新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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皆様、いかがお過ごしでしょうか。現在1日に3000字位小説書いている、藤和木弘です。
お待たせしました。第10話、投稿です。

今回は赤白二つのシステム登場です。
さらにゲイムギョウ界側の名有りの準レギュラーの新キャラが登場です!


それでは本編スタートです!


第10話 赤き閃光と白き光

 

今、ネプテューヌ達は、戦闘機からの映像で状況を見ていた。もちろん、あの大型の敵、光樹の言った「アプサラスⅢ」が大出力のビームを撃ったところも、光樹がビットの大群に集中砲火されているところもだ。

 

「光樹さん!!」

 

「お姉ちゃん、これは流石にヤバいんじゃ…。」

 

ネプギアが悲鳴にも似た声を出す。ユニも心配そうに言う。

 

「そうね、これ以上の戦闘は無理ね。私たちも行かないと、これは負けるわ。」

 

「こちらの例の機動兵器…シェアプロテクターの方の操縦者たちのリンクも終わって、現在発進準備が整ったそうですわ。あとは光樹さんが持ちこたえてくれればよいのですが。」

 

ノワールがユニに言葉を返す。一方、ベールにより、全員に例の機動兵器、「シェアプロテクター」が出撃出来ることが知らされる。

その知らせに、真っ先に反応したのはネプギアであった。

 

「本当ですか!ベールさん、お願いします。でないと光樹さんや他の皆さんにも被害が…。」

 

「ですが、先程からシステム系にエラーが起こっている機体が何機か存在しているそうですわ。」

 

ベールの話を聞き、ネプギアが悲哀感に包まれる。

 

(光樹さん…!!)

 

ネプギアはそう思いながら目を瞑る。

その時、戦闘の様子を映していたディスプレイが赤く輝く。否、正確にはディスプレイに映っていたガンダム・ブラックエースⅣが輝いたのだ。

 

「何?」

 

ブランが疑問の声を上げる。いきなり機体が赤く輝き始めたので、全員がディスプレイの方に目を向ける。

と、いきなりガンダム・ブラックエースⅣを覆っていたバリアのようなものが解ける。

 

「光樹さ…!」

 

「…あれ、いなくなっちゃった!?」

 

ネプギアが悲鳴の声を…発しようとしたが言葉が止まる。そう、理由はネプテューヌが言った通り、光樹が消えたのだ。

 

「一体どこに…。」

 

ノワールがそう言うと、すぐにベールが研究員にカメラの操作を指示する。そして、映されたのは戦場全体を映す程の全体カメラであった。

そこにはとんでもないものが映っていた。

 

「なん…なの……これ。」

 

「光が尾を引いてる…これは…」

 

ノワールとブランがそれぞれそう呟く。

画面には赤く光る機影が、戦場を駆け抜ける姿が映っていた。その機影は無論、光樹のガンダム・ブラックエースⅣだ。

その姿を見て、ネプギアはあることを思い出す。それは昨日光樹から聞いていた、あるガンダムの「とある機能」に似ていたからだ。

そして、その名前をゆっくりと漏らす。

 

「トランザム…システム……!」

 

 

 

 

ネプギアの言った通り、光樹のガンダム・ブラックエースⅣはトランザムシステムを起動させたのであった。しかし、当の本人が一番そのことに驚いていた。

 

「武装の名前とか、AN粒子って単語から予想はしてたけど…まさか、本当にトランザムがあるなんてな…。けど、これなら逆転出来るな!!」

 

確かにこれなら、ビットはおろか、あのアプサラスⅢとも十分に戦えるだろう。

そのように考えていると、エースが発言する。

 

『光樹、トランザムには制限時間があること、忘れていませんか?』

 

「そういえばそうだったな。制限時間は?」

 

『現在表示されているゲージが無くなるまでです。』

 

目の前の画面上には、小さくトランザムシステムの起動画面がゲージと共に映っていた。ゲージは現状、約20分の1を消費した辺りだった。

 

「よし、そろそろ反撃と行くか!」

 

そう言って、光樹は機体を翻し、追ってきていたビット部隊に突撃する。右手にはANヴァリアブルアームズをソードモードで、左手にはANヴァリスⅡをヴァリスモードにして構えている。

そして乱舞が始まる。流れるようにビットを2機まとめて切り裂き、次の敵へ機体を向ける。その間には射撃でビットを撃ち落し、そのまま切りかかる。まるで流れ作業のように敵を撃破する姿は、まさに全てを破壊する赤い彗星であった。

だが、それでもまだ4分の3くらいの敵は残っていることが、レーダーから分かる。

すると、突然背部のウイングの中のパーツが分離していく。

 

『ANヴァリアブルドラグーン展開します。』

 

それは、エースの判断により分離したANヴァリアブルドラグーンだった。それらが全8基、敵に向かっていく。トランザム中のため、その動きは、流れ星のような動きで、ビームをドラグーン突撃陣形(ただの全基前方への一斉射撃の陣形である)で撃つ。貫通性の高いビームのため、後ろの敵にもビームが突き刺さる。いくつもの光を放ちながら、ビットたちを正面から完全に迎撃という名のゴリ押しの正面突破で敵を殲滅していく。

途中、ドラグーンを回収して粒子チャージもしつつ約5分で、殲滅は完了した。あれほどいたビットは、今では数えられるくらいに減っていた。その数、わずか15機であった。援護してくれていた戦闘機部隊も、あの一撃以外は全く受けておらず、この状況はかなり優勢だ。だが、そこで機体の発光が停止する。そう、トランザムの限界稼働時間が来たのだ。

 

『トランザムシステム、解除しました。粒子残量10%、再チャージまで約10分。再使用までは4分です。』

 

「了解。…さて、どう戦うか……!」

 

そんな会話をしている内に、アプサラスⅢが動く。下部の球体の着地脚の展開を開始する。先程、大出力メガ粒子砲を撃つときも同じように展開していたことを考えると、間違いなくまた撃ってくるだろう。

すぐに回避行動をとろうとしたが、そこで思いがけないことが起こる。

正面にいたビットたちがこちらに向けて突撃してきたのだ。

 

「なっ…!」

 

そんな事など考えていなかったため、ほぼ無抵抗で動きを抑えられてしまう。すぐに振り払おうとするが、トランザム終了後のせいか、出力が上がらない。加えて、相手の方はかなりの力でこちらを抑え込んでくる。

 

(まさか…自滅してまでこっちを落とす気か!?)

 

確かにそれでこちらを落とせれば、あとは戦闘機、おそらく女神たちも来るだろうが、それでも相手の目的がこちらのなんらかの重要な物にアタックするためなら、それでOKだ。

その時、とある考えがよぎる。

 

(もしかして…本当は四国家の極秘開発した兵器を誘い出して、その力を測るために?)

 

その可能性はあった。もし俺が居なければ、こいつと戦っていたのはベールたちの言っていた機動兵器が戦っていたはずだ。貴重な実戦でのデータも取れるから、四女神たちもその目的に気づかず、倒していたかもしれない。

だが、そんな考えは今はいい。これでは直撃は確実。そんなもの、いくらこの機体が硬かったとしても、被害は大きいだろう。しかも、昨日、ネプギアとガンダムについて話していた際、ネプギアが言っていたのだが、この機体、高機動型らしい。そう、「高機動型」らしい。大事なことなので2回言いました。それすなわち、耐久が並みの機体より低いということだ。エースによると、一応AN粒子のおかげで元の世界の兵器なんかは全く効かないらしいが、流石にあんな大出力のビームを受けたら墜ちる。すなわち死を意味する。

エースは、機体のコアが破壊されない限りは死なないと言っていたが、これは確実にコアを破壊されるくらいの破壊力はある。

 

「くそっ!何か方法は…。」

 

だがそんなことを言っている内にも、敵は着地脚を地面に固定させ、こちらにその砲口を向ける。

そんな中、ずっと黙っていたエースが突然発する。

 

『光樹、すぐにANランチャーキャノンⅣをサテライトモードで展開してください。』

 

「エース!?どういう…」

 

『早く!メガ粒子砲が発射される前に。』

 

「わ、分かった!」

 

エースが急かすのを聞いて、慌ててANランチャーキャノンⅣを、その「サテライトモード」で展開するのを思考する。

すると背部のANランチャーキャノンⅣが勢いよく下部のランチャーユニットを展開し、その部分に居たビットを吹き飛ばし、機体とランチャーキャノンを接続している基部アームを回転軸に、横から展開しようとする。だが、横の方に居たビットに当たり、阻害される。

 

『無駄です。』

 

しかしそのエースの言葉と共に、ウイング内のANヴァリアブルドラグーンをそのビットに向け、ビームを発射する。そのビームに貫かれ、ビットは爆発する。展開を阻害していたものが無くなり、スムーズにANランチャーキャノンⅣをランチャーユニットを前面に、キャノンユニットを後方にサイトレンズのように配置して肩に担ぐように固定する。

それと同時にエースがインターフェース上で何かを検索し始める。

 

『軍事ネットワークにハッキング開始、完了。検索開始…』

 

エースが高速で何かを検索し始める。その間にも、アプサラスⅢがチャージを始めていた。戦闘機部隊も、そのチャージまでの時間を引き延ばすため、攻撃を続けてくれている。

そして、すぐにエースが報告する。

 

『検索完了。エネルギー発電衛星確認。「BATEN」にハッキング開始……………完了、エネルギー照射開始します。』

 

それと同時に、空から一筋の光が、ブラックエースⅣの胸部に注がれる。インタフェースに、エネルギーの残量画面のようなものが表示される。ANとOtherというゲージの内、Otherの方のエネルギー残量が0から急速にチャージされていくのが分かる。

と、突然通信回線が開かれる。画面にはベールの顔が映っていた。他にもネプテューヌ、ノワール、ブランが狭い画面の中に映っていた。

 

『ちょ、ちょっと光樹さん!?なぜ突然、リーンボックスの発電衛星・BATENをハッキングしているんですの!!』

 

「え?ひょっとしてエース?」

 

その言葉を聞いて、すぐにエースに聞く。するとエースは、

 

『はい、そちらの衛星、少し借りました。』

 

と答えた。なるほど、それで怒っているのかと光樹は考える。

だがそれだけではないことが、ノワールの口から告げられる。

 

『何が「借りました」よ!何よあのハッキングの速さ!5秒でラステイションが作ったプロテクトを解除って普通じゃないわよ!』

 

…それが一番の原因だったのか、と思う。だがどれだけプロテクトが硬かったのか知らないが、そんなに怒るということは、かなり自信があったのだろう。

だが、その会話をしている内にチャージが終了する。それはアプサラスⅢの方も同じだった。互いにその砲口を向ける。

 

「エース、行けるな?」

 

『もちろんです。NFB(ノイズフォースビックバン)、ツインサテライトキャノン。』

 

そして、ほぼ同時に大出力メガ粒子砲とツインサテライトキャノンが発射される。その余波でこちらを抑えていたビットを吹き飛ばす。真っ向からビームがぶつかり合う。しばらくの間、せり合ったが、徐々にこちらのサテライトキャノンが押していく。

数秒後、その均衡は崩れた。ツインサテライトキャノンがメガ粒子砲を完全に押し返し、そのままアプサラスⅢに向かって伸びる。

そして、大型メガ粒子砲の砲口に突き刺さる。その攻撃により、アプサラスⅢは各部から爆発を引き起こす。そして―――――

 

 

 

ドガァァァァァァァァン

 

 

 

盛大な爆発音と共に、アプサラスⅢは爆散する。機体の部品だったものが次々と地面に落ちていく。

その様子を見ていると、通信が入る。あの隊長さんからだ。どうやら生きていたらしい。

 

『協力感謝する。敵の部品の回収は任せてくれ。』

 

「了解です…っと。さて、戻るか。」

 

そう返して、すぐにベールたちの方に通信をつなぐ。通信回線を開くと、狭い画面に女神候補生の内、ネプギアとユニ、それに四女神らが映る。

 

『光樹さん!良かった…無事だったんですね!』

 

「ああ、何とか…な。」

 

『倒しちゃった……アンタ強いわね。』

 

ネプギアにユニがそれぞれそう述べる。特にリーンボックス到着時にこちらの実力をノワールよりは信じていたとはいえ、あまり信用していない様子だったユニから強いと言われたのは、素直にうれしかった。

と、そこで話に入って来たのはブランだった。

 

『あの戦力差で勝利するなんて…かなりの性能ね。』

 

流石はブラン。随分冷静に判断している。まあその反応なら、少なからずこちらに脅威を感じていることは読み取れた。

しかしここで意外にもその性能に衝撃を受けた人物がいた。ノワールだ。

 

『な、何なのよ、あの性能!こんなのにシェアプロテクター勝つの難しいんじゃないの?』

 

ゲームでは割と勝気なイメージが強かったノワールだが、今は少し弱気になっているように見える。まあ、これだけ性能が高い機体の戦いを見て、そう思うのも無理もない。

そこで次に口を開いたのはベールであった。

 

『お疲れさまですわ、光樹さん。迎撃を完全に任せてしまってすみません。ですが、素晴らしい戦果ですわ!』

 

「いや、そっちの方の戦闘機部隊の支援のおかげだよ。…それより、攻撃に巻き込まれた人は…。」

 

「そう…ですわね。ですが、彼らもそのことは覚悟して軍に入っていますから。あなたのせいではありませんわ。」

 

光樹が自分を責めているところに、ベールが声をかける。少しだが、気が楽になる。そうだ、あの人たちはちゃんと自分の職務を全うしたのだから、本望だろう。今後はそんな犠牲が出ないように、精進していけばいいのだ。

そしてベールに言葉を返そうとしたその時、

 

『おい、ふざけんな!この雑魚!!』

 

という明らかに怒りのある罵倒の言葉がスピーカーから聞こえてくる。女の子のような声だが、それは女神たちのいずれの声でもなかった。誰だろうと思っていると、ネプテューヌの声がその名前を呼ぶ。

 

『ちょ!海優!その言い方はひどいんじゃないかな。』

 

『ネプテューヌ様…!でも…!』

 

ネプテューヌが怒りを鎮めようとした相手、海優(みゆう)と呼ばれた少女がなおも食い下がろうとする。が、続いて言葉を放った人物によって制止させられる。

 

『海優、もうやめようよ。あの機体の人はエラーで出られない僕たちの機体に代わってリーンボックスを守ってくれたんだよ。』

 

『ちょっと、閃!止めないでよ!こいつは私が倒して…!』

 

しばらく回線がうるさくなる。

収まるまでの間、ベールの方に聞く。

 

「なあ、ベール。今話してるやつらって誰?」

 

『ああ、実は彼らがシェアプロテクターのオペレーター、つまり操縦者なのですわ。』

 

「へえ、そうなのか。」

 

なぜこんな自分と同年代くらいの子らがこの回線に入ってきていたのか、その理由が分かった。そして、なぜ自分に対して非難の言葉をぶつけたのかも。そう、仲間を見殺しにされたための八つ当たりと言うやつだ。

と、そこにネプテューヌが補足する。

 

『ちなみに海優はプラネテューヌの、閃はラステイションの防衛軍の出身だよ。』

 

「あ、だからさっきネプテューヌの事を様付けで…。」

 

そんな事を話していると、また再び、海優と閃(せん)の回線から声が発せられる。

 

『ええい、とにかく!』

 

美優が大声でそう言う。まるで何かをためているかのように少し溜めた後、はっきりと言う。

 

 

 

 

『どうせこの後シェアプロテクターとそいつと戦うんでしょ?なら私が戦うわ!絶対、負かしてやるんだから!!』

 

 

 

 

TO BE CONNTINUED

 




いかがだったでしょうか。

次のお話からは、ゲイムギョウ界の新兵器との対決です。

そして、ここで一つ、裏話を。
実は次の話を書いている途中、PixivでネプテューヌVⅡ(というよりうずめが登場する)小説を見ていたのですが、そこでこんな事が書かれていました。
許可などはいただいていないので名前は明かせませんが、あとがきにて、「ハーメルンやPixivでうずめの戦闘演出が少ない」と。



……




本当に、申し訳ございません!!
自分の小説、ちゃんとタグに「ヒロインはうずめ」と書いてあるのに!!うずめと思われる人物が少し出ているだけで!全く登場してないという。
もしかしたら、これを読んでくださっている皆様にも「うずめまだ?」と思っている方がいるかもしれません。
いつまでも零次元編に進まないこと、お詫び申し上げます!
12話で第0章が終わって黒の館を挟んでから、すぐに零次元編に入るので、しばしの間、お待ちください。

では次の投稿は6日後の月曜日にしたいと思います。理由は早く零次元に移行するためです。
では次の話へ、スタンドアップ!

「無理にネタ突っ込むなよ。作者。」

…ごめん。

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