新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも皆様、いかがお過ごしでしょうか。昨日は近所のカードゲームの大会で気分をリフレッシュしてきました、藤和木弘です。

第24話、投稿です。
今回はうずめの妄想の表向きでの登場です。
前書きで話すことは特にないので、本編スタートです。


第24話 少女の妄想、仲間を助けるために発揮?

 

 

光樹達は拠点への道を歩いていた。光樹を除いた三人は、今は昼御飯の事を話し合っていた。一応、乾パンなどの非常食は持ってきていたため、拠点までの道の途中で食べることも出来たが、どうせなら敵に狙われない場所である拠点で食べたかったので、帰ることになったのだ。

と、そんな中でうずめの腕に着けていた端末、ヴィジュアルメモリが鳴る。すぐにうずめは端末を操作する。どうやら通信らしく、うずめがその人物の名を声に出す。

 

「お、海男からだ。」

 

「海男?それって、モンスター達の避難の誘導をやってるってやつか?」

 

「あぁ、そうだぜ。ちょっと電話に出るから。」

 

光樹の質問に、うずめはそう返す。電話に出るという事で、光樹は黙る。

 

「どうだ、シェアクリスタルは本物だったか?」

 

通信の内容は、どうやら昨日言っていたシェアクリスタルの有無に関するものらしい。うずめのヴィジュアルラジオから漏れる声を光樹は静かに聞く。

 

『あぁ、本物だったよ。』

 

いつ聞いても、なかなかイケメンそうな声だ。だが、キザなイケメンというよりは、草食系の落ち着いた感じの様子だった。

それと、昨日眠るまでの間にどこで聞いた声かと記憶を辿った所、ある声にたどり着いた。

それはジオンのEXAMの騎士、「二ムバス・シュターゼン」だ。ちょうど二ムバスの声をもう少し勢いを落とした感じだと判断したのだ。

そう考えている間に、話が進んでいる。

 

『まさか、こんなところにもシェアクリスタルがあるなんてね。』

 

その善二ムバス声(光樹命名)の海男が、更に話してきた所で、事件は起きた。

 

『君に手土産もできたことだし、今日中にそっちに戻…な、何だお前は!?うわあああああああ!?』

 

「!?海男!おい、海男!」

 

「今悲鳴が聞こえなかったか!?」

 

すぐに光樹やネプテューヌらがうずめの元に駆け寄り、ヴィジュアルラジオに注目する。だがすでに通信は切れているようで、ヴィジュアルラジオからは雑音が響くだけだった。

うずめが心配の表情を見せる。そこに、ネプテューヌが言う。

 

「今の、絶対何かあったよね!」

 

すると、うずめはすぐにその質問に言葉を返す。

 

「ねぷっち、ぎあっち、光樹。俺は海男を助けに、直ぐにとなり町に行く。ついてくれるか?」

 

その確認の言葉に、迷う必要はない。仲間の一人が危機に陥っているかもしれないのだ。すぐに俺たちはうずめのその言葉に答える。

 

「もちろんだ。すぐに行こう!詳しい場所は?」

 

「場所はこの道の脇道の先だ。」

 

「了解!」

 

そう応答した後、すぐに俺たちはその駅跡に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、光樹達はその町に着いた。古びてはいるが、まだ電気は生きているようだ。

うずめはすぐにこちらに海男を心配そうにしながら言う

 

「ここのどこかに海男がいるはずだ。」

 

「どこかって…詳しい場所はわからないんですか?」

 

ネプギアの言葉は同感できる。確かにどこかと言われてしまえば、探すのにも時間がかかる。最悪、助けが来るまでに、あの綺麗なニムバス声のやつがやられる可能性もある。

そんな中、ネプテューヌは「おーい、海男―!いたら返事してー!」と大声を響かせる。が、当然声は返ってこない。

うずめも困った様子でその時の状況を語る。

 

「話の途中で通信がきれたからな…。誰か海男の居場所がわかるやつがいればいいんだが。」

 

通信が途中で切れたのをもどかしく思う。せめてその時の場所を言ってさえくれれば、よかったのだが。

海男の居場所を知る者、か。だがそんな都合のいいこと、起こるのは現実では結構稀だ。避難している者たちが付き添っているなら、そいつらがこちらに知らせに来るかもしれないが…。

ネプギアもそれに対し、こう返す。

 

「さすがに、そんな人、都合よくいるわけ…。」

 

だが、それを聞いたうずめは、顔に笑顔を浮かべていた。なぜこんな切羽詰まった状況なのに良く冷静でいられると思った。

しかし、うずめは冷静と言うわけではないことを、俺は知った。

 

「いいや、わからないぜ。案外、海男と一緒にいたやつが辛うじて逃げ延びているんだよー。」

 

うずめは声の調子を上げてしゃべり始める。

 

「それで、俺らを呼びに行こうとしていたところ、ここで偶然、俺らと鉢合わせるわけだ。」

 

「う、うずめ?」

 

何かうずめの様子がおかしいと思うのは、俺だけだろうか?

しかし、うずめは言葉を続ける。

 

「それでお互い超偶然っていうか、向こうもうずめも信じらんないって感じでさ。それで、あっという間に海男のいる場所に案内してくれて、海男をいじめる悪いモンスターをぶっ倒しちゃう、ってわけ。」

 

……うずめってこんなキャラだっけ?いや、俺たちはうずめと会って、まだ一日しかたっていないのだから、知らないことも多いはずだ。

だが、先程までとは、明らかに様子が違う。一人称が「うずめ」に変わっていたり、超偶然とかいじめる、ってわけという、かなり砕けた言い方になっている。

 

「それで、海男も助けて、シェアクリスタルも見つけてめっちゃラッキーってみたいな♪」

 

うずめは目を輝かせてそう言い切った。

あまりの豹変ぶりに、流石のネプテューヌ達も…。

 

「ぽかーん。」

 

と、思わずそう呟く。

光樹も驚いていたが、その驚きの反応よりも、更に上回るものがあった。

 

(このうずめ……可愛いな…。)

 

何故かうずめにそんな、小動物に対する感情のようなものを感じていた。萌え、というやつなのだろうか。

と、そこでうずめが自身の発言に気づく。

 

「………っ!?」

 

慌ててうずめは平静になると、ごほん、と咳ばらいをする。

そして落ち着いた様子で先程の内容を言い直し始めた。

 

「とまぁ、もしかしたら、偶然、案内してくれるやつが現れるかもしれないぜ?」

 

うずめは若干声の調子を下げている。カタコトなしゃべりで、焦っているのが分かる。

もちろんネプテューヌがそれに気づかないはずがなく、言及していく。

 

「いや、今うずめがうずめっぽくなくて。」

 

だがその言葉をうずめははぐらかす。

 

「き、気のせいじゃないか?」

 

「いやいやいや。気のせいじゃないって!だって今急に女の子っぽいというか、ギャルっぽくなったよね?それも一昔前の…。」

 

そんなうずめの言い分も関係なく、更にネプギアが言った。

 

「自分のことも、『俺』じゃなくて『うずめ』、って言ってましたよ!」

 

「そ、空耳だって。それとも、ここには幻術でも操るモンスターがいるのかなー…。あはははは…。」

 

うずめは焦りながら、否定する。

ここで俺は助け舟を出すべきなのだろう。だがどんなことで話を逸らすか考え付かなかった。それどころか…。

光樹はうずめの方に近づき、肩に手を置く。

 

「な、何だよ、光樹。」

 

うずめが困惑する。何が起こるか分からないからだ。だが、ネプテューヌは何やら分かったように期待している。まぁ、ネプテューヌのその狙いは少し外れることになるのだが。

光樹は言う。

 

「うずめ、今のひょっとして素の性格か?なんか可愛かったんだが…。」

 

「光樹ッ!!お前が一番俺を助けてくれそうだったのに!!可愛いって何だよ!?」

 

うずめは怒りと涙を露わにして、怒ってきた。流石にいじり過ぎたか。…しかし、本当に、あのうずめはかなり可愛いと思ってしまったのだ。

だが泣かせてしまったのは流石にまずい。光樹はすぐに止めに入る。

 

「ご、ごめん。うずめ。つい、ネプテューヌ達の言葉に合わせてしまって…。」

 

「ううっ…。ひどいだろ……。」

 

うずめは何とか泣き止む。だがネプテューヌ達は更に質問しようとしていた。

とそこで、コーラル駅の方から何かがやって来た。

 

「うずめさん、うずめさん!」

 

「ほんとに来たー!?」

 

ネプテューヌがいきなりの登場に驚く。うずめの事を呼んだ者は小さなモンスターであった。だが知らないというわけではなかった。うっすらとだが、個体名は確か…。

 

「よっし、ナイスタイミングだ、ひよこ虫!」

 

そうだ、ひよこ虫だ。まさか、この場所でも見つけることになるとは…。

だがそのひよこ虫は見事に話の話題を変えてくれた。うずめも気分を取り戻す。

 

「ん?ナイスタイミング?」

 

ひよこ虫が何の事かさっぱりな様子を見せる。

それに対して慌ててうずめは言い直す。

 

「あ、いや。それはこっちの話だ。それよりも、どうしたんだ、そんなに慌てて。…もしかして、海男のことか。」

 

そう聞くと、ひよこ虫はすぐに言葉を発した。

 

「そうなのです。海男さんがモンスターに襲われて大変なのです。案内するので、早く向かうのです。」

 

まさに運が良かった、と言うべきだ。ひよこ虫は海男の場所を知っていた。ひよこ虫の話すスピードからも、相当状況はやばいことが分かった。

すぐにひよこ虫はコーラル駅の方に戻っていく。その後を光樹達も追いかける。

その途中、うずめは自慢げそうに言う。

 

「どうだ、三人共。俺の言ったとおりだったろ?」

 

「ま、まさかうずめさんの妄想どおりの展開になるなんて…。」

 

「この世界、何が起こるか全然分かんないな…。」

 

ネプギアと光樹はそれぞれ驚きの言葉を述べる。光樹もここで都合よく、誰か話題転換してくれないかとは思ったのだが…。

そんな事を考えている中、ネプテューヌも別の事に対しての感想を述べた。

 

「それもそうだけど、わたしはそれ以上にうずめのあの性格の変わりようの方がびっくりしたかな。光樹も食らいつくくらいだし。本人は隠したがってるみたいだけど…。」

 

「そういえば…っていうか、何で俺、あそこまでうずめの事気に入っているんだろうな。」

 

そのネプテューヌの言葉に、光樹は唸る。いや、おそらくは「夢」の中で自分に助けを求めてきた存在だから、気にかけている、という感情からなのだろうが。それ以上に、何か引っかかるのだ。

 

(気にしている暇はないか。とにかくまずは海男の救出からだ。)

 

光樹は頭を切り替える。

と、動きの止まっていた三人に、うずめが大声を掛けてくる。

 

「おーい。何話してんだ、おいてくぞー。」

 

「案内するので早く向かうのです!」

 

ひよこ虫もこちらを急かしてくる。それに気づいたネプテューヌは、声を出しながら走っていく。そのあとに、ネプギアと光樹も付いて行く。

 

「わーっ!待って待って!」

 

四人と一匹はダンジョンと化した駅跡、「コーラル駅」の中へ入っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここに海男がいるんだな。」

 

俺はそうひよこ虫に聞く。するとひよこ虫はすぐに答えた。

 

「はいなのです。ここは元々僕たちの仲間が棲家にしていたのです。それで、偶然奥でシェアクリスタルみたいなものをみつけたので、海男さんに確認してもらっていたんです。」

 

そこで光樹が話に入ってくる。

 

「なるほど、つまりその途中でモンスターに?」

 

「そうなのです。その最中にいきなり見たこともない大きなモンスターがやってきて…。海男さん、無事でいてほしいです。」

 

その言葉を聞いていてうずめは考える。

海男は時間から言ってまだ大丈夫なはずだ。海男はこれでも俺と一緒にあのデカブツたちと戦ってきている。作戦を考える役割だが、運動神経は割と高い。

だが問題はどこにいるかだった。この駅の中にいるだけ、まだ楽な方だが、この大陸の地下の道はかなり入り組んでいる。実際うずめも、過去にこの手のダンジョンに入った時に迷ってしまったことがある。その時は海男に連絡して、なんとか助けてもらったのだが、今はその海男が困っている状況だ。まぁ、その時にヴィジュアルラジオに構造把握アプリがあったことが分かり、最近は迷うことは無い。

だがそれでも、自分自身で、未開の地に向かうのだ。一応、この場所へはこのひよこ虫の仲間たちをここに連れてきたときにすでに訪れていた。が、その時はまだ構造把握アプリには気づいていなかった。

すぐに助けに行きたいのに、もし道を間違えてしまえばタイムロスになる。

 

(海男…無事でいて……!)

 

うずめは地の性格を見せながらそう思いつつ、言う。

 

「事情はわかった。それで、そのシェアクリスタルは本物だったのか?」

 

「もちろんなのです。モンスターに壊されないように今は海男さんが持ってるのです。」

 

「なら、早いとこ助けてやんねぇとな。……ところで、海男がいる場所までは、覚えているよな?」

 

うずめはふと、そんな不安を口にする。

だけど、その心配を、ひよこ虫は打ち消してくれた。

 

「大丈夫なのです。覚えているのです。」

 

「よし、じゃあねぷっち、ぎあっち、光樹。すぐに行くぞ!」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

「ああ。」

 

俺はそう聞くと三人がすぐに返す。

全員で、ダンジョンの奥に進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、うずめはさ、このひよこ虫とは知り合いなの?」

 

わたしはうずめにそう聞いた。

モンスターとの戦いが終わって、ふとそれを聞いたのだ。

すると、うずめは答える。

 

「知り合いっていうか、こいつらも俺の仲間なんだ。ひよこ虫ってのは、この世界で一番多いモンスターで、いろんな所で群れを作って暮らしてるんだ。群れ同士のネットワークもあって、よくシェアクリスタル探しを手伝ってくれてるんだ。」

 

「その代わりに、ボクたちを凶暴なモンスターから守ってもらっているのです。」

 

それを聞いて理解する。そうなんだ。うずめはこの子たちを守っているんだね。そういえば避難した仲間がいるって言ってたけど、多分この子たちもだよね。他にもいるのだろう。

そして代わりにシェアクリスタルを探してもらっている…いわゆる共存しているんだ。私たちの大陸だと、モンスターってほとんど敵対してるから、こういうのも新鮮だなぁ、と思う。

 

「持ちつ持たれつ、素敵な関係だね。けど、わたし、ひよこ虫をみてたら、お腹が減ってきたかな。」

 

わたしはふと、そんなことを言った。実はひよこ虫は、エビフライのような味がするといううわさがあるのだ。実際、それを実行した人はいないらしいけど。

と、そこでうずめが聞いてくる。

 

「なんでだ?まさかとは思うが、ねぷっちの国では、ひよこ虫が主食なのか?」

 

「ビクッ!?」

 

「…マジか……モンスターを食べるのは俺嫌だぞ。戻ってもそれは料理に出さないでくれよ?」

 

ひよこ虫がそれに驚き、光樹が嫌そうな顔を見せる。その誤解を解くべく、ネプテューヌは言葉を続ける。

 

「違うって。さすがに、それはないない。わたしは食べたことないんだけど、ひよこ虫って、油でカラッと揚げて食べるとエビフライに似てるって言われてるんだよねー。」

 

「ぼ、僕は食べても美味しくないのです。うずめさん、助けて欲しいのです。」

 

ひよこ虫はうずめに助けを求める。確かにそんな話されれば、身の危険を感じるのも当たり前だ。

その声を聞いていたうずめだったけど、予想外の言葉が出てきた。

 

「エビフライかぁ…。そういえば、食ったことないなぁ」

 

すがすがしい顔を見せる。そして更に言う。

 

「なぁ、お前、ほんとにエビフライみたいな味がするのか?」

 

「だ、誰か助けて欲しいのです!」

 

ひよこ虫は震えながら後ずさりする。だがしかし、更にそこでわたしはあることを言いだす。

 

「じゅるり。お昼ごはんを食べてないせいか空腹のあまりエビフライに見えてきたかも。ねぇ、エビフライって、呼んでもいい?」

 

「エビフライなのです!?」

 

更にうずめがその話に乗る。

 

「おおっ、いいなエビフライ。個性的でいい名前だと思うぞ。」

 

そんな様子に、流石にダメだと思ったのだろう。ネプギアが止めに入ろうとする。

だけどその前に、光樹が先に割って入った。

 

「いやいや、名前を付けるのはいいけど、食べるのはやめとけ。」

 

「あ、ありがとうなのです。」

 

そのひよこ虫ことエビフライはお礼を言う。

だけどなんでだろう。光樹が不機嫌そうな顔をしている。何があったんだろ?ネプテューヌは聞いてみる。

 

「ねぇ、光樹。なんでそんなに機嫌悪いの?」

 

それを聞くと、光樹は答えた。

 

「俺、魚介類苦手なんだ…特に体に硬い部分があるカニとかエビ、それから骨の残ってる魚とか。」

 

「えっ、そうなのか?」

 

うずめが驚きを見せる。なるほど、光樹は魚介類が苦手なんだ。そう思っていると、エビフライが聞いてくる。

 

「ボクのこと食べない?」

 

やはりまだ心配なんだろう。あんなことを言われちゃね。まぁ自分も悪乗りしすぎたなぁと思っている。

それを聞いたうずめが笑いながら答える。

 

「食べない食べないって。だから、海男のところへの案内、頼むな。」

 

そう言ってわたしたちは更に奥へと進んでいった。

 

TO BE CONNTINUED

 




いかがだったでしょうか。原作とほぼ同じ展開なので、面白くないと思われる方もいるかもしれません。そこのところは申し訳ないです。
ですが、自分の方でも、なんとか面白くなるように考えているので、これからもよろしくお願いいたします。

次回の投稿は土曜日になります。
では、次回もお楽しみに。

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