新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
お待たせしました、予告通り、シルバーウィーク中の2話目、第20話の更新です。
逃げるシーンだけなので、あまり読みごたえは無いかもしれないですが、その分早く読めます。
では本編どうぞ。
「…ちっ。時間切れか。」
女神化の解けたうずめが言う。光樹は別にその言葉に違和感を持たなかったが、それを聞いていたネプギアが疑問を言う。
「時間切れ…?そういえば、シェアクリスタルで女神化していたような。」
「ん?シェアクリスタルで変身するのが、そんなに変なのか?ネプテューヌ達が変身する時も、シェアクリスタルが出現していたけど…。」
ネプギアに、光樹が質問する。以前見せてもらった女神化でも、二人共胸元にシェアクリスタルを出現させて変身していたのに、うずめがシェアクリスタルで変身していたことに驚いているのはおかしいと思ったからだ。
すると、ネプギアがそれに答える。
「あれも一応シェアクリスタルなんですが、あれはオリジナルシェアクリスタルって言うんです。うずめさんの物はア―ティファクトシェアクリスタルって私たちは言ってます。でも、大抵はどちらもシェアクリスタルって呼んでいるんですけどね。」
なるほど、原初と人工物という名で種類が違うのか。確かにア―ティファクトの方は基本教祖らが作っていたイメージがある。ガンダムでも、GNドライヴの名前が半永久か、そうでないかで名前が違っていたと考える。
ネプギアが解説した後、うずめがこちらに向かって言う。
「けど、さっきの犬っころが攻撃してくるなんて思わなかったぜ。サンキュー、光樹。」
「さっきのはZEROシステムのおかげだよ。お礼言うなら、ゼロに言ってくれ。」
「そうか…ありがとな、ゼロ。」
うずめがゼロにお礼を言う。だがゼロは何も答えなかった。多分聞こえてはいるのだろうが、答えたくないのだろうか。
だがそんな無視を気にせず、うずめは先程のモンスター、メガスレイモンについて言った。
「犬ッころを仕留め損なったのは悔しいが、これで存分にデカブツと戦えるぜ。」
「ちょ、ちょっと待ってよ、うずめ!まさかその傷で、あのでっかいのたちと戦うつもり!?」
だが、うずめが自信を持って言う中、うずめを見たネプテューヌは制止の動きを見せる。
ネプテューヌの判断は正しい。全員が何らかの攻撃を受けた中で、突っ込むのは危険だ。特にうずめと光樹は、何回か攻撃を受けている。
しかし、うずめはそのようなことを気にせず、言葉を返す。
「おいおい、どうしたってんだ、ねぷっち。トコトン相手をするんじゃなかったのか?」
「そういうことじゃないでしょー!その傷じゃ無理だって言ってるの!」
ネプテューヌは必死にうずめを止めようとする。
光樹もうずめを止めに入ろうとした、その時。
ZEROシステムが反応する。
それと同時に、ネプテューヌとうずめの間あたりに爆発が起こる。
「ねぷっ!?」
「っく!?」
二人は吹っ飛ばされる。
「ネプテューヌ、うずめ!大丈夫か!?」
先程の爆発を、シールドで防御しながら光樹は二人の無事を確かめようと声を出した。しかし、声は返ってこない。
次に光樹は攻撃元を探る。おそらくあのダークメガミか、エクストリームだろう。
その考えは当たっていた。建物の向こう側にダークメガミがこちらに手を振りかざしていたのが見えた(手だけしか見えていなかったが)。
そんな中、うずめの怒りのこもった声が響く。
「…チッ!不意打ちたぁ、卑怯じゃねぇか。三人共、やられたからには倍返しだ!今度はこっちから打って出るぞ!」
そう言ってうずめはダークメガミに向かって行くため飛び出そうとした。しかし、
「痛っ…!」
急に横腹の部分を抑え、動きが止まる。顔を苦痛の表情にしている。
そこにネプギアが心配の声を漏らす。
「うずめさん、大丈夫ですか!?まさか、さっきの爆発で…。」
しかし、すぐに表情を平静にすると、答える。
「このくらいかすり傷だ、気にすんな。それよりも今はアイツらを…っと、そうだ、逃げ遅れたやつらは無事なのか!?」
そう聞くと、すぐにうずめは腕の通信端末を操作する。おそらく、モンスター達の避難を担当しているあのどこかのガンダムキャラボイスのやつに連絡するのだろう。
端末に入力し終わると、うずめは通信相手に話しかける。
「俺だ!避難状況はどうだ!?みんなは無事なのか!」
そう聞くと、すぐに声が返ってくる。
『うずめか。ちょうど今、となり町への避難が完了した。』
「よかった、間に合ったんだな。」
うずめが安堵の声を上げる。全員避難できたなら、目的は達したと言える。
通信相手がうずめに言う。
『あぁ、君が避難する時間を稼いでくれたおかげだ。』
これで何とかこの戦闘は終わりか。そう思っていた。
しかし、うずめは予想外の言葉を発する。
「なら、心置きなく戦えるってもんだ。」
「えっ…!?」
「みんな、無事避難できたみたいだ。三人のおかげだ、サンキューな。」
「そ、そんなことより私たちも逃げないと…!」
困惑する光樹の後に、ネプギアが正論を言う。目的を達したならば、ここは撤退すべきだ。不利な相手に突っ込んでも、ただの特攻でしかない。昔の言葉にも、「命あっての物種」というのがある。
しかし、うずめはそれを拒絶した。
「逃げるだと!?このチャンスをみすみす逃すってのか!」
だが、うずめが言った瞬間、再びZEROシステムが警告をする。
またダークメガミが攻撃の態勢に入る。
「…!」
「っ!」
「あぶなーい!」
「!?」
寸前、ネプテューヌがうずめを抱いて回避行動を取った。その直後、うずめが居た場所に爆発が起こる。
だが、ネプテューヌとうずめは無事のようだった。
「ふぅ、まさかの危機一髪。」
「二人共、大丈夫か?」
「だいじょうぶー!ギリギリだったけど、なんとか間に合ったみたい。」
「あぁ、ねぷっちのおかげでな。」
二人のその声を聞いて安心する。だが、呑気にしている場合ではない。これまでのモンスターの攻撃とダークメガミの攻撃でこちらが疲労しているのは明らかだ。加えて、ブラッドゼロの武装も、ANビームライフルⅤとANビームサーベルⅤを喪失、ANノイズドエナジーサテライトシールドが損傷している。ここは引くのが一番だ。だが、うずめの性格を考えると、まだ戦いそうな気がする。
そんなことはネプテューヌにも分かっているようで、うずめを止めようとする。
「もー!うずめは、こんなんでも戦おうっていうの!?」
「当たり前だ。」
それでもうずめは戦う意志を見せる。その姿はまるでネズミが猫に挑むかのようなものだ。
当然、そんなことをしようとするうずめを止めないわけがない。ネプギアと光樹は止めに入る。
「無理ですよ!早く逃げましょう!」
「俺も同意見だ。うずめはけがをしてるし、俺の方も武器を消費しすぎた。ストックしてる粒子残量もよくない。一旦撤退して…」
光樹はうずめの腕に向かって手を伸ばす。
だが、うずめはそれを聞いた途端、目の色を変えてその手を振り払う。
そして怒声をかけてきた。
「うるせぇ!!」
「な…!?」
いきなり大声で怒声をあげられたので驚く。
そしてうずめは怒りの感情を持ったまま、語る。
「せっかくデカブツとタイマン張れるチャンスなんだぞ!逃げるなら、光樹とねぷっちとぎあっちだけ逃げてくれ。俺は戦う。」
「な、何言ってるんですか!そんなボロボロの体で戦えるわけ…」
ネプギアがうずめを制止する。だが、ネプギアの制止はうずめには無意味のようだった。
うずめが反論する。
「いいや、戦えるね。例え、己の身が骨から削ぎ取れようと戦ってみせる。」
「うずめ…お前…!!」
怖いくらいの覚悟だった。まるで獅子のようなまでの気迫を発している。こちらが気持ちで押し負けそうになる。
しかし、ここで大人しくうずめの言う通りに戦わせて、もし死ぬようなことがあれば、あのオレンジの少女がうずめだと推測出来たことから、少女を救うことが出来ない。それ以前に、女の子を死なせたりなんて出来ない。
うずめは更にこちらに返す。
「それに、俺は死んでも喧嘩には負けねぇ!!刺し違えてでもデカブツを……!」
その言葉が出た瞬間、光樹は決めた。何が何でもうずめを止めなくてはいけないと。
大体そんな事を言って勝つ事例は少ない。運命の弓使いの僕だって負けている(自分はその作品見ていないので詳しくは知らないが)。
うずめの性格から、無理矢理止めないといけない。そこで光樹はディバイダー・ゼロシステムで意識を分断させる方法を考えた。リーンボックスでゼロに聞いた話によると、ディバイダー・ゼロシステムは様々な応用が効くらしい。使い方で様々なものを分断できると言っていた。ならば今、うずめを意識を分断してその間に撤退することもできるだろう。
そこで光樹はディバイダー・ゼロシステムを最低出力で起動させようとする。が、その行動は無駄に終わることになる。
「どっせーい。」
ドカッ!
「って―な!何しやがる!」
ネプテューヌがうずめにチョップを繰り出した。女の子とはいえ、女神の繰り出すチョップだ。かなりの痛さだったのか、うずめは叩かれた後頭部を抑える。
だがそんなことには気にせず、ネプテューヌが言う。
「ダメなものはダメ!そんなボロボロな状態で戦わせられないよ。ほら、よく言うじゃん。命あってのモノマネ、って!」
「…モ、モノマネ………?」
ネプテューヌのカッコイイそのセリフに、光樹は感動を覚える。普段はだらけてばかりいるのに、こういう時には相変わらず、いいことを言ってくれる。
だけどな、こんな所で間違えるのは、いくらネタでも駄目だと思う。うずめが頭の上にはてなを浮かべている所に、光樹は訂正を付ける。
「ネプテューヌ、それはモノマネじゃなくて物種だ。」
「そうそう!物種物種!」
「そうとしか言わないんだが…。」
呆れながら光樹は言う。
訂正を受けたネプテューヌは、更にうずめを説得していく。
「それに、逃げ遅れた人たちの時間を稼ぐっていう目的は達成できたんだし無理をする必要はないって。」
そのネプテューヌの考えは正しい。先程俺が思っていたことだが、ネプテューヌの口から言ってくれるなら、問題ない。
すると、ネプテューヌはうずめの肩を持つようにうずめの腕を自身の方に回す。まるで、うずめを連れて逃げるかのようにだ。その後の言葉でそれは事実となる。
「そんなわけだから、うずめを連れてとっとと逃げるよ!ネプギア、そっちもって!」
「うん!」
ネプテューヌと指示を出されたネプギアがうずめの両腕を肩に回して、担ぐ。
「って、おい!?お前ら離しやがれ!勝手に俺を担ぐな!おろせー!」
うずめは必死に抵抗する。が、足がバタバタと動くだけで、その両腕の拘束を解くことは出来ない。
その様子を見て、なぜか可愛いと思ってしまったが、それではサディストだ、と自身を説得させる。
二人の拘束が完了すると、ネプテューヌはまた声を出す。
「よし、ネプギア、持ったね。それじゃあ、てっしゅー!」
そのノリのいい声と共に、二人は駆け出していく。光樹はその間、攻撃から三人を守るため、シールドを構えつつ、後退していく。
「って、人の話を聞きやがれーーー!」
うずめの反抗の声も空しく、光樹達は戦線を離脱したのであった。
TO BE CONNTINUED
いかがだったでしょうか。
次の話は…内容なんだったかな?(真面目に)
光樹「これ、カンペ。」
すまん。えーっと、逃げ切った後、記憶喪失の似た者同士の話し合いですね。
オリジナルで、うずめの妄想が部分的に入ります。
では次回の投稿は日曜日です。
え、寝不足じゃないのかって?完全に寝不足です。エナジードリンクでも、眠気には勝てなかったよ。
では次もお楽しみに。