新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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はい、皆様、お元気でしょうか。先日、二十歳の誕生日を迎え、心機一転しました、藤和木弘です。まぁ、二十歳になったからといって、目に見えて変わったのはお酒が飲めるようになったってことくらいですかね。

ジャンヌ「そうかもですね。でも、お酒の飲み過ぎは体に毒ですよ?どうも、皆様。7月21日はわたくしのモチーフ「断罪の滅龍ジャッジメント・ドラゴニス」がアニメで火山より生成された日。ということでわたくしも誕生日を迎えました、ジャンヌ・ドラニエスですっ!」

レイ「二人とも、プレゼントをお互い内緒にしてたから、すごい偶然だよねっ!どうも、みんな!私の誕生日は何も祝ってもらってない、レイ・オーバだよ」

ごめんって!ジャンヌさんの方にしか気づいてなかったのは謝るから!というか、ジャンヌさんがもう既にプレゼント送ってるのにはびっくりしたわ!

ジャンヌ「うふふ♡わたくしとレイさんの付き合いを考えれば、覚えているのは当たり前ですっ!」

レイ「うん、本当ジャンヌちゃんしっかりしてるよ!藤和木も来年は忘れないでくれてるといいな♪」

う、うん、覚えておく。というか、今週は色々とあったなぁ。

レイ「藤和木とジャンヌちゃんの誕生日、藤和木の学校のテストくらいじゃない?」

いや、もう一つあるよ。

ジャンヌ「それって?」

ウルトラマンジード ソリッドバーニングのお披露目だ!

ジャンヌ「あ、あぁ、そうでしたね……」

もうなにあのロボっぽい演出!肘のブースターで加速つけての攻撃!胸部アーマーっぽいもののガッションガッション動く機能!さらに足のパーツにスラッガーをつけてのブースト回し蹴り!そして決め手の手首パーツ展開の必殺光線!!何なんだよこのウルトラ戦士!?一瞬ロボットアニメ見てたのかと錯覚したわ!(歓喜)

レイ「ここからまた、光樹君とかのガンダムに機能が移植されていく気がする……」

まぁ、そうなったとしてもかなり後、たぶんこのSSRと言う名のGでは出てこないだろうね。

ジャンヌ「さらっと続編制作を言いましたね……」

さて、そんな近況報告もいいけど、今回は第118話の投稿です。

レイ「今回は前のワレチューからの衝撃事実発表の後から!」

ジャンヌ「ワレチューの話は事実なのか、そして秘密結社の全貌とは?」

それでは本編へ!


第118話 語られる秘密結社の情報

 唐突過ぎた話であった。目の前にいたネズミは自分こそが秘密結社アフィ魔Xのメンバーであると口を割ったのである。

 先程も絵里奈を含めたGKSWAXPメンバーも驚き、同時にそれを見ていたネプテューヌ達も、一同驚きの声を上げていた。

 

『はあ!?』

 

 誰もが驚く中、そういった類の驚かしに慣れていたのだろうネプテューヌが、かの有名な、絵里奈達はまだ行ったことはない世界の名言で感想を語る。

 

「あ……ありのまま、今起こったことをはなすぜ!小悪党だと思っていたネズミが、実はわたしたちが追っている秘密結社の一員だった……。な……何を言っているのか、わからないと思うが、わたしも何をされたのかわからなかった……。催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……」

 

「いや……別に○・ワールドされたわけじゃないんだが……」

 

「そ、そうだな。時が止まってからオ○オ○か○駄○駄○ラッシュを受けて「時は動き出す」とか言われたわけでもないだろうし……そもそもお前はポル○レフじゃねー……」

 

 メタすぎるネタを知っていた光樹と勇也が続けてネプテューヌの言葉にまだ焦りを浮かべつつもツッコミを入れる。こういったネタに関しては、光樹や勇也の方が詳しいため、すぐに反応することが出来たのだ(ちなみに、鈴は2人の言葉に未だついていけていない)。

 そこまで時間が経って、ようやく他のメンバーも立ち直り、その事実を受け止める。

 

「まさに瓢箪から駒とはこのことね……」

 

「事実は小説より奇なり、とは言うけれど、まさか本当にこんな展開になるなんて……勉強になったわ。この世界で、本当に常識は通じないみたいね」

 

 アイエフと鈴の言葉に、絵里奈もただ納得する。

 ホント、驚きだよねー。どうしたらこんないい感じに情報って集まるのかな?私達GKSWAXPで取り扱った大きな事変でも、ここまで上手く物事が進むことなんて、なかったと思うんだけど……。でも、これで情報は手に入りそうだし、いいかなっ♪

 早速、アイエフが秘密結社の構成員だと分かったワレチューに質問をかける。

 

「なら、教えてちょうだい。秘密結社の構成員は?そして、やつらはこの国で何を企んでいるの?」

 

「はいはーい!わたしはマザコングの正体が知りたいなー」

 

「俺も、ネプテューヌの質問に似るが、エクスの正体が知りたい。出来れば、エクストリィムって巨大兵器とか、もし知ってるなら、ダークメガミ、も」

 

 続くネプテューヌと光樹も、同じように疑問をぶつける。だが、絵里奈達は光樹の言っていた単語に疑問を浮かべていた。

 エクスというのは分かる。先日の戦闘で、マジェコンヌと共に襲撃してきた相手だ。だが、エクストリィムとダークメガミというのは、まだ話に聞いていなかった。そういえば、と絵里奈は思い出す。確か、光樹が一時飛ばされていたという「零次元」という世界では、巨大な敵が姿を現していたという。それも2体。

 それらは、光樹とネプテューヌ、ネプギア、そして、現地協力者の「うずめ」なる人物と協力して撃破し、零次元に平和をもたらしたとのことだ。

 その際にそれぞれ同化していたというマジェコンヌとエクスは撃破したはずだとあの先頭ののち、アイエフが入院している間に聞いていたが、ネプテューヌと光樹の質問は、おそらくそれを踏まえたうえで質問したのだろう。

 とはいえ、流石にワレチューも一度に質問されるのは困り、注意をする。

 

「質問は一つずつにするっちゅ。一度にされても答えられないっちゅよ」

 

 い、意外とそういうのには言うんだね。まぁ、誰もが「一度に10人の話を聴ける」っていう「聖徳太子」さんじゃないんだし、それもそっか。

 絵里奈は当たり前のことに自問自答し、考えを元の方向に戻す。今はワレチューから話を聞かなければ。アイエフ達も気を改め、質問を一つずつ始めることにする。順番は質問を口にした順に、つまりアイエフからだ。

 

「なら、私からよ。秘密結社の規模や構成員を教えてちょうだい」

 

 物事を一番分かりやすく見るための、典型的な質問だ。相手の構成を知ることは、組織戦においても重要である。ただ、問題はワレチューがいくらコンパに懐柔されたからといって、本当に教えてくれるかどうかということである。流石にそれには答えないのでは……とも思ったが、それには及ばなかった。ワレチューはすんなりと答える。

 

「8人ちゅ。いや、正確には7人と1匹っちゅね」

 

「思ってたより小規模なのね」

 

 アイエフはその答えに意外な表情を見せる。アイエフだけではない。GKSWAXP側の光樹に鈴、勇也……加えて、絵里奈自身も、流石に今回は驚きを隠せない。

 8人、かぁ。確かに、私達も次元の海の中にある世界で活動するときは最少人数4人で活動することはあるね。けど、それでもバックにはGKSWAXPとか、SSRシリーズのNPには「メテオ・G」だってある。そんな少人数でこのゲイムギョウ界を裏で活動しているってことは、それだけ何か大きな力でも持っているのかな?

 同じように光樹達も心理下で考えを巡らせていた。光樹は何か大きな黒幕がいると、鈴と勇也は絵里奈と同じく、自身を支えるバックの組織が構えていると考えていた。

既にここまで考える光樹達に対し、ネプテューヌ達はまだ言葉の意味をそのまま受け取っていた。アイエフですら、まだ少なすぎると考えていた。そこにワレチューがアイエフ達の認識を訂正する。

 

「それはそうっちゅ。オイラたちは秘密結社じゃないっちゅからね」

 

「秘密結社なのに秘密結社じゃない?どういうことです?」

 

 コンパがわけがわかっていないように聞き返す。表情からも分からないというのがひしひしと伝わってくる。

 もー、コンパちゃんにも分かるように言わないとー。私の認識としては、私達が勝手に秘密結社って呼んでるだけ、なのかなー?

 感覚的にそのような考え方を浮かべる絵里奈。だが、それは正しい認識であったことをワレチューが説明する。

 

「秘密結社ってのはメディアが勝手に付けた名前っちゅ。それに、構成員が7人いても、実際に盗みを働いているのは、オバハンとバッテンだけっちゅ」

 

「あー、やっぱりそうなんだー」

 

 絵里奈は納得の声を出す。思い返せば、絵里奈達はゲイムギョウ界改変後、秘密結社の情報についてはその場にいた住民達や軍人達といった、改変の影響をもろに受けた人物や、こちら側の人物でマスメディアに現在最も近いイストワールからの情報しかない。

 それらの人物は、大抵がメディアや諜報部からの情報が主となる。そうなれば、名称を勝手につけたり、仮称したりするため、情報がそれらに頼ってしまうことになる。ともなれば、こういった認識の違いがあっても当然と言えば当然な話である。

 そのように、注目を感じさせるワレチューの言葉に対し、アイエフと鈴がそれぞれその中でも特徴的な単語である「オバハン」と「バッテン」呼ばれる人物の詳細について聞く。

 

「オバハン……それって、マジェコンヌのことよね?」

 

「じゃあ、バッテンはエクスよね?」

 

「そうっちゅね」

 

「マジェコンヌと言ったら、以前、存在した犯罪神や犯罪組織と同じ名前だけど……エクスは、私達は心当たりがないわ。鈴達は?」

 

「エクスって名前そのまま、ってわけじゃないけど、心当たりがあるとすれば、「イクス」かしら」

 

 「イクス」。それはとあるガンダムの世界において、ラスボス的存在となったキャラクターの名前だ。絵里奈は光樹と共に一度、その世界に行き、対峙したことがあったため少し知っていたが、鈴達はそのキャラについては、その人物が登場するゲーム「エクストリームバーサス」から得た情報しか知らなかった。

 鈴から話を振られた勇也は、少し考え込みながらも、思い出したことについて答える。

 

「だろうな。別の次元で、極限のガンダム「エクストリーム」を使って、電脳世界のガンダム作品に対し、「破壊による支配」を行おうとしたやつだったか。この辺は光樹が知っているんだが……」

 

 流石に、ガンダムの詳しい話となると、光樹に頼るしかない。覚えているかどうかが気になったものの、光樹はその不安を打ち破り、詳しい説明を語る。

 

「あぁ。エクストリームバーサス、もしくはガンダムEXAの世界で、データ上にだけ存在する、「極限のガンダム」と称される「エクストリームガンダム」の1機を操るGダイバーの1人だな。正確には、イクスは管理プログラム「EX-A666」というプログラムだったはずなんだけど。……エクスはロボットとして誕生したイクスなんだと思う」

 

 光樹の説明もあって、アイエフも納得した様子を見せる。ネプテューヌが思い出したようにエクスのことについて呟く。

 

「でも、あんまり強くなかったイメージだなぁ。わたしが見たの、エクストリィムを操ったときくらいしかないもん」

 

 直接戦ったことはないという発言だったが、そこで光樹がネプテューヌの言葉に補足を入れる。

 

「そりゃあ、ネプテューヌがいなかった時のことだもんな。知らなくて当然だ」

 

「確かにそうだね。強かった?」

 

「かなりな。まぁ、ゴッドクロスのおかげで、エクス自体は楽に倒せたんだが……」

 

 その話からして、どうやら光樹もエクスが強敵だったということを感じていたようだ。ゴッドクロスを持ち出すあたり、記憶を失っている点を含めれば強敵であるのは間違いないだろう。

 それらの解説を聞いて、アイエフが話を元の方向に戻す。

 

「それで、あいつらは何者なの?そして、目的はなに?」

 

 アイエフの一番聞きたいことに対しての質問が飛ぶ。倒したはずの敵がいるというのもおかしい話だ。命なんて、例外がなければ1つしかないはずなのに、なぜ彼らはまだ生きている、そして稼働しているのだろうか。そもそも、彼らの出自は……。

 それらを込めての代表したアイエフの質問であったが、ワレチューは少し困った様子を見せつつ、はっきりと答えた。

 

「わからないっちゅ。気になって調べようとしたっちゅが、オイラの知り合いの誰も知らなかったんだっちゅ」

 

 分からない。その一言は絵里奈達を落ち込ませるのに十分な威力を持つ。その秘密さえわかれば、何か事件が見えたり、先手を打つこともできたかもしれなかったのだが。

 が、逆にそれはそれほどの事情がある、ということでもあった。その秘密が明かされたときには、事態が大きく動くかもしれなかった。

 そう考えることにした絵里奈だったが、そこでワレチューがさらに気になることを続けて語っていた。

 

「ただ、オバハンとバッテンが渦巻きマークのゲーム機を探していることだけは確かだっちゅ」

 

 その言葉を聞いて、物事がつながった。確か秘密結社はゲーム機を盗んでいたはず。その理由が、そのゲーム機を探すことだとすれば、行動がつながる。

 そっか。だからゲーム機が盗まれていたんだね。ゲーム機を盗むって聞いた時には、秘密結社っていう割には小さいことをしてるなぁって思ったけど、マジェコンヌとエクスがそのゲーム機を探してたっていうなら、それも当然だね。

 絵里奈以外にも光樹達GKSWAXPのメンバーはそれに気が付いた。そんな一方、コンパが繰り返してワレチューの発言を繰り返す。

 

「渦巻マークのゲーム機、です?」

 

 心当たりのないといったような様子であった。ゲーム機をあまりよく知らないコンパならでは反応であった。絵里奈達もあまりこの世界のゲーム機に関しては知らなかった。が、そこで適任の人物がいた。ネプテューヌだ。ネプテューヌのゲームに関する知識は、既に窃盗事件の時点で明かされている。もしかすると、ネプテューヌなら、何か知っているかもしれない。

 すると、ネプテューヌも心当たりがあったのか、何やら呟いた。

 

「……渦巻きマークかぁ。ま、まさかね……」

 

「ん?どうしたの、ネプテューヌちゃん?」

 

「うんっ!?な、何でもないよー?いやー、わたしですら知らないゲーム機だなぁ、って思っただけ」

 

「そっかー、残念」

 

 ネプテューヌも知らないということを聞いて、少しがっかりした様子を見せる絵里奈。そう物事はうまく運ばないようだった。

 が、それらを聞いて、鈴とアイエフが納得を示す。

 

「ネプテューヌも知らないってなると、トップシークレットのゲーム機ってことかしら」

 

「もしかすると、新型ゲーム機か、もしくは試作機ってなるわね。けど、ようやく分かったわ。だから、秘密結社はいつもゲーム機ばかりを盗みを働いていたのね。そして、あんたも」

 

 鈴達の厳しい目がワレチューに向けられる。が、それにお構いなしと言わんばかりにワレチューは潔く失敗を認める。

 

「結局は全部、ハズレだったっちゅがね」

 

 がっかりする様子を見せたワレチューを見る。骨折り損のくたびれ儲け、といったところだ。しかしながら、アイエフはそれに気にすることなく、次の質問へと話を移す。

 

「じゃあ、次の質問。他の構成員について教えてちょうだい。あと、そいつらが何を担当しているかも」

 

「それも言わなきゃダメっちゅか?」

 

 続くアイエフからの質問に対しては、ワレチューが嫌がる素振りを見せる。ワレチューもこれ以上仲間を売るような発言はしたくないようだった。

 絵里奈も、その気持ちは分からなくもない。かつて、GKSWAXPと激突した組織との激突で、絵里奈も同じように捕まり、情報を吐くことを要求されたことがある。

その時の記憶はあまり思い出したくはないが、あの時が自身がSSRシリーズのガンダムを扱った、最後の時期の事件であったから、余計に記憶が残っていた。悪い記憶というものは、トラウマとして残りやすいものである。

 とは考えても、今は必要なこと。相手に同情していては何も得ることは出来ない、と鈴がアイエフの言葉を代弁する。

 

「いや、むしろそここそ一番重要なところじゃない。言わないと即冷たい牢屋行きよ?」

 

「おーおー、鈴の容赦ない発言が飛ぶなぁ」

 

 鈴の脅しに勇也が怖がるような声を出す。光樹とネプテューヌも、それを見て苦笑いをしつつ、冷や汗をかく。先のアイエフも含めた、2人の威圧感にワレチューがビビりながらも情報の提供を渋る。

 

「それだけは勘弁してほしいっちゅ。……けど、やっぱり仲間を売るようなことは抵抗あるっちゅ」

 

「マジェコンヌとエクスのことはあっさり喋ったのに」

 

 ワレチューの発言に即反応したネプテューヌの言葉には納得である。仲間を売りたくないのなら、なぜあの2人だけは例外なのだろうか。気になったところでワレチューが本音を呟く。

 

「オバハンは人使いが荒いだけだから例外っちゅ。バッテンもバッテンで、何考えているか分からないっちゅからね。あんまり進んで仲良くやりたくはないっちゅから喋っただけっちゅ」

 

「えぇ……何その勝手な理由……」

 

 絵里奈は少し呆気に取られた様子を見せる。いくら人の扱い方が酷かったり、危険人物だからと言っても、それはどうなのだろうか。

 とはいえ、ここで引き下がるわけにもいかず、光樹が更に聞き入ろうとしたその時である。

 

ピーンポーンパーンポーン

 

 いきなり迷子センターから、迷子のお知らせのような音が部屋に響く。教会からのお知らせなのだろうか。すると、何かあったということだが。

 気になった全員は、お知らせに耳を傾ける。すると、聞き覚えのあるような、少女の声が響く。

 

「ピンポンパンポーン♪業務連絡。業務連絡。えー……ネプテューヌ、アイエフ、コンパの3名と、和藤光樹とその他3名は大至急、謁見の間に来るように。……特に和藤光樹、覚悟しておくように。以上、業務連絡でしたー」

 

 最初にも聴いたセルフ木琴の音を発して、お知らせは終了する。その知らせに、光樹は特段反応しなかったが、その他3名として扱われた鈴、勇也、絵里奈は不平等の声を漏らす。

 

「ちょっと、この馬鹿だけ名前で呼んで、どうして私達だけその他扱いなのよ!!」

 

「まぁ、落ち着け。多分さっきの模擬戦が原因で呼ばれたんだろう。その他扱いもあんまりこの世界で名乗ってなかったし。ただ、まぁDRXが名前を憶えてなさそうだったから、この扱いは予想できたがな」

 

「うーん、出来れば名前で呼ばれたかったなー。私達影薄い感じなのかな」

 

 ぞんざいな扱いを受けたことに納得はいかなかったが、それでも呼ばれたいうことなら、行くしかない。アイエフ達も3人の扱いに笑いつつ、これからの行動の変更を伝えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「珍しいわね、ビーシャが直々に呼び出しだなんて。けど、あなた達の扱い、酷いわね」

 

「全くよ。光樹がぶっ飛ばしたんだから、光樹だけにしておきなさいよ、ホントムカムカする……」

 

 アイエフからの発言に鈴が怒りを込めつつ返答する。先程の件は、どう見ても喧嘩を吹っかけてきたゴールデンプレスター側が悪いというのに、その余波が直接関わった光樹だけでなく、自分達にも降りかかってくるというのはあまり見過ごすことは出来なかった。

 が、勇也からの発言も無視できないところであった。よくよく考えれば、光樹の方がこの世界により馴染んでいる。馴染んでいる側が名前を憶えられているというのはよくあることだ。

 そう切り替え、思考を平常に保つ。すると、その呼び出しを聞いていたネプテューヌが、声の主についての質問をアイエフに投げかける。

 

「ビーシャって、この国のゴールドサァドだよね?今の今まですっかり忘れてたけど」

 

 確認のためという感じがしており、事実ネプテューヌもそのつもりで訊いていた。確認の声に対し、アイエフがこと細やかにビーシャについての情報を語る。

 

「そ。そして、エキシビションマッチでネプ子たちを倒した相手でもあり、さっき私たちを助けてくれたゴールデンプレストの片割れのプレスト仮面の正体の子よ」

 

「そうなの!?」

 

 ネプテューヌが驚きを露わにする。この驚きようは完全に気づいていなかった時のリアクションだ。

 もちろん、鈴達は彼女の正体がなんとなくゴールドサァドの1人であることには気が付いていた。光樹ですら、あの妨害ののち、プレスト仮面がゴールドサァドのメンバーだろうと休憩所に着く前に言っていたため、気づいていたというのに。

 ネプテューヌの大げさなリアクションにアイエフは少し信じられないといった表情で驚いた様子の真偽を問う。

 

「……まさか、あんた。気付いてなかったの?」

 

「うん。謎の組織に改造された改造人間的なヒーローかと思ってた」

 

「な、何よその設定……」

 

 少しおかしな方向へと持っていくネプテューヌに呆れを口にした鈴。鈴自身、それがどういったことなのか分かっていなかったが、そこで光樹がその発想元について口にした。

 

「仮面○イダーじゃねぇか、その話……。しかも初代」

 

「え、仮面ラ○ダーって改造人間の話だっけ?」

 

「そうだったろ。知らねぇのかよ、鈴」

 

 勇也がため息をつく。なぜか、自身が知らなかったことに対して羞恥感が出てしまう鈴は慌ててそれを隠すように反論する。

 

「お、女の子がそんな男の子向け作品なんか見るわけないでしょ!バカみたい!」

 

 鈴の知らなかったことを当然だという返しが飛ぶ。だがしかし、そこに絵里奈が絡んでくる。

 

「えー、仮面ライ○ーが改造人間だったっていうの、私知ってたよー?」

 

「……絵里奈、それは光樹から聞いたりして……」

 

「ううん、バラエティ番組とかで見たよ?」

 

「………………」

 

 打つ手を出し尽くした。知ってなかったのがあたしだけだなんて……。あたし以外のメンバーが全員知っていることにあたしは言葉も出ず、ただ立ち尽くす。

 と、そこでアイエフが助け舟を出す。

 

「はいはい、そんな話は置いておいて。ネプ子、見て分からなかったの?街の人たちもみんな知ってるのよ。呆れるわ……」

 

「そ、そうね。あれだけ正体が分かっているのなんて、むしろ分からなきゃおかしいわよ」

 

 アイエフの言葉に続き、ネプテューヌへのため息を漏らす。光樹達からの視線が気になったが、それは気にしないことにした。そこに天然なコンパも続いて周知の事実であることを告げる。

 

「バレてないと思っているのは、ビーシャさんだけで、みーんな知ってるです」

 

 その言葉に、改変後の世界の事情をあまり知らない光樹達も納得して頷く。ネプテューヌ以外全員が、正体を分かっていた。

 追い打ちに、アイエフが現在のビーシャの活動について語る。

 

「いつもDRXとほっつき歩いてヒーローの真似事してるけど、それでも治安維持には協力してるし、あれでも一応は、この国のトップなのよ。まぁ、お金には汚いけどね」

 

 最後の容赦ない指摘にも力を入れてアイエフが語る。どうやらその点だけはあまり評判は良くないようだ。その話に対しネプテューヌが感激した様子でフォローの言葉をかける。

 

「おおーっ!知っていても知らないふりをしてあげるなんてリアルなヌクモリティを初めて見たよ」

 

 ……いえ、その反応はちょっとおかしいと思うわ、ネプテューヌ。あと、ヌクモリティってなによ、その新しい単語……。

 心の中で自然と突っ込む鈴。しかし、呼ばれたというからには行かなければならない。となると問題が一つ。コンパがそれについて聞いた。

 

「ところで、あいちゃん。ネズミさんはどうするです?」

 

 そう。ここを離れるということは、このネズミを自由にしてしまうことを意味する。するとアイエフは少し考えたのち、考えをまとめた。

 

「そうね……。とりあえず、檻にでも入れておきましょ」

 

 

 

 

 その一言で、ネズミは牢屋に入れられた。後を看守達に任せ、鈴達は牢屋を後にする。

 こうしておけば、ネズミに逃げられることはないはず。そう思っていたのだが、そのすぐ後で、ネズミが助けに来た忍者によって牢屋を脱獄したのは、予想外であったのである。

 

 

TO BE CONTINUED

 




今回もお読みいただきありがとうございます。さて、次回はいよいよ正式にネプテューヌとビーシャの対面です。

レイ「結局、ワレチューからこれ以上情報は引き出せなくなっちゃったってことだよねー。もう少し分かればよかったのに」

ジャンヌ「そうですね。それにしても、今回は忍者ことステマックスだけなのですね」

まぁ、ローゼンは電子戦を得意とするタイプだからね。隠密行動とかではローゼンは邪魔になるから。とはいっても、ローゼンの「あの機能」で、監視カメラ類は無効化してたり。

ジャンヌ「影の活躍、ということなのですね。人には向き不向きがありますし」

レイ「色々なんだねー」

では今回はここまでで。

レイ「次回はまた1週間後!今週の水曜日を過ぎれば、藤和木もいよいよ夏休みだよ!」

ジャンヌ「そうなれば、少しはまた更新ペースも上がると思われますので、皆様お待ちいただけると幸いです。では、また次回、お会いしましょう」

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