新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
シエラ「それ、「あれは嘘だ」よね?けど、それもわたくし達のおかげではあるけれど。どうも、皆様。この1週間の間、藤和木の執筆を限界まで進ませたわ、シエラ・ムルセーヌよ」
ソニア「ほんと、この1週間でここまで書けるなんてすごいですね!どうも、皆様!シエラと一緒に藤和木さんを最大限フォローしました、ソニア・A・ワスプですっ!」
うん、この1週間、学校もあるっていうのに今使ってるパソコンの制限時間いっぱいまで帰ってから書いてたからね。バトスピのデッキ調整する時間も結構減らしたし。
シエラ「その時間も削ればよかったんじゃないの?と言いたいところだけど、今日の最後のフリー対戦であれを見せられたら、ジャンヌさんのためにも言えないわね」
そう言ってくれると助かります。さて、今回は第128話、前回から1週間後のことになります。
ソニア「強まる向かい風、ってことは、何か嫌な感じがしますね」
うん、ネプテューヌサイド、そして光樹サイドにも少し世間と言う名の風が強まります。最後の方には、光樹君と鈴が犯罪組織への対抗策を考えますが果たして……?それでは本編へ!
ネプテューヌとビーシャ、そして光樹とR1が同盟を結んで1週間が過ぎた。この1週間の間に、国には大きく影響を与えることとなった。
まず、R1陣営との全面的な同盟。光樹と共に向かった第3格納庫にて、R1とその合体ユニット、R2とR3。それにサポートユニットのRマグナム・レイと鈴達GKSWAXPが直接邂逅したことだ。
お互い最初の出会いこそ悪かったものの、R1の言う通り、合体した彼ら全員が光樹はもちろんのこと、戦いの場を用意した鈴達も仲間と認め、お互いがそれぞれの窮地を助け合い、行動することを約束。
同盟の結果は高く、プラネテューヌ周辺の暴走モンスターをプラネテューヌ防衛軍とも連携して撃破。あのハネダシティ襲撃から今日まで街の占拠などの大事へ発展した事例はなく、この混沌渦巻くゲイムギョウ界の中ではまさに大成功とも言える成果となった。
続いて国のトップの共同活動。これは街の治安を守るゴールドサァド・ビーシャと元国のトップであり、光樹達とは違う、仕事として依頼されたモンスターの討伐を担当するネプテューヌの分業体制だ。今までトップがモンスターの案件に関わらなかったことが原因で起きたハネダシティ襲撃の教訓を生かした非公式のようにも見える公式な2人のトップで活動することによってその不安をなくすことに成功。ネプテューヌもビーシャと共に街の人と関わることで徐々に女神の記憶を思い出し始める人も続出している。
後のことは完全に予測していなかったものの、むしろ良いことであったため結果的に以前よりも治安・モンスター・それに変革以前への復興も夢ではないことを自分達にもたらすこととなった。
しかし、よいこともあれば悪いこともある。これは1週間後のイストワールへの報告の話となる……。
「では、アイエフさん、鈴さん、報告をお願いします」
イストワールから報告の要請を受けるアイエフと鈴の2人。彼女達は、ネプテューヌサイドと光樹サイド、それぞれの関係者の中で報告をする立場の人物であった。
鈴は当初からこの役目で了承していた。というのも光樹では役不足、勇也はMPの機体の整備側であるため書類や報告などの作業に関わりづらい、絵里奈はあの喋り方から報告には向かないと判断され、残る鈴が残った、という形になっていたからだ。
だがしかし、鈴も各々の得手不得手、事情、個性は把握していたため、それに自然と違和感はなかった。むしろ、これは平常運転とも言えた。
光樹は比較的お偉いさんと話してて場慣れしてるけどむしろ相手の感情を逆なですることもあるし、そもそも今は記憶を失ってるから報告に穴が出る可能性がある。勇也に重荷を背負わせるわけにもいかないし、絵里奈は絵里奈で報告に向かない人物だし。それを全部考えると……やっぱあたしが適任になるのよね。
諦めを心の中で持ちつつも、鈴はアイエフと共に報告する。
「国民の意識調査アンケートの結果ですが、先週よりもはるかに評価が上がっていました。おそらくですが、ネプ子とビーシャの役割を明確化したことにより治安の改善が図られた結果だと思います。ネプ子に関しては、急増している猛争モンスター危険種の討伐が国民から評価されているようです。ビーシャに関しては、相変わらず子どもたちに人気があるせいか主婦層の支持も高まっています」
「こちらもプラネテューヌ軍へのアンケートですけど、かなり軍への信頼度が高まっています。主にあたし達ガンダムとDRX、それにプラネテューヌ軍の切り札「パープルプロテクター」のそれぞれが協力し合って街に迫る脅威の殲滅を行っていることで、国民からの信頼を得ていることに起因していると思われます。特に光樹に関してはハネダシティ襲撃以降、武装化モンスターの討伐時の活躍がかなり軍にも高評価を得ています。細分化した調査結果では、特にメカニック系列の仕事を持つ男性にこちらは評価されている傾向です」
2人の報告が終わる。アイエフからはネプテューヌとビーシャの行動による国民からの評価だ。以前の時よりも国民の心をつかんでいた。
そんな一方、鈴の話は、光樹達が一時的に属するプラネテューヌ軍への評価だ。ガンダムチームとDRXの連携により、これまでの脅威はどれも街到達前に粉砕していた。
特に光樹はあの話以来、確実に動きがよくなっているように鈴には思えた。その証拠に、今まで苦戦していた武装化モンスターの討伐をDRXの協力もあってかなりスムーズに行えていた。まるで、何かに覚醒したかのように。
本当、何が引き金になるか分からないもんね。あたしは心の中でそう呟く。あの話がきっかけで、光樹は徐々に記憶を取り戻してきてる。戦闘スキルが多いけど、あたし達と行動してた時の、中学3年生までの記憶が徐々に戻りつつあった。
多分、今は初代メンバーとの交流が多いから。だから、他のメンバーとの交流も深まったりすれば、もしかすると……。
何もかもが上手くいくわけではない。しかし、鈴は光樹の早期の復活を願う。そうでなければ、またあの黒いNPに……。その思いを考える中、イストワールが2人の渡した報告書を確認してから、報告に返答する。
「一時はどうなることかと思いましたが、これなら、プラネテューヌも安泰ですね」
「すごいです、ねぷねぷ。やっぱりねぷねぷはやればできる子です。光樹さんも随分活躍しているみたいですし、これなら上手くやっていけそうです」
「でしょ?これでもうプラネテューヌの不安要素はなくなったよー。この状況のまま、改変の黒幕を見つけていこうっ!」
イストワールとコンパがその活動に安心したことを口にする。3人の言葉には鈴も同じ気持ちだ。特に絵里奈の言った「不安要素」がなくなりつつあることには報告をまとめていた鈴も見ていて安堵する結果だった。
もちろん、まだ完全に安心できるわけではない。だが、それでも改変から1週間の時よりかは今の方が政治も軍事も上手く回っていると言えた。国を運営するうえで欠かせないこの2つが改善されたことは、今のプラネテューヌにとって非常に安定した結果を生み出すことになる。連携が出来れば、秘密結社アフィ魔Xの尻尾を掴むのにも良い影響を与えるだろう。
とはいえ、ここで油断してはいけない。いつ秘密結社の介入で、この均衡が崩れるかも分からない。だからこそ、あたし達は常に脅威に目を向けないといけないんだから。
そんな鈴の心配が早速現実のものとなる。
「えっへん!ドヤァ!」
コンパからの褒めの言葉を受け、ネプテューヌは誇らしげに胸を張る。油断してはいけないと思った矢先にこの対応だったので、鈴の胸の内は不安が溜まっていく。
その一方で、光樹の方は冷静さを持ってネプテューヌに忠告をする。
「あんまり余裕持ちすぎるとダメだぞ、ネプテューヌ。アイエフの報告書をちょっと見せてもらったけど、いいことばかりじゃないみたいだし」
いいことばかりではないというのは、主にネプテューヌサイドの方の問題だった。詳しいことがネプテューヌへの叱りと共にアイエフが光樹の言葉に付け足しで報告する。
「光樹の言う通りよ。その反面、2人の良くない噂やデマもネットを中心に出回っていることも事実です」
「あ、あれ……?」
アイエフの報告に戸惑いを見せるネプテューヌ。先程までいいことばかりを聞いていたので、悪いことが来るとは思わなかったのだろう。
その報告に興味を示した、というよりも、危機感を感じたイストワールが更にその話を詳しく聞く。
「例えば、どんなものでしょうか?」
「「ビーシャに金を請求された」「ネプテューヌはいつも遊んでばかりで仕事していない」「平日の昼間に2人でおもちゃ屋で買い物をしていた」などです」
いずれの話も、ネプテューヌサイドで活躍する2人に対する問題だ。悪い噂は根絶すべきなのはどこの世界でも常識ではあるが、この内容は、残念ながらどれも事実であった。
イストワールもそれを感じていて、否定することなく事実を受け止める。
「……ある意味事実ですね。ちなみに、これはどこからですか?」
一体その情報はどこからなのか。イストワールからの問いに、アイエフの口から、語られたのはようやく聞きなれるようになったこの世界のサイトの名前だった。
「ネット掲示板のNちゃんねるで最も多く見かけた書き込みです」
「Nちゃんねる……ホント、こっちの2ちゃんねると同じね」
Nちゃんねるとはこの世界でのインターネット中心のニュースが多く乗っているサイトだ。その内容は、鈴達の世界での2ちゃんねるというサイトと同じような感じであり、この世界での2ちゃんねるがNちゃんねるなのだろうと思っていた。
呟いた鈴に目を向けつつも、アイエフが更にその影響を伝える。
「ですが、そのせいもあって、『@将軍のまとめサイト』などの有名ブログにも取り上げられています」
「もう、失礼しちゃうよね!たまたまあの日は休みだったから、ビーシャと遊びに出かけただけだったのに」
休息の時をサボりの証拠として押さえられた結果にネプテューヌが文句を言う。いつもなら、ネプテューヌに同情する気はないが、今回は流石に酷いものだと思う。
事実、この1週間ネプテューヌは真面目に働いていた。イストワールが普段こなしているものより量は少ないものの、それでもまだ仕事をしている方だった。その合間に仕事の進み具合を考慮して、イストワールからも休憩のOKサインをもらって外へ遊びに行っていた。今のこの大変な時期に遊ぶべきではないとは思うが、それでもネット民の言葉に反感を抱いた。
すると、その情報に対して、疑問がアイエフの口から語られる。
「……けど、どうして教会でのネプ子のことまでまとめられているのかしら」
「……あのぉ、それってどういうことー?」
アイエフの疑問に絵里奈が問う。疑問にした点がよく分かっていないためだった。言葉の内容から、なんとなくおかしな点を察した鈴はアイエフに更に追及していく。
「おかしな点って……もしかして、教会での行動が書かれてるってこと?」
「そう。教会内でのネプ子の行動が見て取れるように分かってるのよ」
そう言ってアイエフがタブレットに表示させた記事を見せてくる。サイトは先程も名前に上がっていた「@将軍のまとめサイト」である。
記事の内容を見ていく。すると、確かにアイエフの言っていたおかしな点がよく分かる。例えば、ネプテューヌがぐうたらしているという情報の所。この時はネプテューヌがビーシャと一緒におやつを食べていた、というものなのだが2人が食べていたものがすべて書かれていた。それも出鱈目ではなく、そのメーカーまで記されていた。
なぜ、ネット系列の物でも、ここまで情報が正確なのか。この情報の正確性は軍の諜報部並みの情報。それが言い過ぎだとしても、最低でも情報を多く集める力の強い週刊誌の記事程には情報が正確だ。
しかし、その正確性も、あくまで事実に対すること。このまとめサイトは欠けているものがあった。公平性だ。そのことについて、ネプテューヌも口にする。
「てかさ、この『@将軍のまとめサイト』ってヤツ?記事のまとめ方に悪意がありすぎるんだってば。見てよ、ネガティブな噂が必ず記事の最後に来るように順番を変えてるんだよ」
そう、ネプテューヌの指摘通り、このサイトの国関係の記事は、いずれも悪印象を与えるものが多かったのだ。記事のまとめ方に共通性があるというのは整理されているという印象を与えるが、それでもこのやり方は関係者に誤解を与えかねない。
その影響で、後に書かれた感想的な欄にも、その影響を真に受けた人が多く記事に流された内容の意見を書いている。
これらを含めて、この書き手はかなり偏見を読者に植え付ける人物のようだ。だが、国への不満を煽るにはこれほど完璧に先導するのは流石と言うべきだろう。
「こういう記事の最後のコメントって、書き手側が意図しなくても、読み手側は記事の結論として受け取るってベールが言ってたもん」
「確かに、言われてみればそうかもです」
ネプテューヌの言葉に、コンパが納得する。絵里奈も頷きを見せている。彼女達もネプテューヌの指摘に納得したのだ。
「絶対、このサイトの管理人、わたしに恨みある人がやってるよ」
「まぁ、その考えは正しいかもしれないわね。現にこのサイト、あたし達関連でもかなり偏見を書いているし」
「え?俺らにも?」
と光樹が疑問をかけてくる。光樹が知らないのは当然だ。鈴も全員にいちいち教えているわけではない。これを知っているのは今現状、勇也のみ。その勇也も鈴の書類制作の手助けをしていたがために知った過程があるため、ほぼ偶然だ。
鈴はすぐにその実態を言葉にする。
「えぇ。特に光樹に対してなんだけど、そのサイトで取り上げられていたの。……「世界を混沌へと導く、異次元からやって来た戦いの魔王」ってことでね」
「戦いの魔王……」
「魔王って……確かに光樹君、戦闘では容赦ないところあったけど……」
その話を聞いて、当の本人である光樹に加え、絵里奈も否定する。そんなことはないのだが、やはり外の世界の人物だとそう思われる例も少なくない。
だが、問題はそれだけではない。問題はなぜ光樹が別世界の住人だと分かっているのか、だ。改変後は把握しているが、改変前も光樹の話では別世界の人物であることは特別な場所を除いて、ほとんど別世界の住人であるということは伏せているという。
記憶喪失については話しているものの、それでもこのサイトでは光樹は別次元の住人であることが語られている。知っている人物から聞かねば分からないはずの事実を、なぜここで書いている人物が知っているのか。諜報活動に長けた人物がいるのか、それとも……。
疑問がうずめく中、イストワールもそれに対し重く感じてコメントする。
「光樹さん達について国民への正式な発表が必要かもしれませんね。ただ、今はコメントすべきではないかもしれませんが」
「機を見て発表するのが得策でしょう」
「発表は最低でも国を十分安定させてからの方が良いだろう。でなきゃ問題に足を絡まれて突発的なことに対応できないからな」
鈴と勇也がそれぞれ情報の取り扱いについて提案をする。イストワールもその意見に賛成し、それに沿う。
「そうですね。光樹さんの件は、また機を改めて発表する方向で、今は事態の沈静化を図りましょう」
そう結論づいたところで、話はまたネプテューヌ達の問題に戻る。つい先ほどのネプテューヌの発言に引っかかったコンパがその疑問について聞く。
「それで、ねぷねぷ?もしかして、身に覚えがあるんですか?」
コンパからの質問に、ネプテューヌは目を見開く。そして、相手の考えを予測した。自信満々の目をして。
「そりゃあ、これだけキュートでチャーミングでとっても強いわたしに嫉妬してる女の子に決まってるよ!」
驚くほど、自己陶酔じみた考えだった。そんなもの、本気で考えていても、ここまでする人間は果たしているのだろうか。いや、余程狂った人間でもなければ、そうは考えないだろう。
下手すると、自分を悪役として考えているような発言をしたネプテューヌを見る周囲の全員は反応に困っていた。イストワールや光樹はおろか、あの絵里奈も口を開いて呆然としているくらいだ。
だが、ネプテューヌの自己中心的な発言は止まらない。
「あ、もしかしたら、わたしが高嶺の花過ぎて近寄りがたいから失脚したところをアプローチしようと考えている男の人だったりしてー!いやぁ、これだから人気者は困るなぁ」
「……高嶺の……花?」
「え?誰のこと言ってるの?アイエフちゃんがってこと?」
「残念だけど、ネプ子が言ってるのは自分自身ね。でも、別にあんたは人気者だったとしても、高嶺の花なんかじゃないっての」
光樹に絵里奈、それにアイエフがそれぞれネプテューヌの言動に引きながらも現実をぶつけていく。話を聞いていたイストワールも呆れてしまって話を逸らす形で元に戻す。
「理由はどうであれ、この2つの問題はどうにかしなくてはいけませんね。プラネテューヌだけでなく、他の国でも同様に、ゴールドサァドと女神様達の悪い情報ばかり記事にされていますし」
イストワールからの情報を聞いて、鈴達も気を引き締める。そう、問題が起きているのはプラネテューヌだけではない。防衛隊とのコンタクトで他の国でもよくない噂が多数流れていることが判明していた。
一応、後の3国家それぞれにはレッド・ホワイト・アズールの3チームが分かれてる。けど、通信状況が悪いのか、それともそれぞれの国の妨害なのか、あるいは取り込み中だったのか、なかなか通信が繋がらない状況。やっとの思いでレッドの方には繋がったけど、それも今は取り込み中とのことですぐに切れたし、これは厳しいところだわ。
鈴がどうすればいいのか考えている間に、ネプテューヌが次のための行動を口にする。
「となると、うかうか外出もできないよね。ってことで、プラネテューヌの為に、しばらく部屋に引きこもりまーっす!」
「……はぁ。どうすればそういった考えに行き着くのでしょうか」
「あんまりそれは得策じゃないかもー」
ネプテューヌのサボり発言に頭を抱えるイストワール。それをフォローするように絵里奈もネプテューヌの考えに反発する。
絵里奈の言う通り、それは却って悪手だろう。敵は室内の様子も知りえる存在。何か、トラップを仕掛けてくる可能性もある。ならば、中より外の方が安全ということも考えられる。いずれにしろ、ここで大事なのは行動すること。それも、ちゃんと仕事に集中することなのだ。
「まぁ、閉じこもるのもあんまり良くはないから、ネプテューヌは今まで以上に仕事を行いつつもこれまで通りに過ごして。後はあたし達の方でも考えてみるわ」
「うん!参謀組に任せるっ!!」
馬鹿正直にネプテューヌはこちらにすべてを任せる。少しはネプテューヌにも案を出してもらいたいところではあったが無意味だろう。
「ネプテューヌがサボる分、俺も協力するよ。まずは国中の防犯システムの再チェックか?」
「光樹……。そうね。手始めにそれをもう一度考え直しましょう」
光樹からの提案を鈴は受け入れる。人に関わることでも、広がったものへの始末より、広がる元を断つことが最優先だ。
鈴の了承を聞いて、勇也とアイエフも頷く。
「了解だ。システム系は今は俺が担当しよう。光樹ほどじゃないが、今よりは良くしてみせる」
「あたしも、教会の警備の強化を依頼しておくわ」
「頼んだわよ、2人とも」
鈴の声を受け、2人はそれぞれの持ち場へと向かう。2人が出て行ったのを見送ると、光樹が辺りを見回して聞く。
「あれ、そういえばネプテューヌとコンパは?」
「そういえば……そうね。あの2人はどこに行ったのかしら?」
鈴も今気づく。ネプテューヌとコンパがこの部屋のどこを探してもいないのだ。部屋を出ていったのかと思うと、絵里奈が先程の行動を話す。
「あー。そういえばネプテューヌちゃんの誘いを受けて部屋にゲームしにいったよー?」
「え、マジでやりに行ったのか?」
「うん。大マジー!」
「ちょっと……あんな有言実行しないでよ……」
光樹の聞き返しに絵里奈が先程の説明と同じように返す。まさかとは思ったが、本当にゲームをしにいくのは鈴も予想外だった。
全く……何やってんのよあの2人は。こっちは防犯系の見直しをするっているのに!それは確かに、あの2人はそういった作業に向いていないわ。けど、それでも「手伝えることはある?」とか聞くのが筋ってもんでしょう。
過ぎたことに苛立ちを立てる鈴。その横で絵里奈が2人の先程までの様子を説明する。
「うーんとねー。なんか、ネプギアちゃんが修理してたゲーム機に対応したゲームソフトを見つけてきたんだって」
「ゲーム機……?なぁ、ひょっとしてそれって渦巻きマークがついてるとか言ってなかったか?」
絵里奈の説明に光樹が反応して話を聞き入る。何を聞いているのか、もしや、光樹もまたサボりたいなどとは言うのではないかと警戒するが、そうではないことが明らかになる。
「えー?確か……うん、そんなこと言ってたような気がするー」
その言葉を聞いて、光樹は真剣そうな表情をして鈴に話す。
「なぁ、確か、俺が別次元に言った時の話は知ってるよな?」
「え?……あぁ、そういえばゲーム機を操作したら別の世界に行けたって話だったわね。もしかして、そのゲーム機?」
「たぶん、いや、間違いなくそうだ。この件とは関係ないかもしれないけど、あれについても調べてくれないか?過去のデータから分かると思うんだが……」
光樹からの頼みを聞いて、若干迫力に押される。記憶を失っているというのに、この圧迫感……何かを掴み始めている雰囲気だ。まさに、記憶を失う前の、事件を、裏の戦略を感じ取った光樹の様子だ。
そう言われてしまえば、鈴も断る気にはなれない。それに鈴も少し気になることがあった。そこで鈴はその理由を光樹に問う。
「別にいいけど、その理由は?」
「犯罪組織がゲーム機を探してるって言ってただろ?俺達が別次元へ送られたのもゲーム機によるものなら、もしかすると……」
……まさか、ここまで同じように思っちゃうなんて、あたしもまだまだか……。それとも、光樹の直感が戻って来たのか……。
光樹の記憶の復活速度に感服しつつも、どこか納得のいく鈴。そう、鈴も先程の光樹と全く同じことを考えていたのだ。
となれば、返す言葉はただ1つ。鈴は返答する。
「……分かったわ。それも調べるわ。でも、その作業のメインはアンタと絵里奈。それでいい?」
「あぁ!言い出しっぺだからな」
「私も光樹君と一緒なら万事オッケー!!」
これで役割は決まった。話を聞いていたイストワール達も光樹達に応援の言葉を贈る。
「それでは光樹さん、絵里奈さん。秘密結社の事件の派生調査、よろしくお願いしますね」
こうして、鈴達は自身の担当するものに取り掛かっていった。
その裏で、既にアフィ魔Xの諜報員がすぐ近くまで迫っていたことに気づくことなく。
TO BE CONTINUED
今回もお読みいただき、ありがとうございます。ここからネプテューヌ編の後半戦になっていきます。
シエラ「そんな感じはするわね。状況の一部好転と陰で活動する諜報員っていうのが特にそれを感じさせるわね」
ソニア「でも、わたし一番見てて思ったのが、ネットで色々書かれてるってことだなぁ。やっぱり人のうわさってそういうのが強調されて伝えられちゃうんだなぁ、って思いました」
それは仕方ないところあるよ。ネットではそういうのを完全に否定は出来ないし、現実でもそういうのはあるから。
シエラ「あなたがそういうこと言うなんてね。てっきりそっちの方だと思ったわ」
しょぼーん(´・ω・`)いや、否定は完全に出来ないけどさ。けど、次回から遂にネプテューヌ編で秘密結社が大きく動きますよ。
ソニア「そうみたいですね。光樹さん達が活躍するの、楽しみでしゅ!は、はぅ!また噛んじゃったぁ……」
シエラ「そろそろ慣れなさいよ、ソニア……。それで、来週からはわたくし達とレイ・ジャンヌさんのタッグを1週間おきに組み合わせるのだったかしら?」
そうそう。次の時はジャンヌさんとシエラで行くつもりだから。
シエラ「早速あなたのお気に入りペアで行くのね……」
お嬢様×お嬢様とか良くない?
シエラ「知らないわよ……」
ソニア「けど、ってことはその次はわたしとレイさんですか?」
にしようとは思ってる。楽しみにしてて。
ソニア「はいっ!ナンバーワンディーバのレイさんと話すの、すごく楽しみですっ!」
ってことで、今回はここまでです。
ソニア「次回は土曜日の更新になります!」
シエラ「じゃあ……次回も待っていてくれると嬉しいわ」