新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

4 / 170
お待たせいたしました。第3話更新です。

いきなりですが、謝らければならないことが一つ。
今回の全体文字数が8000字を越えました…俺のバカァァァァ!!
なので非常に長い文を見ていただくことになってしまいます。本当にすみません。

では、本編スタートです。


第3話 聖魔を司る剣

 

窓の外から明るい光が差し込む。窓のガラスがその光を反射させる。外では鳥が鳴き声を出し始める。それらすべてが街の人々に朝を知らせる。

それはここプラネテューヌの教会、プラネタワーでも同じだった。と、そんな中、とある部屋に近づく2つの影があった。その2つの影は人であった。それも少女である。それに同じ紫の髪をしている。1人はショートヘア、もう一人はロングヘアである。2人の少女は既に動きやすい服装に着替えているようでスイスイと目的の場所にたどり着く。が、ロングヘアの少女はなぜかオドオドしている。

 

「お、お姉ちゃん、本当にやるの?」

 

「そうだよーネプギアー。ここで引いたら、自分が自分でなくなっちゃうんだから。」

 

声の主はネプギアとネプテューヌあった。二人は昨日空から突然やって来た(実際には別の世界から来たのだが)光樹の居る部屋に向かっていたのだ。

そして、ネプギアの方がオドオドとしている理由、それはネプテューヌの言葉が原因だった。

話は少し前に遡る。

 

 

 

 

「ネプギアー、起きて―。」

 

そんな声でネプギアはゆっくりと意識を覚醒させる。声のした方を向くとそこには自身の姉であるネプテューヌが既に服を着替えてベットの上に四つん這いになっていた。

 

「あれ、お姉ちゃんどうしたの?こんな時間に起きるなんて珍しいね。」

 

「あー、ちょっと声小さく、ね?」

 

ネプテューヌが口元に指を持っていって、しー、という仕草をする。

何を考えているのだろう、とネプギアはベットから起き上がる。するとネプテューヌがベットから立ち上がる。

 

「ほらほらー、早く服着替えてー!」

 

姉が急かすのを見て、ネプギアもすぐに着替え始める。2分程で着替えは終わった。それから鏡の前に立ち、髪を整える。

それらが終わってネプテューヌの元に向かう。

 

「ごめんね、お姉ちゃん。今日はどうして…」

 

と、そんなネプギアの疑問が言い切られる前にネプテューヌが話し始める。

 

「今日早起きした理由はただ一つ、…光樹を起こしに行くんだよ!」

 

「あー、光樹さんを…そういえば昨日、私たちが見に行ったとき、もう寝てたもんね。」

 

そう、昨夜、ネプテューヌたちは光樹の居る空き部屋を訪れていたのだ。部屋の様子を聞くのと、お風呂の用意が出来たので入るよう知らせにいったのだ。

しかし二人が訪れたときには既に部屋の明かりは落とされ、光樹本人も着ていた服をハンガーに掛け、パジャマに着替えてベットでグッスリと眠っていた。ネプテューヌは「ほらー光樹ー、お風呂入らないとー!」と、起こそうと揺さぶったりしたのだがこれまでの事で疲労しきっていたのだろう、全く起きなかったのである。

 

「でも、どうして起こそうなんて思ったの?」

 

と、そこでネプテューヌは笑みを浮かべる。なぜだろう、すごく嫌な予感がしてしまう。

 

「ただ起こすだけじゃつまらないでしょ?だから…。」

 

「だから…?」

 

少し間を置いて、ネプテューヌが言葉を続ける。

 

「寝起きドッキリ、しよ?」

 

 

 

 

そして今に至るわけである。

そうこうしている内にネプテューヌたちは光樹の部屋の前までたどり着く。

 

「よし、ここまで来れたよ!あとは、このドアが最後の関門!」

 

自分の姉が小さくガッツポーズをしながらドアに手を掛けようとする姿を見て、とても申し訳ない気持ちになってしまう。こういう時、本来なら自分が止めるべきなのだろう。

しかしネプテューヌがドアを静かに開けたところでネプギアはもうあきらめてしまった。

 

(すみません、光樹さん。お姉ちゃんを止められなくて…)

 

そう思いながら、部屋の中に入っていく姉の後についていく。

そしてとうとうベットの横まで来る。光樹の寝顔がよく見えた。その寝顔は、とても怒りそうにない、穏やかな顔だった。しかしその顔もお姉ちゃんが寝起きドッキリで無理やり起こせば、とんでもなく怒ってしまうのかな、と、考える。

そんな事を考えている内に、ネプテューヌはその顔を光樹の耳元に近づける。

そして―――――

 

「大変だー!光樹ー!!敵だー!敵が来たぞー!!」

 

ネプテューヌが大声で光樹の耳元で響く。こちらの方にも、もしかしたらいーすんさんにも響いているんじゃないかというくらい大きな声だった。

そして、そんな声を耳元で響かされた光樹本人は…。

 

「て、敵!?ど、どこだ!!どこが攻めてきた!?ラステイションか?ルウィーか?それともリーンボックス!?いや、まさかエディン!?」

 

と、取り乱してしまっていた。慌てて光樹がまわりを見渡し、その後すぐに窓の外を見る。

だが当然そんな様子は無く、朝日を受ける平和な街の姿が広がっていた。

 

「…あれ?」

 

光樹は素っ頓狂な声をこぼす。まるで「さっきまで俺何言ってたんだ?」というような表情を見せている。そこにネプテューヌが言う。

 

「ドッキリ大成功!!どう?びっくりしたー?」

 

「ド、ドッキリ…?」

 

その言葉を聞き、光樹はへたり込んでしまった。余程呆れてしまったのだろう。

そんな状態の光樹にネプギアが駆け寄る。

 

「だ、大丈夫ですか?光樹さん。」

 

「ネプギア、止めることは出来なかったのか…?」

 

と、そこに、もう一人ドアの外から姿を現す。

 

「ネプテューヌさん…一体何をやっているのですか…?」

 

その声の主はイストワールであった。だが様子がおかしい。後ろからオーラを出しているような、そんな雰囲気を出していた。

 

「い、いーすんさん、こ、これはその…」

ネプギアが若干怯えながらイストワールと話そうとする。

 

「ネプギアさん、もしかしてあなたもですか?」

 

「ち、違います!私はただ、お姉ちゃんに誘われてそれで…。」

 

しかし、それでもなお、イストワールがオーラを消すことは無かった。

そしてゆっくりと、ネプテューヌの方に向く。

 

「い、いーすん?駄目だよ、そんな怒らないで…。」

 

ネプテューヌが必死にイストワールを説得しようとする。

だが、その行為は無意味だった。

 

「そんないたずらで、他人に迷惑を掛けないでくださーい!!」

 

それから数十分、イストワールの説教を聞かされることになったのだ。

 

 

 

 

イストワールの説教が終わって20分後、光樹たちは朝食を食べていた。昨夜から何も食べていなかった光樹にとって待望のものだった。

朝食のメニューはトーストに目玉焼き、それにサラダと牛乳であった。

 

「おお、待ちに待った食事だ。」

 

「そういえば昨日何も食べてなかったもんね。そりゃあお腹減ってるよー。」

 

光樹と一緒に机で待っていたネプテューヌが言う。今朝一番の問題を起こしたネプテューヌはご飯抜きにでもされるんじゃないかと思っていた。いや、実際されかけていた。

しかしイストワールの情けによりそれは回避されたのだ。まあそこには、光樹が今回のことについて責任を負うことで解決したという事実があるからなのだが。

代わりにネプテューヌ(とネプギア)は、朝食後、光樹の生活必需品等の買い出しを手伝うことになっていた。

と、そんなところにネプギアとイストワールが残りの分を持ってきて席に座る。

 

「それでは、いただきましょうか。」

 

そんなイストワールの声を聞いて全員手を合わせる。

 

「「「「いただきます。(!)」」」」

 

その言葉と同時に食事に手を付け始める。

早速光樹もトーストにかぶりつく。おいしい。パンの食感が口の中に広がる。

次に目玉焼きをフォークで一口サイズに切ってほおばる。

 

「!!おいしいな、この目玉焼き。」

 

「それはよかったです。」

 

と、そこで今までで出会ったことのない人物の声が聞こえる。その声の方を向くとそこにはオレンジ色のロングの髪をした少女がいた。年齢的にはネプテューヌより上と思われる。確か、名前は…。

 

「こんぱー、今日のご飯も、おいしいよー!」

 

「ありがとうです、ねぷねぷ!」

 

ネプテューヌがこんぱと呼んだ少女の名前はコンパ、確かプラネテューヌのナースだったはずだ。俺の記憶が正しければ、教会に住み込みで家事全般を担当していたと思う。

コンパがいるとするともしや…

と思ったところでその人物は姿を現した。

 

「ネプ子、あんたホントコンパの料理食べてるときその言葉多いわよね。まあ本当においしいから間違ってはいないんだけど。」

 

現れた人物は茶髪の少女だった。頭には双葉のリボンを付けており、少し大きなサイズのコートを羽織っていた。そしてその特徴的なコートのポケットにはいくつもの携帯が入っている。

 

「君は…アイエフ?」

 

「あら、知らない顔ね、もしかしてあなたがイストワール様が言っていた別次元の男の子?」

 

「あ、ああ、和藤光樹だ。よろしく。」

 

「アイエフよ、こっちの子はコンパ。…ってそれも分かっているんだったかしら。」

 

アイエフが紹介したところでコンパもこちらにお辞儀をする。それに対し少し頭を下げて返す。

と、そこで言っておくことがあったのを思い出す。

 

「あ、そういえばイストワール様、少し聞きたいことがあるんですがいいですか?」

 

「あら、どうされたんですか?聞きたいことって。」

 

イストワールに対し、例のものを出す。それは昨夜自分の服のポケットから落ちてきた、ドッグタグであった。

 

「これは…認識票、ドッグタグですか?」

 

「みたいなんですよ。」

 

そこに他のみんなも集まってくる。

 

「おおー、FPS系のゲームで出てくる、あの!?」

 

「わあ、本当だ。ドッグタグですね、これ。」

 

ネプテューヌとネプギアが興味津々に見る。一方、コンパは何を言っているのかという雰囲気を出していた。そんな中アイエフは冷静に状況を見ていた。

 

「ちょっと、それってあんた軍人ってことなんじゃないの?」

 

「その可能性があるんですよねー。」

 

と、そこでイストワールが聞く。

 

「それで、聞きたいことと言うのは?」

 

「ああ、この部分ですよ、ここ。」

 

光樹がドッグタグの階級の部分を指で指す。

 

「ここの英語の部分がよく分からないんですよ。自分は総指揮官って訳したんですが。」

 

「ええと…Total commander、ですか。少々お待ちください。」

 

そう言って静かに俯く。どうやら検索モードに入っているようだ。

まさか3分待たないといけないのかと思ったが、僅か20秒でそれは終わった。

 

「分かりました、どうやら総司令官という意味でしょう。」

 

…え?

ちょっと待て、少し整理しよう。

総司令官、うん、よく軍でトップの事を指す言葉だ。

それが俺のドッグタグに書いてあった。

その事実が示すのはただ一つ。

 

「は!?俺どれだけ階級高かったの!?」

 

「落ち着きなさい!」

 

アイエフから突っ込まれる。危うくテンションMAXになりかけた。

と、そこでイストワールがこちらの方に来る。

 

「と、ともかくこれはむしろ良かったかもしれませんね。」

 

「良かった?どういうことです?」

 

光樹が疑問に思う。なぜ良かったのだろう。

と、昨日言っていたことを思い出す。

 

(そういえば昨日戦闘にも参加するって言ったけど…まさかな?)

 

しかしその予想は見事に当たることになる。

 

「ちょうど朝食後、ネプテューヌさんとネプギアさん、それからアイエフさんにコンパさんには光樹さんのこちらでの生活のための必需品を買いにってもらうというのは話したのですが、先程アイエフさんに光樹さんが戦闘にも参加したいというのを話した所、最近街にその人に合う武器を占っていただける店が出来たそうなので、そこに行ってみてはいかがですか?」

 

「その人に合う武器を占う…店か。」

 

「なんか便利な店だねー。それってかなりお金もらうんじゃないの?」

 

ネプテューヌがもっともな意見を言う。確かにそんな店ならかなりお金をとるんじゃないかと思う。

しかしそこにアイエフが話に入ってくる。

 

「それがね、その店、武器屋の所の娘が趣味でやってるらしいのよ。だから実質タダなのよ。」

 

「あー、娘さんの所で自分に合ってる武器を見つけて、親の所で買ってもらうっていうサイクルができているんですね。」

 

ネプギアが結論を言う。確かにそれならタダで適性が分かるし、武器が欲しい場合、親の店に行って選べば間違いなく成果を出せて店の評判も上がる。

 

「じゃあ、とっととご飯食べてから行きますか。」

 

そう言ってスイスイと残っているご飯を食べていく。

ちなみにその途中、ネプテューヌが喉に詰まらせてしまって騒ぎを起こしたのは内緒だ。

 

 

 

 

 

 

暖かい日差しの中、光樹は腕時計を見る。真新しい時計はその針で時間を知らせる。時刻は11時13分であった。

現在光樹はネプテューヌたちと共にプラネテューヌの街に買い物に来ていた。だが既に当初の目的であった生活必需品は今つけている時計も含めてほとんど買ってしまっていた。

服もお店の方でやっていた服の複製作業により今まで来ていた服を複製してもらうことにして、今は店の方で貸し出している服に着替えていた。白のシャツの上から白と青のチェックのカッタータイプのシャツを着、ジーパンを穿いている。

その作業が終わるまでの間を利用して、今はアイエフの言っていた武器占い屋(正式名称はあるらしいがなんかセンスが無いらしいのでこう呼ばれているらしい)に向かっていた。

 

「さて、着いたわよ。」

 

アイエフがそう言って立ち止まる。見るとそこには確かに武器屋と書かれた店…の隣に何かとても長い看板を立てている大きなテントがあった。看板には「戦う全ての人々に勝利と言う名の幸せをもたらす邪眼を持つ魔女の占い屋」と書いてあった。…なんか聞いたことある気がする。

 

(まさかな。そんなわけないよな…。)

 

誰かが「フラグ立ったな」なんて言いそうだと思いながらテントの中に入っていく。

中は少し狭く、光樹たち5人で何とか動けるだけの広さがあるだけだった。

その時、

 

「ようこそ、迷える子羊よ。よく我が住処にやって来た!」

 

テントの幕の裏から人影が出てくる。どうやらこの人物があの占い師の少女らしい。少女はその身にファンタジーなんかで見る魔術師のコートを学校の制服のようなものの上から羽織っている。

 

「おお、バリバリ中二だー!」

 

「あなたが武器適正を見る占い師の子ね。見てもらいたいって子がいるのよ。」

 

「ほう、して、誰が見たいと申すのかな?」

 

アイエフの頼みにその占い師の少女が偉そうにしながら言う。

 

「俺です。」

 

「ふむ、貴様がか。なかなか良い目つきよ!して、名は?」

 

「光樹です。和藤光樹。」

 

「光樹か、良い名だ!私の名はロッカだ!よし、では光樹よ。この机の上に置かれた「竜の涙《ドラゴン・ティアーズ》」に触れよ!!」

 

そう言われて机の方を見ると何やら高そうな水晶が置かれていた。

って言うかロッカって…「病気でも恋したい」のあれが元ネタなんだろうか、と思ってしまう。

そんなことは置いておいて、ロッカの言っていた水晶…もとい竜の涙に触れる。

 

「よし、では始めるぞ。」

 

そう言ってロッカが反対側にあるイスに座り、竜の涙に手を触れ、何か難しい言葉を唱え始める。

 

「さあ、私にこの者の勝利への道を見せよ!!」

 

大きく叫ぶと同時に竜の涙が光り輝く。

そして―――――

 

「え?」

 

ロッカがびっくりしたような声を上げる。

 

「あれ?どうしちゃったの?なんかあった?」

 

ネプテューヌがそのことについて聞く。

 

「い、いや、もうあなた、武器を持ってるみたいだから…」

 

「武器を…持ってる?」

 

意味が分からなかった。武器を持ってる?周りをよく見ていたが武器らしきものは見当たらない。

そこでアイエフが何かを思いつく。

 

「ちょっと光樹、自分の手に武器を持つイメージを想像してみて。」

 

「って言われても、どんな武器なんだ?」

 

戸惑っている所で落ち着きを取り戻したロッカが詳しく話す。

 

「先程見た印象では、闇を抱きし剣と光の力に満ちた剣、そしてその二つを合わせた剣の姿が映った。やってみるといい。」

 

「闇の剣と光の剣…か…よし。」

 

息をゆっくり吐いて剣を持つイメージを頭に浮かべる。すると手に粒子が集まり始める。

 

「な、何か光が集まって来たです!」

 

「おお!まさかこれが伝説の武器が降臨する瞬間!?」

 

コンパとネプテューヌが驚きの声を上げる。

徐々に手に質量、そして何かを持つ感覚を感じる。

さらに光が強くなりそして―――――。

 

 

その手には、黒い剣と、黄金の剣が握られていた。

 

「ほ、本当に出た…!」

 

半分信じていなかった光樹だったが、確かにそこに剣があることを認める。

呆然としている中、ネプギアがあることに気づく。

 

「あれ、その剣って何か機械系の剣じゃありませんか?」

 

「そういえば…なんかやけにパーツ分割しそうな形してるな。」

 

よく見てみるとその外見は西洋の剣というより、機械剣に近いものであった。さらに各部が分離できそうな感じである。加えて刃に当たる部分がビームのようなものであった。自分の考えで例えるなら、黒い剣の方はインパルスのエクスカリバー、黄金の剣はデスティニーのアロンダイトに近い形状だった。

そこで先程ロッカの言っていたことを思い出す。

 

(そういえば二つを合わせた剣って言ってたな。…この構造もしかして。)

 

すぐに頭に二つの剣を合体させるということを想像する。

と、突然、黄金の剣がいくつかのパーツに分裂する。そして黒い剣の方に合体されていく。そこには黒に所々金色のパーツがある剣が存在していた。黒い剣をベースに切っ先に黄金の剣の刃先がかぶせられ、鍔のパーツが黄金の剣のパーツに変更されていた。さらに刀身の面の部分に分割された刀身が両側に取り付けられ、3つのビーム刃を形成している。

 

「おおー!合体したよ!すごい!」

 

ネプテューヌが興奮の声を出す。他のみんなもネプテューヌよりは落ち着いているが同じ反応だった。

 

「その剣、黒き剣の方が“エクスカリバー”、黄金に輝く剣が“アロンダイト”、そして、その2つを合わせたのが“デュランダル”と言う名だと竜の涙には出ているようだ。」

 

「エクスカリバーにアロンダイト、それにデュランダルか…。」

 

どれも神話とか伝説に出てくる名前だ。というかエクスカリバーとアロンダイトはインパルスとデスティニーの武器の名前と姿が同じことにある意味納得している。

 

「さらにこの剣、もう一振りあるようだ。」

 

「二刀流ってことか。すげえな。」

 

「それからもう一つ、光樹、お主、服に何かホルスターのようなものは無いか?」

 

「え?もしかして占いで分かったのか?」

 

実は昨日、服を着替えた際、内側の方にホルスターのようなものを発見していたのだ。しかし不思議なことに肝心の銃本体がなかったのだ。この世界に落ちてきた際にどこかに落としたのかと思っていたのだ。

さらにロッカが続ける。

 

「先程、竜の涙に映った…のもあるのだが、我が偉大なる父が早朝、ランニングに行った時、草原で見つけたものと同じものだったのでな。どうだ、もらっておくか?」

 

「ああ、もらうよ。」

 

「そうか、では私も一緒に行って事情を話すとしよう。皆は入り口から店に入ってくれ、私も裏から行く。」

 

そう言ってテントから出ていく。光樹たちも入口の方から出ていく。

そして隣の武器屋、「タカナキ武器ショップ」に入っていく。

 

「いらっしゃいませ!ようこそ、タカナキ武器ショップへ。」

 

武器屋の主人が大きな声であいさつする。と、そこにロッカが姿を現す。

 

「お父さん、この人だよ、あの銃の持ち主。」

 

「えっ、そうなのか、ロッカ?」

 

ロッカが主人…父親にこれまでの事を話す。

すると主人は大慌てで店の奥に消える。ものの数十秒で戻ってくると、その手には機械の銃が握られていた。

 

「いやーすみません、お客様。落ちていたのでつい拾ってしまい…。」

 

「いえ、こっちも後で気づいたんで、気にしないでください。」

 

そう言って主人からその銃を受け取る。その銃は弾丸ではなくビームを撃つタイプ、いわゆるレーザーガンというべきものであった。

とりあえずそれを手に持っていた買い物したものが入っている袋に入れる。

 

「じゃあ、今回はありがとうね。」

 

「うむ、もしまた来る時があればよろしくだ。」

 

アイエフの言葉にロッカがそう返す。

そうしてショップから出ていく。あとは服屋に寄って複製された服を受け取るだけだ。

 

「あとは光樹の服だけね、一人で行ける?」

 

「ああ、たぶん。じゃあまたあとで。」

 

そう言ってネプテューヌたちと別れて服屋に向かう。

 

 

 

 

数十分後、服屋に到着した。そのまま店に入っていくと店員がやってくる。

 

「お客様、大変お待たせしました。出来上がっていますよ。」

 

「ありがとうございます。」

 

差し出された袋の中を確認する。ちゃんと服が注文した5セット分と元の服が入っていた。代わりに店員に代金を渡す。

渡すとすぐに店の中にあった服を着替えるところに入ってカーテンを閉める。そして今まで着ていた服を脱ぎ、新しく作られた服を着る。

 

「本当にちゃんと複製されているな…そうだ!」

 

突然、思い出したように服が入っているのとは別の買い物袋の中を探る。目的のものは見つかった。

先程のタカナキ武器ショップでもらったレーザーガンだ。それを服の裏側にあったホルスターに入れる。

 

「これでOK…かな。」

 

そんな独り言を言って鏡を見る。

 

(これから何が起こるか分からない。けど、乗り越えてみせる。あの少女の言ってた…「私を救って。」っていうなら、救ってやる。)

 

そんなことを思いながら服屋を後にした。

 

 

TO BE CONTINUED

 




長文を読んでいただき、ありがとうございました。
本当にすみません。なるべく4000~6000字の間に収められるようこれからは気を付けます。

それから、アンケートの件ですが、こちらの事情により基本つけないことにしました。
ただ、最終決戦みたいなときには、追加するかもです。
なお、BGMの設定基準はヨウツベことYoutubeにその時点であるものを基本採用することになっています。つまり、読者さん自身がYoutubeを開いて、その音楽を聴きながら話を読むということです。面倒なので、別に聞かなくても面白くなるよう、こちらも話を書いていきます。

なお、今度の更新は土曜日になると思います。
最近書き溜めのストックを書き上げるのが遅くなってきました。原因はおそらくフルブーストです。早く書き上げないとなー。

では、次の投稿でお会いしましょう。

追記、2016年1月9日を持って、BGMの件は無くなりました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。