新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも、皆様、お元気でしょうか。夏の暑さが本番になってきたように外に出るたびに思い始めている、藤和木弘です。

ジャンヌ「本当、暑くて敵いませんね……。どうも、皆様。日に日に暑くなるこの季節にため息が出てしまう、ジャンヌ・ドラニエスです……」

レイ「ほんと、もうあっついとしか言えないよねーっ!こんな時には海にでも行きたいよね。どうも、みんな!最近はジャンヌちゃんと水着を選んでる、レイ・オーバだよっ!」

ジャンヌ「そうですね。最近は海で過ごせるように新しい水着を見に行ったりしていますっ!」

あぁ、そういえば私が学校の方で課題に追われてる中、2人とも近くの店に行ってたっけ。

レイ「そうそう!だから、藤和木。夏休みが始まれば、ジャンヌちゃんの水着姿が見られるよっ!」

ジャンヌ「ちょ、れ、レイさんっ!?そんなはっきりと言わなくても……」

よっし、やる気出た!テストも課題も小説も、この1週間本気モードで片づける!!

ジャンヌ「も、もしかして、わたくしとの時間のために……ですか?」

それ以外に何がある!?ジーっとしててもドーにもならねぇから、本気出す!!

ジャンヌ「はぁあぁん♡藤和木……っ!」

レイ「ちょ、それ最新のウルト○マンの主人公のセリフ……」

さて、今回は第117話の投稿です。

ジャンヌ「そうですねっ♡今回はあのネズミへの尋問になりますね」

レイ「そ、そだね!ワレチューから語られるのはどんな事実なのかな?」

それでは本編へ!


第117話 目覚めたネズミへの質問

 

 

「いやー、見てて手に汗握るバトルだったね!」

 

 ネプテューヌの称賛の声が響く。現在、ネプテューヌ達は教会の存在するプラネタワーの廊下を歩いていた。ネプテューヌが話していたのはもちろん、光樹と仮面戦士「プレスターD」との対決についてだ。ネプテューヌも女神サイドの観戦者の一人として、見届けたのだ。

 ここまでくる間にも、何回もあの戦いについて話してるけど、本当に、あれはすごかったよ!!光樹の否定の言葉で一気に劣勢を逆転して!それから急に動きのキレが良くなったまま突撃!そこに前に光樹を倒した攻撃が来ても、迷わず突っ込んで正面から攻撃を破るなんて!この作品、わたしが主人公だけど、今回ばかりは光樹を主人公って呼んでもいいんじゃないかな、って思ったくらい、今回はすごい対決だったなぁ……!

 勝手に光樹のことをそう思いつつも、何度目かになる光樹の褒め言葉に鈴が呆れの言葉を放つ。

 

「よく何回も言ってて飽きないわよね。あの程度、本当の光樹なら楽勝だって言ってるのに……」

 

「でもさ、記憶を失った光樹がここまでやれるようになったんだよ!前よりも絶対強くなっているし、わたしとしては、光樹の成長は嬉しいな!ただ、物語の主人公は渡さないけどね!」

 

「何を言っているんだか……。だがまぁ、同じこと思ってるやつはいるみたいだけどな」

 

 ネプテューヌの問いかけに、勇也は少し気まずそうにしながらも横に目をやる。そこにはネプテューヌの言葉を聞いて、随分とご満悦そうな絵里奈が光樹にくっついて歩いていた。

 

「だよねぇ~!!光樹君だってちゃんと記憶を取り戻すために頑張って戦っているんだよ~。鈴ちゃんも、ネプテューヌちゃんを見習って素直に褒めてあげようよー?」

 

 絵里奈からの説得に、鈴はあまり乗り気ではないようにまた息を吐く。どうやら光樹に対しては、記憶を失っていても進んで言葉を交わしあう仲ではないようだった。

 しかし光樹の成果に対して触れないつもりはなかった。絵里奈の言葉の内容に軽く交えながらも、光樹に対し発言する。

 

「まぁ、この馬鹿の奮戦のおかげで、こっちのメンツは保てたんだから、喜ぶことにしましょう」

 

「……まぁ、その扱いにはもう慣れたよ。これで俺達も少しは大きく動けるかもしれないからな」

 

 光樹も鈴の言葉を受け流しつつ、返答する。光樹の言う通り、ネプテューヌ達は今のゲイムギョウ界を支配しているというゴールドサァドとゴールドソフツのうち、プラネテューヌのゴールドソフツに勝利を収めた。それは少なからず、何か影響を与えるはずだ。これで少しは事態が動けばいい。

 そうこうして話しているうちに、一行はアイエフ達がワレチューの看護をしている部屋までやってくる。ネプテューヌが立ち止まると、ドアをノックして開ける。ドアを開けた先では、見張るアイエフと看護するコンパ、それに未だ目覚めぬワレチューの姿があった。

 アイエフがこちらに目を向けると同時に、ネプテューヌは帰ってきたことを伝える。

 

「あいちゃんただいまー」

 

「あら、早かったわね。それで結果は?」

 

「聞いてよ、光樹の大勝利!!あいちゃんとコンパにも見てもらいたかったなー」

 

「それじゃあ誰がネズミを見張るのよ」

 

 ネプテューヌのボケにいつも通りアイエフがツッコミを入れる。光樹達が続いて部屋に入って来たのを見て、コンパも声をかける。

 

「おかえりなさいです、ねぷねぷ、光樹さん。けがはないですか?」

 

 コンパの気遣いに、光樹は機嫌よく答える。

 

「あぁ、大丈夫だ。ダメージは軽減されていたし、少し腕がしびれてる部分もあるけど、問題ないよ」

 

「そうですか。ですが、無理をしてはいけませんよ?」

 

「あぁ。その時は頼むよ」

 

 光樹の返事に、安心したコンパは、再びネズミの看護の方に当たる。と、そこでネズミことワレチューの目が動く。

 それに気づいた鈴が全員に伝える。

 

「みんな、そろそろ起きるわよ」

 

「えぇ」

 

 アイエフは軽く返答すると、ワレチューの寝ているベットの横につく。対して鈴はその左に立ち、脱走不能の状況を作り出す。なぜかこの二人が並ぶと、双璧とも言えるほどの威圧感を発生しているように思える。

 そんな中でワレチューが目を覚ます。

 

「……ぢゅ。ここはどこっちゅ?確かオイラは……」

 

 まだ完全に目が覚めきっていない様子で、辺りを見回す。鈴とアイエフの二人の方を見ても反応しないあたり、少し視界がぼやけているか、頭の中の記憶の整理が整っていないのか……。

 困惑した様子のワレチューに対し、アイエフが待ちわびたように声をかける。

 

「やっと起きたのね」

 

 アイエフの言葉を聞いて、ワレチューの目がそちらに行く。そこでようやくワレチューが二人に対し驚きの声を発した。

 

「ぢゅっ!?お前は女神のおまけと、それにそっちのお前は……」

 

「光木鈴よ。この次元では初めて会うわね、黒ねずみ?」

 

 鈴はそのように自己紹介する。どうやら別の次元で、鈴も別のワレチューに会っているようだ。しかしながら、光樹ほどはっきりと憎しみや敵意を感じさせてはいなかった。

 一方、先程の言葉に、気に触れたアイエフが怒ってその表現を否定する。

 

「誰がおまけよ、誰が!あんたが私をどういう目で見てたのかようやくわかったわ」

 

 その怒る様はまるでノワールがぼっちと言われて怒るのに似ていた。普段はクールなことが多いアイエフも、このように失礼なことを言われれば怒るのは当たり前であろう。その怒りの勢いに、ワレチューも体を震わせて自分がここにいる理由について聞く。

 

「お、オイラを捕まえてどうするつもりっちゅか!?」

 

 その言葉はまるで悪の組織に捕まったヒロインがおぞましいことをされる直前に言う言葉であった。大抵こういう時は仲間が助けに来るというのが鉄板ではあったが、悪人にそんなことが起こるわけがないとネプテューヌはその考えを捨てる。

 そんな一方、ワレチューの方はというと、何やら勝手な妄想を始めていた。

 

「はっ!?まさか、ネズミ界ナンバー3のオイラを消すために、ナンバー4のあいつが圧力を……」

 

「ナンバー4って誰だよ……」

 

 光樹が思わずツッコミを入れてしまう。ある意味正しいツッコミではあったが、それでもどこか今の状況に合っていないとアイエフが咎める。

 

「もうっ!バカなこと言ってないで、コンパに感謝しなさいよね。街中で伸びてるアンタを治療したいって言って、教会まで連れてきたんだから」

 

「そうじゃなかったら、目覚めた先は冷たい牢屋の中にいる予定だったんだから。コンパにはお礼を言いなさいよ?」

 

 アイエフと鈴がワレチューに今の状況がどれだけ配慮されたものだったのかを語る。ネプテューヌも、もしコンパがあれだけ優しくなかったら、間違いなくワレチューは薄暗い教会の奥底にいたと思っていた。

 ホント、ネズミはコンパに感謝しないといけないぞー?わたしだってコンパが治療したいって言うから、先に折れてコンパの味方をして、人数多数で教会で預かることになったんだから。コンパがいなかったら、わたしも特別なことがない限りは、中古の貴重なゲームを盗んだってことで、ソッコー牢屋へシュゥゥゥト!!してたかもなんだから!

 二人からの説明を受けて、事実を知ったワレチューは、かなりの妄想を交えてこの状況を、そしてコンパに対し感謝と褒めの言葉を口にする。

 

「そ、そうだったちゅか。コンパちゃん、やっぱり天使っちゅ」

 

「いくらお人好しのコンパでも、ここまでいれこむのはホント珍しいのよ」

 

「ということは、まさかオイラって、コンパちゃんにとっては、特別な存在っちゅか!?」

 

 アイエフからの言葉を、かなりポジティブな方向へと勝手に助長させていくワレチューも、かなりの人物ではないかとネプテューヌ、それに光樹達も思う。ワレチューの改竄した内容一つにで、アイエフの眉は何度も上にぴくぴくとさせているにも関わらず、全く意に介していないのだから。一方のコンパもそれを見て知らないように笑っていた。完全に外の人といった具合に。

 すると、そこでちゃんと理解させるのに諦めたのか、アイエフはワレチューの言葉を切り捨てつつ、コンパのためにと釘を刺す。

 

「さぁね。けど、そんなコンパを悲しませることだけはしないでよね?」

 

「オイラがコンパちゃんを悲しませているっちゅか?」

 

 コンパの話に一際神妙な面持ちで聞き入る。どうやらコンパの悲しんでいるということが気になったのだろう。

 すると鈴がそのあとの言葉を代弁する。

 

「当り前じゃない。知り合いが悪いことをしていて、いい気分な人なんていないわ。それも片思いの相手がそう思っているんだから、分かるでしょ?」

 

「……そうっちゅか。……けど、訂正するっちゅが、オイラとコンパちゃんは両想いっちゅよ?」

 

「……このネズミ、ひょっとして光樹より馬鹿なんじゃないの?」

 

 真面目に話したのにも関わらず、ワレチューからの返事に鈴は頭を抱えてつぶやいた。

 うん、鈴の考えは分かるな。このネズミ、コンパが関わるとそれしか考えられなくなっちゃうからね。今までのシリーズでも、コンパがいると戦闘中に「はぁはぁ」とかいう時もあったくらいだからね。それでいて両想いだって思っているんだから、ガッツだけはすごいなぁとは思うけど。

 が、そこで話がすっきりと進む……はずだったのだが、次の言葉はまたツッコミの必要な内容であった。

 

「一時期はオイラも悪事から足を洗って、違法コピーゲームの販売をしながらおとなしく暮らしていたんだっちゅが……」

 

「いや、足洗えてないだろ、それ」

 

「そうだね。違法なことしてるって言った時点で、それは悪事だよぉ……」

 

 光樹の率直な意見と共に、絵里奈も気まずそうに違法であることを追及する。アイエフや鈴も疑り深そうな目でワレチューを見る。悪事を洗ったのなら、違法などという言葉は出てこないはず。完全にまだ悪事を続けていた、立派な証拠だ。

 悪事を続けていた発言に、ドン引きな様子のネプテューヌ達に気にすることなく、ワレチューが話を続けようとしたところで、コンパがその具合を見て安心したように言う。

 

「元気になってよかったです。けど、これに懲りたら、もう悪いことしちゃダメですよ?」

 

 コンパからの注意に、すんなりとワレチューは言葉を返す。

 

「そうっちゅね。一時期は犯罪組織でマスコットをやってた時期もあったっちゅ。けど、それが解散してからは、コピーしたゲームを売って小銭を稼ぐ日々……そろそろオイラの悪の道も潮時っちゅかねぇ……」

 

 先程までとは明らかに違った返しに、ネプテューヌはあまり信じられなかった。今まで何度もネプテューヌ達と激突しているのだから、信頼できない気持ちがあったのだ。

 周りを見渡すと、ネプテューヌと同じことを思っているのか、光樹達面々にアイエフも疑い深そうに見つめていた。

 けど、本当に悪事を洗う気があるなら、その覚悟を見せて欲しいところがあるよね。同じようなことが起きないためにも、何か新しい犯罪の犯人の第1号になってみんなから冷たい目で注目されるような、重ーい罰が!何かないかなー?

 そのように考えたところで、お遊び感覚で刑罰を思い付く。早速考え付いた案をアイエフ達に笑顔で告げる。

 

「あいちゃん!わたし、ゲームを違法コピーする人は無期懲役でもいいと思うんだけど、どうかな?」

 

「そうね。二度と悪さができないように牢屋にぶち込んだ方がいいかもしれないわね」

 

 ネプテューヌの悪ノリに珍しく素直にアイエフが乗る。先程の発言もあってか、アイエフはその顔に悪いことを考えている表情をしていた。まさに、本当に実行する流れであった。

 そんな流れは、光樹達にも伝播する。鈴からの意見が飛ぶ。

 

「意外といけるかもしれないわね。たかがゲーム一つで無期懲役なんて、新鮮味があって、いい犯罪予防につながりそうだわ」

 

「鈴が珍しくゲームの話題に意欲的に考えてるな。まぁ、考えていることは完全に悪魔のするようなことだが」

 

 鈴の出した賛成の意見に勇也が意外だという言葉を口にする。どうやら、鈴とゲームは無縁のような関係らしい。しかし、その言葉を口にしたということは、それだけ今回の件には色々と思うところがあったようだ。とはいえ、続く勇也の言葉で、それは完全に怒りのはけ口としての発言だったようだが。

 鈴と勇也の会話に続き、光樹と絵里奈も各々の意見を出す。

 

「うーん、俺としては無期懲役の他に、何か罰が欲しいところだな」

 

「何か他に罰って言うと~?」

 

「例えば、中世ヨーロッパの拷問……アイアンメイデン、とか……」

 

 オオウ!まさか光樹からそんな物騒な単語が出てくるなんて!わたしは少し驚いてしまう。あまりにもこの場で言うのは難しい部類の単語だったから、光樹の頭のねじが外れちゃったんじゃないかって思ったよ。

 けど、よく思えば、光樹ってまた記憶を取り戻したみたいなんだよね。さっきの戦闘の後で聞いた感じ、その記憶は光樹が組織のトップに立つ前の出来事みたい。記憶が戻ったんなら、今までの光樹からは出てこなかった言葉が出てきてもおかしくはないよねー。

 光樹の発言には気にしないようにしたネプテューヌはわざとらしい声で罰についてどうしようかということを発言する。

 

「さぁーて、どれがいいかなー?無期懲役?拷問?それとも社会的に抹☆殺!とかのがいい?」

 

 女神とは到底思えない(今は「元」女神だが)その残酷な罰の言い渡しに、焦るワレチューが待ったをかける。

 

「ちょ、ちょっと待つっちゅ!自分語りくらい、しんみりやらせて欲しいっちゅ。なのに、何をオイラへの判決を真面目に考えているっちゅか!?少しはこっちの話にも耳を傾けてほしいっちゅ」

 

 ワレチューから懇願の声が漏れる。えー、もうちょいいじりたかったんだけどなー。

 少し名残惜しさを感じつつも、とりあえずその話を収める方向にアイエフが話題を変えた。

 

「なら、足を洗うついでに、あんたが知っている悪人たちの情報を洗いざらい話してもらおうかしら」

 

 見逃す代わりに、情報をすべて吐け、というのは、物語でもよくある交換条件だ。とはいえ、ネプテューヌの見立てでは、常に悪人に対しては容赦のないアイエフが、そう気前よく悪人を見逃すとは思えなかったが。

 だが、それ以前の問題であることがワレチューは口にする。

 

「……ふっ。残念ながら、そいつはできないっちゅ。オイラ、悪党とはいえ、仲間や友人を売るようなことはできないっちゅよ」

 

 ワレチューは何のプライドなのか、情報を教えることを断ったのだ。どんな悪党の中でも一番小物そうなネズミが仲間を売ることはできないと口を堅くする。まさかこのネズミが、仲間の情報を売らないというのには正直驚いてしまう。簡単に口を割ると思っていた故に意外である。

 が、それで引き下がるネプテューヌ達ではなかった。まだこちらには「奥の手」がある。その「奥の手」である人物が、今度は話に入っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 情報を割らないネズミことワレチューに、絵里奈達は困っていた。見た目と違って口が堅いというのは、意外にも尋問ではなかなか口を割らないというのは絵里奈達も何度か経験したことがある。

 記憶を失う前の光樹でも、そういった種類の人物に対しては尋問がやりづらいと言っていた。無理矢理吐かせるという手も、GKSWAXPという「警察軍隊」の枠である組織ではよほどのことがない限りやりづらいからだ。

 加えて、現在光樹は元の状態ではない。聞き出すのは難題だろうと思っていた。しかし、ここで絵里奈は不自然に笑ったネプテューヌの顔を見る。

 

(……あれ?ネプテューヌちゃん笑ってる。何かあったのかな?)

 

 首を傾げる絵里奈。しかし、その疑問はすぐに解決へと導かれる。タイミングよくコンパがワレチューに話しかけたのだ。

 

「わたしたち、アフィ魔Xっていう秘密結社を追っているんです。知っていることがあったら教えてほしいです」

 

 それは頼み込みであった。「お願い」といってもいいかもしれない。とにかく、コンパのさりげない頼みが目の前で行われる。

 けど、流石にそれじゃあダメでしょ、と思った私の前で、事態は意外な方面へと向かう。

 

「そんなことならお安い御用っちゅ。コンパちゃんにオイラの情報網の凄さを見せてあげるっちゅ」

 

「ズゴーッ!」

 

「えぇ~!?」

 

 一瞬の変わり身に先程予想はしていたが思わずコケるネプテューヌと絵里奈の驚きの擬音と叫びが響く。鈴と勇也が冷めた目でコンパにデレまくるワレチューを見据える。その様子は完全になかったことにしたいような眼であった。

 一方、光樹の方は、こちらも予想通りという反応で、呆れてため息をつく。何度もその様子を見てきているという感じが伝わってくるような姿勢だ。

 変わり身の速さに、テンションがガクッと落ちたネプテューヌがツッコミを入れる。

 

「さっき仲間を売れないとか言ってたのに、何この変わり身!?」

 

 ネプテューヌちゃんのツッコミはもっともだ。さっきまでの言葉と真反対な返答に絵里自身もどう対応していいのか分からないよ……。このネズミ、絶対スパイとかに向いてないよ……。簡単に釣られて寝返って情報漏らすタイプだよ。

 絵里奈の顔から珍しく笑みが消えている中で、アイエフがなぜこうなったかについての考察を苦笑いしながらも行う。

 

「このネズミがちょろいのか、それともコンパが魔性の女なのか……」

 

「こ、コンパちゃん、恐ろしい子……」

 

「女は美貌が武器って話は聞いたことがあるけど、でもこれはたぶん前者でしょうね」

 

 絵里奈がコンパを畏怖し、鈴が続いてさりげなくそれにツッコミを入れる。テンプレ通りのような会話であった。

 しかし、そこで話が意外な方向へ動く。光樹が話題を戻しつつ、質問を投げかける。

 

「……だけど、意外だよな。お前みたいな下っ端系の悪者が、この世界を騒ぎに騒がせてる秘密結社のことを知ってるなんて。ひょっとして、秘密結社のメンバー、とか?」

 

 光樹の冗談交じりの問いには、絵里奈もないだろうと思っていた。普通、こういう組織のメンバーは、こんな小さなことで捕まるミスを起こさないと思っていたからだ。

 おそらく、何か怪しい取引を見た、というだけなのだろうと思っているところに、予想だにしない事実が舞い込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

「知ってるも何も、まさしくオイラはその秘密結社の一員だっちゅ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……一瞬、何のことか分からなかった。その告白は、あまりにも唐突過ぎたからだ。信じられない、だが、信じるしかない。切望していた願いが叶う。秘密結社の足取りを追うという、願いが。

 絵里奈の、SSRメンバーの声が、重なる。

 

 

 

 

 

 

 

 

『あなたが(お前が)秘密結社の一員っ!?』

 

 

TO BE CONNTINUED

 




今回もお読みいただきありがとうございます。分かる人には分かるけど、また今回話の部分変えたところがあります。

レイ「あそこだよね。光樹君達がワレチューのいる部屋に戻って来たところ」

ジャンヌ「ゲームの方ではコンパさんがネプテューヌさんと一緒に外へ行ってて、アイエフさんが見張っていたところでしたからね」

まぁ、今回は光樹君の戦闘が長引いたってことだから、時間がかかって、ワレチューも時間の強制力的な物で目覚めるのが遅くなったということになります。

レイ「時間の強制力って何?」

簡単に言えば、未来で起こると決まったことを簡単に変えることは難しい、だったかな?名称もあやふやなところがあるし、正しいことは忘れちゃったから。

ジャンヌ「とはいっても、わたくし達のいた時間軸のグラン・ロロでは「ダークネスホール」こと「終焉の黙示禄」事件で過去を変えてしまっていますから、あまりそうは思いませんけれど」

あぁ……あれほんと大変だったなぁ……。まぁ、その話は置いておいて。次回の投稿なんですが、前半で言った通り、私、月曜日から試験なんですよね。

ジャンヌ「なので今回は8日後の日曜日までお時間を頂くことになります。皆様、ご迷惑をおかけします」

レイ「それじゃあみんな、また次回ッ!夏休みに入るだろう人達は存分に夏休みを楽しもうっ!」

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