新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
ジャンヌ「今回も6日投稿になりました。皆様、ご迷惑をお掛けし申し訳ございません。ジャンヌ・ドラニエスです」
レイ「それでも、今日はまだネットが万全じゃないって感じだから、学校のパソコンなんだけどね。どうも、みんな!学校でパソコンを借りて投稿中なレイ・オーバだよっ!ちなみに、学校の藤和木の同級生からは姿は見えていないからね?」
さて、今回は第111話の投稿になります。
レイ「今回は光樹君と零次元を冒険した、ネプテューヌちゃんとも関わり深いあの子が登場だよっ!」
ジャンヌ「長い時間の末に再開した姉妹の甘いひとときですっ!」
それでは早速、本編へ。
チューコ達からの依頼を受け、犯人を捜すために、街で情報を集めている。そんな最中に、唐突に動きはあった。
「あーっ!」
そのような叫び声がこちらに向かって響く。その反応はまるで何かを見つけたような声である。いきなり響いた声は、のんびりと調査をしていたネプテューヌすらも慌ててしまうほどだ。が、驚いたのは、声の大きさに、などではない。
「ねぷっ!?この声はもしや!?」
「あぁ。まさか……」
聞き覚えのある声だ。ネプテューヌに続き、光樹も顔を合わせてコンタクトを取る。二人の考えは一致していたようで、すぐに声のした方を向く。すると、そこには光樹達のよく知る少女がいた。
ネプテューヌと同じくらいの紫髪をロングに伸ばし、白が主色のセーラースタイルの服を着る、ネプテューヌより少し背の高めな少女。そう、ネプギアだ。
しばらく以来、会えていなかった少女は、こちらに向かって駆けてくると、ネプテューヌに無事を確かめる言葉をかける。
「やっと会えたよ、お姉ちゃん!光樹さんも一緒で。よかった、無事だったんだね!」
姉であるネプテューヌに抱きついたのち、光樹の方にもお辞儀をする。どうやらネプギアの方も無事なようだ。
やっと会えた妹に、姉は今まで会えなかったことを謝罪する。
「心配かけてごめんね。けど、ネプギアも無事そうで何よりだよ」
「よくここまでこれたな。大変だったんじゃないか?」
「いえ、意外とここまでは簡単に来れたんですけど、探すのが苦労しちゃって……でも、会えて嬉しいです!」
ネプギアは余裕を見せて光樹の問いに答える。その様子から、詳しくは分からないが、こちらほど苦労はしていないようだ。やはり近くにいた自分達の方がかなり苦労する立ち位置に居たのだろう。
ネプギアはどうだったのかを光樹は考える。すると、ちょうど良い具合にネプギアはこれまでの事を簡単に教えてくれた。
「こっちは大変だったんだよ?突然、会場から消えちゃうから心配もしたし、おまけに、何故か誰も私たち女神のことも覚えてないしもう何がどうなっているの?」
ネプギアの遭った状況でようやく直後の様子を理解する。どうやら、ネプギア達からは、光樹やネプテューヌ達だけがあの場から姿を消したことは間違いないようだ。加えて、異変が収まった後は、別に他の人は特におかしくなったことはない。……ただし、記憶の改変があった、ということを除いては。
概ね、こちらが体験したことを先に体験していたみたいだ。女神に関係する女神候補生の存在も記憶から消えていることから、女神の排除の線がより濃厚になる。
やっぱり、女神の存在を消すことが黒幕の目的なのだろうか。それにしては、詰めが甘い様な気もする。まるで意図が読めない状況に、光樹は不信感を感じる。
先程のネプギアの不安のこもった言葉に、ネプテューヌも困った様子で返事をする。
「それが、わたしたちにもさっぱりなんだ」
「そっか……。それで、アイエフさん達の隣にいる人達は誰なの?」
唐突にネプギアが疑問を口にする。アイエフ達とは違う人物と言えば、それはおそらく鈴達のことであろう。
鈴達はあの場で間接的ながら目撃されているだろうが、それでも遠目。どういった人物なのかは全く知らないのも当然。誰なのかを説明する必要があった。
そこで光樹は鈴達を手招いて紹介をすることにした。
「あぁ。まだ言ってなかったな。こいつらは俺の元の世界での仲間だ」
「えっ!?この人達が、光樹さんのお仲間なんですか?」
「えぇ。一応ね。……あたしは光木鈴。よろしくね、ネプギア」
「はい。よろしくお願いしますっ!」
鈴が挨拶すると、互いに握手をする。続いて勇也、絵里奈が次々と自己紹介をする。
「俺が古谷勇也だ。よろしく頼む」
「私が福内絵里奈だよー。よろしくー!」
二人からの握手とハイタッチにネプギアはそれぞれ答える。と、そこでネプギアが気になったことを呟く。
「……あれ、そういえば私、皆さんに名前を名乗っていましたっけ?」
「あ、そういえば言ってないな」
光樹もその点に気づく。よくよく思えば、まだネプギアの名前は面と向かって聞いていないはず。遠くからでも聞こえる程、先程の話し声は大きかったのか、それとも光樹自身と同じように、全員ネプテューヌのゲームをプレイしていたのだろうかと思う。
しかし、それを鈴が説明すると、話は解決した。
「それなら簡単な話よ。私たちは別の世界のあなたと共に戦ったことがあるのよ」
「はぁ!?お前らが?」
思わず声を荒らげる。鈴からの、別世界で会ったことがあるというカミングアウト。一体どういうことなのか。光樹は疑問を浮かべる。
そんな様子を見て、絵里奈は少しがっかりした様子で光樹に聞く。
「あー、そこはまだ思い出せていないんだね」
「どういうこと?」
「私たちの組織って、次元の海に浮かぶ様々な次元の世界を守っているんだよー」
「へぇ!?そうなんですか!?」
スケールの大きい話が唐突に横切った。次元の海?そこに浮かぶ次元の世界?突飛すぎる話は光樹も理解するのに数秒を要した。
落ち着いて状況を整理する。つまり、光樹自身が所属する組織は、次元の海を巡る組織ということだ。
だが、何のために?考えていると、勇也が分かりやすい例を挙げる。
「俺達の仕事は次元世界の安定。簡単に言うなら、次元世界の流れを守る、いわば警察みたいな組織だ」
「警察組織……それが、俺の組織……」
「そう。そして、その頂点に立つのがアンタってわけ」
鈴の言葉で、ようやく考えて来た謎が一つ解けた。この世界にやってきた時に持っていたドッグタグ。そこに書かれていた、「総司令」の英字。つまり、光樹は次元世界の平穏を守る組織の長なのだということだ。
とはいえ、今の所、思い出せているのは鈴達と共に仕事をした場面のみ。そこでも特別世界を守ったという記憶はない。が、おそらく光樹が見た光景は、その組織での活動なのだろう。
ふと最初の時の記憶が思い起こされる。それは組織の名前。その名は……
「GKSWAXP……」
「そう。それが、アンタの組織の名前よ」
「光樹、なんだかとんでもなく偉い地位の人だったんだね……」
突然の事実にネプテューヌも困惑する。当たり前だろう。話の中心である光樹も、記憶がないため実感を持てずにいるのだから。
そんなことで空気が重くなり話が途切れる。何とかして話を戻したいところだ。そんな所で、話を遠くから聞いていたアイエフが話題を元に戻した。
「光樹も案外大変な地位にいるのね。とはいえ、これでプラネテューヌの女神も揃ったわね」
アイエフの発言通り、これでプラネテューヌの最大戦力である女神二人がここに集まった。女神が二人いるのなら、これほど心強い存在はない。
ネプギアの帰りに、先程の話をあまり聞いていなかった様子のコンパがいつも通りの口調で迎える。
「色々と話がややこしくなっているみたいですけど、ギアちゃん、おかえりです」
「はい、ただいまです」
光樹の話を何とか理解して、そう答える紫の女神候補生。その顔には安堵した様子が見て取れる。久々の全員集合といった雰囲気があって、いいものだ。
再会の感動と唐突の告白を終えると、早速ネプテューヌが気になっていたであろうことについて聞いた。
「そういえば、ネプギアはノワール達のことなにか知らない?」
他の女神の状況は、残念ながらいい情報が聞こえてきていない。ノワールが捕まったラステイションの方も、これといってニュース関連で新しい情報は一切入っていないことから、心配が加速していた。話をあまり聞かないルウィーやリーンボックスは大丈夫であろうか。
とは言っても、こちらを探すのに精一杯なはずなネプギアに聞いても、あまりいい結果は得られないだろうと考え、これからの行動についてネプギアとも相談しようと考える。
だがしかし、答えは予想外の物が返ってくることとなる。
「んー……。私もたいしたことは知らないかな。ノワールさんはラステイション教会に捕まって、今はユニちゃんが救出行動を実行している頃だし、ロムちゃんとラムちゃんは、ついさっきルウィーに着いて、ブランさんを探してるみたいだけど、なかなか会えないみたい。リーンボックスに関しては、魔王が復活したとかどうとかで騒ぎになっていたような……」
待て待て待て待て待て。唐突な話の切り返し後の発言がとんでもなさすぎる!今、ネプギアはなんて言った?確か、最初に大したことは知らないと言っていたな。それでこっちもそうか、と思って肩を落とした。そこまでは分かる。
が、その次のネプギアの発言は飛躍し過ぎた内容だ。ユニが今ラステイション教会にノワールの救出のために行動中で?ロムとラムがブランを探していると?そんでもってリーンボックスは魔王が復活?
光樹達が知りえない情報を、ネプギアはすらすらと口にしたのだ。次々と流れた情報に、コンパや絵里奈は放心状態となり、勇也と鈴、そしてアイエフが状況を整理する。
「ちょ、ちょっと待ってもらってもいいかしら?ネプギア!?」
「あんた、なんでそんなに詳しいのよ!?」
「諜報部のアイエフが知らないほどの情報……どうやって手に入れたんだ?」
三人の声が立て続けにネプギアに投げかけられる。いきなりの質問攻めに困った顔を見せつつも、その理由について語った。
「なんで……って、ユニちゃんたちとは、お互いの携帯端末を改造していたから無線で途中まで連絡取り合ってただけだし、ノワールさんやリーンボックスの件は、偶然、向こうの無線を傍受しただけだし……リーンボックスの件は……、ちょっと、ハッキングもしたかな」
最後の方を照れて話を逸らすようにして説明を締める。なるほど。ネプギアならではの方法だったというわけだと光樹は納得する。端末の改造は、以前の零次元でもうずめのヴィジュアルラジオの改造の例がある。自分の分は除いて、他三人の端末の改造も比較的楽に行えたのは予想できた。
続いく無線の傍受も、零次元で超次元との通信を調整する様子から、あり得ない話ではない。ハッキングも、同じく向こう側で古いデータをサルベージする程の腕前があれば、納得がいく。
と、自分を納得させるようにネプギアの行動に理由づけたものの、その考えはあまり考えるのが大変になってしまっていた。
いや、まだ無線の傍受くらいなら、まだ許せるんだ。うん。だけどな、リーンボックスの件を調べるのに行ったハッキングだけは、納得してしまいたくなかった。
リーンボックスといえば、四国家でも軍事面ではトップクラスの国だったはずだ。シェアプロテクターの開発も、リーンボックスが主導で行い、四国家のパイロット候補を集めていた国でもあるため、確かである。
そうなれば当然情報の機密性などは軍事クラスのはず。なのに、ネプギアは単独でハッキングを成功させてしまったのだ。人一人が大国家のシステムにハッキングなど、気の遠くなるほどおかしい話だ。それでもハッキングの件がニュースにならないということは、リーンボックス軍もおそらくは気づいていないのだろう。
本当に何をやっているのか。かつてリーンボックス軍の衛星に機体のシステムにハッキングを要請させた少年は女神候補生の仕事に心配をしつつも、驚きを口にする。
「ネプギアって、女神じゃなくても世界と十分に戦っていけるよな」
「ほんと、それは言えてるわね。あんたと同じ考えになるのは気に食わないけれど」
「そういうのが、ネプギアって人間なのさ」
鈴と勇也も光樹の意見に肯定し、言葉を続けた。唯一、絵里奈だけは光樹達の言葉にどこかおかしいツッコミを入れる。
「えー?ネプギアちゃんは女神だよー?」
「……ごめん、絵里奈。今はそういう真面目な返しは求めてないんだ」
「えー?」
首を傾げ、反応する絵里奈。一方、情報の出所を聞いたアイエフは頭を抱え、自分のプライドにダメージを負っていた。
「……うぅ。諜報員としての面子が……」
「どんまいです、あいちゃん」
すかさずフォローに入るコンパ。肩に手を置き、アイエフを慰める。だが、アイエフへの慰めムードを邪魔するかのように、ネプテューヌが妹の実力に驚嘆する。
「さすが、ネプギア。まさか、メカヲタ設定がここにきて、あいちゃんの諜報力を上回るとは……恐るべし我が妹」
「いや、何普通にネプギアを褒めているんだよ。お前の妹、普通に国家犯罪レベルの大事やらかしているんだぞ?」
「そこは気にしなーい!!」
光樹のツッコミをも無理矢理回避するネプテューヌ。二人の言葉に若干照れと苦笑の混じった顔で妹のネプギアが返す。
「あ、あはは……。で、でも、大袈裟だよ、お姉ちゃん」
流石に言い過ぎだという返しに、謙遜し過ぎではないかという気もしたが、続く言葉がつい先程の言葉に納得させることとなる。
「ただ、零次元でネット環境に依存し過ぎてたことを痛感したから、いざという時の為に、みんなの端末を改造していただけだよ」
零次元での出来事。それは今でも昨日のことのように思い浮かぶ。ライフラインも十分でない中で、襲い掛かる脅威と戦った日々。そこでの生活は、インターネットなどを利用する情報社会の中で育った者にとっては、厳しい生活であった。
特に、零次元のこと自体を知る時も、電波が拾えなかったことから、基本的に端末に直接接続してでしか情報を得られなかったことは数メートル範囲に居ても通信できなかったことから、不便さはかなりあった。
そう考えれば、ネプギアの前もって行った行動は正しい。そのおかげで、まだ知りえていなかった他3国家の現状を少しだけでも把握できたのだから。
「確かに。あの時はネット活動が随分制限されていたからな」
「あら、SSRのガンダムでも駄目だったの?」
光樹の思い出した言葉に、鈴がそのように聞く。聞き方からして、SSRのガンダムなら、どのような電波状態でもネットを使うことが出来るという感じのように取れた。だが、光樹もあの時はあまりシュバルトゼロに詳しくはなかった。もしかすると見落としていたかもしれない。そこで、光樹は曖昧な形で答える。
「あぁ。あの時はまだゴッドクロスの性能をあまり分かっていなかったから、もしかすると出来たかもしれないけど、今になっては確認できないしな」
「ふーん、そう」
その回答を得て、鈴は不満そうにしながらもそれ以上の追及はやめた。一方、ネプギアがリーンボックスの方で行動する女神の事を口にする。
「……でも、ベールさん、一人で大丈夫かなぁ?」
「そうですね。リーンボックスに限っては、女神候補生もいないですし……」
コンパもつられてベールの心配をする。コンパの言うように、リーンボックスにはネプギア達女神候補生が一人もいない。現実のゲーム事情を絡めて言うのなら、リーンボックスの元になった会社は、ベールに当たる家庭用ゲーム機とは違う、携帯ゲーム機がないため、女神候補生がいないのも当然のことである。
ネプテューヌというゲーム的にはややこしくなく問題ないが、それでも今となってはリーンボックスに女神候補生がいないというのは、戦力的に見ても不利な状況であった。
とはいえ、一応こっちからも、チームアズールの二人、岡野と佐川が行っているはずなので、合流さえすれば少しは楽になるはずだ。鈴もネプギアに援軍の件を伝える。
「言っておくけれど、他の3ヶ国にはあたし達以外のガンダム装着者が2人ずつ付いているわ。合流さえできれば、戦力にはなるはずよ」
「そうですか。それなら少しは安全ですね」
「えぇ。問題は、合流できるかっていうのと、万全を期すなら、もう一人欲しいってところかしら……」
ネプギアの安心に、少し不安のこもった回答を出す鈴。彼女としても、少なくとも1国家につき最低4人は欲しいようだ。4人なら前のマジェコンヌとエクスとの戦闘時のように2人来ても2人ずつで相手が可能なことを考えると、理想的な状況に持っていくにはあと1人……といったところだろう。
不利な状況であるリーンボックスに対し、ネプテューヌも不安を吐き出す。
「今直ぐにでもベールのところに飛んで行ってあげたいけど、さすがにプラネテューヌを空けるわけには行かないしなぁ……」
友人の助けに行きたいネプテューヌでも、今は自分の国が優先という考えを優先する程だ。この八方ふさがりの状況に、ネプテューヌが深く考え込む。
「んー……」
と、そこでネプテューヌは理想的かつ、突飛な回答を出す。
「………………!そうだネプギア。ちょっとリーンボックスまで行って、ベールを手伝ってくれないかな?」
それは、再会した早々に話すには重い、だが的確な頼み事であった。
TO BE CONNTINUED
今回もお読みいただき、ありがとうございます。
レイ「今回は再会のシーンでまるまる使ったねー」
ジャンヌ「それに、完全に光樹さんの視点だけでしたね。でも、久々に内心で焦る光樹さんが見られたように感じましたね」
一応、前回も光樹君の内情は出てるところはあったと思うんだけどね。でも、光樹君もさすがにネプギアのハッキングには驚いたんだろう。まぁ、零次元でもわかってたし、どっちかっていうと、あそこの動揺はネプギアがいろいろと情報を知っていたところに関する部分が大きいけどね。
レイ「でも、せっかく再会したばかりの妹を行かせようとするなんて、芯が強いよね」
ジャンヌ「確かに、そうですね。わたくしだったら、再会したばかりのレイさんや藤和木と別れるだなんて……」
さて、ネプテューヌはどういった心境でその言葉を発したのか。それはまた、次回ということで。
ジャンヌ「次回はパソコンの復旧具合を考慮して、火曜か水曜日に投稿予定になります」
レイ「それじゃあみんな、また次回っ!!」