新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも、皆様、お元気でしょうか。今日はバトスピショップバトルに行ってきてからの投稿になります、藤和木弘です。

ジャンヌ「でも、書き始めは確かに帰ってきてからなんですけれど、今のこの時点で1時間程度掛かっているという……でも、今日はいい感じでした!どうも、皆様。シエラと共有で紫速攻デッキを使用することになりました、ジャンヌ・ドラニエスです」

シエラ「白ジークは藤和木のデッキだし、赤白リボルは光樹さんのデッキになりそうだからっていうから、分かるのは分かるんだけど、何だかって感じね。けど、バトスピのルールをまだよく把握してないこっちとしては、ジャンヌさんがセコンドに入ってくれるのはありがたいわね。どうも、皆様。赤緑忍風も買ってもらいたかったけど、藤和木が買わなかったわ、シエラ・ムルセーヌよ」

いや、まぁ、買えばレイとソニアの共有デッキになってたけどさ。でも双黒の方を2個買わないとジークネクロが揃わないからさ。いや、赤緑が私のバトスピ復帰後の明確な主要デッキだったこと考えても欲しかったけども買うのはもう少し待ってくれ!実際に一部カードを使われて強いのは認識出来たから!あとソニア思いだね。

シエラ「べ、別にわたくしはソニアだけのけものっていうのが気に入らないからで、それ以上の事は思ってないし!」

ジャンヌ「な、何だか少し恥ずかしい気を感じます……。けど、レイさんは使用デッキは爪鳥では?」

あぁ、パワー不足すぎるんで、最近調整しなおした星竜煌臨に変更しました。

ジャンヌ「え、あの紫ジークフリードのあまり分を入れた?」

ぶっちゃけ言って、あれなかなか強いよ。召喚時封じるし、けどそれでもハイパーゼットンとかも遠慮なく入れてるしで、対戦相手を困惑出来たよ。勝敗もいいところだし。ただもう少し数を重ねたいところ。

シエラ「ふぅん、けど紫速攻も調整しておいてよね。今回1回戦落ちなんだし」

それは申し訳ないと思ってます。けど私自体、速攻構築苦手なのと紫を構築したのが少ないのもあるから、もう少しいろんな人の構築見ます。あ、最近は特撮系ゲームの実況見ながら小説打っているので書くペースが落ちてます。

ジャンヌ「唐突にそういうのを入れるんですね……。でもそれ以外にも学校の課題で買えるのが遅くてその疲れで書けていないっていうのもありますよね」

それなんだよねぇ。まぁまだ投稿ペースを変えるほど切羽詰まっていないので、少し集中して書いていきたいところです。さて、今回は第135話の投稿です。

ジャンヌ「今回は前回のパープルハート様達の視点から、光樹さん達の視点での戦闘になりますね。しかも、本格的に戦闘シーンになりそうです!」

シエラ「オールレンジ、っていうのは、どんな距離からでも攻撃可能ってこと?」

まぁ、正解。ただ、SFでのオールレンジっていうのは、宇宙空間の前後左右上下などのさまざまな角度からの攻撃を意味することが多いんだけどね。もちろんこの話ではそちらになります。さて、光樹君と絵里奈の前に立ちはだかる屈強なる騎士、ローゼンのオールレンジ攻撃を捌けるか?それでは本編へ


第135話 交差する閃光、オールレンジVSオールレンジ

 

 

 地上での戦闘が始まったと同時に、絵里奈達もまた目の前の敵、騎士ローゼンとの戦闘に突入していた。空中へと飛び上がると同時に、ローゼンの周りに先程戦ったギラ・ズールと同型の機動兵器が2機直援として入る。しかし、お互いそれには目もくれず、すぐさま両者共に射撃による弾幕戦を展開する。

 

「ANロング・メガ・マグナム!!」

 

「ANHXキャノンバスター!!」

 

「三連装ビーム砲!!」

 

 光樹と絵里奈、それにローゼンの武装を叫ぶ声が響き、ビームの矢がそれぞれに向けて放たれていく。光樹は空中で小刻みに動いてローゼンの直線的なビームとギラ・ズールが放つビームマシンガンの連弾を避けていく。

 一方、絵里奈の方にはあまりビーム弾が飛んできていなかった。攻撃の大抵はギラ・ズールからのビームマシンガンで、絵里奈は客席を低空滑空しながら、攻撃を避けていく。その分絵里奈は光樹への負担を減らすべくキャノンバスターで的確にローゼンの手を撃っていく。

 ローゼンの腕はクローとビーム砲が合わさったウエポンアームズだ。当然ローゼンも腕部の喪失を防ぐべく絵里奈からの砲撃にも注意する。互いに攻撃を加えつつも回避していくその様子はさながら乱戦の様相を呈していた。

 順調に攻撃を避けていきながらも突破口を見つけようとしていく絵里奈達。だが戦闘は弾幕戦に固定されたまま動きを見せなかった。互いに慎重に事を運んでいたのだ。戦闘が硬直するのはあまり良いことではない。いつまでも弾幕を張るだけでは時間をむやみに消耗するだけだからだ。そこで絵里奈が動く。

 横への回避運動を行ったのち、息を吸って一瞬集中する。精密な射撃攻撃の前兆であった。一気に集中した絵里奈は、素早くR-ZXのANHXキャノンバスターを構える。構えるとほぼ同時にトリガーを引き、撃つ。

 放たれた弾は真っすぐと相手の方へ飛んでいく。そして、敵に直撃する。直撃したのは騎士ローゼン……ではなく、直援に付いていたギラ・ズールのうち1体の右腕だ。それも肩と機体をつなぐ接続部を撃ち抜き、体から分離させた。分断された右腕はスパークののち大きな爆発を起こす。

 

「馬鹿な、あの弾幕の中で!?」

 

 絵里奈の正確無比な狙撃を見て驚きを見せる騎士ローゼン。当然、ローゼンも絵里奈の狙撃は話に聞いていた。だが、実際に目の当たりにしたことでその恐ろしさを改めて認識したのだ。

 それに敵が気を取られたことで、弾幕が緩む。その瞬間を逃さず、絵里奈は光樹に突撃を指示する。

 

「今だよー、光樹君ー!」

 

「あ、あぁ。……行くぞ!!」

 

 突然できた隙に戸惑いつつも、光樹も反射的に敵に突っ込んでいく。それに気づいた騎士ローゼン達もダメージを受けたギラ・ズールを庇いつつも弾幕を再形成する。だが敵のビームマシンガンを1丁潰したことで弾幕はやや薄くなり、光樹も先程よりもスラスラと弾幕を突破していく。

 突破していくと同時に光樹は再びロング・メガ・マグナムを放つ。放たれた高圧縮粒子ビームは一直線に敵の弾幕の間をすり抜け、騎士ローゼンに伸びる。だが、敵もその攻撃には対応する。

 ローゼンがシールドを構える。するとビームが直撃する瞬間、拡散し、後方へと霧散していく。それを見て、光樹がその正体の名前を予想する。

 

「Iフィールドか?」

 

 原典機であるローゼン・ズールにもシールドの機能として持っていた防御兵装だ。世界観と技術は違えども、同じビームという分類上弾くことが出来たようだ。

 とはいえそれはあくまでガンダムシリーズを含めた話。本当にそうだからなのかは分からないにしても、ビーム兵器は使いづらいだろう。そこで光樹は攻め方を変えた。

 

「ならこっちは……ANシェイブシフトドラグーン!!」

 

シュバルトゼロガンダム・ゴッドクロスのウイングからドラグーンユニットが分離する。分離したユニットは形状を刃先のとがったナイフ型に姿を変え、敵に肉薄していく。

迫ってくる敵の攻撃を見て、ローゼンらも迎撃する。

 

「遠隔操作端末か……!2機とも、迎撃ッ」

 

 ローゼンの号令と共に敵はそれぞれ離れて攻撃に対抗する。右腕を失ったギラ・ズールも残った左手に構えたビームトマホークを構えて突撃と砲撃を行うシェイブシフトドラグーンの攻撃に対抗する。

順調に攻撃を捌いていくローゼン・ズール達。しかし、攻撃は飛び回る遠隔操作端末の突撃だけではなかった。

 

「そこっ!」

 

「私を忘れてもらっちゃ困るよー!」

 

 光樹と絵里奈は両手に持った射撃兵装を次々とターゲットを変えつつ撃っていく。ドラグーンの隙間を狙って撃ち、敵の逃げ道を塞いでいく。更に激しさを増していく弾幕は敵に徐々に掠り始めていき、遂に敵の肩部後方に着弾し装甲を削る。

 

「ちぃ、餓鬼風情が……!」

 

 舌打ちをするローゼンだったが、回避で動きが乱れた隙を絵里奈は見逃さなかった。

 

「!今っ!!」

 

 またANHXキャノンバスターを向ける。今度は2門同時に放つ。狙いすまして放たれた弾丸は寸分の狂いなくドラグーンの本体と弾幕とを潜り抜け、ローゼンの脚部装甲に被弾する。

 惜しい!私は心の中でそう舌打ちをする。本当なら脚部装甲の隙間を狙ったんだけど、敵もそれを分かって関節部よりも装甲の厚い部分で防御していた。やっぱり、ここで相手をするだけあって手ごわい……!

 しかも、その攻撃はローゼンの怒りを買うことになった。

 

「よくも私の装甲に傷を……!もはや手加減は無用ッ!!――――行け、インコム!!」

 

 インコムと呼ばれた、腕部のウエポンアームズが手首の袖ガラのパーツから分離し、空中に浮遊していく。ユニットと本体は3本のアンカーで接続されていた。それらユニットはパーツを中継地点のように空中に静止させつつ、こちらに伸びてくる。そしてこちらに向けてビームを放つ。

 

「やっぱりか!」

 

「うん。でも、まだ余裕っ!」

 

 予想していたことを口にしつつ、絵里奈達は機体のスラスターを吹かせてその攻撃を回避していく。そう、これもまたモデル元と思われる機体に装備されていた兵装だ。インコムという名前を聞いて、絵里奈も察しがついたのだ。

 だが、そこからは予想外であった。攻撃を行ってきたインコムユニットはその後もこちらを捕らえて離さないかのようにすさまじい勢いでこちらに追従し、追撃を加えてきていた。

 

「って、これ、結構早いよ!?えいっ!!」

 

「確かに……避けるのも精一杯だ。っと!」

 

 何とか撃ち落とそうとビームを放つ絵里奈と光樹。だがそれらの弾丸も空中に向かって放たれ、インコムには当たらない。予想以上にインコムの展開速度が速かった。

 ANシェイブシフトドラグーンによる攻撃を受けているにも関わらずこれほどの攻撃を正確にかつ精密に行ってくるあたり、敵もかなりの実力者であるのは確かであった。2人とも敵への攻撃が減り、弾幕戦はほぼ互角に戻っていた。

 その状況で更に絵里奈のR-ZXに対し攻撃が飛んでくる。先が膨らんだ鉄の棒が煙を吐いて飛んでくる。空中でインコムの攻撃を避けたのち、絵里奈はそれを迎撃する。だが、ANHXキャノンバスターの攻撃を受けると、それは大爆発を起こしてR-ZXの装甲と絵里奈の体にダメージと衝撃を与える。

 

「くぅぅ……これってシュツルム……?」

 

 絵里奈はその武装の名前を口にする。シュツルム・ファウスト、使い捨て・携行式の実体弾頭だ。バズーカと違って携行しやすい分、弾頭は大抵1発限りの兵装だ。

 最初に見たとき、シールドに先程の弾頭に似た形の物を絵里奈は見ていた。それを敵は使ったのだ。

 一方の光樹はうって代わって大出力のビームにさらされていた。見るとローゼンがシールドを構え、そこに内蔵された砲口からビームを同時に3本放っていた。単発式のビームを連続で放ち、光樹に襲い掛かる。それを光樹はゴッドクロスの機動力を最大限使って回避していた。

 攻撃こそ直撃していないものの、徐々に押されつつある絵里奈・光樹ペアは一度距離を取る。展開されていたANシェイブシフトドラグーンもエネルギー切れが近くなっていたため次々とゴッドクロスの背部に戻っていく。敵ににらみを利かせつつ、2人はどう攻略するか相談する。

 

「ねぇ、どうするのアイツ。結構強いよ?」

 

「そうだな。今までの相手は機体の性能でゴリ押せるところもあったけど、こいつには通じない……」

 

 光樹の言葉はまさしく的を射ていた。最近は光樹も武装化モンスター相手にそれほど苦戦することはなくなっていた。

だが、それはモンスターを相手にした時であり、絵里奈や鈴達とのトレーニングではまだ3人同時に相手できるほどの実力は取り戻せていなかった。それどころか、1対1の時でも危機に陥る場面もあった。

そう、この相手にはただ機体性能で圧倒するにしても機体を上手く使いこなさなければ難しい。その一方で絵里奈の機体では十分な威力を発揮するのには隙が必要だった。今のこの状況は機体性能が上な光樹のガンダム「ゴッドクロス」に、光樹に頼るほかない。それを光樹も自覚していることを伝えてくる。

 

「俺も今持てる力を持ってあいつを倒す。だから絵里奈、直援の相手は……」

 

「うん。私に任せて。分断してくれれば、後は私が何とかするよー」

 

 光樹の頼みに絵里奈はいつも通りの気の抜けそうながらもしっかりとした口調で応える。

 作戦を決めたところで、2人は再び騎士と近衛兵の包囲網に挑む。

 

「さぁ、もう一度、いっくよー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「無駄なことを……何度やっても同じことだ!行け、インコムッ!!」

 

 ローゼンの返答と共に再びインコムがこちらに向かって伸びてくる。スラスターの付いたリング状の中継ユニットがいくつも展開されていく。

それらが完全に展開されれば、またこちらが圧倒されてしまう。だが意識したからと言ってANシェイブシフトドラグーンの操作が良くなるわけでもない。だからこそ、光樹は機体の性能を限界まで発揮させる。腰だめに手を構えて、ドライブモードの発動を宣言する。

 

「ドライブモード、イグニッション」

 

『allright.ドライブモード始動。ANシェイブシフトドラグーン「ゴースト」限界稼働』

 

 システムの起動がゼロに読み上げられると、再びドラグーンが展開されていく。再展開されたドラグーンにはラインが浮かび上がっていた。ANシェイブシフトドラグーンはドライブモードの影響下に入る武装のため、その起動に乗じて見た目にも変化が見られていたのだ。

 ドライブモードの力に影響されたドラグーンは先程よりも速いスピードでローゼン達に向かって展開する。その展開スピードはローゼンのインコムに劣らない。敵を砲塔の射程範囲内に捉えたところで、一斉射撃を命じた。

 

「全一斉射っ!」

 

 次々と放たれるビームの雨。それらは丁度ローゼンとギラ・ズール2機の間を離すように流れる。ギラ・ズール達はその攻撃に対し大きく外側に移動することで回避、その一方でローゼン・ズールは避けることはしなかった。そもそも避ける必要がなかったのだ。

 それはもちろん先程絵里奈が言っていた言葉に一因する。分断すればあとは絵里奈が直援を撃破してくれる。しかし、絵里奈単独では敵を分断するには厳しいのが現実。なら光樹がその状況を作るしかない。

 だからこその、先程の一斉射である。光樹の考え通り、甘い射撃に対してもギラ・ズール達をローゼンから離すことが出来た。ギラ・ズール達は再び陣形を戻そうとするも、それを阻む形で絵里奈が片腕を失っていないギラ・ズールを強襲する。

 

「残念だけど、君はここで足止めー!」

 

 右手に装備したANZXアームズのZXセイバーモードが勢いよく振り下ろされる。その攻撃は機体右側に装備されたシールドに咄嗟に阻まれる。が、それも織り込み済みのように受け止めた敵の側面にブースターで加速した左足の蹴りを叩き込む。

 敵が1体減ればまだ突撃はやりやすい。そのことも考えて、絵里奈は射撃攻撃の行えるギラ・ズールの方を強襲したのだ。そして、光樹は再び騎士ローゼンと、右手を失ったギラ・ズールと激突する。

 ドラグーンからビームを放ちつつの突撃に対し、ローゼンもインコムユニットで応戦する。だが、敵一直線に突撃する現在の光樹にインコム程度の弾幕で止めるのは難しかった。ドラグーンのけん制とも合わせ、ゴッドクロスはインコムの死角とも言える内側に突撃する。内側に入り込めば、いくらかインコムの攻撃は鈍る。それを敵も分かって攻撃をゴッドクロスに集中する。

 

「ちぃ、インコムの内側に入り込んだか……だがそれだけで突破できたと思うなァ!!」

 

 ローゼンはインコムを回収する作業を行いつつ、左腕のシールドをゴッドクロスに向ける。シールドに内蔵されたビーム砲にエネルギーが集まっていく。ドラグーンによる攻撃を行うも、同時に発生していたIフィールドバリアによって弾かれる。

 なおも突撃する光樹を迎撃するかのように騎士ローゼンの大技が放たれる。

 

 

「私の前から……いなくなれェェェェ!!!!ブーステッド・クロス・イレイザー!!!!」

 

 シールドから極太のビームが照射される。しかも、そのビームはいくつにも分かれ回転しながら空中を薙ぎ払っていく。

 その薙ぎ払いがドラグーンを飲み込んでいく。ビームの奔流に飲み込まれたドラグーンは次々と爆発を起こす。光樹自身は自身目がけて飛んできた中央の極太ビームを避けることに成功する。しかし、その後も避けた極太ビームに収束してきた薙ぎ払いのビームが続いて光樹を襲う。

 

「ANシェイブシフトドラグーン、シールドモード!!」

 

 手をかざしてゴッドクロス前面にシールドモードに形状変更させたドラグーンを集合させる。その状態で攻撃を続ける敵のビームを受け止める。上から下に向かって薙ぎ払われるビームをシールドで耐えつつ、体の重心を移動させる。その甲斐もあって敵のビームを受け流すことに成功する。

 それを見て騎士ローゼンが驚きの声を漏らす。

 

「馬鹿な!?攻撃を耐え凌いだだと!?」

 

 呆然としている様子を見て、光樹は攻め時と一気に外側から敵に距離を縮める。ウイングから発せられるAN粒子の放出で加速するゴッドクロス。やがて攻撃を終えた騎士ローゼンはこちらへの迎撃を開始する。腕部のインコムユニットから射撃が放たれるが、その攻撃全てを光樹はゴッドクロスの機動力で回避する。細かいスラスターの挙動で行われる動きにローゼンは翻弄される。

 回避行動を行いつつ、光樹はゴッドクロスの右腕部のANクロスビームボウガンⅣのソードブレイカーモードを起動する。幅広の光の剣が生成される。直後の攻撃を避けたところで、光樹はANクロスビームボウガンⅣ・ソードブレイカーモードを構えて攻撃の範囲内まで迫る。敵も弾幕を張るが、それらの攻撃は回避かソードブレイカーモードで切り捨てられていた。

 もはや機体数機分の距離となったところで、ローゼンはシールドから収束ビーム弾を放った。狙いをしっかりつけて放たれたその一撃は真っすぐゴッドクロス目がけて進む。しかし、それに対し、光樹はANクロスビームボウガンⅣのビームソードを突きだす。ビーム弾とビーム剣が接触する。が、ビーム同士の干渉でビーム剣の方が横に逸れる。そのタイミングで、ゴッドクロスが大きく横に回避した。

 あまりにも強引な回避行動。ところが、それには流石にローゼンも驚きの声を漏らす。

 

「くっ、無茶な回避行動を!」

 

 とはいえ、流石の隊長格。咄嗟の変化に対処する形で、自身に真っすぐ伸びる攻撃にシールドを構える。

 シールドとビームソードが接触すると、その接触面から火花が散る。シールドの対ビームコーティングとビームとのぶつかり合いだ。お互いそれによって空中で静止する。その隙を狙って、ゴッドクロスの背後から、片腕のギラ・ズールがビームトマホークを構える。

 

「今だ、こいつの背後を!」

 

 ローゼンが自身の反対側にいるギラ・ズールに向かって叫ぶ。一つ目の緑色の機体も、それを了解してカメラアイを光らせて、ビーム斧を大きく振りかぶる。

 スラスターを全開にして、背後が疎かとなった光樹の背後から襲い掛かる。しかし、その攻撃を光樹がカウンターする。

 

「簡単に背後を取ったと思うな!」

 

 そう言い放つと、光樹はローゼンのシールドにビームソードブレイカーの刃を立てたまま、左手に構えたANロング・メガ・マグナムを向ける。狙いを定め、すぐにビームを撃つ。放たれたビームはそのままギラ・ズールの腹部を撃ち抜く。

 撃ち抜かれたギラ・ズールはスパークを放ちながら、重力に引かれて地面へと落ち、空中で爆発する。爆風が空中の2人を揺らす。爆風に気を取られているローゼンに、光樹は互角になったことを言う。

 

「これで、イーブンだろ。このまま行かせてもらうぜ!」

 

「小癪な……まだ私は負けていない!!」

 

 余裕を見せた光樹に敗北を認める様子を見せないローゼンは荒々しくシールドで思い切りはじき返す。

 やっぱりこいつは強いな。今までの猛争化・武装化モンスターも強かったけど、こいつはその強さとは違う、明確な意思を持って対峙してるだけあって手ごわい。けど、それで引き下がれはしない。立ち向かうっていうなら……。

 抵抗するローゼンに向け、光樹は言い放つ。

 

「なら……こっちも本気で行かせてもらう!」

 

『トランザムシステム、始動』

 

 ゼロの音声と共にゴッドクロスは赤い光を纏う。更に装甲のラインを光らせていたドライブモードも合わさり、赤いボディにオレンジの線が浮き上がる。

 機体性能の上がったゴッドクロスは、一気に距離を詰める。そのまま右手に装備したANビームサーベルⅦXを振り抜く。

 その振り抜き攻撃はローゼンのクローが捕らえる。それに構わず、光樹は左腕のANクロスビームボウガンⅣソードブレイカーモードを起動し、そのビームの刃で切り込む。だが、それもまた今度は反対のクローでソードを受け止められる。

 それでも光樹は動きを止めない。両方の武器が受け止められた状態から敵の空いた胴体に向けて体を前に出してから蹴りを打ち込む。

 

「胴体ががら空きだ!!」

 

「ぐぅ!?」

 

 攻撃を受けてローゼンが後ろに後退する。攻撃が少し効いたようだ。それを確認して光樹は更に攻撃を加えに掛かる。蹴りの反動で一回転をしつつ、勢いを増したスピードで突っ込む。今度は右手のボウガンもソードブレイカーモードに切り替える。その3本の剣で再びローゼンに挑む。

 

「はぁぁ!!」

 

「ぬぁぁぁぁ!!」

 

 斬りつけては斬りつけ、防御しては防御。その攻防がお互い続く。それぞれの反射速度の高さと、機体性能の高さがここまでの剣とクローによる攻防を生み出していた。しかし、光樹のゴッドクロスはトランザムモード。それに加え、ドライブモードも発動している。それを証明するかのように、段々とローゼンの体に傷が重なっていく。

 ここが決め時、そう感じた光樹は更に剣の攻撃を激しくする。速く、重くなる一撃が段々と騎士の防御の構えを圧倒していく。

 

「ぐっ……こんなはずでは……」

 

 ローゼンも更に激しさを増す攻撃に対応が追いつかなくなっていく。段々と光樹達の方に戦いの流れが変わっていく。そして、それを決定づけるかのように、金属を裂く音が聞こえた。

 その方向に目を向けると、ギラ・ズールの腹部にANZXセイバーを突き立てた絵里奈のR-ZXの姿があった。

 

「よーし、これでこっちはおしまいー」

 

 剣を横に動かして内部の機器にダメージを与えてからセイバーを引き抜く絵里奈。その背後を爆風が彩る。絵里奈が残っていたギラ・ズールを倒したことで、完全に流れがこちらに向く。チャンスの到来であった。

 それを見て、絶句するローゼンの声。

 

「ば、馬鹿な!?えぇい、残りの部隊は……」

 

 救援を呼ぼうとするのを見て、光樹は逃さなかった。左手にANブラスターソードエッジを構え、右手のビームサーベルと合わせて二刀流で斬りかかる。

 

「こっちを忘れていないかっ!?」

 

「っ!!この……!」

 

 振り下ろされた2つの剣をシールドで受け止めるローゼン。だが剣のうち1本は実体剣の刃を持つANブラスターソードエッジ。いかに防御に優れた盾でも、その威力は押しとどめることは叶わずAN粒子がコーティングされた剣が防御機構を持ったシールドを寸断する。

 寸断されたことでシールドから電気が走る。爆発する前にローゼンは自身から外し、その爆風から逃れる。これでビーム兵器を遮るのは厳しくなった。光樹は爆風で下がっていく紫色の機体に今一度突撃する。

 

「はぁっ!!」

 

 ビームサーベルによる突き出しが繰り出される。攻撃に対し、ローゼンは横に動いて攻撃を脇に通す。だが、攻撃は終わらない。その勢いのまま、今度は機体のスラスターを噴射し、上から思い切り左手のANブラスターソードエッジを振り下ろす。連続して繰り出された振り下ろし攻撃はローゼンも避けることが出来ないと判断し、クローで受け止めようとする。

 しかし、クローと言ってもその範囲はわずかなものだ。攻撃を受け止めようとしたローゼンのクローごと、渾身の一撃がその機械の体にわずかに亀裂を入れる。

 

「ぐおおぉぉ!?」

 

 攻撃を受け、大きく後ろに後退するローゼン。そして、光樹はとどめの一撃を放つ。

 

「ノイズフォースビックバン」

 

『ノイズフォースビックバン、ディメンション・ブレイカー』

 

 右腕にエネルギーがチャージされる。光が掌のビーム発射口に集まってゆく。ローゼンが体勢を立て直す前に、ゴッドクロスはその一撃を放った。

 

「撃ち抜けっ」

 

 右手を突きだしたと同時に圧縮されていたビームが一気に解放される。解放されたビームは真っすぐローゼンに向かって伸びる。そして放たれたビームはそのままローゼンを飲み込む。

 完全にビームを放射し終わり、奔流に飲み込まれたローゼンが姿を現す。腕を交差し、機体のボディを守っていた。そのおかげで今見えている腕部正面や脚部には黒いすすがかぶっているものの、上半身はほぼ原色を残していた。

 防御態勢をゆっくりと解くローゼン。まだ向かってくるかと思い、光樹は構えるも、突如降下していく。脚部が曲がり、地面に手を付いたのを見てこれ以上の戦闘が無理なことを悟る。

 

「……クソッ……」

 

 ローゼンから憎々しげに言葉が吐き捨てられる。あの有利な状況から負けたのが認められないのだろう。だが勝利は勝利。光樹もこれ以上の戦闘は望まない。相手はモンスターのような無法者ではないから。

 戦闘の終了を感じ、光樹と絵里奈も同じように地面へと降りて行った。

 

 

TO BE CONTINUED

 




今回もお読みいただき、ありがとうございます。オールレンジ攻撃とオールレンジ攻撃の応酬、割とガンダムではよくある光景ですね。

ジャンヌ「でもオルフェンズでは出てこなかったですよね」

シエラ「オルフェンズで?」

あぁ、まぁあの辺でも空間把握能力って割と機体制御に重要で、阿頼耶識とかもその類に支障があると使えない感じの事を外伝でも言ってた気がするよ。けど、オルフェンズの世界観は射撃兵装とかがダインスレイブ除いて全く効果ないから、遠隔操作端末っていう力の弱い、手数で勝負する兵装は発達しなかったのかもしれないね。

ジャンヌ「確かに、オルフェンズの機体の装甲って、ビームはほとんど効果ないですからね」

シエラ「でもダインスレイブっていう射撃兵装は効くんでしょ?だったらそのダインスレイブって武器をオールレンジで攻撃すればいいんじゃ?」

そんなもん出来るか!出力問題とかもあるし、それ以上に敵も味方も被害甚大だわ!しかもメタなこと言えば、そんなことしたら余計面白くなくなる!

シエラ「あ、そ、そう……ごめんなさい」

ジャンヌ「まぁ、あんな兵器を使った時点で機動戦の面白さがなくなるのに、それを小型化してしかも全方位から撃たれたらもう終わりですよ……」

……でも、オルフェンズで遠隔操作端末ないかと言われればそうでもない。ハシュマルの尻尾こと高周波ブレードは色々動くし、それを一部移植したバルバトスルプスレクスの武器もオールレンジ攻撃らしく多数の敵を屠ってきたからね。

ジャンヌ「けど、ダインスレイブみたいな実弾兵装を放つオールレンジ兵装っていうのも面白いかもしれませんね」

シエラ「え、ジャンヌさん、今藤和木それはダメだって……」

いや、ダインスレイブほどの異常な速度と威力のある実弾兵装は嫌いってだけで、私は実弾のオールレンジ攻撃も面白いとは思うなぁ。ただそこまで文明発達してる時点で、ビームが既に出ている可能性があるから……やっぱそこは「ビームで良くね?」ってなる。さて、今日はここまでにしておこうか。

ジャンヌ「次回は土曜日の投稿予定ですね。話は再びネプテューヌ様のサイドになるみたいです」

シエラ「ネプテューヌ様は果たしてこの危機を潜り抜けられるのかしら。次回も見なさいよね」

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