェントドラゴン・アーマードが肩部のバルカン砲を撃ってくる。弾幕だろうが関係ない。十分接近したところで脚部の高出力ビームサーベル発振器「ANブレイクスライサーⅡ」から、ビームを発生させる。

脚部から発生されたスパイクのようなビームサーベルを、エンシェントドラゴン・アーマードの肩部の装甲に蹴りこむ。その攻撃によって肩部装甲は穴が開き、火花が散る。鈴が着地すると同時に、肩部装甲は爆発する。一方、パープルハートは左脇腹を斬り、ダメージを与えていた。

エンシェントドラゴン・アーマードは同時攻撃により、大きく体を上下させていた。しかし、攻撃をやめるつもりはない。鈴とパープルハートは次々と攻撃を加える。

何度もANブレイクスライサーで蹴り斬った所でリアスカートの尻尾のようなパーツを分離させる。尻尾の根元に現れたグリップを持つ。すると、尻尾の部分は赤く発光する。ただ赤く光っているのではない。熱を帯びているのだ。尻尾だった武器、ANテールヒートロッドを持ち、エンシェントドラゴン・アーマードの腹部アーマーを切り裂く。ANテールヒートロッドが装甲を溶断し、その下にあった皮膚すらも切り裂いた。

同じようにパープルハートも斬撃を浴びせたところで、エンシェントドラゴン・アーマードは膝をつく。もう限界のようだ。パープルハートから決着を提案される。

 

「行くわよ、大技!」

 

「そうね、これで終わらせる!」

 

同時に二人は飛ぶ。攻撃が飛んでこないことで急接近する。エンシェントドラゴンは迎撃しようとするが、遅い。二人は叫ぶ。

 

「クロス…」

 

「ハウンド…」

 

そして、同時に大技を放った。

 

「コンビネーション!」

 

「スラッシャー!」

 

二つの斬撃が、エンシェントドラゴンを切り裂く。その二つの攻撃の軌跡を受けたエンシェントドラゴン・アーマードは剣で姿勢を保とうとする…しかし、それは刹那のことだった。

すぐに地面に倒れ伏せる。アーマーが解けると同時に、エンシェントドラゴンは消滅する。それにより、鈴達はエンシェントドラゴン・アーマードに勝利したのであった。

 

 

TO BE CONNTINUED

 




今回のお話、読んでいただき、ありがとうございます。いかがだったでしょうか?

レイ「鈴ちゃん突然変わったエンシェントドラゴンにも勝てるなんて、凄いよねー。」

でも実際、パープルハートがいなくても、余裕で勝てるくらいの実力はあるんですけどね。

ジャンヌ「それって、完全に女神より強いってことじゃ…?」

でも、鈴のガンダムの性能はまた黒の館で紹介するから、そこで色々と明らかにしたいと思っています。

では今回はここまで。

レイ「じゃあ、次回の投稿は月曜日に…」

あ、ちょっと待ってくださいな、レイさん。

レイ「え?どうしたの?」

実を言うと、来週の月曜日から水曜日まで私が通うことになった専門学校のオリエンテーション合宿というものがあって、月曜日に投稿出来ないんですよ。

レイ「そうなの!?」

ジャンヌ「では、いつ投稿なさるんですか?」

うん。次回の投稿は出来たら水曜日の夜、最悪でも次の木曜日には投稿したいと思います。

ジャンヌ「次回の投稿が遅れますこと、ご理解をお願いします。」

レイ「じゃあ、また次回っ!!」

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