新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
レイ「すっごい初期の黒の館のネタだね……元ネタはガトーさんだけど」
まさかある意味で本当の意味として使うとは思ってなかった。どうも、皆様、お久しぶりです。今回の話まで何とか書き上げました、藤和木弘です。
レイ「みんなーひっさしぶりー!!レイ・オーバだよっ!そしてー?」
ジャンヌ「ふふっ。ようやく投稿できますね♪どうも、皆様。ジャンヌ・ドラニエスですっ!」
いやー、データ消えたときは「もうだめだ……おしまいだぁ……」と思ってましたけど、何とか書き上げられましたよ。
ジャンヌ「これも、休み中にも見てくださる方がいたおかげですねっ!」
本当にそれですよ。あれのおかげで、書かなくちゃっても気持ちが維持できましたから。感謝しかないです。
では今回は第112話の投稿です!
レイ「前は……ネプテューヌちゃんがネプギアちゃんにリーンボックスに行って!って突き放したところだね」
ちょっと待ってレイさん!?表現がおかしくないですか!?
ジャンヌ「いえ……今回はあとがきで色々とわたくしの不満を暴露するので、前書きでは事実を述べなくては……。そのために、レイさんにはあえてそう言ってもらったんです……♡」
え、ちょっと待って、何の話か分からない!
レイ「まぁ、あまり言いたくないけどねー。ネプテューヌちゃんは頼み込みだからね!で、藤和木は「人魚姫」といえば分かるかな?」
え?人魚ひ……あ(;・∀・)
ジャンヌ「分かりましたか……?わたくしの気にしている点は……?」
いや、待って!弁明させて!決してジャンヌさんを見捨てたわけでも、和翠(なごみ)ちゃんに浮気したわけでもなくて……
ジャンヌ「それでは皆様、最新話をどうぞ!!その間にわたくしは藤和木をシメておきますので……浮気と、ここまで遅くなったリカバリーについて……♡」
やめろー!まだ死にたくなーい!!
レイ「大丈夫だって、死にはしないよ♡じゃあ久々の本編、行ってみよー!!」
ネプテューヌが発したリーンボックスへの手助けは、意外な答えとなった。まさか、再会した場からの妹と、すぐに分かれることを決めるとは。
聞いていた鈴としても、これは完全に想定していなかったことだ。鈴にも、弟と妹の二人の兄妹がいる。もし自分がネプテューヌと同じ立場であったなら、再会したばかりの兄妹を簡単に行かせるようなことにはためらいを覚えただろう。
だが、ネプテューヌはそれを選択したのだ。ようやく会えた自分の家族を、仲間の危機を助けるために向かわせる。その方が重要だと考えたから。
そこまで考えての発言とは鈴自身は思えなかった。だが、基本的にみんなでいることを重視するイメージのあったネプテューヌがその判断をするということは、それなりに考えての発言だろうと鈴は考えることにした。
一方、その発言を受ける側となったネプギアは受け切れていなかった。
「私!?」
どうやら完全に姉と共に居ようと思っていた反応であった。普通に考えれば、ようやく会えた身内をすぐに追いやるようなことをするわけがないと思うはずだ。
ネプテューヌの突飛な発言に、アイエフやコンパ、それに光樹がツッコミを入れる。
「ちょっと、ネプ子。あんた、何言い出すのよ!」
「そうですよ。ギアちゃんと会えたばっかりなんですよ?ギアちゃんのことですから、ずーっとねぷねぷと会いたかったに違いないです」
「いつものネプテューヌなら、もう少し妹を大事にするんじゃないか?」
3人の言い分は確かだ。その意見に口を出さなかった勇也と絵里奈も頷く様子を見せる。だが、ほとんどのメンバーが行動に反対する中、ネプテューヌは言葉を切り返す。
「うん、それはわかるよ。わたしだって、ずーっとネプギアに会いたかったもん。でも、これはネプギアにしかできないことなんだよ」
ネプテューヌの言うことは正しい。今現在、四女神それぞれに人手がいる。だがプラネテューヌには既に人手が足りている状況だ。反対にリーンボックスは元から頼れる存在が身内の中には少なく、女神候補生もいないため、かなり厳しい状況。
だからこそ、ネプテューヌはネプギアにリーンボックスに行ってほしいというのだ。更にネプテューヌが付け足しで語る。
「わたしね、初めてプラネテューヌに来た時は光樹達以外には、元々のこの世界の誰にも頼れなくて、少し辛かったんだ。でもね、光樹達と探して、いーすんにあいちゃん、こんぱ。たった7人しかわたしを覚えていたり、頼りに出来る人がいなくても、それだけで、今は何とかできるかも、って思えるんだ」
自身の体験。それが今、ネプテューヌの支えになっているということ。そのことを聞いて、先程まで反対していた者も納得や口を閉ざして考え込む。もちろん、鈴もだ。
友人を助けたい。その為には、例え別れが辛くても、一旦分かれようとする気持ち、か。あたしもそれには納得できるわ。自分と同じ危機に陥っている中で、友人を助けたいって気持ちが出てくるっていうのは、多分あたしも同じだから。
そして、ネプテューヌは重ねて自身の妹にお願いする。
「………………うん、わかった」
「ギアちゃん、本当にいいんですか?」
「そうだよー?せっかくお姉ちゃんに会えたんだし、もっと居ても……」
コンパと絵里奈が、すぐに行くことに関して寂しくないのかと聞く。が、ネプギアは姉の言葉に従うことを告げる。
「確かに、やっと会えたのに、もうお姉ちゃんと別れるのはちょっと寂しいです。でも、ゲイムギョウ界の危機に、そんな甘えたことは言ってられないと思うんです」
しっかりした少女の真っ当な回答であった。言葉から出る真面目さが、決意を確かなものにしていた。更に、ネプギアは少し気を抜いて、そこまで深刻ではないということを言う。
「今生の別れでもありませんし、今、一緒にいられないぶんは、あとで目一杯甘えさせてもらいますから」
そう言われればその通りである。何か最悪の展開がありでもしない限り、会えるはずなのだから、今別れを惜しむよりも、後で心置きなく触れ合えることを思った方が気楽である。
ネプギアの正論に対し、アイエフがやれやれといった具合で感心する。
「……まったく、ついこの間までネプ子に甘えっぱなしだったのに、いつの間にこんなに成長したんだか」
「あいちゃん、まるで娘の成長を見守るお父さんみたいです」
コンパがアイエフの様子を見て例えを口にする。鈴もコンパの言葉を聞いて、そのような気がしてくる。
成長した姿に、ネプテューヌも安心を口にする。
「強くなったね、ネプギア」
「きっと、うずめさんたちのおかげです。あの時、零次元に取り残されたから、今、こう考えられると思うんだ」
「零次元での出来事は、ネプギアに強い心を与えてくれたんだな」
強くなった理由に光樹が言葉を続けた。零次元、という言葉に鈴達は心当たりがなかったが、おそらく光樹が一時的に移動していた先の世界だろうと考えた。実際、それは正しかった。ここで2人が言った「零次元」とは、光樹達が超次元から消えていた時にいた世界である。
その世界に関しては、鈴達GKSWAXPも把握しきれていなかった世界であり、要調査とする世界のリスト入りをしていた。次元世界を守ると言っても、全てを知っているというわけではないのだ。
「そっか。うずめたちに感謝しなきゃいけないね」
現地の住民と思われる人物への感謝を呟くネプテューヌ。一通り話を終えると、早速ネプギアはその役目を果たしに行こうとする。
「それじゃあ、お姉ちゃん。私、行くね」
せわしなく行こうとするネプギアをコンパとアイエフが止める。
「もう行っちゃうですか?」
「いくらなんでも急過ぎよ。少しくらいゆっくりしていきなさいよ」
2人の言葉には納得できる。早く行くにしても、今プラネテューヌに来たばかりであると思うのにもう行くのは急すぎる気もする。少しくらい、ここまで来るのに消費した気力や体力を回復させてからでもいいとは思う。
しかし、そこは姉よりも真面目さの目立つ妹だ。2人の言葉を受け止めつつも自身の意見を通す。
「そうしたいのは山々ですが、早くベールさんの力になってあげたいんです」
一刻も早く、誰かの力になってあげたい。そんな素直な気持ちに、不思議と笑みがこぼれる。鈴の顔を見た絵里奈が、表情の理由を聞いてくる。
「あれ?どうしたの鈴ちゃん。顔が笑ってるけど」
「……そう?何でかしらね」
曖昧な返しに絵里奈は疑問を浮かべる。それもそうだ。なぜなら、かつて、あの馬鹿も……。
と、昔の事を思い出しかける中で、ネプギアが本音を漏らした。
「それに、これ以上いると、情けないことに決意も揺らぎそうで……」
「それだったら、これ以上俺達がどうこういう必要はないな」
恥ずかしながらも言ったその言葉に、勇也が他人の意見を入れる余地を失くした。ネプギアの意見を尊重するかのようにだ。
まったく、勇也は誰かの決意に駄目だしさせないっていうのが強いんだから。でも、ここでは需要かしらね。かつで自分を好いた男の片割れに呆れつつも、あたしもネプギアを送り出すことにした。
「えぇ。あたしも何も言うことはないわ。他は?」
意見を促すと、全員黙っていた。うんうんと頷くものも居れば、まだ何か言いたそうな面々もいる。だが、これ以上邪魔はしないように、意見する者はいない。
そして、ネプテューヌが妹の手を取り、言葉を送る。
「なら、ベールのこと、頼んだよ。ネプギア」
「うん。任せて。ちゃんとベールさんの役に立ってみせるから」
ネプギアもネプテューヌに安心するように言う。そして、手を放して、ネプギアは街の外へと続く道へと駆けて行った。
駆けてゆく姿を見送り、見えなくなったところで、アイエフがポツリと言う。
「行っちゃったわね」
「ネプテューヌちゃん、これで良かったのー?」
「そうですよ。ギアちゃん、もしかしたら、もう少し居たかったかもしれないのに……」
そう、ネプギアは行ってしまったのだ。会えなくなるわけではないが、再会と別れの速さに、絵里奈とコンパもネプテューヌに向かって言う。
すると、ネプテューヌは言った。
「辛くないわけないよ。……でもね、ネプギアも言ってたけど、世界の為に今は甘えたことは言ってられないと思うんだ」
鈴は察する。ネプテューヌも分かった上での頼みだったのだ。辛くないわけがない。やっと会えたばかりの妹を、また別れさせるようなことは、望んでいなかった。それでも、今の現状を考えたがための頼みである。妹の前で甘えのような反応をしなかったのは、姉としての覚悟もあったのだろうか。
ネプテューヌの立派な言葉に対し、アイエフが少しいやらしい考えの発言をする。
「……けど、本当に良かったの?ただでさえ、ネプギアはベール様のお気に入りなのに、こんな状況でネプギアが協力しにきたんじゃ、余計妹として欲しくなるんじゃないかしら」
それは、ベールがネプギアを取ってしまうかもしれない、という発言だった。まさか、と鈴は思った。漫画の中ではごくまれにありそうなことでも、いくら女神に妹がいないくらいで、そんなことしないだろう。アイエフにしては、少し妄想が過ぎるのではと考えた。
だが、それに続いてコンパや光樹も続く。
「ギアちゃんもねぷねぷのいない寂しさをベールさんで紛らわすかもです」
「それで、もしかすると、今度会った時にいつの間にかネプギアが「お姉ちゃん」と言うのが、ベールになっていたり……」
「それはないでしょ」
2人の言葉を受け、鈴はツッコミを入れる。特に光樹の方には素手でチョップを軽く入れる。ばかばかしいことだ。非常事態ということもあるのだから、そんな程度でコロッと態度が変わるはずもない。
が、その悪乗りは更にエスカレートする。
「いいえ、十分ありえるわね。ベール様もその隙に上手くつけこんでネプギアを落としちゃうかもね」
「ふぇえぇ……ベールさんってそんな一面が……」
アイエフの考えに、絵里奈が動揺する。あまり恋愛系の奥行った用語は効かない(「聞かない」ではない)絵里奈も、流石に女同士の間で「落とす」という用語には面食らったようだ。
そんなこんなで妄想を広げる彼、そして彼女らに対して一喝する。
「そんなわけないでしょ!全く……ネプテューヌ。貴女も何か言って……」
騒動の真ん中にいるネプテューヌにも何か言ってやれと言うように話を振る。ここで鈴としては、その考えを否定することを望んだ。だがしかし、その思惑は外れることとなった。
「えぇっ!?そ、それは困るよぉ!?」
「えぇ……」
妹が取られるという発言で、一番動揺してしまっていた。
いや、貴女が一番最初に送り出すって言ったんでしょ?それなのに今になって心が揺らぐってどうなのよ……。頭に手を当て、あたしは溜息をつく。
鈴の溜め息にも気にせず、ネプテューヌは今から追いかけようとする。
「今ならまだネプギアに追いつけるよね!ちょっと引き止めてくる」
「いや、もう遅いだろ……」
「言い出しっぺが何言ってんのよ……」
「姉妹離れが必要なのは実はねぷねぷだったですね」
ネプテューヌのその発言には、先程までからかっていた面々も呆れてもう遅いと告げる。特に最後のコンパの言葉は、まさしく的を射た発言だ。結局のところ、ネプテューヌはまだ妹の支えが必要だった姉であったのだ。
そうしていくらかの余韻を残しつつ、全員でまた事件の聞き込みを再開させた。
♦
ネプギアと別れて3日ほど経った頃、光樹達はまた街に情報を求めて行動していた。あまりいい情報は入っては来ず、少し暇を持て余すということが多かった。
だがそれでもネプテューヌ達の方はということで、光樹に暇があったわけではない。この3日間の間、光樹はまた鈴達と記憶復活を兼ねた演習を何度も行っていた。あれから1週間程経った今でも、光樹は彼らに勝つことは叶わなかった。しかしながら、少しずつではあるが徐々に実力を付ける……否、戦闘の勘を取り戻していき、攻撃を軽くいなされるということはなくなっていた。
そしてこの日も、演習が控えており、それまでの間の時間を諜報活動へと回していた。そして、物事は動き出す。
それは、一つの音によりもたらされた。鳴った電話の持ち主はアイエフ。メンバーの視線はアイエフに集中する。
アイエフも、その表情にこわばりを一瞬見せたが、電話主の名前を見て、少し息を着く。その反応がどういうことを示すのか。光樹の疑問はすぐに晴れることになる。
電話主を確認したアイエフがそのまま通話ボタンを押して電話に出る。
「もしもし、オトメちゃん。何か用かしら?」
オトメちゃん、という単語で理解する。アイエフの諜報部の知り合いだ。光樹自身は実際に会ったことはないものの、アイエフといるとよくその口から語られる存在だ。なんでも、アイエフとは同期で、仲もいいらしい。噂によると、乙女ゲーム系のゲームをよくプレイするという話も聞く。
アイエフの仲間からの連絡だと分かって、光樹は少し緊張を解く。おそらく、定時報告のようなものか、もしくはこちらが追っている事件の手掛かりか。今現在、アイエフが諜報部にも窃盗犯の被害を報告していたため、そっちの方もプラネテューヌ諜報部が動いているから、それらの可能性も高かった。
しばらく、アイエフが電話に耳を傾ける。すると、すぐに反応を変えた。
「………………それは本当なの?」
急に真剣な表情に変わるアイエフ。頷きをして話を聞き、終わったのか、アイエフは電話主に了解と礼を言う。
「……えぇ。わかったわ。ありがと」
締めの言葉を口にして、スマートフォンの電源を切る。電話が終わったのを確認して、コンパがさっきの電話が何だったのかを質問する。
「お仕事の電話です?」
「まさか、秘密結社を見つけたとか?」
「それとも、窃盗犯を見つけた、とかー?」
続くネプテューヌが何の話だったのかの予測を立てる。光樹としてはやはり秘密結社に関する情報が出て来ればいいと思っていた。秘密結社を追うこちらとしても、願ったりかなったりだ。
さて……外れか当たりか。当たりが出て欲しい気持ちが大きいけど、どっちになるか。俺は話がどうなるかをただ見守る。
するとアイエフがそのうちの一つを口にした。
「絵里奈のが正解ね。この間、泥棒に入られたゲームショップの件なんだけどね。そこから盗まれたと思われるゲーム機やソフトが別の中古ゲームショップに持って来られたらしいわ」
話の内容は、チューコと鈴奈の中古ゲームショップの件だ。話の内容から、どうやら犯人は別のゲームショップに転売にやって来たようだ。
となれば、犯人を捕まえるのは簡単だろう。というのも、中古ショップで物を売る時には犯人確保に役立つあるものが必須となるのだ。それは、身分証だ。
身分証と言っても種類は様々だ。免許証や学生証などが該当し、それを提示しなければ売ることは出来ないようになっている。だから、売ったのなら確実に犯人は身分証を出したはず。おそらく店側も管理しているはずなので、それを確保できれば、警察と連携して身元を割り出して犯人確保まで一直線だ。
という流れで、犯人確保は間違いなし。と思っていたのだが、そんなに上手く物事は起こらなかった。アイエフが溜息を吐いて、残念そうな表情でその結果を言う。
「それが、残念なことに身分証の提示を求めたら、断られて逃げられたらしいわ」
「逃げられた、か。まぁ、普通なら自分の証拠を残すことは避けるよな」
なんと、犯人は身分証を出さずに逃走してしまったのだ。これには聞いていた勇也も先程の言葉を口にして肩を落として言う。勇也の言う通りだ。盗んだものを売る以上、顔を知られるのは避けたいところ。ならば、身分証の提示の段階で逃げるのは予測できたことだろう。
あと少しで犯人の身柄を確保できたかもしれない事実に、落胆する一同。が、希望が消えたわけではなかった。更にアイエフが続ける。
「けど、特徴のある人物だったから、捕まるのも時間の問題ね。まぁ、人っていうより、ネズミだったんだけどね」
特徴的な人物という単語に希望を持つ。が、同時にネズミだったという大きな特徴を言ったアイエフの言葉に若干疑問が浮かぶ。犯人は大きな特徴を持ってはいるが、その大きな特徴がネズミというのは、あまりにかみ合っていないように見える。
おそらく、民間人なら、一瞬放心してしまっただろう。だが、一同は既にネズミの店主ことチューコを見ていたため、それ程驚くことはない。
しかし、そうなると一体誰なのか。店主本人である可能性は低い。更にしゃべるネズミなんて、某夢の国の王様は外れるとしても、数はそういないはず。
……というのが光樹を「除いた」メンバーの見解だった。話を聞いて、コンパが聞き返す。
「犯人さんもネズミさんだったんですか?」
「そう。しかも、特徴から、そのネズミっていうのが……」
アイエフが知っているような口ぶりでコンパに答えを語ろうとする。が、その時。
ドガッ!!
「きゃっ!?」
「あいたっ!?」
コンパの悲鳴が響く。と、同時にコンパの体が前のめりになって正面から倒れてしまう。何が起こったのか。こけた本人が地面に打ったところを抑える。
「いたたたた……」
いきなりこけたコンパを気遣ってコンパの方に視線を送る中、先程までいなかったもう一人の声が響く。
「痛いのはこっちだっちゅ!何処に目をつけて歩いているっちゅか!」
文句を垂れ流す声。明らかにこの接触は相手がいけないと思われる中、相手が文句を言うのは大抵たちの悪い大人の典型例だ。
ところが、ぶつかられた側のコンパはそのたちの悪い何者かの言葉に圧倒されてしまい、早口で謝罪をする。
「ご、ごめんなさいです……」
「ちょっと、何コンパが謝ってるのよ。悪いのいきなりぶつかってきたそっちでしょう!?」
コンパを庇うように、鈴が加害者に対し言葉を吐く。が、既にその犯人には鈴の言葉は届かなくなっていた。
「何をい…ぢゅっ!?そ、その声はまさか……」
反論をする声を止め、コンパの方に注目するような反応を見せる。ここに来て、光樹の悪い予感が現実となろうとしていた。
一方、それを聞いていたコンパは何がなんだか分かっていない様子だった。
「へ……?」
状況を理解しきれていなかったコンパに対し、その人物……いや、ネズミがコンパの名を叫ぶ。
「こ、コンパちゅあん!?」
そこでようやくコンパも気づき、叫んだ。
「ね、ネズミさんです!?」
それは、かつての敵との再会でもあった。
TO BE CONNTINUED
こ、今回もお読みいただき、ありがとうございます。久々な上に、気持ちの浮き沈みがあったりとで、あまり出来のいいとは思えないかもしれませんが、これでも話の流れを思い出しつつのものなので、察していただけるとありがたいです。
レイ「ははは、でも本当に頑張ってたよねー。「早く思い出さないと!」ってパソコンの前で四苦八苦してたし」
それでも完全に前と同じってわけではないんですけどね……最初、鈴の視点からのはずが、アイエフからの視点になってましたし。
ジャンヌ「すべてがすべて同じように思い出すのは難しいですからね。仕方がないですよ」
うん。それは今回、身に染みて分かった。……で、最初の方の話だけども、一応説明しておくと、中古の方で「L@ve Once」なるゲームのPS3版を買ってプレイしてました!
レイ「……なんで小説を書き直さないといけないのに、そうゲームを買うかなぁ。しかも、恋愛ゲーム」
いや、でもある意味ジャンヌさんに関係してるからね
ジャンヌ「……あまり納得いかないと言えば、いかないんですけどね……。でも分かると言いますか……」
実はこのゲーム、ジャンヌさんこと、「ジャンヌ・ドラニエス」のデザインを担当された「ささきむつみ」さんがキャラデザインを担当されたゲームなんですよね!その画像を小説のデータが消えた週に見て、「小説の修復作業の傍らにでもやってみるか」と興味を持ったわけですよ。で!そのキャラの一人の「橘和翠」ちゃんにジャンヌさんの面影を感じたのですよ!
レイ「まぁ、言葉遣いとか身長はジャンヌちゃんとはかけ離れてるけどって藤和木は言ってたけどね」
ジャンヌ「わたくしも藤和木と光樹さん+一名を交えてのプレイを見てましたけど……わたくしとは全然違いますよね、あの娘……。どこが似てるっていうんですかぁ……?」
うーん、わかりやすく言うなら、目の前の恋に全力!ってところかな?
ジャンヌ「ふぇあ!?」
レイ「あー、確かにそれはあるね!」
確かにキャラデザが同じところが気に入ったり、性格が違うってところは分かると思うんだ。でも、二人とも意中の人に全力で接しててさ。そこが気に入った理由でもあるんだ。
レイ「あ、ジャンヌちゃんが……」
ジャンヌ「も、もう……♡分かってるんじゃないですかぁ♡」
さて、今回はこのくらいかな。一応、投稿当日も朝っぱらから思い出しつつ書いているんですが、ちょっとつらいところがあるので、1週間投稿にさせてください。
レイ「ってわけだから、次回の投稿は土曜日だよっ!」
ジャンヌ「そ、それでは皆様、また次回っ♡」