新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
ソニア「で、でも途中寄り道してたじゃないですか……。あ、どうも、皆様!今私達が気になっているのは今週発売予定のバトスピメガデッキです、ソニア・A・ワスプです」
シエラ「紫速攻……となれば、わたくしのモチーフの出番ね!どうも、皆様。藤和木が紫速攻デッキを作ったらわたくしの使用デッキにしようと思っているわ、シエラ・ムルセーヌよ」
うん、それは予定通りだよ?っていうか、むしろまだシエラのモデルのムルシエラは現役で使えるカードだからね。私が考えてる煌臨ジャッジメントとかいうわけ分からないデッキよりも作るの簡単だよ。
シエラ「いや、なんであんたジャッジメントと煌臨を合わせてるのよ……」
だってジャッジメントの効果はアタックした瞬間効果が確定するんだよ!?しかもまた自分のターンが回って来れば、ソウルコア使えるんだよ!これもうジャッジメントのステップ開始時効果→カタストロフドラゴンに煌臨→強制ブロックBP25000で無限アタック→ターン終了時再度自分のターンとかロマンでしょ!ジャンヌさん大喜びだよ!?
ソニア「あの、それダイノブライザーの方が強くないですか?」
やめろ!そんなことを言うんじゃない!
ソニア「あぁ、知っててそう言うんですね……」
シエラ「むしろこれ知ってるから必死に言ってたんじゃない……?」
うん、そうだね。ターン追加にこだわらなければ普通にブゲイシャ―煌臨の方が強いと思うよ
シエラ「自分で認めてるじゃない……。っていうか、あんたのブゲイシャー煌臨はどこかおかしいから」
まぁ、6色ジークフリードデッキを組む上でのテストタイプみたいにやってるからね。けど、その話は近況報告だからどうでもいいんだ。さて、今回は第134話の投稿です。
ソニア「な、流した……。そ、そうですね。今回は忍者さんと騎士さんとの対決の場面ですか?」
そうです。対決までの間の会話と、ステマックスとネプテューヌ達の第1ラウンドをお送りします。
シエラ「ってことは、今回はネプテューヌ様達の視点ベースということ?」
そうなるかな。さて、忍者ステマックスの驚くべき弱点……は分かってる人は分かると思うけど、ローゼンの趣向がなんと……?
ソニア「ステマックスさんの扱いが……」
いや、だってもうVⅡ出たの2年くらい前だよ。しかも今年にはリメイクされてるから、多分分かってる人が多いでしょう。それよりこの投稿ペースを何とかしたいです。あ、今年度中にはネプテューヌ編終わると思います。それでは本編へどうぞ!
あの場を鈴達に任せ、先を行ったアイエフ達がその爆発音に気づいたのはスタジアムのステージに至る道の手前であった。突如後方から響き渡る轟音、振動。それを受けてアイエフ達の足が止まる。
「今の爆発なに!?」
「後ろからだ……まさか、鈴と勇也が!?」
ネプテューヌと光樹が鈴達の安否を心配する。先程駆けてきた道から爆発が響いたということは、その進路元で何かがあったということ。それで一番関連性があるのは、撃破した敵の機械兵達だ。
トラブルの中でも最も考えられるのは自爆だ。この爆発の規模からも、その可能性が最も高い。不安に駆られる空気がメンバーの間に流れる。
「だ、大丈夫でしょうか……」
「……多分、としか言えないね……。あの2人なら大丈夫だと思うけど……」
コンパと絵里奈の心配する声はこの場の誰もが思っていたことだ。しかし、今自分達が止まってしまえば、みすみす逃すことにも繋がる。アイエフは一泊置いてから全員に指示する。
「心配になるのも分かるけど、今は窃盗犯の確保よ。行きましょう」
「……あぁ、そうだな!」
「分かった。だったら早く行こう!!」
心配する気持ちを抑え、再びスタジアムの奥地へと急行する。
それから程なくして、スタジアムの奥地……スタジアムのステージにまで到達する。上から照らされる証明に光でステージ上に2つの影を浮かび上がらせる。その陰に気づいたネプテューヌがアイエフに知らせる。
「あいちゃん、あそこ!あそこに変なのがいるよ!しかも2人!!」
ネプテューヌからの誘導に従ってその方向を見ると、確かにステージ中央に怪しい人物達が2人いるのが見えた。それも、どちらも人というより、人型のロボットだ。姿もマジェコンヌ達の応援に駆け付けた人物達が、そこにはいた。
何とか追い付けたみたいね。あたしは確認したことを口にする。
「あれは……ネプ子、上出来よ。やっと追いついたわ」
「こらーっ!そこの忍者待てー!」
ネプテューヌが目標に対して制止を叫びながらステージ中央まで追いかける。
「……むっ。追いつかれたで御座るか」
「ほう、ここまでよく追いかけてきたものだ」
目標の2体がその声に気づき、こちらに振り返る。どうやら相手は更にここから逃げるところだったらしい。しかし、ここまで追いつけば、もう逃げられる距離ではない。
「やっぱり、あの時の忍者だ!」
「それに、ローゼン・ズール……合流したって感じだな」
ネプテューヌに光樹は敵の姿を今一度再確認する。追い詰めたところでアイエフは敵に対し、捕まるよう要求する。
「あんた達がネプ子のゲーム機を盗んだ犯人ね。諦めて盗んだものを返してもらうわよ」
真剣な表情で強く言うアイエフ。その一方でコンパと絵里奈は、目の前の光景に感動と納得を感じる。
「すごいです!本物の忍者です!わたし、本物の忍者さん初めて見たです」
「うーん、やっぱローゼン・ズールかぁ。武装もまんま同じだしー」
2人ともあまり危機感がない。一応絵里奈は敵の特徴を注意深く見ているとも取れるが、コンパの方は完全に忍者に初めて会ったという感動が大きく表情に出ていた。
対する忍者と騎士……ステマックスとローゼンは追いつかれたことに驚きを見せていた。
「まさか、こんなに早く追いつかれるとは……。しかも、3人は妙齢の少女、で御座るか……」
「追いつかれたのは想定外だな。だが、少し人数は絞ることは出来たようだな」
「人数を絞る……って、やっぱりあれは!」
ローゼン・ズールの方の話に光樹が食いつく。人数の絞り込みという単語から人数を減らしたということを読み取ったからだ。その反応に、ローゼン・ズールが得意げに語る。
「そうとも。あれを撃墜されたという反応を受けて、少し驚いたがそれもまた一瞬。その程度ならばこの私、騎士ローゼンの敵ではない!」
「っく……!罠にはめるなんて、騎士にしては卑怯だよー!」
罠に嵌めた事実を聞いた絵里奈がその作戦にいちゃもんを付ける。がそんなことはお構いなしにと騎士ローゼンは意に介さない。
「フン!小娘には分からん、軍人として真っ当な行動をしただけさ」
「真っ当じゃないよ、部下を捨て駒にするなんて!まぁ、作戦としては成立するのは認めるけどー」
とはいえ、絵里奈も作戦としてはありなことを認めていた。が、今の状況になっても2人が戻ってこないとなると、心配は増す。
2人の安否を心の中で願いつつも、戦う素振りを2機に対し降伏を勧める。
「一応、言っておくけど、素直に返してくれれば、悪いようにはしないわよ」
「………………」
その言葉を聞いて、忍者の方は目を合わすことなく何も言葉を発さない。降伏するべきか考えているのか、はたまた答えるつもりはないということなのか。おそらくは後者なのだろうが。
「……へぇ。さすが、忍者。話すつもりもなければ、目を合わせるつもりもない、か」
忍者の無口ぶりをそのように称する。口が堅いというのは、のちに尋問するにしても厄介だ。もう少し言葉で抵抗してくれればこちらとしても戦闘の時に仕掛けやすいところであったが、これは長くなりそうだと感じた。その一方で、騎士の方は大きく反抗してくる。
「フッ。騎士である私が、むざむざと渡すものか!」
「そっちは完全に戦闘態勢完了ってところか……いいぜ、やってやる!」
光樹と絵里奈に対する戦意を真っ向から受けて立つ勢いの光樹達。しかし、そこで騎士ローゼンが付け足しで語り始める。
「……だが、そこの女、その解釈は間違っているぞ……?」
「はぁ?どういう……」
アイエフ自身に向けられたその言葉に首を傾げる。だが、そこで忍者が声を発した。それも、小さな声で。
「ぁ……いや、ちが……でござ、る……」
「あいちゃん。小声ですけど、何か言ってるですよ」
「ほんとだ。小声だけど、「御座る」って言ってる」
その小さな声に気づいたコンパがそれを伝える。ネプテューヌもかすかに聞き取った単語を口にする。そして絵里奈が、聞き取った全文面を再び声にして全員に伝達する。
「うん。「あ、いや、違うで、御座る」って言ってたね……」
違う?何が違うのよ。ってか、声も小さいし、どういうこと?
困惑する中、再びアイエフはステマックスの小声を聞くことに。
「……その、……将軍、からの勅命で……だから……その、生命に、代えても……」
かすかに、かつ言葉にまごつく忍者の話し口調に、苛立ちを募らせていく。
「イライライライラ……」
「……なんかこの光景見たことあるな……」
「……だから、拙者……その…………えと、だから……渡せない……御座る」
そしてとうとう、怒りを爆発させる。
「あー、もう!!なんではっきり喋らないのよ!敵とはいえ、目も合わさずにそうやってウジウジ喋ってるとムカつくのよ!!」
怒りのあまり、ここまでの間に感じたこと全てをぶちまける。敵前の中であるにも関わらず、そんな弱々しい喋り方がアイエフ自身の戦意を逆なでさせてしまっていた。
すると、そんな怒りのツッコミを受けて騎士ローゼンが理由を説明する。
「このステマックスは女を前にすると、上手く喋れなくなってしまうのだ。とかいう私も、女はあまり好かんがな」
「そうなので、御座るよ……っ。あまり、なれて、なくて……」
その説明を要約すると異性を前にすると喋れなくなってしまうということだった。つまり、女の子を相手にすると緊張で上がってしまうということだった。
先程までの自分の考えを完全にひっくり返されてしまったことに腹を立てたアイエフはそんな軟弱者に手厳しいツッコミを入れる。
「思春期の男子中学生かお前は!!」
尋常ではない程のキレ方を見てネプテューヌも横から見て目を白黒させる。
「おー、あいちゃんがめっちゃキレてる」
今までもアイエフがキレることはあった。というより、先程のワレチューとの戦闘前にもネプテューヌがゲーム機を持っていることを隠していた時も同じような反応をしていた。
が、それとはまた違った理由での怒りがにじみ出ていた。その様子をコンパが例える。
「あいちゃん、昔からはっきりしない人が嫌いな委員長タイプだったですからね」
「あー、なんか聞いてて分かるー。鈴ちゃんとかそういう感じー」
絵里奈もコンパの意見に賛成する。緊張感のない2人の談義が展開される。だが、その雰囲気に流されたのか、光樹も忍者に対する感想を口にするまでになる。
「そうか。この光景見たことあると思ったら、学校での俺がそうなんだ」
「そういえば、前に鈴から聞いた光樹の人物像がそうだったね。けど、今までに会ったことのないタイプの敵で、ちょっと新鮮かも」
その指摘通り、光樹の過去の情報が忍者のそれと同じであった。異性との会話に混ざりづらいその様子はこの世界ではなりを潜めていたが、過去の学校での光樹はそのタイプだったという。
するとふと、疑問の先が騎士ローゼンの方に向けられる。
「そういえば、騎士の方?君も女の子が苦手的なことを言ってたけど、どうなの?」
「私か……?敵となれ合うつもりはないが、教えてやろう」
断る雰囲気を見せつつも、その質問に答えるあたり、秘密結社も意外と律義なのかもしれない。と思うのも、異性と話せない思春期男子の忍者と比べれば、という認識であったが。
だが、その考えは覆ることになる。
「私が苦手とするもの……それは女性という女々しいもの!そして私が愛してやまないのは、屈強なる男の力強さ!そう、男のありのままの姿!!それが戯れる姿こそ至高なのだ」
そう告げられて、ネプテューヌを除く他のメンバー達の思考が凍り付く。その意味の深いところを認識してしまったからだ。
一瞬認識を理解しなかったネプテューヌも光樹から説明されるうちにその深い意味を理解する。
「おおーっ!男の力強さに惚れてるんだ!男前~!」
「……いや、ネプテューヌ。その後の言葉2つに注目してほしいんだが……」
「その後の2つ?っていうと、ありのままの姿と、戯れるってこと?別に本来の姿を見せたり、遊んだりすることって普通じゃ?」
「2つかけ合わせてみろ。あと、コミマ要素を入れて」
「2つの要素……男、ありのまま、戯れ……って!まさかこのロボ!」
「あぁ、こいつは男好きだ!!」
光樹が大きく宣言する。明かされた素性、それは騎士が男好きということだった。その説明を受けて騎士ローゼンが反発する。
「それのどこが悪い!?そう言ったものは幅広く受け入れられなければならないのだ!」
律義にそれを認めさせようとする辺り、根は真面目であることは確かだ。だが、唐突な事実に全員が困惑する。
まさかこんなやつだとは思わなかったわ……。別に同性愛を否定するわけでも侮辱するわけでもないけど……けど、今は敵、そういうのは関係ないわ。
とはいえ、その回答が予想外だったのか、光樹がその失礼を謝る。
「うーん……否定しきれない……。それは悪かった……けどだからといって、くれぐれも押し付けはやめろよ?」
「あんた……否定するのか賛成するのかどっちなのよ……」
アイエフも光樹の優柔不断ぶりに悩まされる。けれど、今回の敵は思春期男子の忍者に、同性愛の騎士、かなり濃いメンツが揃っている。ネプテューヌとコンパも今までに戦ったことのない組み合わせに注目する。
「けど、今までに会ったことのないタイプの敵で、ちょっと新鮮かも」
「そうですね。戦闘狂だったり、小さい子が好きだったり」
「無駄に暑苦しかったり、オカマなハッカーだったりそれでもって、何故か3Dモデルが実写なおじさんだったもんね」
次々と今までに相手をした者達の名前が出てくる。アイエフの脳裏にも、もう二度と会いたくないやつらの顔が見えてくる。思えばワレチューもそのうちの1人であった。
広がっていく今までの敵の特徴。それを聞いていた絵里奈は千差万別の回答にただただ茫然としていた。
「ほわぁ、この世界ではネプテューヌちゃん達そんなにキャラの濃い相手と戦っていたんだねぇ」
「もう今までにそれだけ戦ってきてるのか……まぁ、同じ世界の物語が2回続けばそれもあり得るか……」
その一方で光樹は比較的話に付いていけている状況だ。この世界をゲームで体験しているということから、そのやつらともゲームで戦っているためだろう。奇妙な気分になるのはまだ慣れないが、その分説明が省けるのは楽な方だ。
しかし、未だアイエフ自身の怒りの矛先は向いたままだ。このままグズグズしてるつもりはないアイエフはゲーム機の奪取を声に出す。
「とにかく、なにを企んでるか知らないけど、あんたの持ってるそれは返してもらうわよ!」
「よーっし!いっくよー!」
「俺と絵里奈はローゼン・ズールの方をやる!」
ネプテューヌと光樹の指示を了解する言葉と共に、アイエフ達はゲーム機を賭けての戦闘を開始する。
◆
「よーっし、早速切り込み開始ー!」
勢いよく、ネプテューヌが先制攻撃を仕掛ける。上段からの振り下ろしが振り下ろされる。だが、先程までのまごまごとした言い方からは想像できないような反射神経で攻撃を回避するステマックス。
その隙を埋めるかのように、続いてアイエフがカタールを横薙ぎに振る。攻撃は回避こそされたものの、避ける態勢となったためちょうどコンパのスキル技、「コンパ・ラブ・ハート」が先回りという形でヒットする。
「くっ……」
「やったです!当たったです」
攻撃が当たったことに歓喜するコンパ。体勢が崩れたところに間髪入れずに、アイエフとネプテューヌの同時攻撃が放たれる。
「クリティカルエッジ!!」
「烈火死霊斬!!」
叩き込まれた強力な一撃を、ステマックスは小刀で何とかいなす。とはいえ、女神の攻撃を含めての強力なスキル攻撃。攻撃のエネルギーが小刀の周囲に散る。
「中々の攻撃で御座るな……。しかし、ここで負けていられないのもまた事実!!」
気合を入れなおしたステマックスは小刀を構えなおし、突撃を行う。瞬発的に攻撃を賭けてくる。その一撃をネプテューヌは防ぐ。だが、攻撃が加わったと思うと、次の間には目の前からいなくなる。
「あ、あれ?どこに……」
「……!!コンパ!!」
アイエフが叫んだ頃には既にターゲットがコンパに移っていた。コンパも注射器の側面で何とか防御に成功する。しかし先程と同じように瞬きした次にはそこから姿を消していた。
かと思えば、今度はアイエフの後方から奇襲を仕掛けていた。奇襲に反応が遅れ、攻撃を間一髪受け止めたアイエフのカタールが1本、弾かれて宙に舞う。
「流石に忍者!スピードで翻弄してくるわね……」
「あいちゃん、援護するです!」
注射器による近接攻撃をかけるコンパだったが、その攻撃をやすやすと忍者に躱され、今度はコンパが攻撃を受ける。
「甘いで御座る」
「ひゃうっ!?」
小刀の一撃で倒れ込み、尻餅をついてしまうコンパ。それを好機とみてステマックスはダメ押しの一手を構える。後方に回って左手を手刀の構えに取り、後ろの首筋を狙う。
「まずは1人……」
気絶を狙っての一撃が放たれるも、途中でその動きは止まる。距離を詰めたネプテューヌが刀を手刀目がけて突きだしたのだ。
その攻撃により、回避を選んだステマックスは大きく後退する。その間にネプテューヌはコンパを立たせる。
「大丈夫、コンパ?」
「はいです。ありがとうです、ねぷねぷ」
ネプテューヌの助けを受け、気絶を免れたコンパは礼を述べる。一方、後方に引いたステマックスの方は、地面に足が着くと同時に炎に囲まれる。アイエフの「魔界粧・轟炎」だ。
咄嗟のことだったが、アイエフが追撃を行ったことで隙をなくすことが出来た。これこそプラネテューヌの仲良し三人組のコンビネーションであった。しかし、そのうちの1人であるアイエフの考えは少し違っていた。
「よくもコンパに一撃くらわそうとしたわね!この思春期男子の忍者!!そんなんじゃ私達にダメージは与えられないわよ」
そう、アイエフの中では、未だに先程のやり取りのことが残っていたのだ。その攻撃は先程の礼を兼ねてのことだったのだ。
あちゃー……まだ根に持ってる。余程あの時の反応が気に入らなかったんだね……。しかもコンパに攻撃したから、その時のことも相まっていつもよりあいちゃんの炎がいつにも増して激しく燃えてるよ……。
炎とアイエフの勢いに圧倒されるネプテューヌ達であったが、それでも今は頼もしい。この攻撃でかなりダメージを負ったはず、そう思った。そしてそれは半分当たっていた。
突如、炎の渦が横一線に線が入ったかと思うと崩壊する。そこには小刀と大きな手裏剣を振った態勢で静止するステマックスの姿があった。手裏剣は左腕に装着されていたものであり、その大きさは展開すると更に大きくなっていた。
おそらく、その2つの武器で勢いの増した魔界粧・轟炎を切り払ったのだろう。炎の渦から解き放たれたステマックスは声を少し荒くしつつこちらに称賛を送る。
「はぁ……はぁ……。見事な連携と実力の伴った攻撃で御座るな」
「あら、そう?だったらここらへんでゲーム機を返してもらいたいところなんだけど?」
称賛を受け取りつつも降伏を再度提案するアイエフ。しかし、その言葉をステマックスは断る。
「それは出来ない相談で御座る。……だが、拙者も覚悟を決めたで御座る。そろそろ本気で行かせてもらうで御座る!!」
小刀を前に、手裏剣を後方に引いて戦闘態勢を今一度取る。どうやら敵も本気モードのようだ。
先制したのは、ステマックスの方だった。
「てぇい!!」
左手に保持していた大型手裏剣を投げる。投げられた手裏剣は円弧を描いてこちらに伸びてくる。咄嗟にネプテューヌは回避し、アイエフとコンパは攻撃を防ぐ。防がれた手裏剣はそのままの軌道で再びステマックスの手に戻る。
大ぶりな攻撃であったが、避けるか防いでいればダメージはない。このまま3人で突撃を……と思ったものの、そこで異変が起きた。攻撃を受け止めた2人が異変を口にする。
「この程度の攻撃……って、なに!?」
「あ、足が動かないです……?」
2人はその場から1歩も動かない。いや、動こうとはしていたが、上半身があたふたするだけで、下半身は全く動きがみられなかった。
一体どういうことなのだろうか。2人に目を向けるネプテューヌに向け、ステマックスが2人に起こった状況を説明する。
「どうして……」
「簡単で御座る。拙者の手裏剣には移動封じの術がかけられているので御座る。2人はその影響を受けただけで御座るよ」
「何その攻撃!?これは早いとこ手裏剣を壊した方がいいかも……っと!」
壊すことに集中しようとしたところで急接近してきたステマックスの攻撃を受け止める。だが、その攻撃はまたしても手裏剣による攻撃で、攻撃を受け止めたネプテューヌの身にも下半身の硬直を感じる。
「しまった!!」
「これでお主達の動きは封じた……後は気絶まで持ち込んで、ローゼン殿の手助けで御座る」
そう言い放つとステマックスは手始めにネプテューヌの背後を取る。このままではまずい。この状況を打破するためには、硬直から逃れなければならない。
そこでネプテューヌは残しておいた手を使う。
「仕方ない。女神化っ!!」
その叫びと共にネプテューヌの体が光に包まれる。光が包んだことで紫色のスパークが弾かれ、さらに迫っていたステマックスをも弾き飛ばす。強い光の柱が、フィールドを照らす。
攻撃を弾かれたステマックスは吹っ飛ばされる体を立て直し着地する。女神化をされたことには予想外の様子だが、それでもなお立ち向かう姿勢を示す。
「変身したで御座るか、女神……しかし!!」
そう言葉を吐き捨てたところで光が解け、その場に濃い紫色の髪と黒の肌に張り付いたスーツを纏った女神パープルハートが姿を現す。
よし、女神化の衝撃で硬直が解けたわ。体が動くのを確認したわたしは、剣を敵に向け、叫ぶ。
「さぁ、ここからがわたしの本気よ!女神に挑んだこと、後悔なさい!!」
ステマックスと女神パープルハートによる第2ラウンドが始まった。
TO BE CONTINUED
今回もお読みいただきありがとうございます。さぁ、ピンチを辛くも女神化でしのいだネプテューヌもといパープルハート、戦いの行方は!?
シエラ「けどすごいわね、動きを封じる状態異常って」
ソニア「ゲームとかだと麻痺ってあるけど、これは少し違う感じですか?」
うん、麻痺とかは何も出来ないことがあるけど、こっちの影ふみ状態だと動けないだけでアイテムとかは使えますからね
ソニア「あー、じゃあ楽じゃないですか?攻撃も出来るわけですし」
でも、ネプテューヌっていうゲームはフィールドを動いて接近して攻撃するゲームですからね。こうなると射程の長い攻撃でないときついですよ。
シエラ「けど、まさか全員が動けなくなるなんてね。女神化がなかったら危なかったところね」
女神化がなければ、即死だった……
シエラ「いや、何を言ってるのよ……」
いや、事実だから。当時私影ふみを甘く見てて、メンバー全員?(記憶が曖昧)が動けないとかいう酷い惨状だったから。
ソニア「な、なんていう状況……良く勝てましたね」
なんかスキル技放ってたら勝てたんだよね……。それでこの話書くのに参考となるプレイ動画みたいなのを見てたらなんかスキルばっかり使ってた方がボスに対してはダメージ効率が高いっぽいね
シエラ「そ、そう……。け、けど、まさかローゼンが、あ、ああいう考え方だったとはね……」
ソニア「私見ててあんまり変だとは思わなかったよ?私とシエラだって、同性同士で遊んでたりしてたわけですし……」
……うん、ソニアちゃんは純粋だね
シエラ「そ、そういうことじゃないから、ソニアっ!」
ソニア「?」
さて、まぁその話は置いておいて。と言いたいんだけど、実はそこ、結構言葉に悩んだところなんだよなー……。
シエラ「そうなの?」
うん、こう言った創作とかでも表現とか言葉には気を使わないといけないところとかあるからね。戦闘とかでは少しだけだったのがここでは何回かネットで調べて何回も書き直してた。
ソニア「大変だったんですねぇ……」
うん。……それでは今回はここまで!
シエラ「次回は日曜日の投稿になるわ。次は光樹サイドでの戦闘が中心のようね」
ソニア「それでは皆様、また次回ですっ!」