新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
第11話投稿です。
始めにまず、謝罪です。
前回の投稿では文章多書き至上主義のような発言をしてしまい、申し訳ございませんでした。
いろんな方が様々な形で小説を投稿している中でのあの発言は失礼でした。
このような発言をしたのには理由があります。
一つに、知っている方もいると思われますが、自分は今年、受験生です。当然受験勉強のために小説を書く時間が取れなくなってきます。ですが、皆様に心配をなるべくかけたくないので、この夏休みという膨大な時間の中で、勉強と同時に小説のストックをなるべく増やし、それを9月以降投稿するという形にしたいと考えたのです。
前回の発言はその作業が進んでいるということを伝えたかったのです。
本当に申し訳ありません。
そして、今回の話はまたも9000字越えです。大変長くなってしまい、申し訳ないです。
では、本編をどうぞ!
「さて、ここに来て数十分経ったが…遅いな。」
そんな事を呟くと、光樹は動きを止めていた足を貧乏揺すりし始める。光樹は現在、リーンボックス軍が保有する、例の新兵器「シェアプロテクター」のテスト場として使用しているという天井が開くタイプのドームの中央にブラックエースⅣを纏ったまま、とある人物たちを待っていた。その人物とは、女神たち、そして、先程こちらに罵声を浴びせてきた少女、海優(本名は海鳴海優(うみなり みゆう)というらしい。)の所属するシェアプロテクター部隊であった。なぜそうなったかと言うと、元より話のあったが、海優が言った、シェアプロテクターとブラックエースⅣとの性能勝負のためである。
あの発言の後、ベールがそれを承認したため、その勝負に応じることになった。そして光樹はすぐベールより指定されたこのドームにやってきて、相手側はシェアプロテクターとそれを操作するためのカプセルユニットを持ってくるために現在待たされているのだ。
しばらくしているとこちらの方に大きな声がかけられる。ネプテューヌだ。他にも女神たちとそうでない人物(おそらくその人物たちがシェアプロテクター部隊の方々)が何人か、カプセルを持ってドームの四方にある入口の一つから現れる。
「光樹ー!ごめーん、遅くなって。」
「ようやくか。…で、そのカプセルがシェアプロテクターの操作装置?」
そう聞くと、シェアプロテクター部隊の人間であるだろう少女が言う。
「そうよ、そしてアンタを倒すためのアタシだけの力…」
「いや、あの…海優だけの力じゃないんだけど…。」
「うるっさいわね、閃!」
その二人が喧嘩している内に、後ろに居たもう二人がこちらの方に声をかける。
「すみません。光樹さんでしたか?初めまして、シェアプロテクター部隊「S・P・N(シェア・プロテクター・ナイツ)」のリーダーでリーンボックス出身のカテリーナ・リーフィです。」
「そして、ワイがルウィー出身のミヤト・サカザキ言います。よろしく頼むわ。」
「ああ、よろしく。…で、あの二人、そろそろ止めて試合に入りたいんですが。」
「そうですね、こちらが待たせてしまってますし。…ちょっと海優、閃。二人とも早くシェアコントローラーの準備を。」
その言葉に反応し、すぐ二人が言い争いをやめる。そして慌ててカプセルの元に向かい、備え付けのコンソールを操作していく。
そして入力が終わると、カプセルのふたが開く。そこには人一人が入れるほどのスペースが姿を現す。そこへ海優が入っていく。その後すぐにふたが閉められる。
『じゃあいくわよ、閃。フルコンタクト!』
「了解!フルコンタクト承認、ナンバー001P『パープルプロテクター』に精神接続!」
そう言い放つと同時にカプセルのコンソールにあるボタンの内、ガラスのふたで覆われているボタンを、ふたを開き力強く押す。
すると、カプセルの中が光り輝く。次に光がカプセルから離れ、スタジアムの地面の中に入っていく。スタジアムの地面に入っていく。
大事なことだから二回言いました。
(…まさかスタジアムの地下に巨大ロボットとかないよな…。)
そう思ってしまうのも無理はない。何せここはゲイムギョウ界なのだ。今までもゲームで勇者王のように胸にライオン顔がついたスーパーロボットや悪魔のような姿のイカれた殺戮マシンのやつ、修○さんの「もっと、熱くなれよ!」という言葉が似合うロボット、さらにはやけにリアル顔な代官の操るメカやオカマの着るパワードスーツと、様々な機械系の敵がいたのだから。
だがその考えは外れることとなった。スタジアムの床が「ガコン!」という音と同時に開く。
そしてそれによって出現した穴から「何か」が飛び出してくる。その「何か」は、光樹の右側に離れて着地する。そしてそれが女神たちの言っていた、「シェアプロテクター」であろ事を悟る。だがその姿に一瞬驚愕する。
なぜならその機体には、ガンダムと同じような特徴が見受けられたからだ。額のV字のアンテナ、ゴーグルセンサーの奥に見えるツインアイ、バックパックには二つの棒のようなものが刺さっている。他には機体各部のパーツの内、頭部ヘッドギア、肩部ユニット、背部ウイング、サイドアーマー、足のパーツがネプテューヌのプロセッサユニットの形に近いものになっている。
そんな事を考えていると、シェアプロテクターことパープルプロテクターから海優の声が聞こえる。
「さて、まずはアタシの入っているカプセルを運んで…っと。」
そう言いながら、海優は両手でカプセルを持ち上げると、観客席の方にそれを持っていく。背部のウイングから、七色の粒子が噴き出して、飛翔する。すぐに観客席の一番上の通路のようなところにそれを置く。
その間に、女神たちは歩いて観客席の方に行くため、さっき来た道を戻っていく。おそらく、そっちの方に上に上がるための階段のようなものがあるのだろう。そう思っていると、先程こちらに話しかけた女子、カテリーナが再び話しかけてくる。
「光樹さん、色々とすみません。海優の八つ当たりに付き合っていただいて…。」
「いえいえ、構いませんよ。元々こっちの用事でここの施設借りたんだし、そちらの方からもテストをお願いされたし。…で、八つ当たりってことはやっぱりあの時撃墜された戦闘機のパイロットの中に…ひょっとして…」
光樹がそう聞くと、カテリーナは若干俯きながら答える。
「…ええ、そうなの。海優と仲の良かった…いえ、リーンボックスに来て、部隊になじめなかった海優を、私たちS・P・Nを結束させてくれた子が…ね。」
「……。」
その言葉を聞いて、光樹は言葉が出なかった。当然だろう。自らの大切な人が突然目の前からいなくなれば、海優のように、守れなかったやつに八つ当たりするのも仕方ない。
少し間を置いて、カテリーナに言葉を返そうとしたところで、海優が話に割って入ってくる。
「ちょっとカテリィ、早く観客席の方に上がってよ!でないと戦えないじゃない。」
「理解しています、海優。それじゃあ光樹さん。そんな事でも、海優とちゃんと戦ってください。多分あの子、本気で戦えば許してくれるはずだから。ああ見えても実力はちゃんと理解できるはずよ。」
「本当ですか?そうは見えませんけど。」
不安そうに聞く。だがカテリーナは答える。
「ええ、実力と理解力はあの子…海優が私たちの中で一番高いから。頑張ってね。」
そう言い残して、カテリーナは観客席の方に向かっていく。その様子を見送った後、海優の機体、「パープルプロテクター」の方を向く。
その様子を見て、後ろで組んでいた手を解いて、こちらに来る。
「さて、もう後悔する時間は終わった?」
「まったく…そんなこと言って、そんなに気に入らないのか?」
「ええ、そうよ。こんな奴のためにアイツが……アスカが死んだんだから…。だからアンタがアイツの死に値するかどうか、確かめさせてもらうわよ!」
そう言って少し距離を開けて右腰のスラスターユニットに装備していたライフルを右手に持つ。こちらもANヴァリアブルアームズをライフルモードで構える。
そして、スタジアムにベールの声が響く。おそらく、マイクからの音声だろう。
『それではシェアプロテクター運用試験最終段階、そしてガンダム・ブラックエースⅣの性能調査の実戦テストを開始しますわ!ただし、光樹さんの方は腹部、シェアプロテクターは精神通信用の頭部の全損を禁止します。いいですか?』
「分かりました。ベール様。」
「こっちも把握しました、ベール。」
そう返したのち、ベールがスタートの声を上げる。
『では、試合スタートですわ!』
その声と同時に、戦闘は始まる。
「まずはこれで!あいさつ代わりィ!」
美優が先行を取った。右手に持っていたライフルからビームをこちらに発射する。マシンガンのような弾を、光樹は肩部スラスターを吹かせて右側に回避する。マシンガンの弾は空を穿っていく。だがその弾は観客席に向かって伸びる。そして――――――壁に当たったように消える。
『ああ、そういえばもう一つ伝え忘れていましたわ。この観客席とフィールドの間には、エネルギーフィールドが張られているので、こちらの被害は気になさらないでくださいな。』
「よし、なら全力で行くか。」
そう言うと同時に、左側のANランチャーキャノンⅣのキャノンユニットとランチャーユニットを展開し、発射する。ビームの光が2本、海優に向かって飛ぶ。
それを見た海優は落ち着いた様子で左腕の円形のシールドパーツを展開し、叫ぶ。
「シェアリングシールド展開!」
同時に、前面に光り輝く円形の盾のようなものが展開される。おそらくシェアエナジーで形成されたシールドだろう。それにビームが当たる、が、ビームはそのシールドに当たり、消失する。
「並みの攻撃じゃ壊せない…ってことか。でもまあ、さっきのは牽制への返しだからな。問題ない!」
そう考えて、冷静さを保つと、今度は頭部アンテナ中央部に光を集中させる。ANACEハイメガキャノンだ。
威力はなくて良かったが、とにかく少しでも気を逸らすために撃つ。おそらく防御はしてはこないだろう。防御しても、それはそれで足が止まるのなら、こちらが有利だろう。
そして相手の方は、あのビームを、横に回転しながら回避、こちらにそのまま向かってくる。
それに対して、こちらはANヴァリアブルアームズをソードモードに切り替え、振るう。
だが、相手も素人ではなかった。
「甘いわよ!そんな太刀筋!!」
そう叫ぶと、左腰にあった柄のようなものを引き抜く。構えると同時に、光の剣が出現する。それを見て、理解する。
(あれはビームソードか!)
お互いの剣が激突する。普通の実体剣だったなら、こちらが負けていただろうが、こちらはGNソードがベースと思われる武器だ。しっかりと受け止め、鍔迫り合いに持ち込む。
互いの剣から火花が散る。だが、そこから海優は思いがけない行動をとった。
「てぇい!」
「な…!」
サイドアーマー部に浮かんでいた、ウエストユニットをこちらに向け射出する。おそらくビットのようなものだろう。それに反応しきれず、直撃し、後ろに吹っ飛ばされる。態勢を立て直そうとするが、その前に海優がこちらに向けてライフルからビームを放つ。先程のようなマシンガンの弾ではなく、ビームライフルのような一直線のような弾丸である。
「ちっ!」
慌ててシールドで受け止める。だがそれに気にせず、海優はライフルを振り上げる。なぜそんなことをしたのかと思ってしまう。が、すぐにそれは分かることになる。ライフルの下部のスリットから、光の剣が出現する。おそらくビームブレイドだ。それを確認すると、すぐにシールドで受けに入る。なんとか受け止めるが、同時に海優は左手のビームソードを構える。
だがこちらも見ているだけではない。それに反応し、行動する。まず上からシールドで受け止めているライフルブレードを外側に受け流す。そして振ってきたビームソードをANヴァリアブルアームズで受け止めていく。
「受け止めた!?」
美優が驚きの声を上げる。おそらく受け止めるとは思わなかったのだろう。焦ったのか、後ろの方に下がる。だがそれをやすやすと見ているわけにもいかない。すぐにそこに追撃の射撃を開始する。ANヴァリアブルアームズのライフルモード、左手に持ったANヴァリスⅡ、ANランチャーキャノンⅣ、左サイドアーマーのANヴェスバーレールガンⅣを同時に発射した。
「ちょ!弾幕多い!!」
それを見て驚いた海優はすぐに回避行動を取る。不意打ちだったが、海優はそれらの攻撃を全て回避していく。態勢を立て直すと、海優は再びライフルを構え、突撃してくる。だがこちらも格闘戦をさせまいと、再び砲撃を再開する。無数の弾幕がフィールドを駆け巡る。光樹が一斉に撃てば海優は回避に専念し、隙が出来れば海優はライフル弾を撃ち、光樹は射撃をやめて回避する。そのようにして何度も何度も射撃の応酬が繰り広げられる。
すると突然、相手が動きを止めた。
「ふふっ。…やるじゃないアンタ。まさかここまでついて来れるなんてね。」
いきなりそう言われたので少し驚く。さっきまでこちらにあれほど八つ当たりしていたのに、ここでそう言うとは…カテリーナの言っていたことは事実のようだ。
「そ、そうか。ありがとう。」
「でも、それでもアタシは勝つ!この機体の力、見せてあげる!」
そう言い放つと、海優はとっておきを繰り出してきた。
「シェアリング・フルコンタクトモード!」
ビームソードを振りながら、そう叫ぶと同時に機体各部が七色に輝き始める。その光はシェアのようだった。暖かな光が機体から溢れる姿は、まさに「女神」と言うべきものである。
その変化が終わると同時に、機動を開始する。その速さは圧倒的であった。先程とは比べ物にならないくらいの機動性能でこちらに迫ってくる。
「く、トランザム!」
それを見て、こちらもトランザムを起動させる。機体が赤く染まり、迫る機体と激突する。
相手のビームソードとこちらのANヴァリアブルアームズ・ソードモードが接触し、大きく火花が散る。そして互いに飛び回りながら、連撃をぶつけていく。だが、互いにうまく受け止め、決定打にはならない。
「この状態でついて来れる!?何よその機体…!」
「生憎ながら、こっちも負けられないからな!」
互いに口を交わす。その二人は戦闘の中で互いを認めていた。その様子を見て、四女神たちや女神候補生たち、さらにS・P・Nのメンバーたちに笑みが浮かんでいた。
そんな中で二人の斬撃が再びぶつかり、お互いが大きく仰け反る。そして、また激突しようとしたその時――――――――――――
突然、海優の機体の動きが停止する。
「っ!!なんだ?」
慌てて前に出そうになる体を急停止させる。突然停止したので何か仕掛けてくると思ったのだ。だがそうではないようで、機体のゴーグルセンサーから光が失われていた。どうやら機能停止なのだろう。数秒後、その光が戻る。ただし、色を赤くして。
(さて、障害も治ったみたいだし、また試合に戻…)
だが、先程の考えは間違いであった。
一瞬でこちらに迫り、出現させたライフルのビームブレードを突き出す。
「え!?!?」
一瞬の出来事で、思考が遅れる。盾では受け止められないと直感的に判断した光樹は、左側のウイングスラスターを全開にして、回避行動を取る。だが避けきれず、肩部の端の装甲が消滅する。
何とか機体バランスを調整し、相手の方に向き直るが、相手は間髪入れずに突撃してくる。流石に二本の格闘兵装を持った機体に銃はまずいと考えた光樹は左手のANヴァリスⅡを元の場所に戻し、代わりに手首からANビームサーベルⅥを射出して、装備する。
相手の振ってくるソードとブレードをANヴァリアブルアームズとANビームサーベルⅥでいなす。相手はまるで獣のように連撃を加えてくる。だが、相手が二本の光剣の強力な同時攻撃を受け止めたところで、態勢を立て直すべく一度離れる。幸い、相手は追撃をしてこなかった。
その間に、光樹は状況を整理する。
(確か機体がシステムダウンした辺りで、なんか様子がおかしくなったな。何があった?今のところはトランザムで何とか対応できているけど…制限時間もさっきのシステムダウン前の戦闘で半分消費してるし、ヤバイな。)
と、そこで通信回線からベールの声が響く。
『光樹さん!何とかパープルプロテクターを止めていただけませんか?』
「え…まさか何か問題が…」
そう言いかけたその時、悲鳴のような声が回線に響く。この声は海優の声だ。
『ダメ!コントロールが効かない!なんで動かないの!!』
そのことを聞き、ある結論に達する。
(まさか、暴走!?)
そう、コントロールが効かないのに動いているということは暴走に違いない。ゴーグルセンサーが赤く染まっているからブルーディスティニーシリーズのEXAM(エグザム)のようなものだろう。だがそうなるとどうやって倒せばいいか。とりあえず、対戦前にベールから聞いていた頭部の精神通信装置の頭部を狙えば止まるだろうが、どんな影響を相手に与えるか…
そこに謎の人物の声が聞こえてきた。
『フン、哀れだな。そのまま私のシェアプロテクターの真価でやられるがいい。』
如何にもバカにしたような言葉をぶつけてくる。
と、そこでネプギアがその正体について明かす。
『あなたは、シェアプロテクター開発主任のジニアス・サハリンさん!?』
開発主任だった。それなら先程の言葉にも納得がいく。余程自信があるのだろうが、それ以上に気になったのはその後の言葉だ。シェアプロテクターの真価とは一体…?
そこでナイスタイミングと取れるところでネプテューヌが聞く。
『ねえねえ、シェアプロテクターの真価って何?私たちそんなの聞いてないよ?』
すると、開発主任は答える。
『ふふっ、それはこの世界ではない技術で作られた兵器、もしくは通常ではありえない能力を持つ存在に過剰反応を起こし、その存在を消すまで、破壊行動を止めないシステム。そう、これこそ進化した文明を滅ぼすシステム!ジャッジメントシステムだ!』
その暴露を聞いて、ただ一言。
「ってそれただの暴走じゃねーか!!なんでそんな機能付けた!暴走をシステムに組み込むなんてアホだろ!」
『そうよ!なんでそんなもの勝手に組み込んだのよ!』
光樹の意見にノワールも続ける。だが開発主任はそれに当たり前とも言うべき態度で答える。
『何を言っている?科学者にとって、自分の作ったものより性能の高いものが現れることは、許せないんだよ!!』
「だめだ、話聞く気ない!こうなったら何とかしてあいつを止めないと…」
だが、そこに追い打ちをかけるように、開発主任が告げる。
『ああ、そうそう。接続している間に撃墜されると、オペレーターは死ぬからね。それに、精神通信装置を破壊しても脳に障害が起こるし。あと、ジャッジメントシステム時にはカプセルの強制脱出は操作できないからね。もう止めることは出来ない!ただやられるだけだ!!』
「なんだと!?人の命をおもちゃにしやがって!!」
だがそう言った瞬間、敵となったパープルプロテクターが高速で接近してくる。
「くそっ!!」
だが気づくのに一瞬遅れる。振り上げられたビームソードによって、ANヴァリアブルアームズを吹っ飛ばされる。
このまま距離を詰められると危険と判断した光樹は一度下がり、ANヴァリアブルドラグーンを展開する。機械制御のものだが、弾幕にはなるだろう。そう思っていた。
だが、甘かった。
敵は肩・腰・ウイングの浮遊パーツからシェアエナジーを噴射し、バリアを形成して突っ込んでくる。そのバリアにビームが弾かれていく。こちらのビームがダメージを与えられないのに対して、相手の方は両手の光剣でこちらのドラグーンを切っていく。
『無駄だ!!この機体にその程度の武器など!!』
その言葉はまさに的確だった。このままでは武装の威力の低さから負けるのは明らかだった。この状況を打破できるとしたら、シールドに搭載されているANロストカノンⅣくらいしかない。
ANロストカノンⅣのロストモードはチャージが遅い代わりに、どんな盾をも貫けるとエースの言っていた兵装だ。その攻撃なら、あのバリアも貫けると考えたのだ。
そうと決まれば、相手がドラグーンの対処をしている内にチャージを済ませようと、ANロストカノンⅣを構え、チャージに入る。
だが迂闊だった。
『光樹!敵が強襲してきます!』
「しま…」
そう言い切る前に、懐へともぐりこんだパープルプロテクターがライフルブレードを振って、ロストカノンを斬る。
それだけではない。そのままの勢いで、こちらの機体を切り刻みに来る。当然、避けきれるはずもなく、3撃程の斬撃を胸部に受ける。
「ぐっ!!」
その痛みに耐えきれず、地上に落ちる。何とか立ち上がろうと片膝をつく。と同時にトランザムが終了する。恐れていた事態が起こる。一方、パープルプロテクターは余裕そうに地に足を着ける。その姿は、まるで強者の余裕であった。だが、そのオペレーターは…
『いやっ!もうやめて!!死にたくない!殺したくない!!』
必死に拒絶し続けていた。それに対し、開発主任は嘲笑う。
『フッ。先程まで許せないと言っていたのに、君も哀れだな。君の大切な人物というアスカ君の敵じゃないのかい?まあ、私には関係ないことだがね。』
そして、パープルプロテクターは動く。こちらを殺すために。
その様子を、光樹はただ見つめるだけだった。
と、誰もが思っていた。
(あきらめていいのか?)
光樹は自問自答する。今の現状に、問答する。
(いいわけが無い。こんなの、誰も求めちゃいない…!)
そうだ、このようなこと、あってはならない。そう考え抜く。
だが無慈悲にも敵の光剣二本がこちらを突き刺す構えをとる。
だが、不思議なことに光樹は落ち着いていた。その中であることを思いつく。この状況を打破すべく状況を。そして、海優を救い出し、あの機体を倒す術を思い出す。
そして――――――――――
「斬神…」
手を前に出し、発生させた高密度ANフィールドで、敵の光剣二本を受け止め、後方に投げ飛ばした。
♦
「ばかな!!私の機体を簡単に対処しただと!?」
ジニアスさんはそう叫んだ。おそらく、あの攻撃で決めると思っていたのだろう。実際、ネプギアたちも、あの攻撃で光樹が死んでしまうのではと思っていたぐらいだ。けれど光樹さんは見事に危機を乗り越えた。それでもまだ危機であることには変わりない。
その時、光樹さんが腕のフィールドを解除して受け止めたビームアサルトライフルのビームブレードモードとビームソードを落とすと同時に、機体のウイングスラスターを全開にして後方に下がる。
「あれ、光樹下がっちゃったよ?」
お姉ちゃんが疑問に思う。だけど、ノワールさんがすぐに仮説を立てる。
「もしかしたら、何かするつもり?」
「何かって何?お姉ちゃん。」
「おそらくなんだけど、あの機体の武装ってほとんどⅣとかⅥって付いてるのを見たでしょ?もしかしたら、更に変身したりとか…」
だがノワールさんの言葉は当たることとなった。
泊まると同時に光樹さんが右手を上に掲げ、言葉を発する。
「ファイナライズ・アップデーティング。」
と同時に空からノイズの柱が光樹さんを飲み込んだ。その光景は以前にも見たことがある。それは、光樹さんがブラックエースⅣを纏う時と同じものだ。
そして、ノイズが晴れると、ブラックエースⅣの姿は別の機体に変わっていた。
所々はブラックエースⅣと似ている。だがその姿はブラックエースⅣとは違う。頭部のアンテナがV字の物と角のようなものの二基を装備し、腰背部にはテールスタビライザーのようなパーツが装備されていた。加えてウイングの中のパーツも、片側4基の計8基から、片側6基の計12基に増えている。他にも右手には突撃槍のような武装が装備され、左手のシールドは、先端に砲門のようなものが出現したものに変わっていた。
「変化した?あの機体は聞いてないわ。」
ブランさんがそう呟く。無理もない。私たちもこの機体を見るのは初めてだからだ。
と、そこで光樹さんの機体と接続している回線から音声が聞こえてくる。機械音声だったため、エースさんと思ったが、エースさんよりも少し暗い感じの声であったため違うようだ。
『SSR-EFX-BA000X Type-AREK(エスエスアールイーエフエックスビーエーゼロゼロゼロエックス タイプアーク)、ブラッドゼロガンダム装着完了。』
TO BE CONNTINUED
いかがだったでしょうか。
ゲイムギョウ界側に新兵器を投入した訳としては、光樹君とネプテューヌの世界が深く関係しているためです。
そして新しいガンダム登場です!「あれ?また新しいガンダム?」という方もいると思いますが、これには理由があります。
実は元々オリジナルガンダムは私の中二病時(今もですが)に考えた機体です。光樹君もその時に考え付いた人物です。そしてオリジナルガンダムは現状、9体あります。ですが流石に9体も出すと話の尺が足りないので途中の3体を減らし、この小説では6体を登場させることになりました。
今2体登場しているので、光樹君の機体は2機登場しているのであと4機を零次元にて出します。なぜ零次元だけで全機登場させるかというと、超次元編は光樹君の記憶の復活を主軸とすること、そして何より、超次元編では「光樹君の物ではない、別の人物たちが使うNP」が9体登場するからです。
「おい、オリジナル登場しすぎだろ。」とも思われますが、話の展開上、これら全機出さないと話がまとまらないためです。
そのため新キャラも9人出ます。なのでその紹介のための黒の館も多くなります。それなのに光樹君の機体も紹介すると、黒の館が多くなってしまうので、それを減らすため、零次元でまとめて出そうとなったわけです。
さて、文章が長くなりましたが、今回はここで終了です。前書きに謝罪が入りましたが、いかがだったでしょうか。
もし、他にも気に入らなかったものがあれば感想などに書いていってくださると幸いです。
では次の投稿は来週の日曜日です。
ではこの次も見ていってください!!