新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
学校に行く途中、本当に寒くなったなぁ、と冬の訪れを感じた、藤和木弘です。
第31話、更新です。
今回のお話では、あの零次元スライヌ族の若旦那のぬらりんが登場です。…が、今回はうずめの妄想が出てくるので、そちらの方に期待でしょうか。
と、思うじゃないですか?今回は更に光樹君にとあることが起きます。以前の黒の館を見ていると、分かると思います。
では、本編どうぞ!
シェアクリスタルを求めてこのダンジョンに入って数分、敵を倒しながら進んでいると、目の前にスライヌのようなモンスターが出現しました。
私は敵かと思って構えたけど、そのモンスターの発言により、違うことが分かる。
「やあやあ、うずめ。ひさしぶりぬら~。」
「おおっ、ぬらりんじゃないか。ひさしぶりだな。」
「あれ、もしかして、このスライヌもうずめのお知り合い?」
お姉ちゃんがうずめさんに聞く。すると、うずめさんが、そのモンスターさんのことについて説明する。
「あぁ、こいつも俺の仲間だ。名前はぬらりんって言って、こう見えてスライヌ族の若旦那なんだぜ。」
その説明に納得する。でもあのスライヌを束ねるリーダーがこんなに小さいだなんて思ってなかった。でも普通のスライヌの耳とは少し違っていたり、違いはちゃんとあった。
「へぇ、スライヌも見た目によらないんだねぇ。ほら、ぬらりん、こっちおいで。」
お姉ちゃんがそう呼ぶと、ぬらりんさんはお姉ちゃんの元に近づく。近づいてきたぬらりんさんに、お姉ちゃんは手を触れる。
「おーっ、よしよし。かわいいやつめー。」
「ぬらららら~。この子、意外とテクニシャンぬらぁ~。」
ぬらりんさんが気持ちよさそうな顔を見せる。意外とお姉ちゃんってこういうの得意なんだよね。
そんな事を言っていると、うずめさんが何かに気づいたようにぬらりんさんに聞く。
「で、どうしてお前がこんなところにいるんだ?」
うずめさんの言うことはもっともでした。どうして私たちの前に現れたのか気になる。すると、すぐにぬらりんさんが表情を戻して話す。
「ここを見つけたの、僕らなんだぬら~。やっとうずめの役に立てたぬら~。」
そうだったんだ。ここはぬらりんさんたちが見つけたんだ。ネプギアは納得する。それならここにいてもおかしくなかった。
それを聞いたうずめさんは、礼を言う。
「そうか、ここを見つけてくれたのはお前らだったのか。サンキューな。」
うずめさんの表情が明るくなる。その言葉を聞いて、自然とぬらりんさんも笑顔になる。
でも、うずめさんはモンスターたちと仲がいいんだなぁ。お互いに助け合って今を生きている感じがして、自分もモンスターたちが頼もしく思えてくる。
「うずめさん、ほんとモンスターたちに好かれてるんですね。」
「俺は別に何もしてねぇよ。こいつらが勝手に懐いてくるだけさ。」
「カッコいいこと言うじゃないか、うずめ。」
「ほ、本当か?」
「ああ、男前なカッコよさだと思うぜ。」
うずめさんに光樹さんがそう言う。確かに、今のうずめさんの言葉はかなりカッコイイと思う。
その言葉にうずめさんが照れる。褒められて、戸惑っているのもあるんだろうけど、照れているうずめさんは可愛い。
そこで、ぬらりんさんが元の話に戻す。
「今、僕の仲間がクリスタルを探しているんだぬら~。」
「なら、俺らも探しに行こうぜ。こいつらばかりに苦労はさせられねぇ。」
「こういう時くらい、頼ってほしいぬら~。うずめはもう少し女神らしくどっしり構えているぬら~。」
手伝おうとしているうずめを、ぬらりんさんが制止する。どうしても、自分たちもうずめさんの力になりたいのだろう。確かに女神様なら、大抵は国民にも頼らなければいけない時もある。その逆も言うまでもない。うずめさんに守ってもらうだけじゃなく、こういう時に任せてもらいたいというのは間違ってはいない。
うずめさんはそれに困った様子を見せる。
「そう言われてもなぁ…。そういうのは俺の柄じゃないんだよなぁ。」
「わかるわかる。うずめって、わたしと一緒でジッっとしてられないタイプだよね。」
私も思う。お姉ちゃんとうずめさんってそんな所似ていると思う。何かを他人に任せるより自分で行動したいって気持ちが自然と湧くんだよね。そういう時のお姉ちゃんってとっても頼もしい。それを仕事の時にも生かしてくれたら、いーすんさんも困らないと思うんだけど…。
「まぁ、そういうことだから、俺も一緒に探すよ。俺たちは向こうを探してみるから、もしそっちで見つけたら呼びに来てくれ。」
「わかったぬら~。」
ぬらりんさんはすぐにその方へと向かってはねて行った。その様子を見送る。
見送ったあと、うずめさんがこちらに聞こえるように言う。
「さて、俺らも行くか。」
私たちはすぐにぬらりんさんとは別の方向へと足を進めた。
…その後を、人が付けているのを知らずに。
♦
「んー。どこにもないなぁ。ぎあっち、そっちはどうだー?」
「こっちにはないみたいです。」
うずめとネプギアの声が響く。これだけ探しているのに、見つからないって…もう疲れた!ここ広すぎ!
「ねぷっちと光樹の方は?」
うずめのその言葉にわたしは先程思ったことも加えて言う。
「もうだめ…疲れた…。わたし、もう一歩も動けない…。」
「あー、昨日の疲れも取れてないのに、これはきついぜ。」
「…ないみたいだな。」
光樹も限界の声の音を上げる。確かにわたしも昨日の疲れが取れてないかも。
よくよく考えると、わたしたちもう3日くらい体を動かしている気がする。体を動かすっていうレベルを超えているけど、それなら疲れがたまっていても当然だ。特に光樹はガンダムに変身したり必殺技を使うたびに体に負荷がかかっていくって言ってたし、ここ数日、一日に激しい戦闘もしてる。
もちろん光樹に限らず、わたしやネプギアもうずめも疲れている。こんな中で疲れた様子もあまり見せていないネプギアとうずめはすごいなぁ。
「うずめ、ねぷっちと光樹もお疲れのようだし、この辺りで少し休んではどうだい?」
「そうだな。まだ先は長いだろうし、一先ずここで…」
その言葉、待ってたよ!誰か休む提案をしてくれないかなー、と思ってたけど、ようやくここで一休みかな。
そう思ってた。光樹も表情を緩めようとしてた。けど、それはお預けとなる。
「ぬら~!ぬら~!」
そんな声が聞こえてくる。大体わかるけど、誰かなと思って見ると、そこにはここに来た時に会ったぬらりんだった。
「どうしたんだ、ぬらりん。そんなに慌てて。」
うずめが少し驚いた様子を見せる。すると、ぬらりんは言う。
「シェアクリスタルを見つけたぬら!一緒に来て確かめてほしいぬら~。」
何とも言えないタイミングでの発言だった。今ここで休もうとしている中で、探していたシェアクリスタルが見つかったという知らせ…一休みしたかったわたしも、その知らせに複雑な気持ちになる。でもシェアクリスタルが見つかったならいいことだよね。
それを聞いたうずめも面を食らったみたいに言葉を返す。
「ほんとか!?ちなみに、デカさはわかるか?」
「今まで見たことのない大きさだったぬら。」
「よし!なら、ようやくデカブツを倒すことができるってもんだぜ。」
うずめの表情に喜びが見える。うずめの言っていた通りなら、これであのでっかいのとデカガンダムも倒せるね。
するとネプギアもそれに続く。
「良かったですね、うずめさん。けど、いいなぁ。」
ん?いいって何だろう?わたしは疑問を浮かべる。それを聞いていたうずめも、それについて聞く。
「いいって…シェアクリスタルか?」
「うずめさんはシェアクリスタルがあればシェアエネルギーを補給することができますけど、私たちにはできないので…。私たちにもシェアエネルギーがあれば、もっとうずめさんの力になってあげられるはずなんですが…。」
なるほどねー。確かにそれはわたしも思ってた。うずめはシェアクリスタルを持っていたら、女神化できるけど、わたしたちは国民からのシェアがないと女神化出来ないもんね。主人公なのに、未だに変身出来てないってありえないよ。
それに、これはわたしの私情だけど、わたしが女神化して活躍する分を光樹が奪ってる気がする。早く女神化できるようにならないと、光樹に人気取られちゃうよー!
それだけじゃなくて、戦闘を結構うずめと光樹の二人に任せちゃってるから、申し訳ないなーって思ってたりするんだよねー。このまま任せていたら、楽だろうけど、わたしはそんなひどいことしたくないから、自分も頑張らないと、ってこと。
ネプギアの心残りの言葉に、光樹が励ましの言葉を送る。
「いや、ネプテューヌとネプギアも女神化していなくても頑張っていると思うぞ。」
「そうだぜ。気にしなくていいって。今でも十分、助けてもらってるさ。」
二人とも、心が広いなぁ。わたしも多分そう言うだろうけど、誰か落ち込んでいる中で、こんな人がいてくれると助かるよね。ネプギアも申し訳なさそうな表情を元に戻す。
すると、海男が先程の話題に考えを出してきた。
「オレ個人としては、女神化した三人が揃う姿を見てみたいけどね。」
「確かにな。女神化した三人が揃って戦えば、怖いものなんてなさそうだな。」
海男がそう言うとは意外だった。確かに女神三人っていう、いかにも勝利フラグって感じの光景が見たいっていうのは分かる。光樹の先程の発言通り、本当にそうなればかなう敵なんてなしだもん。
だけど、海男ってそんな可能性にかけるタイプだったかな?意外といーすんと一緒で、現実を見てるかなぁって思ってたんだけど…意外とうずめと同じように、地の性格は妄想しがちだったり?
………うっそだー!何か考えているような気がする。
だけど、わたしが考えている間に、話は進んでいた。
「おおっ!確かに、それって超かっこいいな!まるで特撮ヒーロー物みたいでいいじゃねぇか!」
「はしゃぎすぎじゃないか?うずめ。女神化出来ないのは分かってるから、諦めた方が…。」
「まだ分かんねぇよ。ねぷっち、ぎあっち。物は試しだ。俺のシェアクリスタルを使ってみるか?」
光樹の制止も気にせず、うずめはそう聞いてくる。いや、確かにまだそれは試したことはないけどさー、わたしの経験上、無理だと思うな。だってそんな都合よく女神化できたら苦労しないもん。
それに、これはわたしの直感から、このシェアクリスタルのシェアはたぶんわたしやネプギアには合わないと思う。なんか、わたしたちに向けられた信仰心って感じがしないんだよね。
そこで、わたしはうずめに伝える。
「それで女神化できたら苦労はしないよ。残念ながら、このシェアクリスタルからじゃシェアは得られないかな。」
そう言ってこの話は終わるはずだった。
けど、うずめの口から、とんでもない提案が出された。
「なら、食ってみるか?」
…はい!?
「食う!?いやいやいや、シェアクリスタルなんて硬くて食べられるわけないって!」
まさか、シェアクリスタルを食べるという考えが出てくるなんて…さすがのわたしもびっくり仰天だよ!
「なら、細かく砕いて粉末にするのはどうだ?プリンに混ぜれば、美味しく食えるんじゃないか。」
それにぴくっ、と反応する。確かに、粉末にしてプリンに混ぜたら食べれるかも。その意見に、ネプテューヌは賛成の意を見せる。
「あ、それなら美味しく食べれるかも!」
「反応するの、そこっ!?」
ネプギアがツッコむ。ネプギアはどうやらプリンに混ぜて食べるのは遠慮したいみたい。ちなみに光樹はというと、こっちに背を向けて口元に手を当ててる。たぶん、あまりのぶっ飛んだ発言に笑いが収まらないのかな?
それまでの話を聞いていた海男も…。
「…さすがにそれは無理があると思うぞ。」
と言う始末だ。
だけど、それでうずめはスイッチが入ったかのように目を輝かせて提案をする。
「ならさ、海男たちが頑張ってシェア出せないかな?仲間たちの力を借りて三人同時に女神化とか、アニメや特撮ヒーローみたいでカッコイイと思わない?ううん、絶対そう思うでしょ!」
うずめが見事に妄想状態に入った。この時のうずめってカッコイイから可愛いに変わるけど、ギャップが凄いよね。
でも、うずめがこうなると必ずそれに反応する人物がいる。
光樹だ。光樹は今のところ、この状態の時のうずめに興味持ってるからね。もしそれをブランに見られたら、絶対怒られる気がするなぁ。
そして、光樹はそれに反応した。
「仲間の力を借りて、三人同時に女神化…か。ロマンだな!そこで俺も変身すれば、かなりカッコよくなるな!」
「おおっ、光樹も分かる?」
「もちろんだぜ!」
意外と光樹も乗り気だった。光樹って特撮もの好きなのかな?
そこでわたしは光樹に聞いてみる。
「ねぇ、光樹。光樹も特撮ヒーローとか好きなの?」
「割と好きだな。仮面ライダーとか、スーパー戦隊とか。って言っても分かんないか。後で言うけど、やっぱ特撮で心に残っているのと言えば、ケータイ捜査官かな?」
そうなんだー、とうなずく。仮面ライダーとかよく分かんないけど、たぶん仮面をかぶったバイク乗りってことでいいのかな?それとケータイ捜査官って、あいちゃんが持ってるケータイで合ってるよね?人がケータイを使って捜査するのかな。それともケータイが変形して捜査?なんかカッコイイかも。
「あぁ、ねぷっちたちと一緒にかっこよく変身して戦ってみたいなぁ…。」
「君が望むなら、できるかもね。」
突然、海男が話に入ってくるのでびっくりする。
話に入ってくるだけなら問題ないんだけど、問題は発言の内容だ。うずめが望むならできるって…?
「へ?それってどういう…。」
うずめのその返答に、海男は受け流しつつ指摘する。
「それと、口調が戻っているよ。」
「…ご、ごほん。」
指摘されて気付いたうずめが咳ばらいをする。そして、がっかりした様子を見せつつ、話を戻す。
「とまぁ、無理なら無理でそれはしょうがないさ。とにかく、今はシェアクリスタルをとりに行こうぜ。」
そう言ったのち、私たちはまたぬらりんが向かった公園の奥に向かって歩いていく。
♦
「あれ、光樹。目、光ってない?」
ネプテューヌのその発言が、それに気づくきっかけとなった。
「え?」
光樹はキョトンとしてしまう。いきなりそんな事を言われれば、こうなるのも当然だ。
それに続いて、他の二人と海男がこちらの顔を見る。なんか、そんなまじまじと見られるのは、恥ずかしい。そんな興味津々に見ないでください!
見終わった面々は、同じことを言ってくる。
「本当ですね、確かに光ってます。」
「ふむ、目が光るとは興味深いな。」
「何だ?いったいどうして…?」
どうやら本当に目が光っているようだ。俺も確認するために、何か目を映すことのできる物を探す。
「あ、よかったらこれ使ってください。」
「ネプギア、ありがとう。」
そう言って渡されたのは、Nギアであった。確かにこれなら鏡の代わりになるだろう。すぐに画面をこちらに向ける。すると、光樹の顔が液晶に映る。
…確かに液晶には、俺の目が光って見えた。正しくは光彩が金色に近い虹色に輝いていた。
「確かにそうだな。でも、これって一体…?」
「光樹。君の世界でこれと似た現象はあるかい?」
海男の発言で、あることに気づく。そういえばあるではないか。このような例が、あのガンダム作品で。
光樹はすぐにそれについて述べる。
「もしかして…イノベイター?」
「イノベイター…?」
「何それ、なんかカッコイイけど。」
「簡単に言えば、人の革新だな。特殊な量子波で遠隔操作端末を操作したり、戦闘能力の向上、人との交感能力を得るんだよ。」
そう、機動戦士ガンダム00のイノベイターである。目が光り輝いているのなら、光樹自身が知っている範囲ではそれくらいしか思いつかなかった。
だが今になって気づいたが、何故か前よりも感覚が鋭敏になった気がする。どこら辺にモンスターが来るのか少しだが分かるようになっていた。
それだけじゃない。体に疲れが貯まっているはずなのに、戦闘を上手くこなしているように思えた。
(それがイノベイターの能力?それも、純粋種か?)
そう考える。だが本当にそうなんだろうか。そこで光樹はゼロに聞くことにした。
「ゼロ、これってもしかして…。」
すると、言い切る前に、ゼロが答える。
『間違いない。真のイノベイタータイプの力を取り戻した。』
「イノベイタータイプ?何だそれ?」
『簡単に言えば、我らの世界での真のイノベイターである。』
それを聞いて理解する。なるほど、言い方は違うが、イノベイターということか。
他の全員も、それぞれそのことについて話題に触れる。
「おおーっ!なんか覚醒しちゃったの!?主人公っぽい!」
「すごーい!光樹さらにカッコよく、強くなっちゃうんだ!うずめもその光る目ほしいなー。」
「これは…ますますあのデカブツたちを倒せる見込みが出来たな。」
ネプギア以外の全員が、それぞれ口々に言うのを見て、どう対応すればいいか困ってしまう。そんなに期待されても、まだ勝てるかどうかも分からないのに。
と、困る光樹の元にネプギアが助け舟を出す。といっても、話題を変えただけなのだが。
「光樹さん、特に体の方に問題は無いんですか?」
「あぁ、たぶん大丈夫だと思う。脳内の処理速度も上がるはずだから、もっと機体を動かせるかもな。あと、Nギアありがとな。」
ネプギアにNギアを返す。ネプギアに余計な心配を掛けないためにも、これから起こるであろうダークメガミとエクストリームとの戦闘でその力を見せなければ。
そう思って光樹達は公園の更に奥へと向かって行った。
TO BE CONNTINUED
いかがだったでしょうか。
光樹君のまさかのイノベイター覚醒(正確にはイノベイタータイプ)。これが戦闘にどう影響するのか、ご覧ください!
それで、次の投稿ですが…またテストなんですよね(笑)。どうしよう…。
光樹「お前そんなに勉強してないだろ。こっち書けばいいんじゃないか?」
いや、ちゃんと勉強してますよ最近は。もうすぐ受験なんですから。
光樹「分かった。で、何時にするんだ?」
まぁ、今回は一番厄介な教科が木曜日に終わるから、木曜日でいきます。
では次回も御楽しみに!