新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも皆様、お読みいただき、ありがとうございます。昨日は以前通っていた塾のOB会行っていた、藤和木弘です。ちゃんと小説も書いていたので、ご安心ください。

第14話、投稿です。
ですが、うずめというヒロインいないのに、8000字となっています。これはなるべくうずめを早い話数で出したいためです。申し訳ございません。

では本編、どうぞ。


第14話 崩壊した街

 

 

その景色は、正に崖っぷちとも言える状態であった。この荒廃した世界は、あの世紀末世界のようなものではないかと思ってしまう。

が、そこで我に返る。一緒に来たネプテューヌとネプギアの事を思い出したからだ。

 

「ネプギア、ネプテューヌ…いた!!」

 

自分の目覚めたところから少しだけ離れた所に倒れていた。見る限り、けがはないようだ。

ネプギアの元に駆け寄り、体を揺さぶる。

 

「おい、ネプギア!しっかりしろ!」

 

その声に反応してか、「うー…ん…」と声を出す。

そしてゆっくりとネプギアは目を開けた。

 

「光樹…さん?」

 

「よかった、目が覚めたんだな。」

 

ゆっくりと体を起こして、周りを見渡す。

 

「こ、ここは…一体どこなんですか!?さっきまで部屋の中に居たのに。」

 

ネプギアが周りの光景を見て取り乱す。無理もない。この光景には光樹自身も驚いている。だが光樹はネプギアを落ち着かせるために言う。

 

「とにかく、まずネプテューヌを起こしてからにしよう。話はそれからだ。」

 

「そ、そうですね。…お姉ちゃん…お姉ちゃん…起きて!」

 

ネプギアがネプテューヌを起こそうとする。

それによって、ネプテューヌが「……ん。」と答える。それに拍車を掛けるべく、さらにネプギアが声をかける。

 

「お姉ちゃん!ねえ、お姉ちゃんってば!」

 

だがその言葉に対し、ネプテューヌは…。

 

「ネプギア~あと十分だけぇ……。」

 

「……。」

 

その返答に呆れてしまった。こんな非常事態にそんな事を言うとは…。

流石に十分待つ気はないため、光樹もネプギアと共に起こしにかかった。

 

「呑気に寝ている場合じゃないよ、お姉ちゃん!周り!周り見て!」

 

「おいネプテューヌ!プリンの山があるぞ!!」

 

「え…それでいいんですか……。」

 

「今は緊急事態だ、後で謝る!」

 

その言葉に反応し、ネプテューヌは一気に目が覚める。

 

「どこ!?どこにプリンの山が!?」

 

「よし、起きたな。ネプテューヌ、周りをよく見てみろ。」

 

「え…?」

 

そして、ネプテューヌがゆっくりと周りを見渡す。崩壊した建物をよく見ている。そして、二人の顔を見た後、ネプテューヌがとった行動は…。

 

「なんだ、夢か。それじゃネプギア、光樹、お休み。」

 

また寝ようとしたので、慌ててまた起こす。

 

「馬鹿!現実逃避するな!!」

 

「夢じゃないよ、お姉ちゃん!」

 

「いやいやいや、ありえないから。わたしたち、さっきまで部屋にいたよね?なのに、なんでいきなりこんな所にいるわけ?」

 

ネプテューヌもかなり動揺している。無理もない。いきなり渦に飲みこまれたと思ったら、こんな崩壊した世界なのだから。

そのネプテューヌの言葉にネプギアが返す。

 

「わからない…気づいたら、ここにいて…。………私たち、どうなっちゃったの…。」

 

そのネプギアの心配には納得できる。だがいつまでもそう考えている暇はない。

そこで光樹は予測を言った。

 

「多分、別の場所にワープしたんじゃないかな。」

 

「別の場所…ですか。確かにそう考えるのが妥当でしょうけど、どうする?お姉ちゃん。」

 

「まぁ、ここがどこか知らないけど、来ちゃったものはしょうがないよ。街が崩壊してたり、空はなんかひび割れしちゃってるけど、そんなのゲームじゃ日常茶飯事だよ!」

 

ネプテューヌは明るく振舞う。きっと自分やネプギアの事を思ってだろう。そのネプテューヌの気遣いを無駄にしないためにも、しっかりしなければ。

そう思った光樹は、言葉を返す。それにネプギアが続く。

 

「まあ、そうだな。ゲームでならこんなの慣れてるし、VRMMOをやってると思えばいいか。」

 

「でもこれは現実ですよ?現実では絶対にないんじゃないですか…。」

 

「だけどこれが現実だ。受け入れるしかないと思う。まあ俺も認めたくないけどな、こんな現実。」

 

「そう…ですよね。」

 

ネプギアが自身のなさそうに答える。そこで光樹はあることを二人に提案する。

 

「とにかく、どこかに人がいるかもしれないから、散策してみないか?」

 

「そうだね、きっとこんな世界にも人はいるかもしれないね!」

 

そう言ってネプテューヌが街の奥の方に向かっていく。それに続いてネプギアも「ま、待って!お姉ちゃん。」とネプテューヌを追う。

 

(さて、これからどうなるのか…。)

 

そう思いつつ、光樹もそのあとを追って走り出した。

 

 

 

 

「…誰もいないね。」

 

ネプギアがそう言葉を漏らす。確かにその通りだった。先程の場所から少し動いたところなのだが、道にはおろか、崩壊した建物にも人は存在していなかった。

 

「んー…おかしいな。猫の子一匹くらいいてもいいと思うんだけど。おーい!誰かいませんかー!」

 

ある程度は予想していたのだが、まさか人を見ないとは…。

ネプテューヌの呼び声にも誰も答えないことから、本当にこの街は壊滅してしまったのだろうか。

その様子を見て、ネプギアが言う。

 

「お姉ちゃん、光樹さん、やっぱりここ、おかしいよ。」

 

「おかしい、って言うとどこらへんだ。俺もいくつかおかしい所はあると思っているけど。」

 

「はい。道路やビルに走ってる亀裂、ただの亀裂じゃありません。」

 

確かにその亀裂は何か緑色に光っている。幻想的なその亀裂は、明らかに普通の物ではない。

 

「ほんとだ。緑色で綺麗だね。ずっと見てると吸い込まれそうになるね。」

 

「おいおい、くれぐれも触るなよ…。」

 

「でもわたしたち、亀裂の上歩いてたよ?」

 

「…よくよく考えるとそうだな、すまん。」

 

真面目にそう返されて、なぜか恥ずかしくなってしまう。

そこにネプギアが先程言ったことの補足をする。

 

「空にも同じ亀裂が入っているし…。まるで、空間そのものにヒビが入っているみたい。」

 

「空間にヒビ、か。確かにその表現があってるな。俺は雲の切れ目と思ったけど、よく見ると空の色じゃないな。」

 

だが、それ以上に気になることがあった。それはこの街の風景だった。

 

「この街の風景…なんとなくプラネテューヌに近くないか?」

 

「光樹さんも気づいたんですね。私もそれに気づいたんです。雰囲気も、亀裂が入っているのを除けば、プラネテューヌにそっくりなんです!」

 

だが光樹とネプギアが真剣に話しているところに、ネプテューヌは空気を読まない発言をする。

 

「ん~…プラネテューヌに世紀末が来たら、こんな感じになっちゃうのかな?」

 

「そ、そんな不吉なこと言わないでよ、お姉ちゃん!」

 

「不謹慎にも程があるぞ。仮にも国のトップだろ?プラネテューヌの。」

 

「ご、ごめんってば。二人とも、そんなに怒らないでよ。」

 

思わず二人でツッコミしたからか、ネプテューヌはたじろぐ。まあ反省はしているようなので、ネプギアは話を元に戻す。

 

「でも、ここには見覚えのあるものが全然ないし、プラネテューヌではないと思うんだけど…」

 

「そうだな。なにせプラネタワーの残骸すらないからな。」

 

「こ、光樹さん…。」

 

「…悪い、失言だった。」

 

ネプギアに謝った後、ネプテューヌが先程のネプギアの言葉に答える。

 

「そうだね~。街の中だったら私の庭だし、道がわからないはずないもん。光樹の言う通り、プラネタワーもないしね。」

 

そう言ったところで、光樹は考える。その内容は、この崩壊寸前の世界とあの女神の関係だ。

 

(あの女神はこれから訪れる3つの世界を巡って自分を救ってほしいと言った。…ということは、この世界をこんなことにした元凶を倒せってことか?それともこの世界を再生してほしいってことか?)

 

だが考えは一旦やめることになる。ネプテューヌがこう言ったからだ。

 

「まぁ、ここで考えててもしょうがないよ。今はとにかく、前進あるのみだよ!ゴーゴー!」

 

「こういう時のお姉ちゃんの自信はどこから来るんだろう…。」

 

ネプギアのそんな言葉に、ネプテューヌが答える。

 

「自信?そんなの、わたしが主人公だからに決まってるよ!」

 

「…主人公補正というやつか……本当にあるのかな…。でも俺もゲイムギョウ界に来るときに主人公補正並みの運の良さで助かってるけどさ。」

 

そう返した光樹だが、実際はとても心配していた。いくらこの世界がゲームの世界だとしても、そう簡単に事が運ぶわけではない。

しかしネプテューヌは、そんな心配など他所にさらに明るい雰囲気で言う。

 

「どんな展開になろうとも、主人公補正バリバリで切り抜けちゃうんだから!」

 

「だと、いいんだけど…。」

 

ネプギアがネプテューヌを心配する。だが、こんな状況になっても明るく振舞えるのはいいことだと思う。おそらく、ネプギアや俺を安心させるためにそう振舞っているのは分かる。だからこそ、光樹も今冷静に状況を分析出来ているのだ。そのネプテューヌの気遣いに答えるべく、次の行動を考える。

と、その時だった。

 

 

 

 

「ォォォォォオオオオオオ!!」

 

 

 

 

唸り声が響く。

 

「ねぷっ!?」

 

「この声は!?」

 

慌ててその声の方を向くと、そこには足が無く、体が宙に浮いたモンスターが居た。どうやらこいつがさっきの唸り声の主のようだった。

その様子を見たネプテューヌは最初は驚いていたが、なぜか今は落ち着いていた。そして、言う。

 

「なーんだ、びっくりしたー。モンスターかぁ。どう?ネプギア、光樹!わたしの主人公補正で、地元の人第一号発見だよー!」

 

その発言に唖然とする。

 

(これが地元住人第一号とか…ってそんな呑気なこと言ってる場合じゃない!!敵だろ!)

 

心の中でそう思っている内に、ネプギアがツッコミを入れる。

 

「違うよ、お姉ちゃん!!どう見てもお話とかできるような相手じゃないよ!?殺意満々だよ!?」

 

「確実に敵として認識しているな、これは。」

 

「あーやっぱり?」

 

その手に聖魔剣デュランダルを右手に、レーザーガンを左手に構える。それに答えるかのように、再びモンスターが咆哮を上げる。

 

「ォォォォォオオオオオオ!!」

 

その様子を見て、ネプテューヌは一言。

 

「やっと、わたしたち以外の誰かに会えたと思ったんだけどなぁー…。」

 

だがネプテューヌたちも戦う気満々だった。ネプテューヌがネプギアに告げる。

 

「けど、相手がやる気なら仕方ないよね!ネプギア、女神化して一気にやっつけちゃうよ!光樹もガンダムになって!」

 

「うん!」

 

だがそのネプテューヌの提案に、光樹は。

 

「あー…、悪い、今回は無しで。」

 

「え!?なんで!?」

 

「もしかして、デメリットがあるんですか?」

 

二人がこちらにそう聞いてくる。

ガンダムを装着しない理由は、ネプギアの言った通り、デメリットがあるからだ。といっても激しい機動戦闘時に軽い筋肉痛が起こるだけなのだが。しかし、何回も重ねるのはあまり推奨されないと、解析してくれたリーンボックスの研究員の方々から言われていたのだ。それに加えて、パープルプロテクターやアフサラスⅢに対して放った大技、NFB(ノイズフォースビックバン)はそれよりも大きい負荷がかかるらしい。実際、あの日の次の日は普通の筋肉痛くらいの痛みが体に出たのだ。

そのことを、二人に告げる。

 

「ガンダムを何回も装着すると、体に悪影響が起こるらしいんだ。といっても、一日に何回も装着すると、らしいんだけどな。ただ、ノイズフォースビックバンっていう必殺技を使うと、かなりの負荷がかかるらしいんだよな。だからあんまり変身したくないんだ。」

 

「へぇー、正に最後の切り札、って感じだね!!」

 

「そうですか、分かりました。ここは私たちに任せてください!」

 

「まあ、戦闘には参加するけどね。」

 

そう答えると、モンスターの方に向き直る。そしてネプテューヌたちは女神化の準備に入る。

 

「括目せよっ!!」

 

「プロセッサユニット、装着!!」

 

二人の声が響き、光に包まれる。

 

 

 

 

はずだった。

だがその光はいつまでも発生しなかった。

 

「しー…ん。」

 

「………あ…あれ…?」

 

二人がキョトンとする。さらにネプテューヌが現在の状況をありのままに話す。

 

「しかし、なにも起こらなかった…?」

 

(正にこの状況にピッタリの言葉だけどさぁ…。)

 

そう考えていたそこに、モンスターの声が三度響く。

 

「ォォォォォオオオオオオ!!」

 

そして、その爪を振るってくる。

 

「ぬわぁ!?危ないなぁ、もう!さては、変身中の攻撃はご法度だって知らないんだね!」

 

何とか攻撃を回避したネプテューヌはモンスターに言い返す。だがモンスターはそれに構わず、再び待ちの態勢を取る。

 

「モンスターにそんなこと言っても、わからないと思うけど…。」

 

ネプギアが突っ込んでいる内に、光樹はモンスターと二人の間に割って入る。そして言う。

 

「とにかく、二人が女神化できない上に知らないモンスターが相手となると、変身するしかないか。それでいいか、二人とも。」

 

「いいよー!なんで女神化できないかわからないけど、まずは目の前の敵をなんとかしなきゃだよね!行くよ、ネプギア!」

 

「うん!」

 

二人は各々の武器を構える。

光樹も武器をしまい、シューティングスターBを手に持ち、装着を開始する。

 

「ブラッドゼロ、セット・オン!」

 

もしかしたら、ネプテューヌ達と同じように変身出来ないとも思ったが、そのような心配もなく、ノイズの奔流は発生し、変身が完了する。

 

「よし、いくぞ!!」

 

謎の世界での初めての戦闘が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「てぇぇりゃぁぁ!!」

 

まずネプテューヌが敵に切り込んでいく。ダメージが入ったのか、攻撃を受けて仰け反る。だが消滅はしない。やはり大きいからこそ、体力も多いのだろう。その大きさはざっと3、4メートルはある。

だがその分動きは遅い。先程の不意打ちも目で追えたことから、パワータイプの敵なのだろう。それなら相手が一体な分、こちらが有利だ。動きをよく見れば、苦戦はしない。

ネプテューヌの斬撃に、ネプギアが追撃を加える。

 

「はぁっ!!」

 

ネプギアが連続して剣を振る。その攻撃に参ったのか、若干俯き加減になる。だがそれでも攻撃の手は緩めなかった。

 

「ォォォォォオオオオオオ!!」

 

その右手をネプギアに対して振るってくる。だが、その前に、光樹は両者の間に入り、シールドでその剛腕を受け止める。

 

「好機は逃さない!!」

 

その組み合いの状態で、右手のANアームドアーマーZRを敵の脇腹辺りに突き立てる。突き立てると相手はその痛みでうめく。

 

「オ…オオオ……!」

 

すぐに左手でANアームドアーマーZRを抜こうとするが既に遅い。刀身を縦に分割し、レールガンモードを起動させ、撃つ。

その弾丸はモンスターの体内で光ると共に爆発を起こす。

 

「ォォォォォォオオオオオ!!?」

 

それが致命傷になったのか、モンスターは地面へと倒れる。

そして粒子になって消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっけなかったな。」

 

「ふぃー…楽勝楽勝!女神化なんて必要なかったね。」

 

「俺も変身しなきゃ良かったな。…セット・オフ。」

 

そう言って光樹はブラッドゼロの装着を解除する。

そしてすぐにネプギアが先程の事について疑問を言った。

 

「けど、どうして女神化できなくなってるの…?…あっ!」

 

その時ネプギアがあることに気づく。

 

「どったの、ネプギア?」

 

「まさか、女神化できない理由が分かったのか?」

 

そう聞くと、ネプギアが答える。

 

「はい!お姉ちゃん、シェアだよ!なにかおかしいと思ったら、シェアが全然感じられないよ!」

 

「それは本当か!?ネプギア。」

 

シェアとはゲイムギョウ界に存在する女神の人々からの信仰によってもたらされる力だ。女神たちはこの力を使うことで、女神化することが出来るのだ。

だが、先程のネプギアの話が事実なら、女神化できないのは当然だ。エネルギーの源であるシェアが無いのだから。

しかしなぜシェアが無いのだろう。シェアは人々によって生み出される力だ。そんな状況、人がいないなどでなければ…。

その時、ある結論に達する。

 

(まさか…本当に人が存在しない…のか!?)

 

だが光樹はそんな事を信じたくはなかった。崩壊寸前と言っても、まだ建物は残っている。おそらく、近くに人がいないだけなのだろう。そう考えた。

一方、ネプギアの言葉を聞いたネプテューヌは。

 

「まさかー。某アワードのキャラクターランキングで某ノワールを軽々と超える順位のわたしに、その人気の証ともいえるシェアがないなんて…。」

 

半信半疑のネプテューヌはシェアを感じ取ろうと、目を閉じて静かに周りを探る。最初は自信満々だったその表情だったが、時間が経つにつれて焦りが出てくる。

そして終いには…。

 

「そんなまさか…。…んん!?ない!!!」

 

大声でそう叫ぶ。その事実が相当ショックだったのだろう。更に続けてネプテューヌが言う。

 

「ねぷぷぷぷぷ!?!?なんでー!?シェアっていったら、女神への信仰心だよ!それがゼロって、絶対ありえないよ!しかもこんな世紀末ヒャッハーな感じの場所で女神化できないなんて…。わたしたち、消毒されちゃうよー!!」

 

その言葉に光樹も納得する。そんな事、女神がいない、もしくは信仰する人がいないのどちらかだ。それに女神化出来ないとなると、戦力ダウンは間違いない。まあ、本当に消毒されるかどうかは分からないが、ここで生活を何とか出来るようにしなければ、死ぬことだってあり得る。

そんなこんなで慌てているネプテューヌに対し、ネプギアと光樹は冷静に対処する。

 

「お、落ち着いてお姉ちゃん!」

 

「そうだぞ、まだ人だっているかもしれないから、落ち着けって…。」

 

「ご、ごめん。二人とも…。」

 

ネプテューヌが落ち着いたところで、唐突にネプギアが話題を振ってきた。

 

「あと、今、戦ったモンスターだけど、お姉ちゃんと光樹さんは見たことある?」

 

「…あのグロテスクなの?ううん、初めてだよ?光樹は外の世界のゲームで見たことは?」

 

「他のゲームならともかく、ネプテューヌシリーズでは見たことないな…。ネプギアはどうだ?」

 

「ううん。私も初めて。」

 

「そうか…やっぱりここは別の世界なのか?」

 

ますますこの世界がゲイムギョウ界ではないことを感じさせた。だが、モンスターがいるのなら、ここはまだゲイムギョウ界であるというのも捨てきれない。とにかく、調べることが大切だ。

そんな中、ネプギアが不安の声を漏らす。

 

「見たことのない景色に見たことのないモンスター。私たち、本当にどこに来ちゃったんだろう…。無事に、帰れるのかな…。」

 

「ネプギア……。」

 

光樹がネプギアを気に掛けたところで、更にネプギアの口から、ある事実が告げられる。

 

「いーすんさんに連絡しようにもNギアはずっと圏外で電話もネットも繋がらないし…。」

 

「イストワールに繋がらないのは当然じゃ……って、え!?ネットにも繋がらないのか!?」

 

その事を聞き、驚く。ネプギアは答える。

 

「はい。何度か試しているんですけど…。」

 

「俺の方も試してみる。セット・オン!……ゼロ、ネット環境にアクセス。」

 

『了解、周囲のネット環境にアクセス開始。』

 

セット・オンをすると、すぐにゼロがネットに接続を行う。だが、それによる結果は…。

 

『接続不能、電波強度があまりにも小さすぎます。直接ネット環境に接続出来る端末に触れる必要があります。』

 

「マジですか…。」

 

「光樹さんの機体でも駄目みたいですね。」

 

「ネットに繋がらないなんてね……。っていうか、光樹はなんでわざわざ変身したの?体に負担かかるのに。」

 

ネプテューヌはそう聞いてくる。まあ今回変身したのは、理由がある。

理由は、この機体のモデルになったであろうブラックエースの登場する「流星のロックマン」の世界観を考慮しての事だ。その世界のロックマンと呼ばれる存在は、電波体という存在で、自由自在にネットの電脳などに入り込むことが出来るのだ。更にエースやゼロから、ネットワークにアクセス可能な高度なハッキング能力があることが教えられていたのだ。

 

「いや、こいつならアクセスできると思ったんだがな。だけどそうなら探索しかないな。」

 

「まかせといて!日々のデスクワークばかりのお仕事に比べたら、見知らぬ土地の探索くらいよゆーだよ!」

 

ネプテューヌは胸を張りながら答える。こういう時のネプテューヌは本当に頼もしい。ゲームをやってる時もすごいと思っていた。

だがそこに、ネプギアからキツイ言葉が…。

 

「それって単にお姉ちゃんがお仕事嫌いなだけじゃ…。」

 

「いいのいいの!どんな状況でも楽しんだもん勝ちだよ!」

 

「お姉ちゃん…。」

 

それでも、ネプテューヌは明るく答える。その様子にネプギアも元気づけられたようだ。

 

「楽しめるかは置いておいて、三人一緒なら大丈夫さ。」

 

「光樹さんも…。そうですよね…!」

 

そこでネプテューヌが二人に向かって言う。

 

「そうそう、ネプギアは笑顔の方がいいよー。光樹も頼もしいし。さっ、再出発だよ。」

 

「うん。」

 

「ああ。」

 

そう答えると、三人は再び崩壊した街を散策し始めた。

 

 

 

 

TO BE CONNTINUED

 




いかがだったでしょうか。
おそらく前回の話も読んでいる方から見れば、「あれ、光樹君変身しすぎじゃ?」と思うかもしれません。
この点は光樹君が使いこなせていないという点を強調するためです。

次のお話では、うずめもちゃんと登場させます。ただ、オリジナルのセリフは少ないと思われます。原作沿い中心ですいません。

では、次の投稿の来週火曜日まで、さようならです。

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