新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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皆様、お元気でしょうか?藤和木弘です。第1章突入!第13話であります。

今回から原作ストーリーに介入です。原作のセリフがやけに多い気がしますが、大丈夫、大丈夫。(ガクブル)

今回から想定オープニングも変更!曲は当初はstone coldでしたが、変更で情熱セツナになりました。理由はヒカルからのアイデアです。


それでは想定オープニングを聴いたのち、本編どうぞ!聴かなくても問題ないですが。


第1章 崩壊寸前の世界、零次元へ
第13話 謎の次元へ


 

 

「ふわぁー…」

 

少女は眠たそうな目を擦りながら、欠伸をする。少女は紫の髪をなびかせながら、ゆっくりと起き上がる。

その少女、ネプテューヌはいーすんから逃れるために外に出て、昼寝をしていたのだ。

 

「んー、やっぱり暖かい太陽の日差しの下でする昼寝は最高だね。…なんか物騒な夢を見た気がしないでもないけど。」

 

確かに暖かな日差しのおかげで快適な睡眠はとれたが、嫌な夢を見たような気がしたのだ。まるで世界が崩壊しようとしていて、誰かが助けを求めているような夢を。

だが、そんな事は気にせず、桜並木のある公園を出ようとした、その時。

 

ゴトッ!!

 

何かが落ちる音が聞こえた。

 

「ねぷっ!?いったい、何の音!?まるでゲーム機のような硬いものが、コンクリートの地面に落ちたような音だったけど…。」

 

何処からの音だろうか、と周りを見渡す。辺りにはネプテューヌがさっきまでいた公園と、街しか見えない。だが音のした方向は街の方だった。それも路地裏の方だ。

 

「ちょっと見てこようかな?」

 

そう呟きながら、ネプテューヌは路地裏の方へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなわけで、やってきました人気のない路地裏。でもここって、昼間でも日陰でちょっと不気味で苦手なんだよね。」

 

ネプテューヌはノリノリでそう言ったが、若干ビビっていた。雰囲気によるものだ。

比較的近代的なプラネテューヌにも、こういった場所はある。

実際、ネプテューヌは何度か別の路地裏に入ったことがある。どれも少し薄暗く、周りより2、3度低い気がするのだ。それに路地裏というと、何かアブナイ人が居そうなイメージがある。なので基本ネプテューヌは路地裏に来ることは無かった。

そんな事を考えていた、その時だった。

 

 

 

 

『――――誰か、助けてくれ…。』

 

 

 

 

不意にそんな言葉が聞こえてきた。

 

「ねぷっ!?」

 

いきなりそのような声が聞こえてきたので、慌てて辺りを見渡す。だが、周りには誰もいない。

 

「この声は何?誰かいるの?」

 

いきなりの助けを呼ぶ声に対して返答する。だが、誰も答えない。

そしてまた、その雑音が少し入った声が聞こえてくる。

 

『―――誰でもいい……俺を…零次元を…助けてくれ…』

 

また響いてきた声の方を向く。だが見えない。

なのでネプテューヌはその見えない声の主に話しかける。

 

「もしもーし。誰かいるのー?ねぇ、返事してってばー!」

 

だがその声の主は現れない。もしかしたら、ごみ箱の中にいるのかもしれないと思い、近くにあったごみ袋を入れるコンテナを開いてみるが、どこにもいなかった。ひょっとするとマンホールの中か、と思ったが、わざわざ助けを呼ぶのにそこまでするわけがないということでその考えはやめた。それに下水道なんかに入りたくなかった。

と、先程の声の近くまでやって来たが、やはりいない。

 

「…おかしいな。確かにこの辺りから聞こえたと思ったんだけど。」

 

その声の主は見つからない。あきらめかけたその時である。

道の脇に、何かを見つける。

 

「あれ?なんか落ちてる。これは………ゲーム機、だよね?」

 

それは真っ白のボディに渦巻きマークのゲーム機だった。コードなどの周辺機器は無かったが、確かにそれはゲーム機だった。それを拾う。

 

「でも何処のメーカーだろ?真っ白なボディに渦巻きマークのゲーム機…ゲーム機ソムリエのわたしでも見たことないよ。」

 

ネプテューヌはゲーム機の事なら古いものでも大体知っていた。自称ゲーム機ソムリエではあったが、そのゲーム機については全く知らなかった。

 

「この辺りには誰もいないみたいだし、もらっちゃ………じゃなくって、教会で預かるべきだよね!」

 

そう言うと、ネプテューヌはそのゲーム機を持って路地裏を出た。

先程の助けを求める声の事を忘れて。

 

 

 

 

 

 

 

 

同じころ、リーンボックスとプラネテューヌの間の上空を一機の機動兵器が飛んでいた。

その機動兵器、ブラッドゼロガンダムを纏いし少年、和藤光樹は現在、プラネテューヌへ戻る道中であった。リーンボックスでの性能調査が終わったのである。

 

「もうすぐプラネテューヌか。久しぶりだな。一週間ぶりか?」

 

ふとそんな事を口にする。久々に会うネプテューヌ達に少し緊張しているからだろうか。

だからといって、リーンボックスでの日々が悪かったわけではない。特に海優は街を案内してくれたり、プラネテューヌに自分がパープルプロテクターと共に戻った時にはプラネテューヌでショッピングをすることを約束した(なぜか、閃とミヤトがニヤニヤしていたが)。

他にも閃とミヤトと一緒にプラモデルを作ったり(ミヤトがルウィーのプラモデルコンテストの常連で優勝候補の一角であったことにはとてもびっくりした)、カテリーナとベールと共にお茶をしたりと、楽しい日々だった。

帰るときには、海優が最後の最後まで、自分の事を助けてくれたことへの感謝と先の約束について言っていた。

少し名残惜しかったが、いつまでもそんな事を気にしていても仕方がないし、プラネテューヌに戻ってくれば、また会えることから、すぐに気持ちを切り替え、プラネテューヌに向かって飛んだのだ。

 

「しかし、なんで閃とミヤトは最後まで苦笑いしていたかな?わけがわからない。」

 

そのことについて少しの間考え込んでいたが、プラネタワーが見えてくると、考えを「とあること」について考え始めた。

それは、ブラッドゼロガンダムの持つ、ZEROシステムの事だ。

少しだけ思い出した記憶の中では、あのシステムは自身のバックアップを行う、ACEシステム・ノルンの発展型と思っていた。

だがそれだけではないことが、リーンボックスの研究員の解析で分かった(まあ自分もその名前からある程度予測はしていたのだが)。それは情動欠落化であった。

情動とは感情のこと意味する。それを欠落化、つまり、なくすのだ。

戦闘に集中させるという点では確かに有効であったが、それは同時に危険であることを意味していた。感情を失ったところに、ZEROシステムの能力である倫理を無視した命令をを強制的に受け取れば、判断をする余裕もなく、その命令を実行することになる。そのようなことになれば、そのシステムを搭載する機体はただ破壊を繰り返す戦闘マシーンになる。

暴走したパープルプロテクターとの戦闘でもそれは発動していたらしいが、その時は強い意志、「海優を救いたい」という意志でその欠落化時の意識を保っていた(そのことを聞いた時、海優以外のS・P・Nのメンバーが笑っていたが)とZEROシステムが言った。

それを聞き、光樹はすぐにZEROシステムとそのことについて話しあった。すると、ZEROシステム…ゼロは、

 

『ACEシステム・ノルンからの情報で記憶喪失であることは知っています。なので情動欠落化は私の方であなたが制御できる程度にしています。ですが、あなたならZEROを使いこなすことが出来るはずなので、練習はしてください。』

 

と真面目に返されてしまった。なぜこの機体に搭載されている支援インターフェースはこうも自分に任せるのだろうかと思ってしまう。

 

(まあ、ちゃんと制御できるようにならなくちゃ、みんなに迷惑かけちゃうしな。頑張るか。)

 

そう思っている内に、プラネタワーのベランダに着地する。久しぶりに見る景色だ。もう少しだけその懐かしさに浸っていたかったが、ネプテューヌ達を待たせるわけにはいかないと思い、すぐに中に入っていく。

まずイストワールがいると思われる、イストワールの部屋に向かう。部屋の前に着くと、ドアをノックする。が、返事が無い。

 

「イストワール様、失礼します。」

 

そう言って入る。しかし、部屋には誰もいなかった。いつもこの時間帯ならここにいるとは聞いていたのだが。

だが心当たりがないわけではない。もしかすると、ネプテューヌに説教をしに行っているのかもしれない。

そう考えた光樹は、部屋を出て、ネプテューヌの部屋に行く。

 

 

 

 

ネプテューヌの部屋の前にたどり着くと、話し声が聞こえてきた。どうやら予想は当たったようだ。ドアをノックした後、部屋に入る。

 

「ただいま戻りました、イストワール様。ネプテューヌにネプギアも、ただいま。」

 

部屋に入ると、ネプギアがこちらに声をかけてきた。

 

「あっ、光樹さん。お帰りなさい。」

 

「ああ、今帰ったよ。で、これはまた、ネプテューヌが仕事をさぼって?」

 

そう聞くとネプテューヌが不満そうに答える。

 

「違うよ。ほら見てこれ。」

 

ネプテューヌが手に持っていた物を見せてくる。白い機械であった。よく見るとそれにはボタンのようなものが付いている。

 

「これは……ゲーム機…か?」

 

そのように見えた。コードを差すような部分もあったため、そうなのだろう。

 

「そうそう!なんか道端に落ちてたんだよ。わたしも知らないゲーム機だから、レアだよ、レア!」

 

「おいおい…大丈夫かよ…。」

 

「光樹さん、ネプテューヌさんに何とか言ってあげてください。先程まで仕事をさぼっていたんですよ。」

 

「あ、イストワール様。やっぱりそうだったんですね。」

 

急に話に入って来たイストワールにそう言葉を返す。やはりネプテューヌは仕事を放っぽりだしていたようだ。

イストワールを困らせるわけにもいかないので、ネプテューヌに仕事をするように進める。

 

「なあネプテューヌ、イストワール様を困らせたらダメだろ?そのゲーム機はとりあえず置いといて、仕事するぞ。」

 

だがネプテューヌ本人は…

 

「えー、今このゲーム機がすごく気になっているんだよ。今はいーすんが言ってた転換期だけどさ、その対策チーム作っているの、ノワールくらいだと思うよ。ブランは新人賞、ベールはネトゲのイベントが近いって言ってたし。」

 

そう言ったので、光樹はフォローに入る。

 

「いや、少なくともベールはそれに近いものをリーンボックス特命課ってところの主導で作っているらしいぞ。加えてベールはここの所、俺の機体とシェアプロテクターの解析とか調整の現場にいたからな。…まあそれ以外はネトゲやってたし、たまにネトゲに夢中になってて時間に遅れてたりしたけどな。」

 

「そうなんだ。それで、光樹のガンダムについて、何かわかったの?」

 

ネプテューヌは納得した後、こちらの件について聞いてきた。そのことを聞いて、ネプギアとイストワールも注目する。

当然だろうな、と思いながらもそのことについて話し始める。

 

「一応データは取れたよ。あの機体はブラックエースの後継機らしい。ただ、ブラックエースシリーズの後継機で、あれはブラックエースの後継機ってわけではないらしい。」

 

「それって、どういうことですか?」

 

「ネプギアの言いたいことは分かる。簡単に言うと俺の今使っているブラックエースⅣはブラッドゼロガンダムのデータを使って改修された機体なんだ。でも一応、ブラッドゼロはブラックエースⅣの後継機に当たるらしい。」

 

「そ、そうなんですか。」

 

ネプギアは頷く。だがそれだけでは満足しないだろうということで、光樹はポケットからメモリーチップを取り出し、ネプギアとイストワールに手渡す。

 

「光樹さん、これは一体?」

 

「もしや、その新しいガンダムの解析データですか?」

 

「そうです。一応ネプギアにも渡しておこうと思って2枚作ってもらいました。イストワール様の方は目を通してもらうためのものです。」

 

「分かりました。ではお預かりしますね。」

 

イストワールはメモリーチップを乗っていた本の間に挟む。

そして話はまた元に戻る。

 

「さて、光樹さんもきちんと仕事をこなしてきたのですから、ネプテューヌさんも、仕事をしてください。」

 

「うう、でも気になるんだよ。私の第六感が、このゲーム機を調べたいって。ネプギア、このゲーム機直せるかな?壊れてるっぽいんだよね。」

 

「直せるかどうかは見てみないと分からないかな。ちょっと調べさせてもらってもいいかな?」

 

だがそう返されて、イストワールはますます機嫌が悪くなる。

まずいと考えた光樹はネプテューヌのフォローに入る。

 

「自分も興味あるんで、こうしませんか、イストワール様。このゲーム機を調べ終わったら、ネプテューヌは強制的に働く。もちろん、自分も監視に付きます。これでどうでしょうか?」

 

そのことを聞き、イストワールは少しの間唸ったが、すぐに答えを出す。

 

「…分かりました。仕方ありません。今回も私が何とかするしかありませんね。ですが、光樹さんにも手伝ってもらいますよ?」

 

「わ、分かりました。」

 

そしてイストワールは部屋を出ていった。何とかなったが、自分にも飛び火してしまった。まあ自分もこの一週間の間、プラネテューヌの仕事を放りだしてリーンボックスに居たので当然かなと考える。

と、そんな事を考えているとネプテューヌがこちらに近づいてきた。

 

「いやー、ありがとね、光樹!いーすんを説得してくれて。」

 

「いや、まあ俺もそのゲーム機気になったしな。さっさと調べようぜ。」

 

「そうですね。光樹さんの機体のデータも調べたいですし、早く直しちゃいましょう!」

 

そして、ネプテューヌがゲーム機を机の上に置いた、その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『―――誰でもいい…オレたちを助けてくれ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

突然、機械音声の声が響いた。

 

「…あれ?お姉ちゃん、何か聞こえるよ?」

 

「ほんとだ!」

 

「ネプギアとネプテューヌもか。俺にも助けを呼ぶ声が聞こえたんだが…。」

 

ここにいる全員が先程の声を聞いたのだ。

だが、どこから?そんな考えがよぎる。

と、そこでネプギアがとある考えを出す。

 

「たぶん、このゲーム機からじゃないかな?」

 

「コイツから?でもゲーム機の電源なんか、入っていないけど…。」

 

そう言ったのち、ネプギアは調べようと手を触れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

その時。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――ポチ

 

 

 

 

 

 

 

 

ボタンを押すような音が聞こえた。

 

『あ』

 

 

…何か嫌な予感がする。そう考えたときには遅かった。そのゲーム機から渦が発生し、自分たちを飲み込もうとする。

 

「ちょっ!?なにこれ、いったい何事!?なんでわたしたち部屋の中で飲み込まれてるの!?」

 

「分からない。けどこれはヤバイ気がする!とにかく、抜け出さないと…。」

 

そうは言ったものの、それは難しそうだった。必死に近くにあったソファーにしがみつくが、徐々に引っ張られていく。

 

「ど、どうしよう、お姉ちゃん、光樹さん!?この渦から抜け出せないよ!?」

 

ネプテューヌとネプギアも、必死に渦に飲まれまいと踏ん張っていたが、渦の方に引き寄せられていく。

そして、二人の足が完全に床から離れ…

 

『吸い込まれるうううう!!あーーーれーーー!』

 

二人は完全に渦に飲みこまれてしまった。

光樹は飲み込まれないように、ブラッドゼロにセット・オンしようとした。

だがその時、あることが頭の中に浮かぶ。それはこの世界に来る前にあったオレンジ髪の女神の言葉であった。

 

(これから訪れる3つの次元を巡って、私を救って。)

 

なぜそんな事を今思い出したのだろうかと思ってしまう。だが、あることを考え付く。

 

(もしかして、この渦の先が3つの次元の内の一つ?そしてその先に、あのオレンジの髪の女神が…?)

 

そう考えた光樹は、決めた。

渦に飲みこまれたネプテューヌとネプギアを追うために、そして―――その先にいるかもしれないその女神を救うために。

 

「行くしかないか!!」

 

そう叫ぶと、光樹はソファーから手を放し、その渦へと飛び込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(うっ…無事に…渦を通れたのか?)

 

光樹はゆっくりと意識を覚醒させていく。どうやら少し気絶していたようだ。

その目をゆっくりと開けていく…が、その映った光景は、とんでもない光景であった。

 

「なん……だよ…この風景は…。」

 

崩壊した建物、草木一つ生えていない地面、そして割れた空。

その風景は、まさに崩壊した世界であった。

 

 

TO BE CONNTINUED

 




いかがだったでしょうか。
今回は零次元到着までですが、今度からは零次元の冒険を開始します。
先にネタバレ申し上げますと、次にうずめは登場しません!その次にうずめが登場いたしますので、お待ちください。

それから、もう一つ、お報せが。
以前、とある方から「コードギアスの要素が欲しい」という意見をいただきました。
当初は武器だけの登場予定だったのですが、物語のバランスを再考した結果、一体だけ出すことが決まりました!
登場する機体はランスロットを予定しています。ちなみにシナンジュ王のような機械そのものではなく、人が変身する予定です。
人物モデルは枢木スザクになると思われます。期待していてください!

では次の投稿は来週の火曜日です。
最後は想定エンディングのSouth Blowのウツセミを聴きながらお別れです。
また次回!

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