新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
見てないアニメを片っ端から見ながら受験勉強も並行してしながら過ごしている、藤和木弘です。
第37話、投稿です。
今回は前の話で登場したシュバルトゼロガンダム天が活躍する話です。
では、本編へどうぞ!
その力は凄まじかった。少し強化されただけで、ここまで強くなるのだろうか。だが今はそれだけでもありがたかった。
光樹は次の手を考える。今はメガミブレイカーは一旦リザーブに戻してある。だが、すぐに装着できるように、準備は整っている。それに今はネプテューヌ達もいる。インターフェース上のパラメータでは、三人共かなりダメージを負っているようだが、まだ動ける範囲だ。スライヌ達はネプテューヌ達に任せて、今はこいつを倒すことに集中すべきだ。
光樹は着地すると、すぐ後ろに居たうずめに声をかける。
「うずめ、大丈夫か?」
「う、うん!まだ動けるよ。」
「だったら、ネプテューヌとネプギアに合流して、スライヌ達を避難させてくれ。こいつは俺が倒す!」
「え!?一人で!?」
うずめは心配そうに返す。確かに、こんな敵を有利な状況ではない中で、戦うのは危険だ。
だが、そう言う理由はもう一つあった。それは、うずめ達を休ませるためだ。三人共、先程行った戦闘でダメージも受けているのに、これ以上の戦闘は無理だと判断したのだ。
更にうずめにこう告げる。
「俺にも切り札はある。…ゼロシステム、起動!!」
その声と共に、ゼロシステムを起動させる。未だにゼロシステムは使いこなせていなかったが、今は使うべき時だ。
すぐに脳内にあらゆる情報が流れ込んでくる。光樹の表情が歪む。うずめも不安げに見つめる。
ゼロシステムの処理が終わる。そして、光樹は一言。
「行くぜ!トランザムシステム、起動!フルバーストモード、発動!」
光樹は感情欠落化を耐えた。まだ頭がくらくらしているが、今はこれでいい。自我がはっきりしているなら、自分の意志で戦える。
シュバルトゼロガンダム天は、機体を赤く発光させ、更にウイングパーツをスラスターを追加展開して、高機動形態に移行する。そして、飛び立つ。
光る閃光が、超高速で敵を切りつけていく。だが、やはり敵の装甲に阻まれる。すると突然、敵が前方に向けて手を伸ばす。いきなりそんな行動をしたので、何だと思ったら、敵は地面に突き刺さっていたビームソードを再び手にした。なるほど、武器を回収したということか。あの剣なら、広い範囲を攻撃できるだろう。
一旦状況を見るために、後ろに下がる。うずめ達はどうやらちゃんとスライヌ達を避難させに離れたようだ。安心している間に、エクストリィムがこちらに、またビームソードからビーム刃を飛ばしてくる。光樹は避けようかと思ったが、突然、脳裏にビジョンが発生する。記憶だ。そこには、敵の攻撃を、シールドを開いて、そこから敵の攻撃を吸収するシュバルトゼロ天の姿が見えた。
いきなりの事だったので、少し戸惑ったが、以前にもこんなことはあった。最初にブラックエースに変身した時も、同じように記憶を失う前と思われる記憶が浮かんでいた。
光樹はシールドを軽く見つめる。もし、攻撃を防げるのなら、使うべきだ。むしろ、俺の記憶が使えと言っているような気がしている。
そこにアラートが鳴る。既にビーム刃が近くまで飛んできていた。光樹は迷うことなく、シールドを開くことを指示する。すると、シールドが縦に開く。そこにビーム刃が触れようとした所で、ビーム刃が粒子に分解され、シールドに吸収された。
(アブソーブシステムか?これ。)
光樹はそう思った。アブソーブシステムというのは、ガンダムビルドファイターズでスタービルドストライクガンダムが初めて使用したシステム類だ。ビーム兵器の類を吸収して自身のエネルギーに変えることが出来る。
と、そこでゼロが説明を唐突に始める。
『ルーン還元システム、「ルーンリアクター」である。敵のビーム兵器をルーンに還元し、装着者の記憶負荷を軽減することが可能。』
「あ、ゼロ。記憶が消えかけたんだけど。」
ゼロに追及する。光の球はああ言っていたけど、実際聞いてみない限りは分からない。
すると、ゼロは答える。
『申し訳ない。光樹の判断能力を落とさないように嘘の情報を与えた、だが今なら問題ないはず。』
「別に今はどうでもいい。よし、ゼロ。一気に倒すぞ!」
『了解。』
ゼロにそう告げると、再接近を開始する。エクストリィムはビーム刃と電撃球を交互に放ってくる。それを上手く攻撃を捌いていく。電撃球は切り、ビーム刃はルーンリアクターで吸収する。
何度も躱されていくのを見て、エクストリィムは攻撃を変える。背部のマント型ウイングから推進剤を発して刀を構える。近接戦を行うつもりなのだろう。こちらもすぐに、ANヴルトガⅡを形成する。膝に新たに装備された武器も加えた統合兵装を分割して両肩のアームで保持する。そして敵のビームソードを受け止める。受け止めた状態から、胸部を敵に向ける。胸部の砲口にエネルギーをチャージする。チャージが終わり、粒子ビームを放つ。
『ANロストジェネレーションキャノン発射。』
黒い粒子ビームが、敵のビームソードに向けて放たれる。その勢いに合わせて、肩のANフレキシブルアームユニットで押し返す。
敵のビームソードが弾かれ、宙に舞う。エクストリィムはその反動で大きく後退する。そこに、更なる追い打ちをかける。頭部のANゼロキャノンを放つ。そのビームが、エクストリィムの頭部カメラに当たる部分に直撃する。カメラは割れ、敵はこちらを見失ったように辺りを見回す。おそらく、あそこが元々状況を見ていたメインカメラだったのだろう。ガンダムシリーズでは、ガンダムタイプは、大体は額のカメラがメインカメラであることが多く、目の部分のデュアルアイカメラはサブになっていることが多いと聞いたことがある。まぁ、クロスボーンガンダムとかは、その額のカメラがないので、デュアルアイがメインカメラなのだが。
すると、すぐに光樹は、その隙をついてメガミブレイカーを呼ぶ。すぐに背部に接続されると、エクストリィムに向ける。今度は着実にダメージを与えるため、左腕部の関節を狙い撃つ。
またも発射された実体弾は、関節部にヒットし、爆発を起こす。
すぐに爆風をウイングスラスターで吹き飛ばし、敵の様子を確認する。その目に見えたのは、左腕部の上腕の下から先が、えぐり取られたエクストリィムの姿であった。
『ガガガガガッ!?』
エクストリィムは右手で、えぐり取られた左腕の断面を抑えようとした。
しかし、ザンッ!という音が響く。それと同時に右腕が肩口から切断された。切断したのは、先程宙に飛ばした、ビームソードだった。
なんという幸運だろうか。だが、今はありがたい。ここで決着を着ける!トランザムとフルバースト状態の機体が、敵の右側をとる。そして、両肩のアームに持ったANヴルトガⅡを右肩口に突き刺す。そして、そのままビームを連射する。
機体装甲が硬くとも、内部はそれ程硬くはない。その攻撃はエクストリィムの上半身を滅茶苦茶にする。随分と内部パーツが溶解した所で、再びメガミブレイカーをそこに向けて、至近距離で放つ。
爆風で機体が吹っ飛ばされる。光樹はすぐに機体を安定させる。そして、状況を見る。
エクストリィムは立っていた。上半身が吹っ飛ばされた状態で。当然、動けるはずもなく、その残骸は力なく、大地へと倒れていった。勝ったのだ。
「馬鹿な……エクストリィムが、負けた!?」
エクスの声が静寂に響く。茫然とした様子を見せている。
一方、後方からうずめ達が駆けてくる。
「やった、やったー!わたしたちデカブツたちに勝ったんだ―!」
うずめはこちらに抱き着いて来ようとする。だが、触れようとした瞬間、ジュッ、という音が鳴る。
「あちっ!」
うずめが慌てて離れる。どうやら、ルーンの大量使用に加え、トランザムとフルバーストモード、更に爆風を受けたため、機体表面が超高温になっていたようだ。モニターを見ると、熱量ゲージが96%になっていた。すぐに光樹は、うずめに無事か聞く。
「大丈夫か、うずめ!」
「う、うん。ちょっと熱かったのに驚いただけだよ。大丈夫。」
「そうか。」
それを聞いて安心する。女神でなかったら大やけどだったかもしれない。ししかし、うずめの機体に触れた部分を見る限り、大丈夫のようだ。
と、そこにネプテューヌが言う。
「何とか勝てたわね、光樹。だけど、まだ終わってないわ。」
「え?」
「まだ、操っていたやつらが残っているでしょ?」
その言葉を聞いて、気づく。そうだ。まだエクスとマジェコンヌがいるのだった。
すぐに光樹はエクスの方に向く。エクスとマジェコンヌは、こちらを茫然と見つめていた。
うずめもそれに気づいて返す。
「あーっ!そうだった、あのおばちゃんとちっちゃいガンダム、ポッと出過ぎて、すっかり忘れてたよ!」
その言葉が届いていないのか、エクスたちは独り言のように呟く。
「…っく、まさかダークメガミが負けるとは。」
「エクストリィムは最強のガンダムのはず……おのれ、和藤光樹…やはり記憶を失っても黒の少年ということか。」
そんな様子の敵に、こちらはゆっくりと近づく。ギリギリ反撃の一撃をもらわなさそうな位置で立ち止まると、うずめが勝ち誇ったように言う。
「さてさて、どうしよっかなー。」
「やはり、ここは捕まえて情報を聞き出すべきではないかしら?」
ここで倒してしまえば、万事解決だろうが、まだ黒幕が残っている可能性もある。ここは話を聞いたのち、どうするか決めるべきだろう。
だが、マジェコンヌ達は、まだ余裕の表情を見せて答える。
「私達を捕まえるだと?ふん、今の貴様らに何ができる。」
「随分余裕そうだな。まだお前ら戦ってないから当然か。」
「その通り。今この場でお前らを倒すことも出来る。」
確かに、あいつらはまだこちらと戦闘していない分、体力に余裕がある。一見してみれば、こちらが不利だろう。だが、マジェコンヌは見た限りではあまり体力が残っていないように見える。おそらく、シェアリングフィールドに入っていた影響なのだろう。
そして、うずめがもっともなことを口にする。
「けどぉ、数はこっちが上なんだよねー。」
それを聞いて、マジェコンヌが不意をつかれたように反応する。エクストリィムも、音声を発さず、黙っている。
その沈黙が続いた後、マジェコンヌが言う。
「っ!…ならば、癪だがここは引かせてもらおうか。」
「私も認めたくはないが…一時撤退する。」
どうやら手を引くようだ。逃がしたくないと思ったのか、ネプテューヌが問いただす。
「逃げる気!?」
そう言った所で、敵の考えは変わらなかった。マジェコンヌとエクスはすぐに身を引いていく。そして、去り際にこう叫ぶ。
「次に会う時まで、残された時間をせいぜい楽しむのことだな。アーッハッハッハッハッハ!」
「次に会った時には、貴様を倒す!覚悟しろ、黒の少年よ。」
マジェコンヌ達はそのまま森の奥へと消えていった。一応肩のアームに持ったANヴルトガⅡで動きを追っていたが、結局のところ、撃つことはなかった。ここで無理に攻撃して、怒らせてそのまま全滅なんてことになれば、倒した意味がないと判断したからだ。
見送った後、後方からネプギア達の声が聞こえてくる。
「…逃げられちゃったね。」
「そうみたいね。けど、向こうから引いてくれてこちらも助かったわ。」
ネプギアは少しがっかりしているようだ。やはり、せっかくこの災厄の元凶を操ったやつを逃したのは、悔しいのだろう。
対してネプテューヌは落ち着いていて、敵が引いてくれたことに感謝していた。女神化したネプテューヌがこう言うのも珍しいが、おそらく疲れているのだろう。すぐに二人を光が包む。
女神化が解除された後、ネプテューヌが疲れ切った声を出した。
「もう、ボロボロでクタクタだよぉ。わたし、一歩も歩けないー。」
「私も。当分は、戦いとかしたくないかも。」
二人共、かなり今日の戦いは体にきているようだ。女神であるにも関わらず、やはりでかい敵との戦いは初めてで大変だったのだろう。
「だねー。けど、惜しいなぁ。」
「惜しい、それはマジェコンヌを逃がしたことか?」
光樹はそう聞く。やはりネプテューヌも、マジェコンヌをみすみす逃したのは悔しかったのだろうかと思う。
だが、そうではないことが、その口から語られる。
「ううん。ボロボロでクタクタで、お腹ペコペコな今なら、冷たいジュースでもあれば最高だろうなー、って思って。」
あまりに予想外の答えだったので、少し表情が緩む。これぞネプテューヌかな、と思ってしまう。ネプギアもそれには賛成のようで、言葉を返す。
「じゃあ、拠点に帰ったら、みんなで乾杯しよう。…って言っても、当分は動けそうにないけど。」
そう言って、先に地面に倒れこんでいたネプテューヌの横に座る。動けないとなると、しばらくはここで休むことになりそうだ。
「よっしゃああああああああああああ!!」
突然、女神化の解いたうずめの叫び声が響く。そしてネプギアとその声に驚いて起き上がったネプテューヌの肩に手を回す。
「ねぷっ!?」
「急に大声をあげて、どうしたんですか!?」
「びっくりしたぞ…。」
三人がそう口々に言う。だが、うずめはそんなことを気にせず言う。
「やったぜ!やっと…やっと、あのデカブツを倒したんだ!そりゃあ叫ばずにはいられねえだろ。」
うずめはその顔に今まで以上の笑顔を見せる。本当に、嬉しいことが伝わってくる。力になれてよかったと思う。
と、そこで海男が顔の横辺りを抑えながら声を出す。
「気持ちはわかる。しかし、耳元で叫ばれる身にもなってほしいな。」
それによって理解する。どうやら海男がうずめの横にいた所で、うずめが大声を出したようだ。それならその発言も分かる。
だがそれにも答えず、うずめはこちらに対して礼を述べる。
「これも、ねぷっちとぎあっち、光樹がいてくれたおかげだ。改めて、礼を言わせてくれ。ありがとう。って、礼ばっかだな、俺。」
そう言い切った所で、うずめも同じように倒れこむ。うずめも限界に近かったようだ。
「あー…。だめだ、俺もう一歩も動けねぇ。てか、立ってらんねぇぜ。へへっ。」
「ならば、今くらいは休むといい。君はよく頑張ってくれたよ。」
海男はそう語る。確かに、今は休むべきだろう。ここまで頑張ったのだから、休息くらいあってもいいだろう。光樹もそう思ってシュバルトゼロ天を解除して、野原に寝転がりこんだ。
TO BE CONNTINUED
いかがだったでしょうか。
天は強いと感じていただけたでしょうか。でもこれ以上に強い、というか、チートな機体が後々登場します。それまでお待ちください。
では次回は黒の館、天の紹介になります。なので次回は1月5日の火曜日に投稿したいと思います。
それから、こちらの話になるのですが…あ、これはまたちょっとR-18系の話になるので注意してください。
それで、話なのですが、以前話していた天王星うずめ/オレンジハートの抱き枕が届きました!
光樹「あぁ、作者。またそんな話をして。懲りてないのか。」
いや、一応報告しておこうかと。それで、もうテンションMAXです。可愛い!…んですが…。
光樹「どうした?」
いや、オレンジハートの方の絵柄の顔部分なのですが…目に涙を浮かべてまして……なんかその…罪悪感がグサッと…。
光樹「良かった。まだ作者には人の心があった。\(^o^)/アンシンシタヨ、アンタマダニンゲンダ!」
き、きっと嬉し泣きですよね?そうですよね?そうでなかったら私罪悪感でし…
光樹「そこまでだ、作者。それ以上は良くない。」
あ、はい。
では次回もお楽しみに!
よし、今度は忘年会か。
光樹「その次は新年会だけどな。」
うへ、忙しい。/(^o^)\でも作者だから出ておかないと。