新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも皆様、お元気でしょうか。
最近学校でとてつもない眠気に襲われる、藤和木弘です。これってまさか、サイドエフェ…

光樹「んなわけあるか。ただの睡眠不足だろ。」

すみません。
気を取り直して、第28話、投稿です。

今回は帰ってきてからの一波乱(?)があります。加えて海男と光樹の、ボーイズトーク(真面目)もあります。

では本編をどうぞ!


第28話 レッツパーティ・妄想少女の一面

「う…ん……。ここは?」

 

光樹はゆっくりと目を覚ます。だがまた体が動いていないような不思議な感覚を感じる。そこから、また夢の世界であることを悟る。

 

(今度は一体…何の映像が…。)

 

そう思った所で、目の前の空間をとてつもないスピードで何かが横切る。

慌ててその動きを追うと、そこにはまたブラッドゼロに似たガンダム2機が戦闘している様子が見えた。

だが、違うところがあった。それは、光樹の方の機体の形状だ。以前見た物より、肩部、腕部、脚部が大型化していて、ウイングは元のパーツから二段階で展開されているように見える。

そして何より、中央のクリスタルパーツが、戦っているもう一体のゼロと同じように緑色に輝いていた。

機体が幾度も激突した後、光樹の方のゼロがスラスターを全開にして突撃する。それに対応して、もう一体のゼロがライフルで攻撃してくる。

しかし、光樹の方のゼロは避けるのではなく、機体のバリアで防ぎつつ、突撃する。そして懐に入る。止めようとするもう一体のゼロがあの左手からビームサーベルを出そうとする。ところが光樹の方はその手を右手で振り払う。そして、拳銃の形にした左手から衝撃波を飛ばす。それをもろに喰らって、敵のゼロが吹き飛ばされる。

そこに光樹のゼロが突っ込む。そして、今度こそ、その右手が敵の胸元を貫く――――――

 

 

 

 

と思っていた。

だがしかし、直前でまた光樹のゼロが何かに貫かれる。

それは敵のウイングパーツだった。6枚存在したウイングの内1枚が、光樹のゼロの腹部を貫いたのだ。

光樹はすぐに抜こうとしたが、抜く前に、ウイングが横に開き……。

光樹のゼロの体が切断される。

 

「がぁあああぁ!?」

 

「無駄だ、貴様は私に勝てない!!」

 

光樹の纏うゼロが地面へと激突する。すると、後ろから仲間と思われる機体がすぐに通っていく。

だが、そこで再び光景がゆらり、と歪む。夢の終わりが来たのだ。

そして考える暇もなく、夢は消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚め、光を認識する。光樹はすぐに起き上がろうとする。

と、そこで光樹は頭の後ろに違和感を感じる。

 

「ん…?何……」

 

横を見ると、そこにはうずめが壁にもたれながら眠っていた。足は正座をしており、光樹の頭がうずめの膝の上に乗っている。更に左手が光樹の胸の辺りに置いてあった。

…これは一体どういうことなのだろうか。意識を失ったところまでは覚えているが、なぜこんな状況になっているのか。

確か意識を失う直前にうずめ達が駆け寄ってきたところまでは覚えている。部屋の様子から、おそらくあの後、拠点に戻ってきたんだろう。それは予想できる。

しかし、なぜ俺はうずめに、いわゆる「膝枕」をされているのだろうか?どういった経緯でこうなった。こんなものをネプテューヌ達に見られたら、なんて言われるか…。

そう考えていた所で、ドアが開かれる。そこにはネプテューヌとネプギア、それに魚こと、海男がいた。

 

「おーい、うずめ。光樹起きた?」

 

「あっ、光樹さん。起きていたんですね。」

 

「目が覚めたかい。びっくりしたよ、いきなり倒れたからね。」

 

二人と一匹はそれぞれそう言う。どうやら光樹の心配をしていたようだ。

ところが、光樹は言葉の意味を理解する前に、慌てて起きると、土下座をする。

 

「す、すみません!今さっき目を覚ましたところです!でも、目を覚ました時にはこうなってて…俺は関係ないので、許してください!なんでもは出来ませんが…。」

 

その時の光樹の頭の中では、この状況はまずいと判断していた。こんなの、誰が見ても光樹がうずめに何か言ってこうした、と思われるに決まっている。これで信用がた落ちなどになってしまえば、立ち直る自身が無い。とにかく、今は謝るしかないと思っての行動だった。

しかし、それを見て、ネプテューヌ達は…。

 

「あれ、もしかして、今の状況に戸惑ってる?」

 

「みたいだね。心配しなくても大丈夫だよ、光樹。君がそうしたわけじゃない。」

 

「えっ…?」

 

ネプテューヌと海男が落ち着いた様子で声をかける。その反応に、光樹はキョトンとする。一体どういうことなのだろうか。

そんな所で、後ろの方から、欠伸が聞こえてくる。振り返ると、それはうずめが起きたことを意味するものだということが分かった。うずめは目を覚ますと、周りを見渡す。しばらくして、俺を認識すると、眠たそうな声で言う。

 

「おお、光樹。起きてたんだな。」

 

「うずめ。俺って確か、気絶して…。」

 

それについて聞くと、うずめは伸びをしてから答える。

 

「そうだぜ。結構運ぶの大変だったんだぜ?しかも、犬っころたちとの戦闘の疲れもあったし、俺も眠っちまってたみたいだな。」

 

「そうだったのか…。ありがとう、みんな。」

 

その言葉を聞くと、ネプテューヌが胸を張る。俺が眠っている間に、どうやら随分と世話を掛けたみたいだ。疲れがたまっているのに、俺をここまで運んでくるとは…。感謝以外の言葉が出なかった。

そこで光樹は一番聞きたかったことを聞く。

 

「でも、なんで俺、うずめに膝枕してもらってたんだ?」

 

そう言った瞬間、光樹以外の全員が反応する。ネプテューヌが「あー…。」とつぶやき、ネプギアと海男が苦笑いを見せる。それだけなら、光樹も普通に話を流していた。

だが、うずめの方を見ると、うずめが顔を赤くしていた。とても焦っているように見える。少しして、うずめは落ち着くと、光樹に向かって言う。

 

「そ、そんなのしてねえよ!?」

 

「いや、でも起きたときに確かに俺の頭がうずめの膝の上に…。」

 

「っつ!!?ち、ちが…!」

 

うずめが慌てて顔を隠すようにしながら否定する。だが、何が違うのだろうかと、俺は考える。確かに俺はうずめに膝枕をしてもらったはず…。

と、そんな中で、ネプテューヌが事実を言う。

 

「うずめってば照れちゃってー。戻って来た時に「光樹は頑張ったから俺が起きるまでそばにいる。」って言ってたじゃん!」

 

「ね、ねねねねね、ねぷっち!?何勝手な事言って…!?」

 

それを言われてうずめが更に顔を赤く染める。これは完全にいじられている、という認識でいいのだろう。流石に俺も追及しすぎてしまったかな、という罪悪感を感じてしまう。

完全に焦ってしまっているうずめに助け舟を出すように、海男が話をする。

 

「こらこらねぷっち。うずめをいじっては駄目だよ。光樹、うずめは君をとても心配していたんだよ。君に庇ってもらったり、あの大型モンスターを倒した後、いきなり気絶したり。それと同時に、君にとても感謝していたからこそ、そうしたんだよ。」

 

「そうか…ごめん、うずめ。変なこと聞いて。」

 

それを聞いて、光樹はうずめに申し訳なさそうにしながら礼を言う。自分を心配してくれていたなんて、ありがたいことだ。

その言葉を受けて、落ち着いたうずめも、光樹に言う。

 

「別にいいって。あの時はありがとうな。」

 

お互いに感謝の言葉を述べて、ひと段落したところで、ネプテューヌが話に入っていく。

 

「さて、光樹も起きたことだし、海男の救出を祝って、パーティしよう!」

 

そしてネプテューヌ達と共に会議室のようになっている部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、海男の救出を祝って、かんぱーい!」

 

『かんぱーい!』

 

ネプテューヌとネプギア、うずめが元気よく、乾杯の声を挙げ、焼き魚を食べていく。

その様子を、光樹と海男が落ち着いて眺めている。だが、二人は決して落ち着いているわけではなかった。

 

「かんぱい…と言いたいところだが、何故、焼き魚パーティなんだ?」

 

「同じく同意。」

 

そう言っている所に、うずめが答える。

 

「何でって、そりゃあ手頃な食材がこれしかなかったからだろ?いやぁ、釣り溜めといてよかったぜ。」

 

うん、魚が手頃な食材なら、ここで出すのも分かる。いくら食べても困らないのなら問題ないだろう。

だが、一人と一匹には、大人しく受け入れたくはなかった。その理由を、光樹と海男は言う。

 

「うずめの言いたいことはわかる。そして、ここで一番手頃な食材が魚だということもわかる。しかし、これでは共食いではないか…。それも、川魚など…。」

 

「俺は海男を助けに行く道中で言ったはずだ。…俺は魚介類が嫌いだと。」

 

「あー、そうか。わりぃわりぃ。」

 

海男達の言葉に、うずめが軽く謝る。

しかし、よくよく考えると、海男も自分と同じ種族を食べることには抵抗があるんだな、と思う。

と、そう思っていると、ネプテューヌがこちらにうずめに代わって言ってくる。

 

「うずめもこうして謝ってることだし、許してあげなよ。あとでわたしがオキアミと缶詰めあげるからさ。」

 

「オキアミか、それならいただこうか。」

 

「缶詰め…なら魚でも骨とかないからいいぞ。」

 

その代替案に、賛成の意を見せる。缶詰め位なら、俺も別にいい。海男の方もオキアミと聞くと、喜んで受け入れている。やっぱり魚なんだな。

そんな話をしていると、話を聞いていたネプギアが謝ってくる。

 

「ごめんなさい、海男さん、光樹さん。せっかくのお祝いなのに凝ったものが用意できなくて…。簡単なお菓子とかなら作れるんですけど、ご飯となると作ったことが無くて…。」

 

どうやらネプギアとしてはもっといいものを出したかったようだ。お祝いならもっといいものを出してもいいが、こんな事情なのだから、しょうがないはずだ。むしろ、よくこれだけの手頃な食料を出せたのだから、感謝しなければならない。

そこで海男と光樹は言葉を返す。

 

「ぎあっちが気にすることではないさ。その気持ちだけでオレは十分だよ。」

 

「こっちも気にしないさ。それに、焼き魚の方も、ちゃんと食べるよ。」

 

そう言葉を返し、俺たちは魚を食していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ってことだ。どうだ、海男?」

 

俺は海男にそう聞く。

いきなり何なのか分からないだろう。少し前、光樹達は海男にどうして俺たちがここに来たのかについて、話を聞かれていたのだ。そこで光樹達は、経緯を話していたのだ。

それらの話を聞いた海男は、横のヒレを組んで、納得する。

 

「なるほど。だいたい君たちの境遇は理解した。別の大陸から来た、実は地下に国があってそこから出てきた。もしくは、全て彼女たちの妄想、か…。」

 

海男の考えた仮説がいくつか出てきた後、海男が結論を立てる。

 

「いくつかの仮説が立てられるが、おそらく一番、可能性として高いのが、別の次元から来た、だとオレは思う。」

 

「やっぱり…か。」

 

海男の結論に、光樹はそう声を出す。そうなんじゃないかと思うところが、今までもいくつかあったが、海男からの意見で、その可能性が高まった。

そんな事を聞いて、ネプテューヌも思わず呟く。

 

「あー…。また別の次元に来ちゃったかもしれないのかー…。」

 

そういえばネプテューヌ達は神次元に行ったことがあるんだった。こういうのには、「V」の時にあったから、慣れてしまったのだろう。

その言葉に、海男が反応した。

 

「また、ということは、ねぷっちと光樹はこれまでにも、別の次元に行ったことがあるようだね。」

 

「うん。ちょっと前に行ってきたばかりなんだ。いやぁ、その時は元の次元に帰る為に苦労したよ。時間の流れがゆるやかなせいで、何年も向こうにいたからね。」

 

「俺はネプテューヌ達の住んでいる世界とは別の世界から来たんだ。」

 

「なら、ほぼ確定だろう。…だが、光樹はなぜねぷっちたちの世界とは別の世界から来たということが分かったんだい?」

 

海男からのその質問は予想通りだった。なので、光樹もこれまで言ってきた言葉を返す。

 

「実は、ネプテューヌ達の世界は、俺の世界ではゲームの世界なんだ。」

 

「…それは本当かい?」

 

「ああ。」

 

海男は少し動揺していた。無理もない。もしかすると、この世界もゲームの世界なのかもしれないのだから。

だが、海男は平静に戻し、言葉を続ける。

 

「なるほど。では、君の纏っていた機械は、君の世界の物なんだね。」

 

「記憶が無くなってる部分もあるけど、それで間違いないよ。」

 

「そうか。だが、これで戦力はかなりそろったことになるね。」

 

「そうだな。あのダークメガミとか、エクストリームも倒せるだろう。」

 

そう談義しているところで、一人困った様子を見せている人物がいた。ネプギアだ。

 

「…じゃあ、どうやって帰ろう。別の次元にいるんじゃ、いーすんさんとも連絡がとれないし…。」

 

だが落ち込んでいるネプギアに、ネプテューヌは励ましの言葉をかける。

 

「落ち込む必要なんかないよ、ネプギア。ここが何処か分かっただけでもいいじゃん。場所が分かったなら、あとはそれにあった方法を探せばいいだけだよ。」

 

ネプテューヌのいうことは確かだった。ここが別の次元だとしても、行くことが出来たなら、帰ることもできるはずだ。

方法は分からないが、それもこの世界を探索していれば見つかるかもしれない。

それに、イストワールだって俺たちがいなくなったことを知れば、連絡を取ってくるかもしれない。幸いにもNギアをネプギアは持っているし、更に光樹のNPの方にも連絡が取れるように、この世界にやってくる前に渡したメモリーチップに通信回線のデータが入っていたはずだ。

ところが、その言葉に、ネプギアは更に考え込む。

 

「けど、どうやって探そう?海男さん、本当にモンスター以外の人は誰もいないんですか?遠くに避難しているとか…。」

 

そんな事を海男に聞く。だが、ネプギアの疑問はそれだけで終わりはしなかった。とても重要なことを、聞いた。

 

「そういえば、他の国の女神様はいないんですか?」

 

それを聞いて、光樹も気づく。そうだ、よくよく考えれば、女神がうずめだけというのもおかしい気がする。復元されたこの大陸の地図を見たが、かなり大きいのに、それを治めているのがうずめだけというのもおかしい話だ。

そんな疑問に、海男ははっきりと答える。

 

「すまないが、俺の知る限り、女神はうずめだけだ。」

 

「けど、前は人がいたんですよね?ネットにもその痕跡はありましたよ。」

 

ネプギアは更に質問をする。それに海男も続けて言う。

 

「あぁ。確かに昔はいたんだ。でなければ、オレが君たちを人間だとは思わないさ。だが、オレが生まれた時には、既に世界はこんなありさまでね。だから、君たちを見た時にはとても驚いたんだよ。」

 

「生まれた時にはもうこんなことになっていたって…。」

 

光樹は動揺する。海男はかなり知っていそうな風貌から、長く生きてきたと思う。だとすると、うずめと海男たちは何年、いや、何十年この世界で戦い続けてきたんだろうか。

 

「じゃあ、どうして世界がこんな風になったのか、誰も知らないんですか?」

 

「うずめは、“デカブツ”が原因だと言っているが、それ以前にも原因があるとオレは思っている。」

 

「それ以外の原因?」

 

光樹は少し考える。今まではこれだけの事になったのは全てデカブツ…ダークメガミとエクストリームガンダムらのせいだと思っていたのだが、それ以外の要因があるのだろうか?

と、そこでネプギアはNギアを出しながら言う。

 

「それなら、これを見て下さい。壊れてますけど、ネットで見つけたんです。」

 

「………ふむ。…これは日誌のようだね。ところどころ文字がバグっているが、実に興味深い。」

 

「それ、俺にも見せてくれないか?」

 

「あぁ。見てみるといい。」

 

海男から渡されたNギアのファイルを見始める。

…なるほど、確かに気になる点が見受けられる。明らかに制御不能になった誰かの力によって、こうなったと読める。

だが、もっと気になることがあった。それは、□代目の□□、という項目だ。この世界の今までの事を察するに、おそらく二つのバグった項目に入る文字は「女神」だろう。文字の数もあっている。

しかし、なぜ俺はそう思ってしまったのだろう。女神と確かに入るが、この日誌にはほとんどひらがな、カタカナで書かれているのに、漢字がピンポイントで入るだろうか?

…考え過ぎだと判断した光樹は、そんな考えを捨てることにした。そして、Nギアをネプギアに返す。

返してもらった後、ネプギアは海男にあることを相談する。

 

「…海男さん。私、この世界のこと調べようと思うんです。」

 

「なら、微力ながらオレも力を貸そう。もしかしたら、この世界を救う新しい発見があるかもしれない。」

 

「ありがとうございます!」

 

ネプギアが笑顔で感謝を述べる。とりあえず、この件はネプギアに任せておいた方がいいだろう。

そう思うと、ネプギアの肩に手を乗せ、委任する。

 

「じゃあ、データの方は頼む。」

 

「任せて下さい!必ず原因を解明して見せます!」

 

そう答えた後、部屋の外に出ていたうずめが入ってくる。

 

「ねぷっち、ぎあっち。どうしたんだ?」

 

「あ、うずめ。実はさー…」

 

ネプテューヌとネプギアがうずめと話し始める。

そうしてネプテューヌ達がこっちの方を気にしないようになった所で、光樹は海男に「とあること」を聞き始める。

 

「海男、ちょっといいか?」

 

「うん?別に構わないが…。」

 

海男は怪訝そうにしながらも、話を聞くようにする。

光樹は言う。

 

「うずめって、調子が上がった時とかに性格と口調が変わるよな?どうしてだ?二重人格なのか?」

 

それは、うずめの急変する性格の事についてであった。流石にいきなり変わるのはおかしいと俺も思っていたため、そう聞いたのだ。

すると、海男はちゃんとそれについて答えてくれた。

 

「それはだね。…あの子は無理をしているんだ。」

 

「無理を…?」

 

無理をしている。それだけでは意味が分からなかった。すると、海男が話を続ける。

 

「元は、女神化後のような明るい性格の女の子だったんだよ。」

 

「え…?」

 

光樹はその事実に驚く。まさか、元々はあの性格の方が素だったとは…。

更に海男は続ける。

 

「性格は軽くても、根は真面目な子だったからね。それでは、この滅びに向かう世界で暮らす、オレたちの心の拠り所になれないと思ったのだろう。このサバイバル生活や戦闘の中で、性格も、口調も変わっていったんだ。」

 

「そう…だったのか……。」

 

まさかそんな事があったなんて…。光樹は少し外を見やる。こんな世界で、人を守るために、元々の自分らしさを変えなければならないなんてと思っていた。とても強い意志を、うずめは持っていたのだ。

それと同時に、無理をしてまで守ろうとしているうずめを、守りたいと決めた。「夢」の件もあったが、うずめの望みを叶えてやりたい。そう思った。

それから、その話を聞いて、分かったことがあった。その確認を海男に取る。

 

「ひょっとして、うずめがカッコイイことに拘っているのも…?」

 

「そうだよ。彼女の中では、カッコイイ=頼りがいがある、と思っているところがあるからね。でも、人の性格っていうのは、簡単に変えることはできないからね。」

 

海男はそう語る。だが、光樹はここで反論の意見を出す。

 

「人の性格って、何かあれば簡単に変わると思いますよ。例えば戦争とか…悲しみと憎しみが混じり合う場では特に。」

 

「…光樹…。」

 

「……すいません、俺の見てたアニメとかで、そういうことがあって…。」

 

「構わないよ。確かに、君の言うことは正しいよ。だけど、うずめはそんな負の感情に流されてはいない。守りたいという、正の感情で、変わったんだ。」

 

「そうですね。俺もそう思います。」

 

光樹と海男はそう言った後、少しの間黙る。何を話せばいいかで困っていたのだ。

数秒の沈黙の後、海男が口を開く。

 

「元々夢見がちで妄想癖のある子だったせいか、そういう時に、よく素に戻るんだ。」

 

「確かに…そういう時には、性格と口調が変わってましたもんね。」

 

そう互いに言う。

実は魚を食べていた時から、光樹達が海男に経緯を話す前までの間に、うずめ達が普段食べている物についての話があったのだが、そこでネプテューヌがカエルとかは食べないのかと聞いていた。

サバイバル生活ではカエルも食べると聞くが光樹も流石に気持ち悪いので食べない。もしうずめ達が食っているなんて言っていたら、俺はこのパーティを抜けていただろう。だがうずめは素の性格で食べないと拒否していた。海男曰く、普段はうずめがありあわせの物でご飯を作るらしい。ただ、今回の焼き魚のような、食材に火を通しただけの簡単な物らしいが。

そんなうずめに、うずめの性格を理解したネプテューヌが、カエルとかを食べるうずめはカッコイイ、と誘導したところ、うずめは見事に食いつき、今度食べてみようと言ったのだ。

幸い、ネプギアがうずめを止めてくれたのでセーフだった。女の子が虫とか両生類を食べるって、これほど酷いものがあっただろうか、いやない。後でネプテューヌにはお仕置きとして茄子を生で食べてもらおうか、とも思ったが、流石にそれは鬼畜だろうと考えを改めた。

ちなみに、その時分かったことなのだが、うずめはシイタケが嫌いらしい。うずめはあの食感が嫌いとのことだ。ほとんど関係ない話だが、俺もシイタケは苦手な方だ。だが、無理してなら食べれるので、食料に出されても、それ程困りはしない。魚よりはマシだ。

回想が長くなってしまった所で、海男が言ってくる。

 

「…さて、今日はもう遅い。これからのことは、明日起きてから話そう。君やねぷっちたちも疲れているだろうから、今日は休むといい。」

 

「そうですね。パーティの前に寝てたけど、まだ疲れが残っているから、早めに寝ておきます。ネプテューヌ達にも、寝ると伝えておいてください。お休み、海男。」

 

「あぁ、お休み、光樹。」

 

そう告げると、光樹は昨日寝たのにも使った部屋に向かう。

 

TO BE CONNTINUED

 




いかがだったでしょうか。
まぁ、一波乱のところよりも、冒頭の「夢」のシーンが気になった方も多いと思われます。
ネタバレしますと、あれは一応フラグです。どういうフラグかは伏せておきます。

次回は日常回になります。
投稿は次の日曜日になります。

次回もお楽しみに!




追伸・見ている方は少ないと思われますが、Twitterの方で先日、土曜と日曜で小説一つ書き上げるという宣言をしましたが、書けませんでした。
理由はネットの回線がおかしくなったので、それの調査まで書けなかったためです。申し訳ないです。

更にそこでも言った通り、話のストックが尽きかけてきました。話が尽きた場合、受験もあるので、三月終わりまで、投稿を停止すると思われます。
いつも見て下さっている皆様には申し訳ありません。ですが、もし停止した場合には、必ず、帰ってきますので、待っていてください!

ここまで見ていただき、ありがとうございました!

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