新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

30 / 170
皆様、お元気でしょうか。
風邪の時、いつもお世話になっている医者に、メタボではと言われ、ショックを受けた、藤和木弘です。原因は分かっている。それは、心療内科で出されているあの薬の副作用のせいだ!( ー`дー´)キリッ

さて、第27話、投稿です。
遂にプロローグに出ていたあの機体と名前を共有する機体が登場です。自分の中二病時に、1イヤーに2機機体を考えているため、その機体と次の機体は同じ作品の機動兵器がモデルになっています。今回は革命者、そう、あの問題作(すみません)の機体が設定のベースとなっています。何の作品かは、読めばわかります。

では本編をどうぞ!


第27話 目覚める黒き革命者

 

 

『光樹…目覚めよ、和藤光樹……。』

 

「うん…ここは……また「夢」か?」

 

光樹は意識を目覚めさせていく。だが目覚めたにも関わらず、視界は暗いままだ。多分俺が言ったとおり、夢の世界だろう。

だが聞こえてくる声はブラックエースを初めて纏った時に現れた光の存在の物ではなく、ゼロに近い声だった。

声の主はそのまま言う。

 

『光樹よ、禁忌に触れる覚悟があるか?』

 

「禁…忌?」

 

その言葉に思ったままの言葉を返す。禁忌と一体何なのか。だがその言葉の意味からも、危険な雰囲気がする。

思わず身構える。しかし、それに気にもしないように、謎の声が聞こえてくる。

 

『禁忌を分かりやすく言った方がいいか。…では人間をやめる覚悟はあるか?』

 

「な…それって…。」

 

思わずそれに反応する。人間をやめると言えば、「革命機ヴァルヴレイヴ」の認証システムのセリフではないか。

光樹は動揺する。今はうずめを助けるために、力がいる。しかし、その提案を受け入れてしまえば、マギウスになることとなる。最悪、自分は主人公のように記憶を失って死ぬ可能性もある。

だが、ここで選ばなければ、うずめは……。

そして、光樹は決断し、告げた。

 

「…俺は、人間をやめる……そして、みんなを助ける!!」

 

決意の声が響き渡る。それを聞いていた者は…。

 

『聞くまでもなかった…か。ならば、禁忌の力を解放する。貴様は既に人間をやめている。そして、人として、今までを戦ってきた。…目覚め、そして、その禁忌の力を振るうがいい。』

 

その声が遠ざかっていく。それと同時に現実の感覚が戻ってくる。ぼやける視線の先にモンスター、ギガスレイモンが見える。

それに向かって、光樹は剣を振るった。それが、首元を切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「光樹!うずめ!」

 

わたしは叫ぶ。体中は痛むが、それでも叫んだ。最悪の展開にならないように願いながら。

だけど、最悪の結果は回避された。

うずめの腕の中にいた光樹が、残っていた右手に握られた剣を振ったのだ。その攻撃が凄まじかったのか、斬られた場所から血が噴き出し、思わず下がった。

 

「よかった…。光樹さん起きていたんだ!」

 

「さっすが、光樹!でも、これって勝てる…のかな?」

 

ネプギアの安堵に続いて、わたしも光樹を賞賛する。だけど、反撃をしたはいいけど、まだ状況は良くなかった。すぐにうずめたちに合流して、態勢をたてなおさないと。

でも、その考えは変わることになった。光樹の行動によって。

光樹はすぐに、剣を腰に装着すると、右手を胸の所で交差させる。

この雰囲気、前にも見たことがある。光樹が初めて変身したときと、暴走したシェアプロテクターと戦った時も、同じ構えをしている。ということは…。

そして、わたしの考えは当たっていた。

 

「ファイナライズ・アップデーティング。」

 

その言葉が唱えられると、光樹が光の渦に飲みこまれる。やっぱり、更に変身するんだ。

数秒後、光が晴れて、光樹のガンダムの新しい姿が現れた。

角はさっきまでのゼロと同じように、二本だ。だけど、違うところがあった。特徴的な違いとしてこめかみ辺りから、緑色のクリアーパーツが、楕円を描くように付けられていた。

体の方も、肩と膝の増加パーツみたいな装甲に取り外せそうな突起物が装備されている。更に左腕についているシールドには槍みたいな武器を持っていたり、背中の翼のパーツは左右に二枚ずつの計四枚に変わっていたり、その背中のランドセルみたいなパーツには、ブラックエースの時に持ってた武器に似た武器が二本、ぶら下がっていた。

全体的なシルエットはゼロに近かったけど、でもかなり印象は違ってる。機体の色は今まで通りのカラーリングだったけど、全く違う機体に見える。

遂に、ゼロの機械音声が、その機体の名を告げた。

 

『SSR-VVVX-BA001-N(エスエスアールトリプルヴイエックスビーエーゼロゼロワンノーマル)、シュバルトゼロガンダム、装着完了。』

 

…ってまたゼロ!?てっきりダブルゼロになるのかと思ってたよ!

と、ふと横を見ると、ネプギアが目を光らせながら呟いていた。

 

「すごい…あのメカ、調べてみたい…!」

 

「あのさー、ネプギア。それは後にして、うずめを助けにいこ?」

 

そう聞くと、ネプギアは「はうっ!」と奇声を上げたあと、我に返って言葉を返す。

 

「そ、そうだね。早くうずめさんと合流しないと。」

 

すぐにわたしたちはモンスターに気づかれないようにしながら、うずめの元に向かった。思えば、この時はモンスターはいきなり反撃してきて更に変身した光樹に夢中だったから、気にせずに向かえばよかったと後で後悔している。

うずめの元に着くと、わたしは声をかける。

 

「うずめー、大丈夫?」

 

「ねぷっち!無事だったんだ。」

 

「もちろんだよ。うずめは?」

 

「まだ背中が痛いけど、大丈夫…ってて。」

 

うずめは右腕を抑える。かなりダメージを受けちゃってるみたいだ。すぐにネプギアが応急手当てをする。

その応急手当てを受けながら、うずめは光樹の変身した件について聞いてきた。

 

「あれが、光樹の新しいガンダム?」

 

「たぶんね。でも大丈夫だよ。光樹なら勝てる!」

 

「…そうだね。うずめも光樹なら勝てるって思えてきたよ!」

 

そんなことを話しながらいつでも手助けが出来るよう、ネプテューヌは構えて、その睨み合いを見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

機人と獣は、互いに出方をうかがっていた。互いに大きな一撃を相手に喰らわせようと、状況を冷静に見ている。だが獣の方はどちらかというと、その姿に驚きを隠そうと、動いていないように見えた。少なくとも、機人の少年、光樹はそう感じていた。

一方、光樹の方も、手を出しあぐねていた。理由は簡単、どの武器がどのような性能だったか、はっきりしていないのだ。だが、ゆっくりと、武器の使い方を思い出してきていた。全ての武装を把握するために、もう少しだけ、時間が欲しかった。

だが先に獣、ギガスレイモンが動く。大方、先に攻撃すれば勝てると判断したのだろう。その判断は正しい。

しかし、こちらも迎撃できないわけではなかった。光樹はすぐに右手を突き出す。すると、腕に装備されていたシールドユニットが横に展開する。それはまるでボウガンのようであった。そして、脳波で指示を飛ばす。すると、ゼロがその武器の名を読み上げる。

 

『ANノイズドエナジーヴァリアブルビームシールドユニット展開、ANクロスビームボウガン発射準備完了。――――ファイア。』

 

同時に左右の穴から、ビームがギガスレイモンに向け、飛ばされる。光の矢がギガスレイモンに突き刺さり、爆発する。

 

「ギャウン!?」

 

ビームが効いたことに驚いたのだろう。まあ当たり前だ。余裕をもって受け止めたら、ダメージを受けたのだから。

光樹もビームが効いたことには驚いたが、理由はある程度察していた。多分この機体は…。

だが敵も負けずに突撃してくる。それを見て、光樹はサイドアーマーに装備された刀の柄を持ち、構えで待機する。すぐに距離が詰まる。交差する刹那、ギガスレイモンが爪を、光樹が刀…ANカタナ「ゼロエッジ」を振り抜く。

約二秒後、地面に何かがボトリ、と落ちる。それは…ギガスレイモンの右の出っ張っていた顎であった。

切られたことに気づいたギガスレイモンがのたうち回る。

このままではネプテューヌ達にも被害が及ぶ。そう考えた光樹は体を翻して飛ぶ。

すると、足に妙な着地感を感じる。見ると足の底から、ANクロスビームボウガンから放たれたビームに似た、結晶が噴出されていた。それを見て、光樹は理解した。

 

(これはやっぱり…ヴァルヴレイヴの硬質残光……!)

 

硬質残光。それは「革命機ヴァルヴレイヴ」の主人公たちが乗る機動兵器、ヴァルヴレイヴの持つ能力の一つである。機体の動力源から生み出されるルーンと呼ばれる情報原子を機体の手甲、脚部を介して生成される結晶である。障壁や推進や撹乱を行うことが出来る。だがあまり使い過ぎればルーンの元となる記憶が失われるのだ。それが不安を煽る。

が、それをゼロが解決する。

 

『記憶なら問題ない。その機体のルーンはANドライヴから生み出されている。』

 

「本当か。…なら!」

 

それなら、と全力で硬質残光を発生させながら、ギガスレイモンへ突撃する。敵が苦し紛れに放って来た尻尾の一撃を避ける。そして敵の周りを回っていく。更に硬質残光で撹乱させながら、切り裂いてゆく。ギガスレイモンも、光樹の攻撃を止めようと、必死になって動きを目で追って、攻撃する。しかしそれらはほとんどが空を切るか、硬質残光にヒットするだけであった。

何回もの空振りの末に、とうとうギガスレイモンの足取りがふらついてくる。限界であったのは明白だ。

それを好機と見た俺は、トドメの一撃をぶつけに行く。近づけさせまいと放ってくる火球を硬質残光で防ぎつつ、接近する。そして懐に入ると、その胸座を左手でつかむ。同時にゼロが言葉を発する。

 

『ANフレキシブルアームクラッシュブレイカーⅢ、ブレイザーモード起動。カートリッジロード。』

 

手の甲に埋め込まれたリボルバーユニットが動く。煙がプシュー!と吹く。エネルギーが腕部に集中し、掌の発射口が輝き、放たれる。

衝撃波が放たれたが、何も起きない。見ていた誰もが失敗と思っていた。だが違った。

ギガスレイモンが触れた場所から瞬間的に赤く染まる。否、超高熱が瞬間的に与えられているのだ。

 

「ガウウウーン!?」

 

ギガスレイモンがもがき苦しむ。だが、離れようとしてもこちらの腕部が爪の部分を食い込ませているので、離れられない。

最後にゼロの音声と共に、最後の締めの一撃を放つ。

 

『ノイズフォースビックバン、「炎波瞬閃掌」。』

 

体力のほとんど残っていないギガスレイモンに、更に強力な超高熱のエネルギーを流し込む。ギガスレイモンが燃え上がる。手を放すと、そのまま倒れて、消滅していった。炎はすぐに消え、そこには少し燃えた後が残るだけで、モンスターのいた痕跡は無くなっていた。

それを見て光樹は息をつく。ようやく終わったことで安心する。

そうしていると、離れたところで様子を見ていたうずめ達がこちらに来る。ネプテューヌはもちろん、うずめもけがはしているようだが、大丈夫そうだ。

ネプテューヌが疲れつつも、嬉しそうな声音で言う。

 

「やったー!勝ったー!大勝利!」

 

「ねぷっちたちがいてくれたおかげで、超楽勝だったよー。ブイ!」

 

うずめも笑顔を見せながらそれに続いた。この笑顔を見ていると、不思議と戦闘で疲れた体が安らぐ。

と、そこでうずめが光樹の方を向き、礼を言ってきた。

 

「光樹、ありがとね。光樹が居なかったら、うずめ負けてたかも。」

 

「…!そ、そうか。そう言ってくれるとうれしいな。」

 

光樹は少し照れくさそう答える。あまりに純粋にそう言われることが珍しかったので、そんな反応をしたのだが、それを見てうずめが茶化してくる。

 

「あれあれー?光樹なんか照れてるよー。かわいいかもー!」

 

「おー!確かにちょっと言葉がおかしいね。このこのー!うずめにお礼言われたからって照れてるんだなー?」

 

その発言にネプテューヌも合わせて言ってくる。ちょっと自分だけではこの二人のいたずらを躱すのは無理だと思い、ネプギアに助けを求めようとする。だがネプギアは「あはは…。」と苦笑いしている。…助けてくれよ。

仕方がないので光樹は自分自身で収めることにする。

 

「照れてないって。とにかく、ボス敵は一体倒したから、これで楽になるだろうな。ボス戦。」

 

「そうだな。これで、今度からは心置きなくデカブツとタイマンをはれるぜ。」

 

うずめが女神化を解いたのち、それに反応し、答える。話題を逸らし、追及を避けることを選んだが、上手くいったようで、ネプテューヌ達は、その話に集中していた。

と、そんな話をしている所に、ひよこ虫…っと、今はエビフライか。エビフライが感謝を述べる。

 

「うずめさんたち、ありがとうなのです。」

 

その言葉に続いて、他のひよこ虫達も言う。

 

「あいつがやって来たり、うずめさんたちを追い込んだ時にはどうなるかと思ったよ。」

 

「うずめさんと機械の人にはなんてお礼を言ったらいいか…。」

 

ひよこ虫達が俺たちを囲んで喜び合っている。これだけのひよこ虫に囲まれると、ちょっと恐い。これはもちろん、感謝の気持ちからなのは理解している。だがこれだけのモンスターに囲まれるとなぜか警戒心を持ってしまう。

その言葉を聞いていたうずめは言葉を返す。

 

「だから、気にすんなって。お前らだってシェアクリスタルを見つけてくれたんだしさ。」

 

その言葉を聞いて、更にひよこ虫達が喜ぶ。

そんな雰囲気の中、海男がこちらに向かってきて言う。

 

「うずめ、これを。ここのひよこ虫たちが見つけてくれたものだ。」

 

海男のその手…というかヒレにはシェアクリスタルが握られていた。それをうずめに渡す。

シェアクリスタルを受け取ると、うずめはひよこ虫達に感謝の言葉を告げる。

 

「ありがとな、みんな。」

 

そう言った後、海男は提案をする。

 

「では、一度戻ろうか。みんな疲れているだろ?」

 

「そうだな。俺もなんか疲れ…」

 

そう言いかけたところで、光樹は光に包まれながら、意識を失ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

光樹が倒れてすぐにネプテューヌ達が光樹を抱えていく。

そんな様子をある人物は見ていた。

 

「……………。」

 

その人物は黙ってその様子を見送った。敢えて、だ。今襲えば、確かに倒せたかもしれなかったが、ここでこちらの正体を知られるのもまずいと思い、手を出さなかったのだ。

しかし、一方であのモンスターを倒されるとは思っていなかった面もある。もしモンスターを倒したガキと戦うことになれば、勝てる可能性は低い。あのガキは予定通り、「あのロボット」が倒すのがいいだろう。

と、そんな所で通信端末が鳴る。画面を見ると、連絡相手は話していたロボットからだった。すぐに通信に出る。

 

「私だ。そっちはどうだ。」

 

『こちらは爆発地点の調査が終了した。我々の予想通り、対大型兵器用の兵装の攻撃で間違いない。』

 

「ほう、では誰がそれを使ったのだ?」

 

私は通信相手にそう聞く。だがいい反応は返ってこなかった。

 

『それは分からない。だが「黒の少年」である可能性はある。』

 

「そうか。」

 

私は唸る。もしそんな兵器が存在したなら、我々の切り札も効かない可能性がある。通信相手の予想通り、私が見た、記憶を失った「黒の少年」なら、何が起こるか分からない。だからこそ私も先程攻撃しなかったのだから。

と、そこで通信主が聞いてくる。

 

『それで、そちらは?』

 

その質問に対し、事実を伝える。

 

「あぁ、ギガスレイモンが倒されたよ。「黒の少年」に。それも、また力が戻ったらしい。」

 

『…そうか。分かった。では予定通り、連中の次の行動時、ダークメガミとエクストリィムをぶつける。それでいいな。』

 

「了解だ。ようやくあの女神たちを潰せる…では切るぞ。」

 

そう言って通信を切る。

これで、あいつらを潰せば、この世界を滅ぼすことが出来る。

そんな事を考えつつ、その人物は暗闇へと姿を消した。

 

TO BE CONNTINUED

 




いかがだったでしょうか。
またも光樹の無双劇。大丈夫です。次の戦闘では必ず絶体絶命にさせてみせます。
そして最後のあの人物の会話。ここであのエクストリームの名前が地味に違っている点、変えておいた方がいいかなぁということで変えました。さて、会話しているのは、あの方なのでしょうか?それは次の戦闘で明らかになります。

それで、冒頭に話していたメタボの件ですが、薬のせいもあるんですが、今自分受験中なので外に出て運動することが少ないんですよね。
夜に運動しようと思います。といっても、ウォーキングくらいですけどね。

では、次回の投稿は黒の館編なので、5日後の火曜日にしたいと思います。
次回もお楽しみに!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。