新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも、皆様、お元気でしょうか。パソコンの不調に嫌気がさしてきた、藤和木弘です

ジャンヌ「前書きから書くの、これで2回目ですからね……。どうも、皆様。実はこれ二回目の収録になります、ジャンヌ・ドラニエスです」

レイ「さっき打ったのに、いい所で接続切れちゃったからねー。どうも、みんな、レイ・オーバだよっ!」

Twitterも相変わらずパスワードが打ち込めないし……まぁ仕方ない。今回は第109話の投稿です。

ジャンヌ「今回はツイッターの方で初登場した、光樹さんの妹が回想で登場します」

レイ「光樹君はどこまで思い出せるのかな?」

それでは、本編へ


第109話 銀髪の少女は誰なのか、事件発生

 

「こうして、四人でお出かけするのも久しぶりですね」

 

 コンパがそのように語る。四人、というのは、ネプテューヌというゲームの世界の中で親友のネプテューヌ、アイエフ、コンパに加え、半年近く前から居候のような形でお世話になっている光樹を含めてのことであった。

 コンパの言葉を聞いて、光樹もそういえば、と思う。改変後はもちろんそうだが、改変前の時も、ネプテューヌがゲイムギョウ界感謝祭の運営のために、アイエフはその手伝いとして裏方を、そして光樹はゴッドクロスの解析作業にクエストと、全員が忙しかったため、一緒に出掛けるということが少なかったのだ。

 そう考えると、コンパに寂しい思いをさせていたのかもしれない。この異変を解決するために調査は必要だが、そんな中でも交流はしなければいけないだろう。

 すると先程のコンパの発言に、絵里奈が興味を持ったのか、聞いてくる。

 

「へー、ネプテューヌちゃん達はみんなで一緒にお出かけしたことあったのー?」

 

「えぇ、光樹が最初にやって来た時には、服の買い物だったり、クエストをクリアしたりしたわね」

 

 絵里奈の質問にアイエフが細かく答える。思えば、あの時が始まりだったのかもしれない。急にこの世界にやってきて(正確には落下だが)、パープルハートに変身したネプテューヌにキャッチされ、居候を志願して。次の日には服を買いに行って、武器を手に入れて。更に次の日には、モンスターを狩りに行った。

 光樹の脳裏に、その時の光景が今でも鮮明に残っていた。記憶を失って、初めての変身。あの頃はまだ戦闘技術も未熟だった。

 けど、それを言ったら、鈴に「まだ未熟よ、馬鹿光樹が」と言われるだろう。それは嫌だから、言わないでおくか。

 とはいえ、その変身が、様々な出来事を起こした。シェアプロテクターとの対決、零次元でのダークメガミや、エクストリィムとの激闘、そして世界の改変を巡っての戦闘であろうゴールドサァドとゴールドソフツとの対峙。

 心の中で、今までの戦闘を振り返っていると、アイエフの言葉を聞いていた絵里奈が「んー」と声を伸ばしたのち、言う。

 

「ちょっと意外だったなぁ~。光樹君って、普段は好き好んで日常で女の子と話すことってなかったのに」

 

「え!?そうなの!?」

 

 そのカミングアウトにネプテューヌが驚きを露わにする。ネプテューヌだけではない。コンパも……

 

「そうなんですかー!?」

 

 と、口を開けて驚いていた。唯一、アイエフだけは意外そうな反応をしてその話に声を返していた。

 

「へぇ。こっちに来てからは結構話していたから、普段の感じみたいにフレンドリーだと思ってたわ」

 

「……一応言っておくけど、最初に来た時は少し緊張していたけどな」

 

 アイエフの言葉にそう返答する。記憶を失っていて、以前とは違う雰囲気かもしれないが、光樹もネプテューヌ達に会った時は、女子相手に話をすることに少し緊張を覚えていた。

 普段の、残っていた記憶の中での学校生活でも、俺はクラスでも女子と話すことは少ないと記憶している。鈴とあそこまで言い合いになるのはおそらく、覚えていなかった記憶の中で、言い合っていたんだろうな。

 すると、鈴がその話に入ってくる。

 

「あら、驚きだわ。まさか、この日常時の性格はヘタレな馬鹿光樹が女子と会話しているなんて」

 

「……なんだ、その嫌味のある言い方は」

 

「あら、何のことやら」

 

 鈴からの挑発に、光樹が怒りを覚える。またその呼び方をしてきたので、気になったのだ。

 が、そこで勇也が喧嘩に発展する前に話題を逸らす。

 

「……そういえば、前にネプテューヌが言っていたんだが、今のゲイムギョウ界が抱える問題の一つで、アイエフが追ってたっていう秘密結社の足取りとかはどうなっているんだろうな」

 

 秘密結社「アフィ魔X」。イストワールと再会した時にネプテューヌが口にしていた組織の名前。アイエフが負傷して病院に搬送された時に、イストワールからアイエフの調べていた案件の一つであることを話されたのだ。

 なんでも、アフィ魔Xとマジェコンヌとエクスは、ゲイムギョウ界トーナメントでの一件以降、改変後の世界で急に目撃者が増えたのだという。

 理由は不明。だが、その二つが、何らかの関係があるというのは間違いないだろう。もしかするとただの偶然、という可能性もあるが、今はその二つの足取りを追う必要があった。

 勇也の喧嘩の泥沼化を避けた発言に、光樹達がヒートアップする怒りを抑える。話を聞いていたコンパが思い出したかのように声を出す。

 

「あ、そういえば、その秘密結社ですが、今度はラステイションに現れたらしいですね」

 

 コンパの発言にアイエフも続いて関係する情報を口にする。

 

「確か、向こうで盗まれたのは、どっかの企業の特許関係の資料だったかしら」

 

「企業の資料……やっぱり、企業同士の争いを激化させるのが狙いかしら」

 

 鈴が顎に手を当て唸る。今の所、、秘密結社が行っているのは情報の盗難や他の組織との衝突だ。アイエフが療養していた間にも、光樹達はイストワールに頼まれ情報の整理をしていたが、目に入った資料にはその結社の活動が細かに記載されていた。

 秘密結社の名前は「アフィ魔X」。記憶の片隅に、似たような名前の単語があったような気がしたが、そのことについてはそれ以上考えはしなかった。アフィ魔Xがこれまでの起こしたのは、企業の極秘情報の漏洩、組織との抗争、窃盗と様々なものに渡ると書かれていた。

 特に、極秘情報に関しては、情報の種類は先程の特許のような、企業の利権にも関わる重要なものから、アニメの制作発表まで、多岐に渡る。だが、多岐に渡り過ぎてその情報の中心は見えなかった。秘密結社と言うのに、アニメの情報を盗むというのが、どうも光樹には理解が出来なかった。結社の狙いが分からなかったのだ。

 確かに、アニメのような娯楽の部類に渡る情報も、漏れれば大変なことだ。ところが、そのことが、どうも光樹のイメージする結社のすることとは思えなかったのだ。何故、よりにもよってアニメやゲームの情報を……と。

 それだけではない。つい先日、マジェコンヌが盗んだものについても気になっていた。少し前に、アイエフにあの時マジェコンヌが盗んだものが何だったのか、を聞いてみていた。怪我だったり、捕まっていたこともあり、見ていない可能性もあったが、それでもアイエフはしっかりと答えてくれた。

 アイエフが言った盗まれたモノは、ゲーム機、であった。その回答は、ますます光樹を混乱させた。アイエフの言うことはほぼ確実だ。しかし、何故秘密結社がゲーム機を?まさか、これから起ころうとしている危機を乗り越える、もしくは起こすためにそのゲーム機が必要だったのかとも考えてしまう。どこの科学アドベンチャーゲームだ。

 その時はひとまず、考えることは後にしていたのだが、そのスポットが再び当たることとなる。ネプテューヌがアイエフの言った、ラステイションでの被害のことに合わせて言う。

 

「そういえば、この間マザコングが盗んだのもゲーム機だったんだよね?」

 

「そういえばそうだっけか。しかし、何でゲーム機を?」

 

「それには、私も疑問に思っているわ。秘密結社の連中、どういうわけか、プラネテューヌではゲーム機ばっかり盗むのよね」

 

 勇也の疑問にアイエフが同意する。アイエフの口から語られた通り、プラネテューヌの被害は、ゲーム機に集中していた。こうなると、秘密結社はオタクで、ゲームをやりたいだけなのではという気持ちが出始める。

 が、そんなことはありえないと考える。ゲーム機一つでこんなことをしていると考えると、馬鹿らしく思えるからだ。

 鈴も呆れつつ、現在の住民からの事件に対する意見を話す。

 

「そういえば、その事で住民からはプラネテューヌで最重要物資がゲーム機だってことになっているわね」

 

「ゲーム機が一番大切なものって……いつの時代の話だよ」

 

 光樹は鈴の言葉にツッコミを入れる。ゲーム機が大切なものに格上げされるなど、いつかに見たゲーム機の歴史を語る実況での出来事かと思ってしまう。

 そんな言葉に、アイエフも溜息を吐いて頭に手を付ける。

 

「ほんと、ゲイムギョウ界の創世記並みの話よ。おかげでプラネテューヌのバラエティー番組でも取り上げられて、いい笑い者よ」

 

 バラエティーでもネタにされるとは……。この事件は思ったより重大のようだ。行われていることは馬鹿げているのに、ここまで事が大きくなるとは……。

 その時である。

 

 

 

 

(―――――――――ってことで、今や俺達のガンダムは、お茶の間で最も人気のある話題、ってことさ)

 

 

 

 

「ーーーーッッ!?」

 

 急に、脳裏に光景が過ぎる。記憶の解凍だ。

 だが、それは今まで戦闘中に見た物よりも鮮明で、かつ量も多かった。鈴との言い合い、勇也を連れての鈴の尾行、絵里奈をメンバーに引き入れるためのデートのような(絶対デートのように思えたが、何故かそうではないと思考する)お出かけ、任務前のブリーフィング、任務後の報告と休憩。

 そして、場面はさらに進む。次は建物の中だ。どこかの施設に乗り込み、出てくる機動兵器を纏った兵を次々と殺していく。やがて、最奥部に到着し、ボスのような人物と接触する。少しの会話が交わされ、戦闘に発展する。敵をビームサーベルで貫き、ボスの機体を撃墜した後、何かに気づいたように足を進める。足を進めた先の物陰を覗き込む。

 すると、そこにいたのは、銀髪をツインテールで纏め、こちらにナイフを向けてくる少女……。

 その少女を知っているように思った瞬間、記憶は途切れる。待て、終わるのは早い。そう思っても記憶は留まることなく現実に引き戻される。先程の記憶解凍時のショックで、光樹の足は曲げられ、地面に膝ま付いていた。

 なぜ、今のタイミングで?まさか、バラエティー番組という単語に釣られて?そうであれば、とても滑稽なことだ。

 が、いつまでも茫然としているわけにもいかない。目の前で無事を確かめてくる普段は穏やかな口調で話してくるツインテールの少女が心配する様を確認すると、光樹はゆっくりと立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「光樹君!大丈夫!?」

 

「ちょっと!いきなりどうしたっていうのよ?」

 

 光樹の異変に真っ先に気づいたのは、絵里奈だった。絵里奈の声に釣られ、アイエフ、鈴と次々とその異変に気付いて駆け寄る。

 少年に起こった異変は、絵里奈達の反応で、周囲の人も目をやる程の騒ぎにすぐに発展した。いきなり少年が倒れかけ、頭を抱えたのだ。心配したり、興味本位で覗く野次馬もいて当然だ。

 声をかけるも、光樹は未だに地面を見て息を途切れ途切れに吐くだけだ。そんな様子を見て、絵里奈は混乱する。

 

「ど、どうしよう……しっかりして、光樹君!」

 

「落ち着け、絵里奈。一体、何が起こってるっていうんだ……」

 

 光樹に必死に声をかける絵里奈に対し、勇也がなだめる。その言葉を受け、絵里奈も騒ぎ過ぎたことに気づく。

 そ、そうだよね。一回落ち着こう、私。息を吸って吐くと、今度は先程よりは落ち着いた様子で光樹に声をかける。

 

「ねぇ、どうしたの光樹君。返事をして……」

 

 ただこちらのことに気づくことを願う絵里奈。すると、その願いが届いたのか、光樹の息が正常なものに変わり、ゆっくりとこちらを向いて、立ち上がった。

 その顔には、汗が少し滴っており、不安にさせるものであったが、しっかりと絵里奈の顔を見つめていた。息を吐いて、絵里奈に返事をする。

 

「…………あぁ。大丈夫だ。心配させてごめん」

 

「光樹君……」

 

 無事な姿を見て、絵里奈はホッとする。元の様子に戻ったのを見て、ネプテューヌが安心の声を出す。

 

「いやー、いきなりどうしたのさ。急にうずくまるもんだから、てっきりあいちゃんみたいに中二病になったのかと……」

 

「ちょっとネプ子!それどういうことよ!」

 

 さらっと言ったアイエフへのからかいに当人が気づき、問い詰める。その問い詰めにネプテューヌは「まぁまぁ!」と抑える。何だかんだでいつも通りの光景であった。

 しかし、光樹の様子が気になったのは絵里奈も同じだ。急に倒れかけて、何か無い方がおかしい。すると、光樹は立ち上がり、先程起きたことを一言で纏めた。

 

「簡単に言うと、記憶が少し戻った」

 

「へー、記憶が戻った……マジで!?」

 

「少し、な」

 

 記憶の復活に驚くネプテューヌを光樹は重要な部分を伝えて反応を抑える。だが、その事実に驚くのはネプテューヌだけではない。他のメンバーも各々にそのことに対する言葉を言う。

 

「ほんとー!?どんなことなの~?」

 

「いきなりね、アンタは本当に」

 

「記憶が戻った、か。全部じゃないって言ってたが、一体、どこら辺まで思い出したのやら……」

 

「すごいです!記憶喪失というのは、何かショックがなければ思い出すのは難しいはずなのに……それで、どんなことを思い出したです?」

 

 絵里奈やコンパがこぞって聞く。アイエフと勇也は比較的落ち着いた様子で、二人ほどではないものの、光樹の取り戻した記憶が気になっているようだ。

 早く聞きたい。光樹君が、一体何を思い出したのか……!で、できれば、私達の時の記憶が思い出せていたらなぁ……。私はほのかに期待する。

 各々が光樹の記憶に興味を持つ中、ただ一人黙っていた鈴も、一拍おいて、光樹に詳細を要求した。

 

「……それで、何を思い出したの?」

 

「あぁ、思い出したのは、鈴と勇也、それに絵里奈の、たぶん、日常系の記憶……かな?それも結構前の」

 

「私達初代メンバーのっ!?」

 

 その言葉を聞いて、我も忘れて光樹に急接近する。その速度は凄まじいもので、ネプテューヌ達もその速度に驚いてしまっていた。これには記憶が戻り切っていない光樹もよく分かっていない様子で目を何度も瞬きさせる。

 

「え……あ、早……」

 

「…………あ」

 

 そこでようやく、絵里奈は自身の行動に気づく。すでに周りからはネプテューヌのニヤニヤとする表情や鈴の何度も見てきた故の呆れなどがその場の空気を支配する。

 恥ずかしさを感じた絵里奈は話を逸らしながら、記憶のことについて再度聞く。

 

「あ……あはは~。ところで、他にはどんな記憶を思い出したの~?」

 

「な、流したよ……」

 

「ネプ子、言っちゃいけないこともあるのよ。……流石に、私も予想していなかったけど」

 

「う、うううー……」

 

 二人からの指摘に私も恥ずかしいと思ってしまう。や、やっちゃった……いつも鈴ちゃんとかに言われてる時は何ともないけど、今はすごく恥ずかしい!これも、光樹君がいつもと違う反応してるからぁ~。

 心の中での葛藤が顔にも出てしまい、顔を背ける絵里奈。そんな彼女に助け舟を出すように、光樹が先程の質問に答える。

 

「何がなんだかだが……でも丁度いい。俺も記憶に関して、確かめたいことがあったからな」

 

「聞きたいこと?」

 

「……っていうと、何だ?」

 

 鈴と勇也はどんな質問が来るのか注目する。しかし、その質問は、非常に気まずくなる最悪の質問であった。

 

 

 

 

「あぁ。記憶の中で、ナイフを持った銀髪をツインテールで纏めた女の子が出て来たんだけど、あれって誰だ?」

 

 

 

 

 その質問に鈴達GKSWAXPメンバーが目を見開く。思ってもいなかった発言だったから。いや、正確には少しは考えていたものの、まさか今唐突にその質問が来るとは思ってもみなかった。その為、驚きがより大きく感じた。

 あー、やっぱり記憶失ってるってことは、それも出てくるよね。けど、いきなり唐突に出てくることもないんじゃないかな。何だか、神のいたずらっぽいね。けど本当に困ったなぁ。

 

「……何でこんな時にそんな話しづらい質問するのよ……」

 

「諦めろ、鈴。これが和藤光樹っていう人間だってのは今までも承知してたはずだろ?全く、アイエフの快気直後になんて質問をぶつけてくるんだ」

 

「ほんと、光樹君ってたまにとんでもなくどう接すればいいか分からないときあるよね~」

 

「はぁ!?何で馬鹿にされてるんだよ!?」

 

三人の結局のところは凄く面倒だという発言に光樹がツッコミを入れる。別に、教えないというわけでは絵里奈達は思わなかった。が、タイミングが悪すぎた。光樹が記憶を思い出している間に、実はネプテューヌがゲームショップに寄ろうと話していたのだ。

 店名は【チューコの激レア中古ショップ】。アイエフによると最近できたお店らしく、古いゲーム機やソフトを売っている店らしい。

 犯人を追うなら犯人になれ、という思想に乗っ取り、もしかするとゲームを見ていれば犯人の狙いが分かるかもしれない、という鈴の発言もあり、光樹を除いた全員で決定したのだ。

 が、そこで光樹の声が聞こえないことに絵里奈が気づき、後ろを振り返ってみると、体勢を低くしてうずくまる光樹がいた。その為、絵里奈達は行く途中で呼び止められる形になっていたのだ。

 光樹の思い出した記憶に答えることも大事だ。が、今まさに事件の解決への糸口を探そうとしているところで、光樹の身内に関することを教えて欲しいという発言は、核爆弾発言並みに扱いの難しい話だ。

 どう答えるかを考える絵里奈達を、ネプテューヌ達は不思議そうに見つめている。普通なら、今ここで行ってしまえばいい話だと思うだろう。ところがこの話は簡単に答えてしまえば予想以上に混乱する話だ。

 しばしの間考えのために無口になった後で、鈴がその回答を出す。

 

「……とりあえず、今はネプテューヌの言ってた中古ショップの方に行ってみましょう?光樹、あんたの質問は近い内に話すわ。だから、今だ・け・は!!忘れてなさい」

 

「な、何だよ……その強調したような言い方は……。でも、行かなくちゃいけないなら、行かないとな」

 

 鈴の強調させた言葉の勢いに押され、光樹は口を紡ぐ。とりあえずの問題を片づけると、絵里奈達はその中古ゲームショップに入店していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はぁ。まさかこんなことになるなんて……」

 

 カウンターに当たる部分で、一人のいや、一匹のネズミが溜息を吐く。その声から、ネズミは女性のようだ。彼女は、非常に悩ましい状況に陥っていた。

 というのも、実は彼女の経営するこのお店、【チューコの激レア中古ショップ】で、盗難が起こったのだ。普段から盗難に関してはしっかり防犯を心掛けていたものの、今回はその防犯の手が届かないほどに、ひどい被害であったのだ。

 加えて、盗まれた商品もレトロ感があり、かつ大変貴重なものばかり……店の損害はもちろん、メンタル面へのダメージも非常に大きかった。

 あぁ、ようやくお店も経営が波に乗ってきたところなのに、どうしてこんなことに……。

 盗難を受けたということに、ショックを受けていたそのネズミの店員、チューコだったが、そこに声が掛けられる。

 

「店員さん?どうしたの?」

 

 落ち込んでいたところに心配するようにかけられた声かがけられる。チューコはハッと顔を上げる。見るとそこには紫色の髪にかなり大きめのように見えるパーカーを着た少女が覗き込んでいた。それだけではない。彼女の連れのように少年少女達がお店の中に入ってくる。

今は経営の時間。お客様にそんな姿を見せるわけにはいかないと気持ちを素早く切り替え、謝罪の言葉を添えて答える。

 

「あ、お客さん。いらっしゃいでちゅわ。でも、ごめんなさいっちゅ。今日はもう閉店なんでちゅわ」

 

「……何かあったの?」

 

 その返事に気になった少女が理由を聞いてくる。閉店するというのなら、それなりの理由があると察したのだろう。チューコも、閉店する理由はきちんと説明しなければいけないと理解していた。

 困り顔を見せながらもチューコは起こった悲劇を語る。

 

「それが、商品のゲームを盗まれてしまったんでちゅの」

 

 最後の方を急ぎ早に言って、申し訳ない気持ちを露わにする。店の方はほぼ一人で経営する都合上、警察への被害届を出したりするのなら店を開けなければならない。そのため、店を開けることは出来ない。せっかく来てもらったのに見て行ってもらえないことは店側にとってやってはいけないこと。それに責任を強く感じていた故のこの発言だったのだ。

 もう一人の店員に頼むという方法もあったが、それはいくら何でも彼女に負担がかかり過ぎる。それに普段裏方の「彼女」が表に出て仕事をするというのはこんな形でやらせたくはなかった。

 頭を下げて詫びるチューコであったが、そこで聞いていた少女達の反応が変わる。顔を互いに見合わせ、何かを話し合う。

 一体何があったのだろうと困惑するチューコ。しかし、その出会いは、彼女に良き方向へと物事が進む結果へと変わることになるのであった。

 

 

TO BE CONNTINUED

 




今回もお読みいただき、ありがとうございます。また書くってなると、正直辛いんだよなぁ……

ジャンヌ「かなり不調ですからね、このパソコン。買い替えを考える必要がありますね」

だね。まだこどもの日という保険は効くから、親に相談してみるか。

レイ「それは、いいのかな……?」

まぁ、あんまり使いたくはないけど、そうするしかないね。USB買ってきてデータを移さないと……。と、次回はチューコの店に侵入した泥棒の情報を聞くところから始まります。

ジャンヌ「ですね。今回はこれで終わりです。次回は水曜日の投稿になります」

レイ「それじゃあみんな、また次回ッ!!」

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