新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも、皆様、お元気でしょうか、藤和木弘です。鉄血のオルフェンズも遂に最終回を迎えましたね、私も見たけど、考えたくなかったエンドでした。

ジャンヌ「確かに、あれは考えたくはない終わり方でしたね。でも、世界は変わりましたし。どうも、皆様。ジャンヌ・ドラニエスです」

レイ「私もあれには少し心残りがあるね……。でも、最後の方で戦いは報われたと思ってる、レイ・オーバだよっ!」

さて、一つのガンダムの物語が終わりを迎えたところで、こちらは第105話の投稿です。

ジャンヌ「前回は海優さんが登場しましたね。共闘を見ることが出来そうです」

レイ「さぁ、みんなであの合体したモンスターを倒しちゃおう!」

それでは本編へ


第105話 桜散る中の装甲纏いし者達の激闘

 

 この状況に、海優は困惑していた。そもそも、何故海優はこんなところに来ていたのか。実は、アイエフが関わっていた。

話は少し遡る。マジェコンヌに捕まった時点で、アイエフは携帯を操作して、救難信号を発信していたのだ。

 その救難信号は、任務での窮地を知らせるもので、発信先はプラネテューヌの国防軍となっていた。その国防軍もそれを確認。その救援のために国防軍は海優に出撃を命じたのだ。

 出撃した海優はすぐに信号の発信先、サクラナミキまで急行した。敵からの補足を避けるため、かなり上空を飛行して現場に向かったのだが、到着してまず最初に見たのは、戦いが終わった直後の様子であった。

 まだその場にアイエフが残っていたことから、抵抗したようだと考えたが、周囲を確認して、状況が面倒になった。アイエフの周りに海優が確認したことのない人物、そして、機動兵器が確認できたのだ。

 

「何?あいつら……見たことのない機動兵器ばっかり……あれが敵?」

 

 最初は海優も警戒するが、その後の行動で、海優はそれを改めた。アイエフに襲い掛かった2つの攻撃を紫髪の女性と獣のような機動兵器が防いだ場面で、だ。

 アイエフを守った……ってことは、敵じゃない?っていうか、相手の方は、報告書にも合った、例の機動兵器じゃない!

 スコープ機能を使って拡大したカメラ映像には、確かに国防軍が注意している機動兵器2機が確認できた。その事から、アイエフと行動している者達は敵ではないと確信する。

 その後しばらく様子を見ていたが、空から降り注いだ赤い光を見て、危機感を感じた。赤い光を浴びたモンスター五体は融合し、1機の大型機動兵器へと姿を変えたのだ。

 マズイ!あんな大きな機動兵器、すぐに倒さないとプラネテューヌにどんな被害を起こすか……!それに、アイエフもあの女の人を庇って動けない……。

 アイエフが倒れ、機動兵器が暴れ回る。次々と放たれる攻撃に、サクラナミキの地形は次々と変わっていった。4機の機動兵器達は迎撃をしていたものの、その攻撃は敵の張ったシールドで防御されている。

 このままでは……。そこで海優は判断した。あの機動兵器部隊を支援することを。本部の応援を待つというのもあったが、今行動できるのは、自分だけ。

 だが、それ以上に、何故か心の中でうずいていた。あの機動兵器の1機、黒いプロテクターのような機体を放っておけない気がしたのだ。

 

「さて……あのバリアを突破するためには……これしかないっ!!」

 

 突撃の覚悟を決めた海優は右手にビームアサルトライフルを、左手にビームソードを構える。そして、一気に降下する。ブースターの出力を最大にしての突撃降下。それはかなり危険な賭けであった。この攻撃で相手に防がれれば、こちらのダメージは深刻なものになるに違いない。

 しかし、それでも彼女は落下速度を高める。この一撃に全てを賭ける。そして、その行動は功を成した。

 凄まじい速度で落下したパープルプロテクターの武装は、相手のフィールドを貫いた。そしてモンスターの背中の装甲にビームの刃が突き立てられる。

 

「ヴァァァァァン!?」

 

 攻撃を受けてモンスターが苦しむ。苦しみの後、モンスターは倒れる。だが、まだ消滅はしない。ということは、まだ動く可能性があるということだ。

 

「まったく…………。何なのよ、この状況は!!」

 

 そのように悪態をつく。今の状況が信じられなかったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、現在にいたるわけである。落下の衝撃で起きた土煙が晴れていく。晴れた視界の先に、こちらを見つめるあの黒い機動兵器がいた。

 海優に対し、その機動兵器が音声を……否、声を出した。

 

「やっぱり、パープルプロテクター!海優か!!」

 

「え……何で、この機体を、あたしを知っているの?」

 

 いきなり名前を呼ばれたことに動揺を覚える。こちらはまだ名乗りすら上げていないのに、何故自分の事を知っているのか。スパイかもしれないことを考え警戒をする。

 だが、その考えとは裏腹に、何故かその声で呼ばれることに高揚感を感じた。まるで初めてあったわけではないような、呼ばれると嬉しい様な、そんな気持ちになる。

 何かが記憶に引っかかる感じを感じている中、突如地面が揺れる。いや、正確には、足を着けていた突然変異系機械型モンスターが再起動したのだ。

 

「ちぃ!まだ動くっての!?」

 

 すぐに海優は飛翔して離れる。黒い機動兵器とその仲間達の近くに降りる。倒れていた巨大な機械モンスターは咆哮を上げ再びこちらに相対する。

 

「まだ、戦うってことか」

 

「あなた、こっちの味方?だったら協力して!あれは近接攻撃で突破できる」

 

 獣型の機動兵器から少女の声が掛けられる。協力して欲しいとの要請、しかも、あの機動兵器を止めるためというのなら、協力しないわけにはいかない。海優はその要請に応える。

 

「了解したわ!近接攻撃なら、あたしのパープルプロテクターの十八番よ!」

 

 自信満々に言うと、海優はビームアサルトライフルにビームブレードを再び発生させ、戦闘状態に移行する。そして機動兵器側からも、もう一人近接攻撃を行う者が出る。

 それは先程海優の名を叫んだ、黒い機動兵器の者であった。海優の横に立って、腕部の武装から大出力のビームソードを発生させた。

 

「へぇ、あんたも攻撃するのね」

 

「あぁ。それで、こっちのことは覚えてないんだな」

 

「覚えてない……?変なこと言うわね。あたしはあんたのことは知らない……って言いたいけど、なんかひっかかるっていうか……」

 

 黒の機動兵器にそう聞かれ、海優はよく分からないという返答をした。確かに覚えていないというか、知らないのだが、それでもこの男と立つと、なんだかすごく懐かしさを感じていた。

 不思議な感覚に再び襲われる海優だが、そこに攻撃が放たれたことで意識を戦闘に向けなおす。鉄の巨人から放たれるレーザーが地を薙ぐ。これ以上の進撃を許せば、アイエフにも危険が及ぶ。海優は一気に敵へと急接近する。

 反対側からは黒の機動兵器も突撃している。突撃する二人にモンスターからの砲撃が飛ぶが、背後からビームの弾幕が張られ、攻撃を防いだ。背後からの突撃支援を受けつつ、近距離まで接近すると、ビームアサルトライフルを振る。ビームブレードはフィールドに阻まれ防がれるが、構わず押し込む。押し込んだビームブレードはフィールドを突破する。

 突破したのを確認すると、そのまま刃を動かしていく。ビーム刃は干渉を受けつつも、フィールドを徐々に切り裂いていく。しばらくフィールドを切り裂いたところで、フィールドが消失する。二人の攻撃により、フィールドを維持できなくなったのだ。

 この時ビームブレードでもANフィールドが解けたのは、出力の違いによるものであったからだ。本気モードを起動させ、出力を向上させることによる、無理やりの突破。それによって相手のフィールドを貫き、破壊したのだ。

 そんなことは知らず、海優はそのまま左手のビームソードを構え、突貫していく。右方向からは黒い機動兵器が刀を持ったまま、腕部のビームソードを再出力し、攻撃を行う。こちらは背中に狙いをつけ敵モンスターを上から回り込んでビームソードを突き立てる。一方黒い機動兵器は肩部に向けてビームのカタールのようなビーム刃を突き立てた。それぞれの攻撃は敵に確実にダメージを与えていた。敵の動きが停止する回数が多くなっている。

 よし、このまま翻弄して、敵の稼働できる部分を叩いていけば!あたしの脳裏に勝ちまでのビジョンが浮かぶ。けれど、油断は禁物だと後悔することになる。

 攻撃を受けて一度停止を見せた敵は急に動きを変える。まるで興奮したかのようにジャンプを連続で行ってきたのだ。ただジャンプするだけであったが、ジャンプをする存在の大きさが問題だ。その巨体による跳躍行動は地面に着地する度に空気の衝撃波を引き起こす。その空圧に、戦闘中の全員が影響を受ける。

 

「ぐぅっ!いきなりジャンプなんかしてっ!!」

 

「ひゃううー!地面が揺れてる~!?」

 

 獣の機動兵器と巨大なキャノン砲を持った機動兵器の少女のものと思われる悲鳴が上がる。地上にいた者にはかなり影響が大きいのは海優の目にも分かった。

 一方、男の方が使っていると思われる機体の方は衝撃波に苦戦しつつも何とかして反撃を撃ち込んでいた。

 

「ちぃ、なかなかやる……!せい!!」

 

「空に居てもこの影響……。くっ、狙いが……!!」

 

 障壁が解除されていたため、射撃攻撃が通るものの、ジャンプにより狙いは大きくずれて着弾してしまっていた。その強靭な装甲に攻撃が弾かれてしまっている。

 海優も何とか狙って行っているにも関わらず、衝撃波の散発のせいでライフルの衝撃を抑えることが困難になり、思うように狙い撃てない。ならば、接近戦に……!と思い、突撃を敢行しようとした瞬間、体に大きな衝撃を感じた。

 

「ぐぅぅっ!?」

 

 右半身に衝撃を感じた時には、既に海優の体は地面へと叩き付けられていた。敵の左腕を振った攻撃に直撃したのだ。反動で意識が飛びかけるのを何とか耐える。遠隔操作でもこれだけのダメージが来ることに驚きを感じるが、それを考えるのは間違いであった。

 海優の向いた先には、こちらを睨み付けてくる敵モンスターの姿があった。それもその巨大な拳を振り上げて。確実に海優を狙って来ていた。

 こっちを狙って来てる。すぐにスラスターを吹かせて、回避を!あたしは機体にスラスターの出力を指示する。が――――

 

「っ!?動かない……?どうしてっ!」

 

 機体が動かないことに焦る海優。スラスターに何度指示を送っても、機体のカメラ映像を映すモニターにはエラーの文字が浮かび上がるのみ。先程の攻撃が原因で、機体の制御系統に問題が起こっていたのだ。

 迫る敵に恐怖を感じる。だが、それでも目は閉じない。こんなところで逃げるような行為をすれば、「あいつ」の……戦闘訓練に付き合ってくれていたあいつに顔向けなんて出来なかった。

 

「…………!助けて、光樹ッ……!!」

 

 無意識にその少年の名を呼んだ。何故知らない名前を叫んだのかも知らずに、攻撃が来るのを無防備なままで見つめ返して。

 

 

 

 

 

 

 

 

「海優っ!!」

 

 海優の危機は、光樹にも見えていた。早く退避しなければいけない状況であるのに、動かないのを見て、何かトラブルがあったのだと、光樹にも分かっていた。

 すぐに急加速してパープルプロテクターと目の前の武装化モンスターの間に機体を割り込ませる。そして、振り下ろされた巨腕をシュバルトゼロの両腕部で受け止める。

 

「ぐぅっ!!」

 

 受け止めると同時に、機体を通して光樹の体に凄まじいまでの力がかかる。ゴッドクロスは押しつぶされるのを防ぐため、全AN粒子を駆動系に回していたが、それでも徐々に押し込まれる。その様子を見ていた海優が心配そうに見つめる。

 

「光樹……ッ!」

 

 いつの間にか、光樹の名を呼ぶようになっていた。もしかすると、記憶を思い出しているのかもしれない。ゲイムギョウ界改変前の記憶を。それを心の中で嬉しく思いつつも、この状況に四苦八苦していた。

 ゴッドクロスの出力でも無理……。なら、ダイしかない!光樹はDAIモード起動を叫ぼうとした。

 

 

 

 その時である。

 

 

 

 

『ダイモード、力は一点のみに非ず……』

 

「!?」

 

 突如、そのように声が響く。一体誰の声か、光樹はそっちの方に気を取られる。その間に、敵は更に押し込みをかける。それによって状況は悪くなる。ゴッドクロスのモーターが悲鳴を上げ始めたのだ。今からDAIモードを発動させても、押し返すことも、そして海優を助けることも難しい。

 だがしかし、その声に続くかのように、更なるビジョンが、光樹の頭の中を巡る。それは、かつての記憶。ゴッドクロス・ダイの戦いの記憶。その中で、同じように力で押し込まれていた。しかし、その中でゴッドクロス・ダイは、光樹は迷っていなかった。そのビジョンから、この状況の突破口を見出す。

 

(今は……未熟な俺が使うなら、これだ!!)

 

「いくぞ、ダイ!!」

 

『オールライト。シュバルトゼロガンダム・ゴッドクロス・ダイへ、モードシフト』

 

 ゼロからのコールでゴッドクロス・ダイへと変形する。拡張する機体全体の変形により、地面が少し陥没する。若干のアクシデントではあったが、それでもゴッドクロス・ダイへの変形を完了させる。

 変形したことで次元力も出力に付与され、再び互角の力比べとなる両者。しかし、質量の違いは明らかで、ゴッドクロス・ダイのモーターに負荷がまたかかり始める。それを援護すべく、鈴達が敵の気を引こうと攻撃するも、モンスターは光樹の方に注意を向けたまま。ここで葬るということなのだろう。如何にもマジェコンヌやエクスが出してきたモンスターらしい考え方だ。

 だが、光樹もやられっぱなしではない。先程の記憶が見せたヴィジョンを再現する。

 

「ゼロ、両腕部ディメンションブレイカーにエネルギーを集中!」

 

『了解。ディメンションブレイカーにAN粒子、および次元力チャージ』

 

 ゼロに指示を送ると、ディメンションブレイカーにエネルギーが急速にチャージされる。そうしてエネルギーが目的の量まで貯まったところで、鈴達に通信を送る。

 

「鈴、『DPB』を使う!衝撃に注意しろよ!」

 

『はぁ!?アンタ、それ知ってるの!?』

 

「今思い出した。早く!!」

 

『フン、相変わらず、都合のいい!!』

 

 鈴と勇也も光樹の発言には驚く。とはいえ、それを疑っていては自分達も被害に遭うことを分かっていたため、その指示に従い、距離をとる。

 後ろにいた海優には被害は及ばない。不安要素を取り除いたの確認すると、光樹は言い放つ。

 

「今だ!ゼロ!!」

 

『ディメンション・パーティクル・ブラスト、ファイア』

 

 ゼロの音声が発せられると、腕部から光が放たれる。すると、受け止めていた敵モンスターの腕が、ゴッドクロス・ダイから離れた。見ていた海優からは、弾き飛ばしたようにも見える。

 実際、それは正しかった。このディメンション・パーティクル・ブラスト、通称「DPB」はAN粒子と次元力を用いて、それぞれの粒子を圧縮し、同時開放することで炸裂させ、接触面で爆発を起こす攻撃であった。似たような攻撃として、先の訓練で、鈴が光樹の攻撃を受け止めた際に使ったのは、これの源流、「ノイズド・パーティクル・ブラスト」である。

 特に機体のパワーや質量に影響されることなく反撃できるDPBのおかげで敵の攻勢を文字通りはじき返すことに成功する。弾き飛ばされた武装化モンスターは倒れる。そして、無防備な所に鈴達が攻撃をかける。

 

「今よ、インパクトブレイカー、シュート!!」

 

 鈴のガンダムから腰部に装備していた武装が分離し、敵の装甲の隙間に先端を突き刺す。機械の駆動音の後、武装から衝撃波が放たれる。放たれた衝撃波によって装甲が割れる。

 割れた装甲に向け、勇也のガンダムの武装が投擲される。背部右に装備されていたANエクサランスアームズだ。

 

「こいつで……切り裂いてやるよ!!」

 

 大剣を横に薙ぎ、装甲を切断していく。切断された装甲からスパークが散っていく。だが、それだけで終わらない。続いて勇也のR-ZEROは右肩の接続部にANエクサランスアームズを突き立てると、そのまま上に動かし、接続部を破壊する。破壊した部分は先にエネルギー伝達が行えないようになり、右腕部がだらんと垂れるようになる。

 攻撃を受け、敵モンスターはのたうち回る。だが、右手にほとんど出力の回らないため、攻撃が激しくない。右側の方は安全地帯のように余裕があった。勇也もそちらの方に機体を置いて余裕をもって回避行動を行っている。

 暴れ回るモンスターに対し、更に追い打ちをかけたのは絵里奈だ。地面を叩いたり、ジャンプをして暴れ回る敵にANHXキャノンバスターを放つ。放たれた弾丸は吸い込まれるように敵武装化モンスターの脚部を撃ち抜く。撃ち抜かれた弾痕からスパークが走り、爆発を起こす。

 足を撃ち抜かれたことで、敵は跳躍を停止させられる。何とか動こうとするが、既にそれは遅い。

 

「ゼロ、ノイズフォースビックバンで決める」

 

『了解。ノイズフォースビックバン、「ヴァナルガンド・フルコンボ」』

 

 ゼロの音声と共に右手を高く上げる。右手から放たれた光が空中で停止すると、次元力で生成された穴が開かれる。そこから落下してきたのは、かつて海優達プロテクター装着者と模擬戦を行った際やゲイムギョウ界トーナメントで使用した大型武装「ビルレスト」。

 転送された「ビルレスト」のグリップを右手で握る。グリップに装備されたトリガー3つを全て引き、異なる性質を持つビーム弾を次々と放つ。放たれた弾幕は敵の破損した装甲部や関節部を撃ち抜いていく。

 ある程度時間が経ったところで、武装を放ったままビルレストユニットと共にゴッドクロス・ダイは突っ込んでいく。弾幕が続き、敵の懐まで接近する。接近しきったところで、光樹はビルレストユニットごと空中で跳躍した。丁度、敵の真上まで到達するかのどうかの所で、光樹は機体を一気に降下させる。ビルレストユニットの前面を敵の腹部に向け。

 そのまま敵の腹部正面にビルレストユニットを叩き付けた。甲高い金属音と共に辺りの空気が振動する。一拍置いて、今度は装甲を割る音が響いた。ビルレストユニットのバンカー機能を使ったのだ。杭打ちの一撃で敵の胴体部前面装甲が破壊されたのを確認して、光樹はトドメの一撃を放つ。

 

 

 

 

「これで、トドメだッ!!」

 

 

 

 

 「ビルレスト」の射撃武装を完全開放し、一斉に撃っていく。装甲を失った胴体部への射撃はもちろん、破損した右腕、頭部、左腕下部、腰部接続部……と、完全に敵の息の根を止めるように集中砲火していく。その様子は、まるで一切の容赦をも許さない、死神のような行動であった。

 しばらく続いた一斉射ののち、光樹は退く。光樹が退避すると、モンスターは爆発を起こす。爆発を起こした敵モンスターからは内部の燃料が垂れる。垂れたオイルに更に火が引火し、再び爆発を引き起こす。

 

 

 

 

 モンスターの機能が完全停止したのを見て、全員が息をつく。

 

「やった……の?」

 

「まったく、手こずらせてくれるわ」

 

「ほんとほんとー!」

 

「でもまぁ、これはこれで感謝だな。光樹の記憶も少し戻ったようだし」

 

 終わったのを見て、海優がパープルハート達の方に向かって行く。おそらく、二人の無事の確認だろう。アイエフは早く医療機関に見せる必要もある。光樹は声をかけ、鈴達と共にでパープルハート達の方へと駆け寄っていった。

 その後アイエフは駆け付けた「ネプテューヌのもう一人の親友」と海優が戦闘開始前に呼んでおいた救護班に運ばれ、光樹達も、それに付き添ってプラネテューヌへと戻っていったのであった。

 

 

TO BE CONNTINUED

 




今回もお読みいただき、ありがとうございます。突如現れたモンスターも、光樹君が撃破しました。

レイ「いやー、だんだんと記憶を取り戻しつつあるのかな?」

ジャンヌ「ですが、今のところは戦闘用の記憶が多く戻ってきているような気がしますね」

まぁ、戦闘中に記憶を戻しつつあるからね。これからは戦闘以外の記憶も戻すつもりですよ。さて、今回はここまで!

レイ「次回は月曜日だよっ!」

ジャンヌ「それでは皆様、また次回にお会いしましょう」

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