新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

136 / 170
どうも、皆様、お元気でしょうか。学生は夏休みが終わったかあと少しかな?夏休み終了間近になって宿題をしていないかな?私は昔は結構残ってました、藤和木弘です。

ジャンヌ「ヒカルさんから聞いていましたが、藤和木あまり宿題をやるのに意欲的ではなかったそうで……でも今は課題はちゃんと時間内に終わらせていますね。どうも、皆様。先日前アシスタントのヒカル様とお会いして、わたくし達と藤和木とのやり取りが面白いと頂きました、ジャンヌ・ドラニエスです」

レイ「けど、まさかヒカル君がZ/Xに興味を持つなんてね!それもビジュアルで選んでるって、ジャンヌちゃんを選んだ藤和木みたいっ!どうも、みんな!ネプテューヌVⅡRが発売したね!レイ・オーバだよっ!」

そうだね、ネプテューヌをやっている方々は、もうVⅡRはやられたのでしょうか?私は残念ながら就活と金銭の問題でまだ買ってません!(´;ω;`)

レイ「本当はやりたいって言ってたのにねー」

ジャンヌ「それもVRも揃えたいと言ってましたし……でも、学生の藤和木がVRを買うのは厳しいです(けど、おかげで藤和木がわたくしを見てくれてる……うふふっ♡)」

まぁ、それに関わる話も、この話のあとがきで言うことにして、今回は第123話になります。

ジャンヌ「今回は猛争・武装化モンスターとの戦闘ですね……これで2体目ですか?」

レイ「ネプちゃんと鈴ちゃんのも合わせると3体じゃない?」

3体目だね。けど、正しくは3件目かな?ここでは集団全てが猛争・武装化モンスターだから

レイ「へぇー、そうなんだっ!」

ジャンヌ「砲撃の雨、ですか。激戦になりそうですね……!」

鍵を握るのは、光樹君のあの武器!さて、それでは本編へ!!


第123話 砲撃の雨、切り裂けデュランダル!

 

 

「さて、じゃああの武装化モンスター達を倒すとするか」

 

「えぇ、そうね。これを倒せば、この戦いも終わりそうだし」

 

 光樹からの言葉に、鈴は手早く反応する。光樹の言う通り、これがこの街のボスだという可能性は高い。フェンリルタイプはこの世界では危険種という情報を聞いていた。加えて猛争化時の電磁波と武装化の見た目もまたボスらしい特性を示している。これは強敵だ。

 早速だが、あいさつ代わりに武装化フェンリルの砲撃が飛んでくる。砲撃を躱す鈴達。回避したところで、絵里奈が攻め方について聞く。

 

「ところで、このモンスター達どうやって倒すー?」

 

「まずは取り巻きから片づけましょ。大きいのの攻略を邪魔されて、その隙に撃ち込まれた、なんてやられ方はしたくないでしょう?」

 

「それもそうね。じゃあ、私と光樹で大型モンスターの気を引いて、残りのみんなは小型の掃討をお願い」

 

 アイエフの言葉を聞いて、パープルハートが役割分担を出す。その命令に異存はなく、頷くとそれぞれ攻撃対象に向かって別れる。鈴は絵里奈と共に武装化ラビリム2体を相手にすることとなった。勇也とアイエフ、コンパはもう一方のラビリム達、そして光樹とパープルハートは武装化フェンリルに向かっていく。

 直援に付いた絵里奈に、私はしっかり援護するように言う。

 

「絵里奈、サポートは任せたわよ」

 

「まっかせといて~。私の狙撃スキル、伊達じゃないよー!」

 

 意気込みよく絵里奈はANFXキャノンバスターを向けて放つ。素早く放たれた砲狙撃は当たりこそしなかったものの、武装化ラビリム達の動きを制限する。動きの乱れたところで、鈴の出番だ。R-EXEグレイガのANファングクローシールドを展開して突撃する。

 敵に十分接近したところで右側にいた武装化ラビリムに攻撃を行う。腕部のANファングクローシールドと脚部のANフットクロー、2つの実体の刃を体全体を使って振るっていく。

攻撃を受けて距離を取ろうとする武装化ラビリムだったが、それを鈴は許さない。機体のフロントアーマーがパージされる。否、それは違う。機体と離れたフロントスカートはチェーンで繋がっていた。さらにスカートの端部分そのものがスカート下を軸に回転し、ハサミのような形に移行する。

 ちょっとしたギミックで展開されたANシザーアンカーⅤは武装化ラビリムの懐に入り込み、腹部を抑える。こちらの方に向かって巻き取りを行う。だが、相手は小さくても猛争化、加えて武装化モンスター。小さな体でありながら、新たに装備している装甲のスラスターで踏ん張る。さらに背後からはもう1匹の武装化ラビリムがバルカン砲を放とうとしていた。

 だが、それは絵里奈によって防がれた。背後の武装化ラビリムが撃つよりも早く、絵里奈が肩部のバルカン砲の片門を撃ち抜いたことで起きた爆発によってだ。

 相変わらず、狙撃の腕は感心するわ。おかげで安心して後ろを任せられる。あたしは心の中で思いつつ、目の前の武装化ラビリムとの力比べに集中する。目の前のウサギ型武装化モンスターは巻取りとほぼ同じ強さで相手も抵抗してる。さっきもされそうになっていたが、この状態でバルカン砲を撃たれて苦戦するのも嫌だわ。だったら……。

 鈴は機転を利かせる。チェーンを掴むと、それを引っ張る。加えて機体のスラスターを吹かせて自身の力も利用して、武装化ラビリムを右へ左へと動かしていく。

 一気にそれらの動きを行われていくにつれて、ラビリムは徐々に抵抗を少なくしていく。これが鈴の狙いであった。無理に体を動かし、相手の抵抗を強くする。こうすることで、相手の体力を、エネルギーを減らしていく。そうすることで、敵の勢いを削いだのである。

 抵抗の弱まった武装化ラビリムに対し、鈴はグレイガに指示を飛ばす。

 

「グレイガ、今よ!」

 

『了解ッ!』

 

 すると、一気にチェーンが巻き取られていく。抵抗のなくなった武装化モンスターの体は軽くこちらに飛んでくる。十分巻き取ったところでANシザーアンカーⅤの拘束を解く。そして下腕部に装備されたANビームメイカーをトンファーモードで起動する。細長いビーム発振器の後部から細長いビームの剣が生成される。生成された剣をそのままラビリムに向け、振り抜く。

 振り抜いた一閃が武装化ラビリムの腹部装甲を切り裂く。切り裂いたのち、体を回転させ、リアスカート部に固定されたANテールヒートロッドⅡを当てる。攻撃を受けたラビリムは斜め上空に飛ぶ。そして、最後の一撃は……。

 

「ANビームブラストマグナム、シュート!!」

 

 リアスカートの上部に装備されていたANビームブラストマグナムを素早く両手で構え、撃つ。過剰なまでのエネルギーのスパークを纏った高出力ビームがラビリムに向けて放たれる。ビームはそのままラビリムの強化された防御の象徴である機械装甲を融解させ、その体を貫いた。

 

「ビィ~……」

 

 ダメージを受けすぎたラビリムは機械の装甲が外れながら消滅していく。あとは絵里奈と勇也達の方だけ、と思った矢先。

 

「鈴ちゃーん、こっちは終わってるよー」

 

 こちらの方に手を振って絵里奈が報告する。絵里奈も無事モンスターを討伐したようだ。そして、もう一方も……。

 

「アイエフ、ラスト1匹!」

 

「分かってるわ!「魔王暗翼刃」!!」

 

 アイエフのカタールから生成された黒い光の刃が、武装化ラビリムの装甲の隙間を上手く突き刺す。その攻撃を受けて、機械の装甲が外れていくとともに光となって消えていく。もう1体のラビリムもいないことから、どうやらあちらも露払いは終わったようだ。

 これであの大型猛争・機械化モンスターに集中できる。既に相手にしていた光樹とパープルハートに対し、鈴は機体の拡声器を使って告げる。

 

「こっちは全部片付いたわ!あとはそいつだけ。一気に叩くわよ!!」

 

 鈴達も光樹達が戦っている大型猛争・機械化モンスターの「フェンリル・キャノン」との戦闘に加わっていく。ここからが、彼らのハネダシティ防衛戦の本番であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 鈴からの声に、光樹は通信回線を使って応答する。

 

「了解した。援護を頼む。そろそろ切り込みたいと思ってたところだ」

 

『了解。思う存分突っ込みなさい!』

 

「あぁ。……パープルハート、そろそろ行くぞ」

 

 鈴からの返答に手短に答えたのち、攻撃を回避しながらパープルハートの所まで地面を滑るように移動した光樹は切り込みを提案する。先程まではなるべく鈴達の方に攻撃が行かないように射撃と回避、迎撃を中心にしていた2人。だが小さくてすばしっこいやつらを討伐し、こちらの方にも来られるようになったということは、もう後退的な行動を取らずに済むということだ。

 当然だがパープルハートもそれを理解し、光樹に返答する。

 

「そうね……じゃあ、行くわよっ!!」

 

 勢いよく突っ込む紫の女神。これまでの鬱憤を解放するかのような速度で「フェンリル・キャノン」(光樹が命名)に詰め寄る。疾風とも言える速度により起きた風が機体の装甲の横を通る。

 やっぱり攻撃をする方がネプテューヌは合ってるな。実際ネプテューヌは攻撃技のほとんどは刀による物理攻撃と刀身にエネルギーを込めた属性攻撃がほとんどのはず。距離を離しての戦闘は決め手が少ない以上、先程も回避がほとんどだった。だから、こうして近接攻撃に移れたことで、有り余っていた力を今ぶつけに行ったんだろう。現にその攻撃はフェンリル・キャノンを翻弄するくらいだ。

 しかし光樹もただ見ているだけではない。先程も鈴に対し「切り込む」と言った以上接近戦を仕掛けなければいけない。光樹は主武装をANロング・メガ・マグナムからANビームサーベルⅦXに切り替えると、同じく突撃に入る。

 突撃を行う光樹に気づいたフェンリル・キャノンは、パープルハートの攻撃を後ろに飛んで避けるとこちらにキャノン砲を放ってくる。ビームによる砲撃を光樹はウイングスラスター4枚を使って避ける。続けざまに地面に降り立った武装化フェンリルは口から冷凍攻撃を放つ。が、これも光樹はウイングの一斉噴射で上空に避ける。上空に回避し、そのままの勢いで地面に着地したフェンリルに向かって一直線に向かっていく。次々と繰り出される攻撃に対し、光樹は回避したり、ビームサーベルで切り裂いたりして徐々に接近していく。

 そのまま攻撃を受け流していった光樹はゴッドクロスの両手を振り上げ、そのまま切り込む。右前脚を装甲ごと切り裂き、ダメージを与える。

 その攻撃により吠えるフェンリル・キャノン。すぐさま反撃に出るゴッドクロスは後退し空振り。代わりにパープルハートが脇から飛び出し、すれ違いざまに反撃に出した左前脚に機械刀で装甲に覆われていない隙間を切り裂いてダメージを与える。

 上手く攻撃を回避しながら戦う2人。しかし、攻撃はそれだけではない。こちらにフェンリル・キャノンが反撃を行おうとしたところで突如武装化フェンリルの装甲が表面で爆発する。続けざまにモンスターの下から炎が吹き上がる。炎攻撃から飛びのいてダメージを最小限に留めるフェンリルに続けてビームの円を描くものが飛んでくる。それは流石にフェンリルも装甲で的確に弾く。それらの攻撃は当然、援護にやって来た鈴達の攻撃だ。

 さらに勢いよく飛び出した鈴が、追撃の一撃を浴びせる。

 

「ほら、もう一発あるわよッ!!」

 

 普段は背中に装備されているR-EXEグレイガの大振りなソードカノンがフェンリル・キャノンの腹部装甲を突く。装甲により貫くことはなかった。だが鈴の攻撃は終わらない。そのままキャノン砲の砲身を展開し、ビームを撃つ。

 ゼロ距離から放たれたビームで武装化フェンリルは軽く吹き飛ばされる。装甲にも焦げた跡が見られ、それなりに装甲にダメージを与えたようだ。

 フェンリルを押している……今がチャンスだ!そう思った俺はノイズフォースビックバンを起動させる。起動させる技は……。

 が、その一瞬の考えた時が大きな隙となった。

 

「グルアゥ!!」

 

「っ!!光樹!!避けなさい」

 

「え……うわっ!?」

 

 鈴からの指示に、光樹は反応が遅れる。フェンリル・キャノンの砲撃が飛んでくる。それも、放たれたビームの弾が途中で拡散し、細かな弾丸となってゴッドクロスを襲った。ゴッドクロスはその砲火をもろに受け、のけ反ってしまう。

 光樹をサポートしようと鈴達はフェンリル・キャノンに向け、ビームと魔法による攻撃を行う。だが、それらは装甲を展開して発生させた粒子の壁に遮られる。それを見て、絵里奈が防壁の名前について言う。

 

「え……あれ、ANフィールドじゃないの~?」

 

「みたいね。前のやつもフィールドを展開してたけれど、こいつも展開できるなんて……」

 

 こちらのガンダムに装備されている防御兵装を敵も持っている。やはり「武装化」はこちらの世界と何か関わりがあるようだった。

 しかし、ANフィールドも弱点がないわけではないことを鈴達、そして、攻撃を受けた光樹も知っていた。ANフィールドを突破する方法、それはフィールドの圧縮率を超える高出力ビーム兵装か、AN粒子を纏わせた実体剣による攻撃。そのどちらも、光樹のガンダム、ゴッドクロスは持っていた。

 突破するためにも、光樹は息を吸って、攻撃を防御しつつ態勢を戻す。そして左肩のシールドを構えたまま、左腕のANカタナⅡ「ゼロエッジ・ソウテン」を右手で抜き放つ。刀を抜いた光樹が鈴に対し、援護を要請する。

 

「鈴、こっちであれに切り込む。援護を!」

 

「えぇ、そうね。ANカタナであんなフィールド、ぶった切ってきなさい!!」

 

 鈴の掛け声ののち、遠距離攻撃が可能なメンバーが遠距離攻撃を放っていく。ビームと炎、それに光が敵のビームと冷気による攻撃の応酬が行われる。

 そのうちにこちらへの攻撃が弱まった。ここで行くしかない。俺はゴッドクロスのスラスターを全開にして突撃する。向かってくるのに気付いて武装化フェンリルもその背中に背負ったキャノン砲をこちらに向けて放ってくる。砲撃が機体を掠めても、光樹は突撃を続ける。

 攻撃の届く距離まで来たところで、光樹のゴッドクロスは飛び掛かる。ANカタナⅡの剣先を下に向け、突き下ろす構えで。落下のスピードをウイングスラスターの加速で高める。

 そのまま剣が敵のフィールドとぶつかり合う。互いのAN粒子が干渉しあって動かない。だが、光樹がゴッドクロスの出力を上げる。

 

「カートリッジ」

 

 光樹の声に合わせ、腕部のANクロスビームボウガンⅣに内蔵されたカートリッジが両方合わせて2本ずつロードされる。出力を武装と推力に回して、さらに突撃の威力を上乗せする。

 突破力の増した実体剣はフィールドを貫通していく。数ミリずつ徐々に内部に入り込んでいく。その状況に、フェンリル・キャノンにも動揺が見られる。数秒のぶつかり合いののち、フィールドが砕ける。砕けたことで、一気に下へ降下していく。

 もはや邪魔するものはない。このまま一気に貫く。これを喰らえば、大ダメージは間違いない。

 が、それは甘かった。急降下してフェンリルの装甲に突き立てられる前に、再び攻撃が止まる。

 

「な……!?」

 

 決して急停止したわけではない。なのに空中で再び止まるゴッドクロス。その剣先には、先程も見た「障壁」とのぶつかり合いが起こっていた。

 

「二段式ANフィールド!?」

 

「不味い、光樹、一度下がれ!!」

 

 鈴の声がその防壁の理由を説明する。そう、敵は先程のANフィールドの内側に更にもう1枚、フィールドを張っていたのだ。勇也の命令に即座に反応した光樹はウイングスラスターを前面に展開し後退する。

 その直後、フェンリル・キャノンの尾が振り抜かれる。少し反応が遅れていれば、攻撃を喰らっていたのは間違いないだろう。

 何とか攻撃を避けるのには成功した光樹。だが、あのフィールドを何とかしなければならない。そこでパープルハートがこちらに来て提案をする。

 

「光樹、わたしが1枚目の障壁を突破するわ。あなたは2枚目を割って!」

 

「そうか、2人で攻撃すれば、2枚のフィールドでも……!」

 

 パープルハートの作戦に乗る。まずパープルハートがモンスターへの接近を試みる。光樹はそのアシスト。接近しつつも射撃兵装でけん制を放っていく。

 無事パープルハートが間合いまで到達すると、己の武器である機械刀にシェアを溜めてぶつける。振り下ろされた一刀に対し、再びフェンリル・キャノンの周りにANフィールドが展開され、攻撃を防ぐ。激しいぶつかり合い。再び敵のフィールドの攻略が始まる。

 パープルハートの剣は先程のゴッドクロスのANカタナⅡと同じように徐々にフィールドの内側に押し込まれていく。機械などのサポートを受けずに鉄壁のフィールドを壊そうとしている様子は女神の名が伊達ではないことを示していた。

 やがてフィールドに刀身が半分ほど入ったところで、強引にパープルハートが剣を振るう。

 

「てぇぇい!!」

 

 気合を込めた一閃が遂にフィールドを1枚破った。次は自分の番だ。すぐに光樹は両手にANカタナⅡを持って次のフィールドの攻略に入る。

 が、それを敵も読んでいた。一旦離れたパープルハートの与えたわずかな時間の間に目の前のフェンリルはフィールドを解除し、キャノン砲をゴッドクロスに向けて放った。

 

「ちぃっ!!」

 

「光樹君!!」

 

 絵里奈の悲鳴が飛ぶ。何とか攻撃は回避したものの、フェンリル・キャノンは余裕をもって後退を行ってから再び砲撃に加え、キャノン砲の横に装備されていた遠隔操作兵装を放って全方位に向けて放つ。

 

「この武器……光樹と同じ!」

 

「全員注意して回避!獣でのオールレンジ操作なんて、動きが予想できない!」

 

 アイエフと鈴の声が飛ぶ。その声に従い、全員が敵のビットの動きをよく見ながら逃げ回る。上手く避けていくが、絵里奈が回避しようとした時である。

 

「よっと。これじゃあキリが……ってうわぁ!?」

 

「絵里奈!っと!こいつ」

 

 ビットの砲撃を回避した絵里奈のR-ZXに対し、今度はビットで突撃を行う。予想外の攻撃に対処できずに吹っ飛ばされる絵里奈。それをカバーしようと勇也が向かうも、同じようにビットが突撃し、何とか回避する。

 アイエフやコンパも攻撃を回避するのに苦労しているも、攻撃を避けている。だがそこでフェンリルからの砲撃で分散させられる。

 

「ひゃぁぁぁ!あっちからもこっちからも攻撃されてるですぅぅ!?」

 

「この砲撃……何とかするにしても、どうやってあのフィールドを破るっていうのよ!?」

 

 アイエフの言葉に、光樹も心の中で頷く。この砲撃は攻撃している間は撃てないはず。なら攻撃すればいい。とはいえ今の弾幕の多さでたどり着くのは至難の業。たどり着いたとしても、あの二段式ANフィールドを貫けなければダメージを与えられないのが事実。最初のうちに攻撃できたのがまるで嘘のようだ。

 事実、フェンリル・キャノンは戦術を近・中距離戦から中・遠距離戦へと変えていた。そうすることで敵を翻弄できると考えたのだろう。実際、それでうまくさばけているので、その考えは現状に即した攻防になっていた。

 ともかく、この均衡を崩すには攻撃に移らなければならない。だが、どうやって?考えを巡らせる光樹に、鈴が声を大にして飛ばす。

 

「仕方ない。光樹、デュランダルを使いなさい!!」

 

 鈴からの言葉に、光樹は考える。デュランダルと言えば、光樹が現在生身の時に使用している剣のことだ。それを使うということはつまり、変身を解除しろということになる。しかし、それでは逆に不利になるだけではないだろうか。

 それを考えて、鈴に言い返す。

 

「デュランダル?聖魔剣のことか?でもあれはNP不使用時の武器じゃ……」

 

 ところが、光樹の発言に呆れを交えて叫ぶ。

 

「はぁ!?あんたデュランダルのことも覚えて……っていうか、ゼロも教えなかったの!?」

 

『すまない、鈴。現状でデュランダルのAN粒子制御に難があると判断し、説明していない』

 

 ゼロからの応答に、攻撃を避けながら舌打ちをした。その様子は仕方ないというものと、苛立ちを感じさせる表情だ。

 話を聞いている限りでは、ゼロが意図的にそれを知らせていなかったようだ。裏を返せば、デュランダルを光樹自身のガンダムが扱えば強い武器になるということも意味していることも悟る。

 知らなかったことに謝りを加え、鈴にどうすればいいかを尋ねる。

 

「事情は少し分かった。けど、詳しいことは後でいいか?とりあえず、使い方を……っ!」

 

 言葉を言い切る前に向かってきたキャノン砲の砲撃を避ける。そう長くは話していられない。早く聞かなければならなかった。

 それを同じように砲撃の的となっていた鈴も分かっていた。すぐに光樹に通信回線で伝える。

 

『いつもみたいに出しなさい!後はゼロに機体と武器の接続をオンラインにすれば出来るっ!』

 

 その言葉を聞き、光樹はそれを実行する。すぐにデュランダルは手元に2振り顕現する。後は機体とのリンクをすればいい。するとゼロが自動的にそれを行う。

 

『シュバルトゼロ・ゴッドクロスとの心造兵装「デュランダル」とのリンク、開始』

 

 それと共に、光樹の意識が遠のきかける。

 

「グッ……!?」

 

 視界がぼやける。が、完全に意識が飛ぶ前に自我を保ち、踏みとどまる。思わず地面に着地するほどのことだ。攻撃が飛んできていたが、それはゼロが自動的に放ったANシェイブシフトドラグーンのシールドモードで防いでいた。

 一瞬のうちの機械による判断か、それともあらかじめこうなることを予想しての前もっての行いだったのか。ゼロに聞きたいところであったが、それよりも今のことだ。なおも来る意識の遠のきに耐えつつ、ゼロにこの理由を聞く。

 

「……ゼロ…………こいつは、一体……っ!」

 

『これはデュランダルにAN粒子を循環させたときにおこる、形成物質の持ち主へのフィードバック。デュランダルはとある世界の性質が真逆な結晶体2種を融合させて形成される兵装。その結晶体は、持ち主の心と融合されている。よって、そこにエネルギーが注ぎ込まれることにより、使用者に苦痛が与えられる』

 

 その言葉を苦痛の中、何とか頭の中で整理する。要するに心の中に今AN粒子が注ぎ込まれているような状況ということだ。しかし、それは持ち主に拒絶反応を起こす。それが今の意識の遠のきということなのだ。

 しかし、それでいいのだろうか。拒絶しているということは、上手く接続が行われていないのではないだろうか。気になる光樹はゼロにそれを尋ねる。

 

「け、けど、干渉してるってことは、上手く使えないんじゃ……・」

 

『そこは慣れしかない。その痛みは同調すればするほど強くなる』

 

「使いこなせば使いこなすほど、悪影響が出るのか……」

 

 ゼロからの回答に、光樹は少し困りを見せる。何とも使いづらい兵装だと思ったからだ。まるで使うたびに武器に侵食される系の武器である。呪いの武器とも言えるだろう。

 しかし、それを使わなければ、今はこの状況を突破できないのが事実だ。光樹は意を決して、デュランダルを構える。

 

「……よし、行くぞ、デュランダル!!」

 

 後方に剣先を向け、ウイングスラスターを全開にする。ドラグーンのシールドを回収しつつの突撃に対し、武装化フェンリルも攻撃の火線を集中させる。キャノン砲のビームを加速することで通り過ぎ、ビットによる射撃には機体全体のスラスターを使って円滑に回避する。

 攻撃を回避しながら、ゴッドクロスは聖魔剣を構える。構えに呼応して、剣にエネルギーがチャージされていく、チャージされたAN粒子が剣の隙間からあふれ出る。

 迎撃を潜り抜けた先に、再び敵の障壁が形成される。先程も攻撃を防がれた、鉄壁の二段防壁だ。しかし、それでも光樹はゴッドクロスの腕に力を込め、2振りの剣を振りに行く。

 振られた聖魔剣2本をフィールドが受け止める。が、一瞬でANフィールドを切り裂いた。

 

「一発であのフィールドを切り裂いた!?」

 

「嘘……光樹が使ってた武器、こんな力があったっていうの!?」

 

 パープルハートとアイエフがその力を見て驚く。二人の驚きも光樹も納得していた。自分が普段変身していない時に使っていた武器が、ここまで簡単に苦戦していたものを突破できると思っていなかった。

 しかし、まだもう1つのフィールドが残っている。驚く2人に答える傍ら、鈴がもう一つのANフィールドの突破を指示する。

 

「あの武器の力はこれだけじゃないわ。光樹、残ったフィールドも壊しなさい!!」

 

「あぁ!」

 

 光樹は短く答え、振り下ろした体勢から踏み込んで、聖魔剣を前に交差して振り上げる。ANフィールドに一瞬阻まれるも、剣から発せられるAN粒子の高密度のオーラが容易くフィールドを切り裂いた。そうしてフェンリル・キャノンがようやくはっきりと確認できた。

 フィールドを破られたフェンリル・キャノンは再び後方へ飛び退く。距離を取って仕切り直すという狙いだろう。だが、それを逃しはしなかった。後方へ飛んだ武装化フェンリルの脚部にチェーンのようなものが巻き付く。チェーンを巻いたのは、もちろん鈴のR-EXEグレイガだ。

 R-EXEグレイガのANシザーアンカーⅤでフェンリルを捕らえると、鈴はすぐに巻き取る。加えて、鈴もR-EXEグレイガの腕で思い切り引っ張って無理矢理地面にたたき落とす。

 

「今よ、全員、集中砲火!!」

 

 鈴の声と共に、回避に徹していたメンバー達が一斉に攻撃する。その間に、絵里奈と勇也が装甲の一部にANゼットセイバーとANZXセイバーを突き立てていく。

 

「こっちも攻撃を回避してただけじゃないよー!ちゃーんとフィールドの発生させるところ見てたもんねー」

 

「悪いが、もうあんな固いフィールドは使わせないぜ」

 

 先に敵の核となる戦術を崩す。2人ともしっかりとした対応だった。攻防の要を失ったフェンリル・キャノンは、こちらに向かって突撃する。キャノン砲を撃ちまくりながら、こちらへ突進している。まるでやけくその特攻だ。

 だが、ここで逃しはしない。光樹はNFBを発動させる。デュランダルを使用する専用のNFBだ。先程の接続時、光樹は既にそのやり方を思い出していた。

 デュランダルを腰に構え、ゼロが名前を読み上げる。

 

『ノイズフォースビックバン、「デュランダル・バーストブレイド」』

 

 聖魔剣を金と黒のエネルギーで形成した刀身が覆う。それを声を上げて振るう。それと同時に、横方向からパープルハートが機械刀の一撃を加える。

 

 

 

 

「ここで決めるっ!」

 

 

 

 

「これで終わりだぁぁ!!!!」

 

 

 

 

フェンリル・キャノンの爪攻撃を刀身で弾き、その刹那腹部を装甲ごと切り裂く。切り裂いた装甲からは火花と血液、そして粒子がこぼれる。パープルハートの斬撃も光樹が爪を弾いた直後に装甲の合間を裂いていた。

 聖魔剣からエネルギーが解かれるとほぼ同時にフェンリル・キャノンは倒れる。モンスター自身は消滅し、残る装甲。

 ボスモンスターの消滅を見て、一同も戦闘態勢を解く。光樹も息をつく。街の騒音も消えつつある。戦闘が終結していくのであった。

 

 

TO BE CONTINUED

 




今回もお読みいただき、ありがとうございます。光樹君の武装が新たに増えました!というか、元々の使い方を使えるようになった、の方が正しいですね。

レイ「デュランダルの分類の「心造兵装」って?」

まぁ、そのまま心を武器にした感じです。これの誕生にはアニメ版のネプテューヌが関わってきます

ジャンヌ「それの紹介などはいたすのでしょうか?」

うーん……個別で作るか?紹介はするけど、いつかはまだ未定ということで。で、話はVⅡRになります。

レイ「リメイク来ちゃったけど、この作品には反映するの?」

はっきり言おう。それはない!

ジャンヌ「随分と大胆に言いましたね……それで理由は?」

いくつかあるんだが、代表的なのが、まだ買っていないことと、それを入れて、今までの話が崩れる可能性があること、あとは元から入れる気がしなかった。

ジャンヌ「意外と理由多いんですね……」

レイ「一つ目二つ目は納得だね。けど、三つめは最初っから?」

少し考えたんだけど、それだと最初の考えから逸れるからね。他の作品見ててもそうだけど、リメイク作品に合わせなくても問題ないと思ったからね。申し訳ないです。それじゃあ、伝えることは終わったから、次回予告!

ジャンヌ「次回もまた月曜日になります」

レイ「うん、全然6日更新にならなくてごめんねっ。藤和木も就活で忙しいんだ。じゃあね、また次回っ!」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。