新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも、皆様ご機嫌いかがですか。今週は学校の学園祭があり、更に週末には私の就職祝いを家族に祝ってもらい、そしてバトスピ煌臨杯店舗決勝で激闘を繰り広げてきたりと、ハードスケジュールをこなし過ぎて風邪でダウンしています、藤和木弘です。

ジャンヌ「本当に1週間すべてに予定がありましたからね……でもそれでダウンしていては社会人としてはダメですからねっ?どうも、皆様。学園祭では絵は描いてもらえませんでしたが、藤和木の意外な才能を垣間見ました、ジャンヌ・ドラニエスです」

レイ「そうそう!藤和木が途中からだけど学校の校長先生と将棋で対局したんだよー!どうも、みんな!バトスピ店舗決勝で藤和木が調査員に対してタイミングを見計らいつつνジークを出したけど、見事に警戒していたマグナマイザーにとどめを刺されたのを見て、哀れに思った、レイ・オーバだよっ!」

やめて!気にしてる事2つも言うのはやめて2人とも!

ジャンヌ「結局将棋もバトスピも敗北しているっていうのはちょっと……」

レイ「しかもどっちも守りに入ったのが敗北の原因っていうねー」

仕方ないだろ!将棋は相手の攻め手にけん制しつつ王手してたらいつの間にか負けてるし、バトスピはバトスピでνジーク出す完璧なタイミングがなかったから仕方なくネクサスで補給される紫シンボルを徹底的に潰すしかなかったんだし!νジークの制限は認めるから、頼むからマグナマイザーを制限に入れてくれ!

レイ「けど、まぁ勝負は時の運だよ。それはそれで藤和木は改善点見つけたんでしょ?」

うん、まぁ……。さて、今日も更新しますよ。今回は第133話の投稿です。

ジャンヌ「先週の不穏な空気から、今回は光樹さん達の視点ですね」

レイ「一つ目の兵隊……まさか、お化けの兵隊!?」

それはない。ガンダムシリーズ知ってる人なら連想できるあの系統の機体ですよ

ジャンヌ「果たして、行く手を阻む機動兵器たちを光樹さん達は突破できるのでしょうか?」

それでは本編へ!


第133話 一つ目の兵隊達、情報のサルベージ

 

 

 窃盗犯を追いかけていた光樹達がたどり着いたのは、「プラネスタジアム」と呼ばれるところであった。通りすがりの旅人達に尋ね、その結果ここへ辿り着いたのである。

 既に内部には突入し、途中途中のモンスター達を撃破し現在進行形で最深部へと急行していた。特別迎撃が激しいわけではなく、野良モンスターが占拠している状況で光樹とその仲間達は順調に進んでいく。

 

「ここに逃げ込んだらしいけど、そんなに迎撃は少ないわね」

 

「というより、雑魚で足止めしている間に更に逃げようとしてるんじゃない?」

 

 モンスターを消滅させながら、ガンダムを纏った鈴とアイエフがやり取りを交わす。2人の考えは納得できるものがある。モンスター達はこちらを迎撃してくる。が、その行動にはまとまりがない。隙が多い。もし本気でこちらを本気で足止めしようというのなら、もっと組織的に行動した方が妨害しやすい。そうでないということは、このモンスター達は、アフィ魔Xが使役するモンスターではないということだ。

 そうとなれば、このモンスター達を突破するのは容易いことだろう。2人の話を聞いてネプテューヌと勇也は急ぐことを口にする。

 

「だとしたら、早く行こう!」

 

「だな。ここで時間を食ってる暇はない。とっとと先に……」

 

 だが、勇也がその先を言おうとしたところで、物音が響く。

 

ガッシャン、ガッシャン!

 

 機械が駆動するかのような音だ。光樹達の視線がそちらの方に向けられる。すると、そこにいたのは、大軍を擁する一つ目の人型機動兵器群であった。

 機体カラーは緑色がほとんどで、1機だけは紫色の機体が混ざっていた。他には機体の頭部や肩、脚部の装甲が他と違う機体だったり、最も分かりやすいのは装備が全く違う機体だったりと、かなりのバリエーションを誇っていた。

 だが、その機体に見覚えがあった光樹とSSRの面々。その機動兵器の名を呟く。

 

「あれは……ギラ・ズールか?」

 

「そのようね」

 

「な、なんでガンダム世界のモビルスーツが?」

 

「あれ、光樹達はあのロボット知ってるの?」

 

「残念だが、そのツッコミはあとにした方が良いみたいだぞ?」

 

 疑問が飛び交う中、敵の銃口が向けられる。本能的にやばいと感じた光樹達は回避行動を開始する。紫色の機体の左手が上げられたのち、勢いよく振り下ろし、号令をかける。

 

『全軍、銃撃開始!』

 

 構えられた銃口から、次々とビームの弾丸が飛び出す。通路だったので銃撃は自然と道いっぱいに広がっていく。通路の端に隠れられるスペースはない。光樹達は後方へ回避しながら通路の角まで逃げおおせる。

 光樹達が視界から消えてもなお、銃撃は止まらない。どうやら完全にこちらを警戒しているようだった。鳴りやまない銃撃の下で鈴は声の大きさを大にして怒りを露わにする。

 

「っつ!!やっぱり組織のやつらがいたわね……っていうか、まだ狙ってくるんじゃ、出ていこうにも出ていけないじゃない!!」

 

「はわわ……壁にどんどん当たっていくです!」

 

 コンパの発言通り、敵のビーム弾は通路の角の先にある壁を穿っていた。見るだけで突撃を躊躇うほどだ。

 しかし、ここで止まるわけにはいかなかった。この場を突破しなければ、ゲーム機を取り返すことは出来ない。だが、そうは思っても行動には移せない。

 

「こ、この銃撃、いつまで続くの!?」

 

「たぶん弾切れを起こすと思うんだけど……でもサブアームの武器だったり、連射を行わない狙撃タイプの機体もいたから……銃撃が収まっても突撃には気を引き締めないと……」

 

「けど、これ終わる気配がないわよ……?」

 

 鈴のいう通り、この弾幕が途切れた時が反撃の合図だ。だが弾幕を超えた先にも危険がある可能性もある。それ以前にアイエフが言った銃撃の収まる気配が見受けられない。かれこれ1分は経つが、それでも銃撃の激しさは収まらない。早く突破したいというのに……。

 何か案はないかと俺は考える。すると、唐突に銃撃が収まる。

 

「銃撃が収まった……?」

 

「弾切れじゃない!?だったら早く出て行って……うわっ!」

 

 壁際から通路に出ていこうとするネプテューヌの服の襟元を絵里奈が引っ張って制止する。

 

「どうしたの、絵里奈」

 

「いったー……何やってんのさ、絵里奈。早く行かないとゲーム機が!」

 

 止めた絵里奈に対し、ネプテューヌが文句を言う。絵里奈の行動には鈴も少々驚いていた。予想外の行動だったからだろう。

 しかし絵里奈は止めた時の真剣な表情と共に、止めた理由を伝える。

 

「いきなり止めたのは悪いと思うよ。けどね、多分これは弾切れじゃないと思う。だって、マシンガンのマガジン交換音とロングカノンの冷却音が聞こえてないの」

 

「……なんですって?」

 

 鈴がその言葉を重く受け止める。光樹も話を聞いてなんとなく状況を理解していた。ギラ・ズールのビームマシンガンはエネルギーマガジンを介してビームを撃つタイプだ。それを交換しないと弾数は回復しない。砲身の長いビーム兵器もスナイパーライフルなどでも銃身に熱がこもりやすい。それらの音がしないということは、やはりまだ狙っているということなのだろう。

 しかし、絵里奈は凄いな、と思う。この状況下でよくそんな音が聞き取れたと思う。普通の人間なら聞き漏らしていてもおかしくないだろう。絵里奈の話を聞いて、ネプテューヌも理解を示す。

 

「うーん、なら危なかったかな。ありがとう、絵里奈!」

 

「それはどうもー」

 

 こうしてネプテューヌは砲火にさらされることはなかった。とはいえ、この好機を逃さない手はない。出ていくなら今しかない。だが、あれだけの量を突破するには味方の援護と、出来るなら敵の視界を潰したかった。

 すると光樹の頭の中にあるアイデアが思い付く。光樹は早速鈴に突撃を打診する。

 

「鈴、やっぱり今しかないと思う。突撃しよう」

 

「光樹、あんたの言うことも分かるわ。けど、相手はあそこまで陣形を整えていたのよ?あれをどうやって突破するっていうのよ」

 

 鈴もあれを突破するのが厳しいと感じ取っていた。しかし、それを突破するための方法があるかもしれなかった。光樹のガンダム、シュバルトゼロガンダム・ゴッドクロス……いや、SSRシリーズのガンダムに備わる力で。

 そこで光樹は、その作戦を全員集めてから語る。

 

「方法はある。まずは……」

 

 

 

 

「っていうのが、俺の考えだ。どうだ、みんな」

 

 伝え終わったことを光樹は全員に今一度確認する。ネプテューヌ達の反応は表情からも分かりやすく、賛成といった雰囲気だった。

 

「うん!それなら分かりやすい!」

 

「流石です、光樹さん!」

 

「なかなかいい作戦じゃない。それなら突破できるかもしれないわね」

 

 一方、鈴達の方も思うところがあるようだが、おおむね納得をする。

 

「撹乱しつつ突撃する、いいじゃないか、俺達の得意とする戦法だ」

 

「そうね。まさか記憶を失ってる馬鹿光樹があたし達の十八番をやるっていうなんて、予想外だったわ。……まぁ、優先事項からしてみれば、言ってなかったらあたしが言ってたかもだけど」

 

「けど、自分から率先して言うなんて、流石光樹君だよー!」

 

 話を理解した各々は攻撃の準備を整える。それぞれ武器を持って突撃の準備を完了したところで、光樹が叫ぶ。

 

 

 

 

「よし、行くぞ!!NFB!「メテオライトバレッジ・フルバースト」!!」

 

 

 

 

 光樹のガンダムが手を伸ばす。伸ばした掌に白いエネルギー球体が生成されていく。更にその周囲にも一回り小さいエネルギーの玉が出来上がっていく。

 エネルギーを完全に生成したところで、光樹はその手を一度後方に引く。そして、もう一度突きだすと、エネルギーの球体から光の奔流が多彩な軌道で放たれていく。放たれた光の弾丸は曲がり角を大きく曲がり、敵がいる方向へと伸びた。

 

『攻撃か。迎撃開始!』

 

 一方、それを見たギラ・ズール部隊は一斉に砲撃を開始する。迎撃のためだ。だがしかし、迎撃のための弾幕はむしろ光樹達からしてみれば予想通りだった。むしろ、そうしてくれなければここでまた足止めされていた可能性があった。

 1発の弾丸が迎撃を受けて爆発する。爆発の光は大きく広がり、敵の視界を潰す。視界が奪われたことで敵は残りの弾幕を撃ち落とせない。敵の弾幕を潜り抜けたエネルギー弾はそのまま彼らの足元に着弾、爆発で破壊した床から埃を巻き上げ更にいくつかの機体にダメージを負わせる。

 

『目くらましと判断。全機、警戒を……』

 

 リーダー格のロングライフルとエネルギーパックを持った紫色のギラ・ズールから指示が飛ぶ。が、それが全機に伝わる前に爆発が起こる。

 その爆発は無論、光樹達の手によるものだ。爆風で舞った埃を煙幕として強襲をかけたのだ。

 

「次!せいっ!!」

 

 光樹のゴッドクロスが先の爆発で撃墜したギラ・ズールからビームサーベルを抜き、そのまま脳波で感じ取った敵機の位置へそのビームサーベルを投擲する。その先にいた機体にも見事に命中し、また爆発を起こす。

 光樹以外もこの煙幕の中で戦っていた。アイエフのラ・デルフェスが発動すると、敵機に攻撃をし、その影響で開いた視界で敵機を確認したネプテューヌは刀でその胴体を2機連続で真っ二つにする。

 

「よしっ!2体撃破」

 

「他のみんなもいい感じに撃破してるみたいだわ。次、行くわよ!!」

 

 ちなみにアイエフ達は鈴達から渡された簡易式サーモグラフィゴーグルでこの視界の中でも動けていた。鈴曰く、簡易式のため、一度起動すると内装電池が切れると次には使えない使い捨てらしい。それでも加勢するだけでもありがたい装備であった。

 次々と敵を撃破していく光樹達。そして埃が徐々に薄くなっていく頃に、光樹とリーダー格のギラ・ズールが激突する。

 

「リーダーはお前か!」

 

『敵とエンカウント。迎撃を開始する』

 

 すぐにロングライフルのビームが伸びる。だが、それを通り過ぎる形で回避する光樹。回転する間にANクロスビームボウガンからビームソードを形成させる。縮まっていく距離、そして敵に到達すると同時に光樹はそのビームの剣を振るう。

 

「これでトドメだっ」

 

 敵も咄嗟にビームで形成された斧を構える。だが、剣を受け止めるよりも先に光樹のガンダムの攻撃がギラ・ズールを袈裟斬りにする。肩口から火花の散るリーダー格のギラ・ズールが断末魔のように言葉を残す。

 

『ググッ……敵機の、……排除ニ、失敗……』

 

 直後に肩口から爆発を起こす。さらにカメラアイから光を失い、機能を停止する。既に後方に飛び爆発から逃れていた光樹が仕留めたことを通達する。

 

「よし、目標は撃破した」

 

「まぁ、余裕ね。接近出来ればこんなものよ」

 

 鈴から余裕という言葉が飛んでくる。突撃のチャンスを作るまでは慎重だったが、実際にやってみるとあっけなく終わったのが、彼女の表情に余裕を見させたのだろう。

 

「けどこのメガネすごいよねー。埃の中でもちゃんと見えるんだもん!」

 

「そうですね!まるで、軍隊さんが使うスコープみたいです」

 

 それと対比するかのように、ネプテューヌとコンパは支給された簡易式サーモグラフィゴーグルの使用感を述べる。あれほどの砂塵の中ですいすいと動けるほどの視界を得られたのが驚きだったのだろう。

 だが、それも目くらましが上手くいったからこそ。勇也がそうでなかった時のことを語る。

 

「だが、相手が暗視スコープシステム系を持っていなかったのが幸いだったな」

 

「もしあったら、ここまで上手くいかなかったもんねー。見えていなくて良かったー」

 

 相手もこちらと同じ対処法……暗視ゴーグルの類の機能を持たれていた場合、ここまで上手くいくことはなかった。なので、ほぼ賭けに近いところがあった。それにも関わらず、光樹達がこの作戦に踏み切ったのには、やはり早く窃盗犯を追いかけることへの思いが強かったからである。

 ここを突破できたということは当然先に進むのを優先しなくてはならない。アイエフも先を急ぐことを口にする。

 

「それじゃあ、とっとと先に進みましょう。ここのおかげで、結構時間も食ったことだし」

 

 アイエフの発言を受けて、鈴が割り込んでいく。

 

「ねぇ、ちょっと待ってくれるかしら?」

 

「もうっ!どうしたのよ、鈴」

 

 これにはアイエフも困った様子を見せる。光樹もなぜ止めるのかを疑問に持つ。そこで鈴は状況に対する理由を語る。

 

「このままこの機体を放置するのはどうかと思ってね。もしかしたら、機体ログから、秘密結社の情報をロードできるかもしれないから」

 

 その考えに光樹はなるほど、その手があったかと心の中で納得する。この機体達はおそらく秘密結社お抱えの機動兵器群。機動兵器には基地データなどがインプットされていることがほとんどだ。もし、そこからデータをサルベージし、秘密結社に繋がる情報……もしかすると、敵の根城が分かれば、それは大きな進展となる。

 その話を聞いて、ネプテューヌもそれを打診する。

 

「おー、名案!!せっかくだから、鈴にここは任せようよー?」

 

「それは盲点だったわね。それなら仕方のないことかも。最悪、今秘密結社を追うのをやめて、ここから情報を引き出して……」

 

 だが、そんなアイエフの考えを鈴が再び遮る。

 

「いえ、貴方達はこのまま追って。必ずしも、ここから情報を引き出せるわけじゃないし、それにデータ削除を行ってたら無駄足になる。そうなれば手がかりを一気に失う。だから、ここはあたしがやっておくから、そっちは窃盗犯の確保を!」

 

「鈴……。分かったわ。私達はこのまま秘密結社を追うわ」

 

 鈴は情報が手に入らなかった時のことも考えてこちらに秘密結社を追えと指示する。ここでもし失敗すれば、鈴の言葉通り、一気に行方は闇の中だ。アイエフも鈴の話の内容を噛みしめ、それを受諾する。

 だが、そんなアイエフの表情にはどこか躊躇いがあった。もしかすると鈴の安全を案じているのかもしれない。すると、それを勇也が察してか、最善策を打ち立てる。

 

「大丈夫だ。俺も鈴と一緒に残る」

 

「勇也……?」

 

「いいの?」

 

「あぁ、元々鈴とはタッグで行動するのがほとんどだし、それに女の子だけを残すのも危険だろうしな。それでいいか、2人とも」

 

 その「2人」とは光樹と絵里奈のことであった。この時点で勇也は光樹と絵里奈の2人に敵の追撃を頼んだのだ。

 鈴の方は軽く自分がその選択権に入っていないのが気に障るような表情をしていた。が、既にそこまで決められているのなら仕方がないだろう。光樹と絵里奈は二つ返事で了解する。

 

「あぁ、構わない」

 

「こっちも問題ないよー。窃盗犯1体なら、こっちは5人なんだし、圧倒できちゃうからー!」

 

 2人の承諾を受けてアイエフとネプテューヌが先へと向かう。

 

「さぁ、急ぐわよあんた達!」

 

「了解~!!」

 

「急ぐです」

 

 5人は次々とドーム中央部へ続く道を駆けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 5人の先へと向かう後姿を勇也は見送る。あれだけの戦力なら、自分達が追う勢力相手には十分だろうと心の中でそう思い込む。

 すると、大破した機体との接続を行っていた鈴が作業を行いつつ、絵里奈と今残っている勇也に対してのツッコミと悪態を口にする。

 

「だから、必ずしもあの忍者機体が1人で行動してるわけじゃないでしょう。前にも言ってたローゼン・ズール型が出るかもしれないっていうのに……。……あと、勇也。何かっこつけてんのよ」

 

 睨み付ける視線を向けられ、勇也はたじろぐ。あまり怒るのも大概にしてほしいと思うのだが、2人の過去からの関係を考えれば、こうなるのは必然ではあったのは予想できたことだ。

 それでも勇也が残ると言ったのには3つほど理由があった。1つは、光樹には多くの戦闘を経験してもらう必要があるということ。というのも、今までの記憶の取り戻しにはどれも戦闘によるきっかけによるところが多い。ここで情報を集める方に残ってもらうより、先に行って強敵と戦うことが結果としてこちらの思惑通りになる。

 2つ目は絵里奈のメンタル面だ。光樹を好いている絵里奈は出来るだけ光樹と一緒にいた方が良いだろうと思ってのことだ。別にここに残ったからと好感度が下がるわけではないが、それでも元々絵里奈は顔にはっきりと出すわけではないが、特に女性に対してはやきもちを焼くこともあった。そのせいで連携が乱れるのも良くないため、絵里奈を残した。

 そして3つ目は単純に戦力比率だ。最高戦力であるシュバルトゼロガンダム・ゴッドクロスはゲーム機奪還を確実なものにするためにも必須。となれば、そのバックアップを誰が当たるかということになる。鈴はこの作業に掛かるため組めないとして勇也はそこそこ光樹との連携は取れる。だが、それ以上に絵里奈とのタッグが一番成果を出せる組み合わせだった。

もちろん、それは記憶を失う前の話だ。今がどうなっているかは実戦でしか分かっていない。だが、それでも絵里奈の援護と今の光樹の動きは以前ほどではないが十分かみ合っている。それなら絵里奈と組んで、余裕を持って敵の制圧に当たってもらうべきだ。

 それらの理由から勇也がここに残る選択をしたのだ。曲りなりにも勇也の中で考え抜いたのだ。別に以前の「より」を戻したいなどでは断じてなかった。だからこそ、鈴には真意を明かさずに表面上の理由だけを語る。

 

「ははっ、別にかっこはつけてねーさ。けど、シュバルトゼロと光樹が追いかけるのは戦術的にもこれからのためにも必要だ。それに絵里奈に不満顔されるものごめんだからな」

 

「本当?……けど、ゴッドクロスと光樹にしか出来ないことね。絵里奈に関しては、あたしも同意見だわ。あんたが最初にここに残るって言いださなくて良かったわ」

 

「それもそうだな」

 

 2人の談話が続く中、コードを接続した鈴のR-EXEグレイガが作業を終える。

 

「さて、これで読み込み準備は完了よ」

 

「よし、周辺警戒は任せておけ」

 

 そう伝えると、勇也はR-ZEROで周囲を警戒する。その間に鈴は解析を進める。

 しばらくして、鈴のため息が聞こえる。勇也は警戒を続けつつ、小声で聞く。

 

「……どうだった?」

 

「ダメね。場所に関する情報は今の場所じゃ解析できない」

 

「そうか……」

 

 無理だったという回答が返ってくる。それは残念なことであった。それを今伝えることが出来れば、光樹達にそれを伝えることも出来たのだが……。

 どっちにしろ、光樹達の活躍に任せるしかないか……。そう思いつつも、鈴の活路がまだ残った発言に対し、俺はその先を聞く。

 

「それで、その回答が来るってことは、もう少しマシな解析機関があれば……?」

 

 すると、その反応を待っていたかのように鈴は接触回線で答える。

 

「えぇ。ブラックボックスから情報を引き出せるかも……!」

 

 その言葉を聞いて喜ぼうとしたものの、そこで緊張が高まる。倒したはずの機体達から駆動音が響き始めた。再起動しようとしていたのだ。動き始める機械の兵達に勇也と鈴は危機感を抱く。

 

「このタイミングで再起動、か……」

 

「嫌な予感しかないわね」

 

 2人の予感は的中した。解析に使用した機体以外の機体から光があふれ始める。そして同じ言葉が同時に発声される。

 

『自爆モード、起動します』

 

「ちぃ!」

 

「マズイ!!」

 

 2人も急いで退避する。そして2人の影が光に照らされ――――――――

 

 

 

 

 通路の一角が、大爆発を起こしたのであった。

 

 

TO BE CONTINUED

 




今回もお読みいただき、ありがとうございます。さぁ、最後の方に鈴と勇也の2人がピンチになりましたがどうなる次回!?

レイ「ノリノリだねー。けど本当に大丈夫かなっ!?」

ジャンヌ「爆発に飲み込まれたみたいですけれど、大丈夫でしょうか……。でも爆発した時の描写、少し曖昧じゃないですか?」

うん、何のことだかさっぱりだなー(*´ω`*)

ジャンヌ「あ、これ確信犯ですね」

レイ「ってことは無事なんだね?でも藤和木のことだから何かありそうかも……」

ジャンヌ「何かといえば……そういえば絵里奈さんが何か物凄い超感覚を発揮していましたね」

レイ「そうそう!銃の音をあの状況で聞き分けるってどうなの!?」

まぁ、あれは絵里奈にしか出来ない芸当ですよ。視覚だけではなく聴覚も優れている。スナイパーだけじゃなくアサシンもこなせますよ。

レイ「……あのゲームの中でアー○ャーとアサ○ンこなしているサー○ァントっていたっけ?」

それは知らん。私F○teはよく知らないから

ジャンヌ「とか言っていますけど、最近アポ○リフ○見てるじゃないですか」

それは丁度バトスピにマッチした英雄が出ているからで……

レイ「あぁ…諏○部さん?」

ジャンヌ「あとわたくしと同じ名前のルー○ーさんもいますよね」

諏○部さんはバトスピでも有名な方だからね。一度フリーの方でその人がやろうとしていたことをやってみようとしたけど恥ずかしさからまだできていないよ\(^o^)/解放したいわ、一度でいいからあの名前を

レイ「でも藤和木は英雄じゃないからねー。仕方ないよ」

(´・ω・`)

ジャンヌ「まぁ、藤和木の場合は最近は当てはまらない、のでしょうけど」

ま、まぁね。さて、今回はここまでです

レイ「次回は月曜日に投稿だよーっ!」

ジャンヌ「それでは皆様、次回も是非見てくださいねっ」

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