新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
ジャンヌ「思いっきり浮気だったんですがぁ……。……でも、そのヒロインがわたくしと似てて、やっぱりわたくしと似た人を好むんだと思い、少し恥ずかしい気分になりました、ジャンヌ・ドラニエスですっ♪」
ソニア「え、えと、なんて話せばいいんでしょうか……あ、私もそのゲーム見てたんですが……その……と、とあるシーンが恥ずかしすぎて、見れませんでした!ソニア・A・ワスプでしゅっ!」
ジャンヌ「うふふ。ソニアさん、思いっきり噛んじゃってますよ?」
ソニア「しゅ、しゅみませぇん……(かぁぁ)」
うん、やっぱりソニアはみかも枠かな?
光樹「とりあえずお前はデスピアズの如く数万年単位で封印されてくれ。どうも、皆様。ツッコミがいないとこの空気をどうにか出来ないため、やってきました、主人公の和藤光樹です」
そんなことしたら、分身作るよ?
光樹「それはどうでもいいから。とりあえず、この状況をどうにかしろ」
ソニア「は、はうぅぅ……」
ジャンヌ「あ、藤和木「さん」、ソニアさんがオーバーヒート中みたいです。どうしますか?」
とりあえず、冷却は裏方のやっちょちゃんに任せるとして……うん、やっぱりジャンヌさんが私にさん付けってなんか調子狂うなぁ
光樹「あ、ちなみに今回ジャンヌさんはストロベリーノーツ攻略の影響で、試験的に藤和木をさん付けしています」
ジャンヌ「そうですか?確かに以前のが慣れているというのはありますけど、わたくしとしては、さん付けの方が愛する人への好意を伝えられていると思いますよ、藤和木さんっ!」
光樹「んー、でも藤和木の言いたいことは分かるな。基本作者系列って呼び捨てってことが多いし」
この喋りは基本ゆっくり実況をベースにしてるから、呼び捨ての方が気楽なんだよね
ジャンヌ「んー、わたくしは別にさん付けでもいいのに……でも、藤和木さんがそう言うのなら次からは……あ、でも条件があります」
ん?条件?
ジャンヌ「藤和木さんも、わたくしの事を呼び捨てにしてほしいです。ジャンヌ、って!」
……ごめん、それは今は、ちょっと……
光樹「あ、顔赤くしてるな」
えぇい、そんなところまで見るな!!さて、今回は第137話の投稿です。
光樹「ソニアがまだ気絶してるな……仕方ない、俺が代わりをやるよ。今回はステマックス達が放った驚異の奇策が炸裂したところだな」
ジャンヌ「偶然ですが、奇しくもそれに関連した前書きを書いたところでこの話とは、運命のいたずらでしょうか?」
まぁ、たまに私現実で驚異的な引きすることあるけどね。ただ今回のは全くの偶然です。書くことがこれか胃腸風邪で学校の成績がやばいってことくらいだったからね。さて、光樹君達はいかにしてこの奇策を突破するのでしょうか?それでは本編へ!
光樹「あ、ソニアの復活頼みますジャンヌさん」
ジャンヌ「はい、お任せを」
唐突に見せられた、いかがわしい本の切れ端。それはアイエフ達を混乱させた。いや、させ過ぎたと言っても過言ではない。それどころか、怒りが出るものもいた。特に先程の鈴の声から分かる通り、いきなりそんなものを見せられては平常心を保つのも難しい。混乱の中でコンパが先程の鈴の言葉をまだ優しく解釈する。
「ほ、ホントです!は、ハレンチな本です!お、大人にならないと買えない本のページがいっぱいです!」
「ええー!?そんなものばらまくなんてー……」
コンパと絵里奈の話し方から分かる通り、かなりおっとりな性格の2人でもその事実に対しては困惑を感じていた。
当然、アイエフも確認していた。そして、羞恥で目を丸くしつつ、色々とこみ上げてきた怒りと疑問をステマックス達にぶつける。
「はあ!?あんたたち、なんてものばらまくのよ!てか、なんてもの持ち歩いてるのよ!」
アイエフのツッコミに、ステマックスが未だ女性との会話に緊張感を持った状態でその問いに答える。
「こ、これぞ五欲の術で御座る……!し、しし色欲に溺れるがいいで御座る」
こちらの羞恥を引き出し、動きを封じるという回答。その微妙な回答に、アイエフと鈴が直球でツッコミを入れる。
「五欲の術って……」
「ただエロ本ばら撒いただけじゃないの!け、けど、予想外すぎる手だわ。戦闘中だったら、十分やられていたわね……」
「鈴、そういうものなのか……?」
鈴の解答だけ、最後の方に戦闘中なら通用していたかもしれないという言葉が入る。確かにそうだったかもしれない。馬鹿らしいかもしれないが、戦闘とは予想外のことをされると大きく隙を見せてしまうものだ。流石にこんなおかしいことを代表的なものにするにはいかないが、自陣での重要人物の暗殺ともなれば、分かりやすいだろう。
しかしながら、続いた光樹の発言通り、それを今言うのかどうかは疑問である。そして、パープルハートもまた、それを切って捨てる。
「鈴の言うとおり。タイミングが悪かったわね。その術、見切ったわ」
意識を集中させるパープルハート。その口から、この卑怯な手に対する回答が語られる。
「精神を研ぎ澄ませて敵の忍者のみを視界に捉える。そうすれば、破廉恥な本のページは簡単に視界から消すことができるわ!」
意気込んでの発言はもっともらしい回答だ。ようやくすれば、破廉恥な本を気にしなければいいというものであった。人はただ一つのことに集中すれば他のことにはまったく目に入らない。それを利用した作戦である。
なんだ、ネプ子にしては真っ当な考え方じゃない。てっきり目を閉じて気だけで敵を感じ取って取り押さえるのかとも思ったけど、やっぱり女神の時にそれはないわよね。これならネプ子に任せてもいいわね。
しかし、そのアイエフの考えは少し優しく考えすぎていた。というのも、パープルハートが集中した矢先。
「……チラッ」
と、少しだけエロ本の方に目を向けたからだ。これには大丈夫と信じ込んでいたアイエフも素でツッコミを入れる。
「視界から消すほど集中してるんじゃないのかよ!」
「み、見てないわよ!こ、こんなハレンチなもの、好き好んで見るはず無いじゃない!」
人というものはそう簡単に一度目に入った気になる物に目を離すのは難しいということを知らされる。だが、それを受けて、鈴も対抗策を口にする。
「確かにパープルハートの行動は間違っていないわ。むしろ、戦闘においては、それほど重要なことはないんだから!」
「そうだな。俺達も集中しておけば、あいつらを捕らえることだって!」
光樹の意気込みが語られる。絵里奈もそれに応える。
「そうだね、私たちなら十分っ!」
しかし、鈴から自分達では戦力不足だと鈴の口から語られる。
「大丈夫よ。今のアンタは実力的に無理だから。代わりにあたしが!」
『……えぇ……』
2人とも落ち込みようが見て取れる。絵里奈はともかく、光樹まで言われるのは、アイエフも意外であった。
ふぅん、光樹を外すってことは案外光樹も年相応の男の子、ってことかしら。まぁ、さっきもそれなりに驚いていたから、記憶喪失の状態っていうのも鑑みれば、鈴からしてみれば不安なんでしょうね。
その点でキャリアがある鈴に対する期待がアイエフの中で高まる。しかし、鈴もまた、1人の少女であるのだ。
「………………チラッ」
「……」
「……」
光樹と絵里奈の呆然とたたずむ姿が目に映る。パープルハートやコンパも目を丸くしている。かくいうアイエフも反応に困る。すると、それを察したのか、全員の言葉を勇也が代弁する。
「……はぁ。結局お前も同じように欲には逆らえないんじゃないか……」
「ううう~~~!うるさいっ!!こんなの見たくて見てるんじゃないわよ!!……チラッ」
しかし、否定している間にも鈴はまたR-18系の方に目を向ける。同じようにパープルハートも見ていたので、2人に対し光樹とアイエフの声が重なって言葉での追撃を行う。
「人に言っておいてそういうのは……なぁ?」
「あんたもちゃっかり見てんじゃないわよ、ネプ子!」
言い出した者が真っ先に見ているようでは先程の説得力のある言葉も意味はない。すると今度はコンパが考えを出す。
「それなら、目を閉じれば解決です!」
自信満々に目を閉じるコンパ。確かに、その考えは正しい。視界の中に入ってしまうのなら、それを見ないようにすればいい。実にコンパの考えた案は即している。
ただ一つの問題を残しては、だが。その問題がすぐに露呈する。
「あ、あれ?真っ暗で回りが見えないです」
コンパは目を閉じたまま、手を振り回す。当然だ。普通の人間なら、目を閉じてしまえば、視界から光以外の一切の情報が手に入らないのだから。
ネプ子なら考えそうだと思ったんだけど……まさかコンパがその考えにたどり着くなんて。もう、恥ずかしいから早く止めて、コンパ!
心の中で早く終わってほしいという羞恥心とため息が出るほどの諦めの気持ちとが折衷する。だが、それはそう早くは終わらない。いつまでも見えない状態で右往左往に手を振ってアイエフ達を探す声を出す。
「ねぷねぷ。あいちゃん。光樹さん、鈴さんに勇也さんに絵里奈さん。どこにいるですかー」
「こ、コンパちゃん、どこに……」
どこへも知らずふらふらと歩いていくコンパの姿を見て、絵里奈もただ眺めているだけであった。誰かが助けるべきなのだろうが、それすらも今は起きる気がしなかった。
ただいかがわしい本のページが散乱しているだけでこの惨状。そんな様子を見て、アイエフは対応に頭を抱える。
「こっちはこっちで本末転倒だし、ふざけないでまじめにやりなさいよね!」
悲鳴にも似た響きを上げる。が、しかし。
「……ちらっ」
「あいちゃん……?」
アイエフも視界に入ったそれに目を向けてしまう。その様子に先程まで目が離せない様を指摘されていたパープルハートも怪訝そうに指摘しようとする。その一方でそれを見ていたステマックス達は気分よく自分達の策に機嫌をよくしていた。
「ふふふ……拙者の忍術は無敵で御座る」
「我ながら、完璧な策だな、ステマックス!この隙にゲーム機を取り返せれば……!」
まさにしてやったりの状況だった。このまま時間が長引けば、良くない方へ流れが変わってしまう状況だった。すると、そこで光樹が妙案を出した。
「……なぁ、アイエフ。俺今すごい簡単な対処方法を出したぞ」
「……なんですって?」
一瞬、耳を疑った。こんな状況を覆す、いい方法が思い付いたというのだから、注目せざるを得ない。全員の目が光樹に集まる。敵もそんな方法があるはずがないと強がりを見せる。
「この状況を脱する方法で御座るか?」
「そんな方法、あるわけが……」
だが、光樹の口から語られたのは、残念ながらここにいた誰もが考えていなかった、かつ最も合理的な方法であった。
「燃やせばいいんじゃないかな?」
『……あ』
たどり着いたその答えに、誰もが唖然とする。そう、光樹の言ったことは、燃やしてこの場から消してしまう、というものであった。よく考えれば、誰もがたどり着くであろうその答え。しかし、たどり着かなかったのには、自分で処理したくないという女神側の者達のいかがわしい本への嫌悪と、物理的に処理することを考えなかった双方の失点が影響していた。
とはいえ、それはすごく当り前な回答の1つだわ……。それ以外にも風で吹き飛ばすっていう方法もあるわけだから、そんな簡単な考えにたどり着かなかった私達自身の頭を疑っちゃうわよ。
しかしながら、強力な一手かつ確実な対処であることは間違いない。早速光樹が行動に移そうとする中で、ステマックス達が燃やすことに反発する。
「ま、待つで御座る!それじゃあもったいないで御座るよ!?」
「そうだぞ!それを燃やすということはつまり、人類の宝を燃やすということだぞ!?」
「いや、人類の宝をそれにするのはやめてほしいわ。あとあんた達人類の部類でいいの?」
あまりにアホらしい制止の言葉に鈴がツッコむ。その通り。勝手にいかがわしいものを人類という大きなくくりでの宝物にしてもらっては困るというものだ。
2人の制止も空しく、光樹が焼却態勢に入る。
「ノイズフォースビックバン!」
『了解。ノイズフォースビックバン「アトミックグランドフレア」』
腕部の駆動音が響くとゴッドクロスの右手に炎が集まる。炎はメラメラと揺れながら
燃え滾る。そして一点に集中したところで右手を地面に叩き付ける。すると、地面が爆発を起こす。その爆発は連鎖的に起こし、エロ本のある地面までたどり着いたところで、地上に爆発と共に火柱を生成する。勢いよく起きた爆発でエロ本の切れ端は火柱に飲み込まれ、焼却されていく。
「すごい炎……!」
「さっすが光樹君っ!」
パープルハートと絵里奈、2人の声が響く。火柱はしばらく伸びた後、勢いを弱めて地面に消えていく。その後には爆発で空いた穴以外に何も残らず、本の切れ端を1つ残らず燃やし尽くしたことを確認させた。
「全部燃えたみたいね」
「これで邪魔するものはなくなったわね」
鈴とアイエフは満足げに微笑みを見せる。今まで視界を防ぐものが消えたことでこれまで手間を取らせたことへの腹いせが頭の中の考えとしてあったため、その企みが表情として出ていたのだ。
「く……燃やすとは外道な!」
「あぁ……拙者らのコレクションが……」
それらいやらしい術を展開した敵側も、各々燃やされたことへの怒りや悲しみを露わにしている。だが、策を破った以上、敵もそうそう攻めようとはしないだろう。今度はこちらのターン、というわけである。
すると、パープルハートが行動を起こす。それも、相手にとって、相当困りそうな策で。というのも、悲しむステマックスにパープルハートがいきなり急接近する。
「なっ!?」
「なんだ?」
パープルハートに近づかれたステマックスがびっくりして思わず声を上げる。そんな様子を見て、ローゼンも虚を突かれたような声を出す。
当然、アイエフ達は何なのかは分かっていない。だが、どうしてパープルハートがその行動を起こしたのかをすぐに知ることとなる。急接近したパープルハートが声に楽しみを込めたような話し方でステマックスに問いかける。
「さて、ここからはわたし達の番……そういえば、あなた。女性が苦手みたいなことを言っていたけど、触られるのはどうなのかしら?」
「ちょっ、ひゃばっふは!?」
急接近したパープルハートからの問いに、ステマックスは焦りを露わにする。危機感、と言ってもいいだろう。段々と縮む距離に、徐々に顔が赤く染まっていく。一方で、こちら側の男性陣がその様子から顔を背けていた。
パープルハートがとった行動、それはお色気であった。戦闘前にステマックスが女性と話すのが苦手と言っていた。それを逆手にとって、逆に接近してしまえばステマックスもおいそれと行動しづらくなるのではというのがパープルハートの考えであり、その行動であったのだろう。
アイエフも近づくのは危険だと判断していたのだが、その様子を見て、何か行けるという確信を抱いていた。むしろ逆に、相手にとっては拷問のような気がしていいのではと思ったのだ。
一方で変態ロボットを相手に色気で対抗するパープルハートは、顔を赤く染めるステマックスを見て更にその勢いをエスカレートさせていく。
「ふふっ。ロボットなのに、真っ赤になっちゃって可愛い。やっぱり、慣れてないのね」
「ひょ、ひょんはこちょは!?」
なんとかパープルハートの言葉に反論しようとするステマックスだが、それでも上手く言葉には出来ていなかった。そんな様子を見て、更にパープルハートは機嫌を良くしたように遂に行動にする。
「……じゃあ、こんな風に体を密着させたら、どうなるのかしら……?」
ステマックスの鋼鉄の体に、パープルハートの腕が押し当てられる。その様子は女神側にも反響を呼ぶ。
「……っ!」
「はわわー、パープルハート様、大胆~……!」
「こ、これが本当の……お色気の術、というやつか……」
「よくあそこまでやるわよ……。は、恥ずかしくって、出来やしないっ」
刺激が強すぎたのか、ガンダムの装着者達は誰もが顔を赤面させる。男性陣は視線を外しながらも少しちらっと向け、女性陣もその行動に赤面をしていた。
ちょっとネプ子大胆過ぎない?って思うけど、さっきの術まがいの策で色々と悶々としてたから、今度は逆にこっちがその手で、ってことみたいね。けどわ、私もこれを見るのはなんだか恥ずかしいし……。
だが、その攻撃はステマックスに大きく効いていた。ステマックスはその手を振りほどこうとする。
「ひゃはうぉえ!?」
しかし、その言葉にならない叫び声は届かず、余計にステマックスに分が悪い状況となる。
「離れちゃだーめ。あなたにはいっぱい聞きたいことがあるんだから、ね?」
「○×□※△○×□※○×!?!?!」
更に強くなった腕の拘束と共に胸までもがその体に押し付けられると、唐突ステマックスの叫びはもはや文字としても成立しないものへと変わってしまう。それと同時に、ステマックスのカメラアイから光が消え、地面へと膝を着く。パープルハートが腕を持っていたため、何とか地面に顔が叩き付けられることにはならなかった。しかし、羞恥のあまり倒れたことに対し、だらしないということパープルハートは口にする。
「あら、倒れちゃったわ」
「ネプ子、あんたやり過ぎよ」
「そうね……あれはやり過ぎだわ……」
「他者の欠点をあそこまで酷く攻めるとは……貴様、それでも女神かっ!!」
ネプテューヌサイドからだけではなく、残った敵であり、その様子に引いていたローゼンも文句を言う。敵が文句を言うという時点で、パープルハートの取った行動がどれだけ強烈だったかが分かる。
そんな言葉攻めを受け、パープルハートも少し反省をする。
「ごめんなさい、あいちゃん、鈴。だって、初すぎて、どんな反応するか徐々に楽しくなってきちゃって、つい。確かにこれは正々堂々とはしていないかもね。けど、これで人数は減ったから、対処が楽なものよ」
謝罪が終わると、パープルハートは光に包まれ、元のネプテューヌの姿に戻る。元の姿に戻ったネプテューヌが地面に着地する。
「よっと」
満足そうな顔から、ネプテューヌも十分先程の仕返しが出来たようだ。アイエフも先程の仕返しをしてもらって少し気分がいい。後はこの2人を拘束してプラネテューヌに帰還するだけだった。
「まぁ、いいわ。いかがわしい紙も光樹が燃やしてくれたことだし、こいつらをつれてさっさと……」
だが、その時である。地面が轟音と共に揺れる。
◆
その振動は天井の照明をも揺れるほどであった。全員、何があったのかと辺りを見回す。
「な、なに!?この音は!?」
「この揺れ……また自爆か!?」
ネプテューヌと光樹の言葉が飛ぶ。また彼らの起こした物かと疑うが、それを否定するかのように、ローゼン、そして意識を取り戻したステマックスが正確な情報を伝える。
「いや、これは自爆の爆発ではない。もっと別の物だ」
「方向から察するに、おそらくプラネテューヌで御座るな」
「復活はやっ!?」
ステマックスの復活の速さにはアイエフも驚いた。しかし、それにお構いなしと言わんばかりに、その忍者は肌で感じ取った不穏さを語る。
「それに、なんで御座ろうか。この感じ……嫌な予感がするで御座る」
嫌な感じ、という言葉を聞いて、絵里奈達の頭に不安がよぎる。まさか、追っていた者達からそう言われるとは……。アイエフが警戒しつつもどういうことか話しかける。
「嫌な感じ?てか、あんた普通に会話できるじゃない」
「そんなことより、今は一刻も早くプラネテューヌに戻ったほうがいいで御座る」
「あんた達、そうやって逃げるつもりでしょ。その手には引っかからないわよ」
自分達がそっちの対処に追われているうちに逃げおおせるのではというアイエフの疑念が忍者達に向けられる。そうなるのはある意味当然であった。まさに捕まろうとしていた絶体絶命とも言える危機の中起きた騒動に乗じて逃げるのは戦略としてはありだ。簡単に言えば、危機的状況から隙を作って逃げるようなものだ。この場合、自然と利用できる状況が起きたので、早く行くことを誘っている形となっている。
アイエフの危惧も分かる。しかし、それでも自分達は早く戻った方がいいのではと思う。もし本当にプラネテューヌで大変なことが起きているのなら、早く解決しなければならないのだから。例え、ここで彼らを取り逃してでも、だ。
しかし、そこで予想外のことが起きる。先程のアイエフの考えを、ステマックスらが一蹴したのだ。
「こんなときに何を言ってるで御座るか!」
「そうだとも。罪のない者ども危機に瀕している。そんな中でまだお前は争うことや出し抜くことしか考えていないのか!!そこのガンダム達よ、それこそが軍人ではないのか!!
」
「あ、あんた達……」
アイエフも流石にそれらの言葉に押される。彼らの純粋な思いから出た言葉が、逆に青エフに墓穴を掘らせたのだ。そして、それは絵里奈達ガンダムマスター達の心も揺さぶった。
「鈴、俺もあいつらの意見には賛成だ。こんなところで、争ってる場合じゃない。こんな時だからこそ、協力する必要があると思う。
「……そうね。こんな時に争っているのは、軍人としては間違っているわね」
「ってことは、決まりだな」
絵里奈を除いた3人のガンダムマスター達は交互に頷き合う。絵里奈も彼らの言葉を代弁するかのように、先程の言葉を述べた、先程まで敵だった者達に要請する。
「お願い、2人とも。私達に、力を貸してくれる?」
その願いに、2人は揃って答えを返す。
「もちろんだ。騎士ローゼン、力となろう!」
「拙者も同じで御座る。忍者ステマックス、忍として手を貸すで御座る!」
2人の言葉を受け、絵里奈も強く感じた。彼らも自分達と同じように、人々を守る心を持っていると。敵対関係から共闘関係となったのを受け、先程返しに困っていたアイエフも息を吐いてからその状況を苦しくも受け止める。
「口調も性格もさっきとは別人ね……。どうしたのかしら」
すると、アイエフの疑問に対して、ネプテューヌがこの状況に合致すると感じた言葉を出した。
「わかったよあいちゃん!賢者タイムだよ。賢者タイム!」
「け、賢者タイム?」
「ど、どういうことー、ネプテューヌちゃん?」
アイエフが困惑するのなら当然、絵里奈もそれ以上に困惑していた。それどころか鈴もまたどういうことかが気になってネプテューヌの方に顔を近づけているほどだ。それに対して、光樹と勇也はその意味をある程度把握しているのか、苦笑いしてそれを静観している。そして、ネプテューヌの口から、それがどういうことなのかが説明される。
「きっと、わたしのせくしー悩殺攻撃で思考回路がショートしたおかげで煩悩が消えて、悟りを開いたんだよ!そんでもって騎士の方も、通信回線とかでその影響を受けたんだよっ!」
「まさかそんなわけ……」
「えぇ、ありえない……」
アイエフと鈴がそれはないと否定しようとするも、それを遮って2機のロボット達はこちらに急ぐよう伝える。
「5人共、無駄話をしている暇はないで御座る!急ぐで御座る!」
「話から外れている2人も、準備は出来ているな?すぐにここを出るぞ!」
「そうね。とりあえず、今は頼らせてもらうわ」
「えぇ、全員、準備良いわね?」
2機の急かしを受け、今は詮索している場合ではないと判断した2人はその考えを後にして共に行くことを承諾する。
うん、何だかいい感じだねー。後はすぐにプラネテューヌに着く方法があればいいけどー、案としては私達ガンダム4人にみんな捕まってトランザムで急行するって方法くらいじゃないかな。でもそれだと粒子を消費し過ぎちゃうからあんまり良くないんだけどー……。
すると、そんな絵里奈の不安を払拭するようにステマックスが音声を発する。
「では、8人共、拙者のどこかに捕まるで御座る。忍術でプラネテューヌに送り届けるで御座る」
忍術で送り届けるという発想は自分達にはあまりなじみがなかった。もしそんな方法があるのなら、平和になってから教わりたいぐらいである。
とはいえ、今はまだ忙しい時。すぐに7人はステマックスの体に触れていく。
「よっと」
「じゃあ俺はここに捕まるかな」
「私はここを持っておくぞ、ステマックス」
「掴まれそうな場所……ここか」
「悪いわね、忍者ステマックス」
「じゃあ、私はここー。失礼しまーす」
順調に絵里奈を含めた6人が次々とステマックスの体の部分を掴んでいく。意外にも掴まれそうな場所は少ないため、ガンダムの接触アシスト機能でしっかりと接触を強化する。
6人まで掴まったところでアイエフが掴み、残っていたコンパに声をかける。
「こうかしら。コンパ、後はあなただけよ。急いで」
これで行ける、そう思った絵里奈達。しかし、その当の本人のコンパはというと……
「あいちゃんー。どこですかー。真っ暗で見えないですー」
未だに1人暗闇の中を彷徨っていた。とっくにもう終わっているものだと思っていた面々も苦笑いを浮かべる。
「……あんた、まだ目をつぶってたのね」
アイエフの呆れた声が聞こえる。その気持ちは絵里奈にもよく分かった。自分でもこういう時は真剣に取り組むというのに、コンパは逆にすごいと思ってしまった。仕方がないので、絵里奈がコンパを連れてくることを言う。
「しょうがないなぁ。私が行くよ。アイエフちゃんはそのままね」
「あなたが行くのもそれはそれで心配だけど……でも任せるわ」
アイエフからコンパの連れ戻しを頼まれた絵里奈はすぐにコンパの下に向かう。手を取って、行き先を伝える。
「コンパちゃん、私が連れて行ってあげるー」
「ほんとですか!ありがとうですー」
「うん、だから目、開けよっか?」
苦笑を浮かべつつも、絵里奈は目を開けたコンパに事情を省いてとにかく捕まることを伝え、ステマックスと共に全員でプラネテューヌに向かうのであった。
TO BE CONTINUED
今回もお読みいただきありがとうございます。さて、光樹君が禁忌(?)の方法でいかがわしい本を突破してしまいました(笑)
ジャンヌ「確かに割と考えられる方法ですけど、思い切りましたよね、光樹さん」
ソニア「本当ですよね。それにビームで焼くのかと思ったら、NFBで焼いてましたし」
まぁ、そこは確実なものを選んだということで。あ、ちなみにパープルハートの色気シーンなんですが、原作の流れに加えて、鈴がローゼンを誘惑するシーンを考えていましたが、尺の都合でなくなりました。
ソニア「り、鈴さんのお色気シーン!?ですかぁ!?」
ジャンヌ「……へぇ、そんなことを考えていたんですかぁ?(まさか、藤和木は鈴さんが好みっ!?)」
でも、話の尺の都合と加えて、鈴の性格から光樹達の前でそんなことはしないだろうと結論を持ってなくなりました。ちなみに鈴は胸は普通くらいはあります。絵里奈はそれの2割減くらいかな?
ジャンヌ「唐突にそういう個人情報を入れ込むんですね……。後でお二方に怒られませんか?」
いや、2人にあらかじめ聞いたら、ろくにそのデータを紹介文の方にも乗っけていないから、今更ながら上げておいてって言われましたので、ここで言っておきました。のちのちまとめるかもしれないけど。
ソニア「あー、情報をまとめておかないと、色々と後で問題起きますよねぇ。あ、でも私達のとかはなしですよ!」
うん、それは分かってる。公式で発表した時にこんがらがるからね。さて、今回はここまでということで。
ジャンヌ「ステマックスの協力で戻る光樹さん達に待ち受けるものとは……!次回の投稿は木曜日になります」
ソニア「それでは皆様、また次回も是非見に来てくださいっ!」