新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
ジャンヌ「わたくしとレイさんはもう1年になりますね。どうも、皆様。これからも藤和木をサポートしていこうと思っているジャンヌ・ドラニエスです」
レイ「いやー、1年経つのって早いね!昔は早く次のクリスマスにならないかなー?とか思ってたのに、年取ると時間が早く感じちゃう、レイ・オーバだよっ!」
いやー、これももう2年か。2年でやっと超次元編……遅いな。
ジャンヌ「あ、それ藤和木が言いますか」
うん、言っちゃう。さて、鉄血のオルフェンズはもうすぐ最終回。ガンダムファンはみんなそっちの方に夢中な中で、こちらは第104話の投稿です!
レイ「いやー、前のお話じゃあ、絵里奈ちゃんがビシッと決めてくれたね!」
ジャンヌ「今回はマジェコンヌ達の身柄の確保ですかね?」
さて、事件はこれでひと段落?では本編へ!
「こっちは終わったぞ、ネプテューヌ。そっちはどうだ?」
「光樹。えぇ、こっちも絵里奈が決めてくれたわ」
光樹の問いにパープルハートはそう答える。見るとマジェコンヌの胸元にクロスに刻まれた傷が見て取れた。光樹もそれを見て、本当にかなりのダメージを与えたのを察した。
そんな所に、大回りしてこちらに向かってくる絵里奈のガンダムの姿を確認する。地面を滑るように背部バックパックから粒子を放出して浮遊している。絵里奈がこちらに来たところで、マジェコンヌ達が言葉を吐き捨てる。
「……ちっ!……強すぎる。やはり侮れんか、黒の少年とそのおまけは……」
「……の、よう、だな。今の我らでは、まだこいつらとの戦闘はきつすぎる……」
両者とも、それぞれのダメージにより、言葉が途切れ途切れとなっていた。光樹達の攻撃をもろに受けたためだ。むしろ、あれだけのダメージを受けて倒れないマジェコンヌや、機能停止に至らないエクスがおかしいほどであった。特に、エクスは腹部の装甲を半分ほど抉られているにも関わらず、まだ動けていることの方が逆に恐ろしさを感じるくらいである。
そんな言葉を聞いていた光樹達は動けない様子のエクス達に言い放つ。
「ここまでだ、エクス、マジェコンヌ」
「そして、教えてちょうだい。何故、零次元で倒したはずのあなた達がここにいるの?」
完全に戦闘困難状態である二人に今なお生きている理由を問う光樹とパープルハート。その様子を見ていた鈴達は、少し疑問を浮かべた様子を見せる。だが、質問を投げかけられた二人は鼻で笑ってそれを拒否する。
「ふん。敵である貴様らに易々と話すものか」
「お前ら……何か秘密があるんだな?」
「教えなさい。その理由を!」
「フフフ……」
未だに余裕そうな様子で拒絶の意志を見せるエクス達。しかし、光樹達に手出しは出来ない。エクス達が零次元での激闘から生き延びた理由が何なのか。それを知る必要があるためだ。
教えないことに苛立ちを見せるパープルハートをなだめるように、アイエフが次の目的の解決に出る。
「……さて、にらみ合いが続くだけなら、次はこっちの番ね。盗んだものを返してもらうわよ」
「盗んだもの?何のことかな?」
「白々しいわね。あんたがプラネテューヌで盗みを働いている証拠は上がってるのよ」
そう、元々アイエフの目的は、プラネテューヌで盗みを働いた、窃盗犯の身柄の確保であった。その犯人は間違いなく、今ここにいるマジェコンヌ達だろう。だが問い詰めるアイエフに対し、マジェコンヌはとぼける。更にエクスもマジェコンヌに同調して言葉を続ける。
「ハハハッ。貴様もまさか状況証拠だけでしか知らないのではないかな?」
「あんた達……!これ以上言ってもしらばっくれるってなら、強硬手段も辞さないわよ」
「やってみよ。この我とマジェコンヌに対してなぁ!」
エクスがアイエフに対して挑発する。その言葉にアイエフもすぐに乗ってしまう。
「へぇ……。じゃあ、お言葉に甘えさせてもらって……」
「あいちゃん、危ない!」
「ちぃ!アイエフ!離れなさいっ!!」
アイエフの言葉を遮って、何かに気づいたパープルハートと鈴の声が飛ぶ。何が起こったのか、分からなかったアイエフと光樹の声が出る。
「え?」
「何……」
そんな声が呟かれている間に、二人が襲い掛かる2つの影から繰り出された攻撃を受け止め、弾き飛ばした。
まさか、今のは敵!?二人の迎撃により、俺もようやくそれを察知する。慌てて身構えると、既に勇也や絵里奈もその手にANランサーライフルビットとANHXキャノンバスターを構えていた。まさか、2人も察知できてたなんて……。それも俺よりもおっとりな様子を見せる絵里奈が気づくなんて……。
自分が気づくのに遅かったことに驚き、がっかりする。だが、そんな暇はない。パープルハートと鈴が迎撃した影達がマジェコンヌらの元に降り立つ。
「誰っ!?」
「まさか、仲間が?」
パープルハート達の声が響く。もちろん、その襲撃者に対してだ。その姿を確認する光樹達。すると、それは明度の違う紫をメインカラーとする、2機の機動兵器のような者達であった。1人は忍者のような、もう1機は3つの爪を持つ機動兵器達であった。
その姿を見て、アイエフを除いた五人が真っ先に思い出す。プラネテューヌ、果てはゲイムギョウ界を暗躍するという3機のロボットの情報を。その2機は、イストワールの言っていた3機のうち、2機の特徴とそっくりであったのだ。
現れた2機に驚く中、現れた2機はそれぞれマジェコンヌとエクスに対して無事を確かめる。
「マジェコンヌ殿、迎えに上がったで御座る」
「エクス、動けるか」
「忍者か。迎えに来るとは気が利くな」
「騎士よ。タイミングが良いな。褒めて遣わす」
その掛け合いから、どうやら元々マジェコンヌ達を回収しにやって来ていたようだ。ということは、マジェコンヌ達がここにやって来たのは、離れた場所で自身達を彼らに回収されるためにここまで移動したというのが狙いだったようだ。
回収にやって来たことに感謝するマジェコンヌ達であったが、そこでマジェコンヌがあることに考えを変えた。
「だが、ちょうどいい。手伝え」
「……と、言いますと?」
「マジェコンヌ?」
「私とエクスは、この紫色のガキと黒の少年に因縁があってな。血祭りにあげるチャンスなのだ、手伝ってもらおうか」
そう、まだマジェコンヌは戦おうとしているのだ。あれだけのダメージを受けても、未だにこちらに向かってくる。その憎悪にも近い戦意に光樹は引いてしまう。
とはいえ、別に無暗に殺したくないというわけでもない。むしろまだ向かって来てくれるのなら、こちらもここで因縁を断ち切るというのは、今後マジェコンヌによる被害を防ぐという点では重要な選択だ。ここでマジェコンヌの首を取るべきか……。
それを悩む光樹。一方、その話を聞いていた鈴と勇也がこちらだけに聞こえる声で話す。
「……どうやらあっちはまだやる気みたいよ?どうする……?」
「どうするって言ったって……」
「いや、おそらくは来ないだろう。あんな怪我でやる方が頭がおかしい。それを相手も分かって……」
勇也が何かを言いかけるようにして言葉を止める。相手の方の話が動いたからだ。マジェコンヌに対して「忍者」と呼ばれた方のロボットが一瞬考えるように黙ってパープルハートの方を一瞥してから意見する。
「………………マジェコンヌ殿。申し訳ないで御座るが、拙者の主はアフィモウジャス将軍ただ一人。将軍か、あるいは将軍の友人である「大佐」殿以外の者の命令には従えないで御座る」
「ステマックスの言う通り。私も大佐の指示以外は聞けん」
迎えにやって来た2機はそれぞれマジェコンヌの言葉を聞かなかった。おそらく、今の状態では自分達の方が不利だと思ったのだろう。その2機の言葉を尊重するように、エクスも言う。
「二人の言う通りだ、マジェコンヌ。このままなのは口惜しいが、今はこの場から撤退するのが先決。これ以上の戦闘行動は、不可能だ。お前も、我も」
「揃いにそろって……。まぁ、いいだろう」
三人からの説得もあり、マジェコンヌはその考えに賛成する。どうやら、撤退するようだ。だが、それを聞いてパープルハートの視線が細くなる。ネプテューヌには逃がすという考えは毛頭ないようだ。
マジェコンヌが了承したのを聞いて、ステマックスという、忍者が撤退の用意を指示する。
「理解していただけたので御座るなら、退却の準備を。ローゼン殿、二人の回収の準備を」
「分かっている。インコムユニット、射出ッ!」
ステマックスからの指示を請け負い、行動不能近くにまで追い込まれていたマジェコンヌ達を、ローゼンと呼ばれた機体が腕をワイヤーで射出して二人をがっちりとその3本の爪で固定する。そして射出されたワイヤーを巻取り、二人を回収する。
そして、それを確認すると、ステマックスが腰部のポーチ状のユニットから球体の物を取り出すと、それを地面に投げつけた。
「せい!」
地面に叩き付けられた球体は、周囲に白いもやのようなものを噴き出す。それは、煙幕であった。すぐに周囲の視界を奪う。
「煙幕!?」
「これじゃあ視界が悪くて何も見えないわ!」
「まさか、こんな小細工をしてくるだなんて……」
アイエフがその正体に最初に気づく。続きパープルハートや鈴、そして光樹もそれに気づく。生身のパープルハート達は口を塞いでいたが、こちらは全身を装甲で覆っていたため、特に呼吸へのダメージはない。だが、それでも視界を奪われてしまう。
煙を振り払う中、絵里奈が光樹に言う。
「光樹君!シュバルトゼロのウイングで、この霧何とかしてーっ」
「……そうだ、俺の機体、羽があるんだ!」
絵里奈からの指摘で気づく。そう、光樹の機体には、空中機動用のウイングが備え付けられていたのだ。その事を完全に失念していた光樹。そんな光樹に、鈴が呆れる。
「そんなことにも気づいてなかったの!?……まったく、コンビネーション技久々に使ったのに、ますます心配だわ」
「う、うるさい!とにかく、やるぞ!!」
悪態を付ける鈴に、光樹はそう言い返すと、ウイングをはためかせようとした。だが――――
「ほら!貴様らに置き土産のプレゼントだ」
「こいつも味わうといい!!」
「ウィーン」
突如視界から消えたマジェコンヌとエクスの声が聞こえたかと思うと、別の何かの唸る声がする。見ると、そこには巨大な影がぼんやりと浮かぶ。その姿を見て、パープルハートが真っ先に正体を叫ぶ。
「モンスターを召喚した!?」
マジェコンヌとエクスは、足止め役としてモンスター達をその場に出現させたのだ。それも一体ではない。はっきりとは目視できないが、レーダーには約六体もの熱源反応を確認できた。その為、光樹はウイングをはためかせることを見送った。そんなことをしている内に攻撃されると思ったからだ。
モンスターを見送るかのようにマジェコンヌ達がこちらに別れを告げる。
「それでは、今度こそさらばだ。また会おう……と言いたいが貴様らが生きていればの話、だがな」
「とはいえ、これくらいならば黒の少年達でも軽すぎると思うがな。今度会った時はその首、もらい受けよう!」
そう言い残して、敵は逃走する。機体のセンサーからも、熱源が遠ざかるのが見えた。ここは追いかけて確保するべきだろう。しかし、今こちらは視界が奪われている上に、敵にも囲まれている。迂闊に動くのは危険……。
だが、それを顧みず、パープルハートが動いた。
「待ちなさい、マジェコンヌ!」
視界も良く見えない中、逃走するマジェコンヌ達の方へとパープルハートは向かって行く。かなりの無茶である。どこから攻撃が来るのか、機械のレーダーに頼れる光樹達はともかく、いくら常人よりも優れた能力を持っていても、悪意の察知なんてニュータイプ的な能力がない女神が先走るのは危険だ。
そして、その光樹の心配は半分現実となる。
「ネプ子、あぶない!」
アイエフの声が響く。突っ込もうとしていたパープルハートを突き飛ばしたのだ。突き飛ばされたパープルハートの状況を理解できなかった声が漏れる。
「え」
「ウィーン」
モンスターの声が響いた直後、何かを切り裂いた音がする。その直後、すぐに煙幕が晴れていく。霧が晴れてその目で見たのは、地面に倒れこむアイエフの姿であった。
「アイエフ!?」
「っく……!」
攻撃を受けた横腹は服が破け、血が垂れ流されていた。おそらく、アイエフがパープルハートを庇って、攻撃を受けたのだと光樹は考えた。パープルハートの飛ばされた方向と、攻撃したモンスターの位置からいっても、そう考えるのが妥当であった。
そんな様子を、突き飛ばされた本人も見ていた。そこへ更なるモンスターの追撃を防いで倒したのち、すぐに助けたアイエフへと駆け寄る。
「あいちゃん!」
心配そうに駆け寄ると、アイエフは傷を押して、まだ立ち上がろうとする。
「なんの……これしき!ネプ子は、ネプ子は、私が守るんだから!」
しかし、その言葉を振り絞るのが限界だったようで、言い切ったところで再び力を失って倒れる。倒れる時にパープルハートが支えたため、地面に背中が叩き付けられることはなかったが、アイエフの口からは苦悶の声がこぼれる。
「はぁ……はぁ……」
「あいちゃん!わたしを庇ったせいで傷を……」
パープルハートの動揺の声が聞こえる。とにもかくにも、ここは引かなければいけない。すると、勇也がどうしようかと焦りをみせるパープルハートに指示を出す。
「パープルハート、君はアイエフって子を抱えて、離れた場所へ。そこで手当てか、もしくは誰か人を呼ぶんだ。こっちは俺達でなんとかする」
「勇也……。分かったわ」
その言葉を聞いて、すぐにパープルハートはアイエフを抱えてその場から離脱する。離脱する時も勇也と絵里奈がその援護を行い、モンスターの邪魔を防いだ。
二人を離脱させた勇也に、モンスターに意識を向けつつ、言う。
「勇也、助かる」
「本当なら、お前が真っ先に言うことがいつものことなんだがな。それよりも、このモンスターを何とかしない限りはまだ危ないぞ」
勇也の注意を呼び掛ける言葉に、鈴は余裕を見せて答える。
「フン。こんな下級モンスターくらい、楽勝でしょ?」
「だねー。こんなの簡単に……」
鈴に続いて絵里奈も余裕であることを口にする。ところが、状況はそれほど簡単に動くものではないことを、知らされる。
「ウィィー……ヴ」
突然、モンスターの動きがおかしくなる。機械タイプのモンスターであるにも関わらず、何か苦しみだしたのだ。
「何だ、一体……?」
「気をつけなさい。何か、来るわ!」
先程楽観視していた鈴が、一瞬で人が変わったかのように警戒をする。絵里奈も同じように少し体勢を後ろに引きつつ、モンスターの様子に困惑を見せる。
しばらくして、モンスターの色が、一瞬で変わる。その色は銀色の如何にもロボットの装甲の色であったのが、紫色の混じった、邪悪さの混じった物に変わっていた。
「な、何あれー!?」
「色が変わった……。鈴、こいつは……」
勇也もその変化に気づく。そう、イストワールから聞いていた、現在のゲイムギョウ界の脅威。光樹達も戦った、「猛争化」に似た現象だ。
マジェコンヌ達が生み出したモンスターであるためなのかは分からないが、ともかく、これは厄介だ。体力が増加してタフになるだけでも厄介だが、それが五体もいるとなれば、かなりの強敵であるのは確実。早く倒してアイエフを治療するためにも、ここは時間をかけるわけにはいかなかった。
「まさか、猛争化?けど、それくらいなら問題ないわ。光樹、「DAI」は起動出来るわよね?」
「当たり前だ。すぐに変形して……」
鈴からの問いに、光樹はすぐに答える。光樹のガンダム、ゴッドクロス。その最大出力形態である「ダイ」なら、この程度のモンスターならいかに猛争化状態でも止められるはず。そう結論付け、二人はそれを決めたのだ。
だがしかし、そこで問題が起こった。またしてもモンスター達に異変が起こった。それに最初に気づいたのは絵里奈であった。指を指してそれを指摘する。
「ねぇ、またなんかおかしいよー?」
「おかしい?いったい何が……」
それに釣られて、光樹もモンスターの方を向く。すると、今度は機能不全のような動きで四肢をやたらと振り回していた。
「何?動作不良?」
「モンスターだから、それはなさそうだけど……おかしいのは確実だな」
鈴と勇也が警戒する。と、上空からモンスター達に向かって、何かが降り注ぐ。降り注がれるのを見て、すぐに光樹達は後方へと退避する。幸いにも、後方に居た敵は先程の猛争化の段階で横に逸れていたため邪魔されることなく回避できた。
後方に退いて、その状況を見る。それはモンスターに起こるのは初めてな、そして光樹達にとっては当たり前であった光景が広がっていた。
「あれは……AN粒子!?」
思わずその光景に叫ぶ。モンスターに降り注いだもの、それはAN粒子の塊、「ノイズ」の柱であった。光樹がガンダムに変身する時も、同じものが降り注ぎ、その中で変身をしていた。
だが、それを今モンスターが浴びていた。一体何が起こるのか。光樹には予測できなかった。しばらくの間、降り注ぐノイズの柱。すると、それらは一つにまとまっていく。その様子に全員が息を呑む。
そして、ノイズが晴れる。そこにはとんでもないものが目に映っていた。現れた物、それは先程のモンスターよりも大きくなった、加えて武装を満載した、大型の人型機動兵器の姿をしたモンスターがそこにいた。
「なっ……!?」
「お、大きくなっちゃった!!?」
「おいおい……流石にこいつは……!」
「こいつ……あの時と同じように!?武装化したの!?」
四人はその大きさに、その姿に驚愕する。反応は違うものの、同じようにその姿には驚くしかなかったのだ。
そんな四人に対し、凶暴化した上に武装化したモンスターが攻撃を仕掛けてくる。
「グォォォォン!!」
モンスターの唸り声に呼応して背部に新たに装備したユニットから、煙を吐いて円柱状のものを放つ。ミサイルだ。ミサイルによる飽和攻撃が地面に爆発を生じさせる。
「ぐぅ!!」
「こいつ……!!」
攻撃を回避した鈴が、お返しに背部のカノン砲を腕部下に展開して放つ。だが、その攻撃は装甲を開いて放たれた膜のようなもので相殺される。
「あれは、ANフィールド!?」
「ダメ、全然効かないよー」
攻撃の効果がないことに女子の二人が困惑の声を出す。光樹もゴッドクロスの射撃兵装を放っていたが、どれもそのフィールドに相殺されていた。
だが、光樹にも考えがあった。光樹は思い出していたのだ。ANフィールドの弱点を。ANフィールドは「ガンダム00」にあった防御兵装GNフィールドをモデルとした兵装。なら、あれを貫けるのは、粒子圧縮率を越えた攻撃、もしくは実体剣での攻撃なら、あのフィールドを貫けるはずだ。
「なら、格闘戦でいけば!」
光樹はそう意気込んで突撃をしようとする。が、そこにモンスターからのレーザー攻撃が阻む。
「そんなことは分かってるわよ!でもこの弾幕はかなりきついわ……。出来たら真っ先にあたしが行ってる!!」
「だ、だよなぁ……。くそっ!この弾幕が止まればいいんだけど……」
鈴からの返しに思わずたじたじになってしまう。よく考えれば、接近出来れば格闘戦兵装の豊富な鈴達が既に突撃しているはずだ。だがそれを行なっていない。その理由はもちろん、あの弾幕を回避できないから。回避できたうえにあのフィールドを突破できるとしたら、おそらく、光樹のゴッドクロスにしか出来ないだろう。
しかし、そのためには突撃のタイミングが必要であった。いきなり弾幕の中に突っ込んでも光樹では避けきれない気がしたからだ。そこで、光樹は三人に援護を要請する。
「だったら、俺が突っ込む!だから、三人は援護を……」
その言葉を言い切る直前に、四人のレーダーに熱源反応をキャッチする。急な熱源反応に、光樹達は辺りを見回す。
「接近警報!?」
「反応は……あのモンスターからか?」
「で、でも、新しい敵なんて、居ないよー?」
熱源の反応は、ちょうどあのモンスターの位置からだった。だが、目視では新しい存在は確認できない。ならば、何故反応したのか。考える三人。
すると、そこで光樹はある考えにたどり着く。その可能性を光樹は呟く。
「まさか……空から!?」
その声と共に、モンスターに何かが落ちた。落ちたものはモンスターと激突すると、辺りに衝撃波を起こす。風圧が周りの木々を激しく揺らす。
「何だ!?」
「本当に落ちてきた!?」
勇也と鈴がその事実に驚く。気づいた光樹自身も、何がなんだか分からなかった。これほどの衝撃波を起こしたのだ。それ程の機体でもなければ、落ちた側が危ないのに。
しばらくすると、モンスターの悲鳴のようなものが聞こえた。
「ヴァァァァァン!?」
直前に、何かを突き刺したような音が聞こえたので、おそらくはそれによるものであることは分かった。どうやら、落ちた側は大丈夫なようだ。
徐々に落ちた衝撃による土煙が晴れる。そして、モンスターの背中に居たのは、光樹の知る、あの機体であった。
「あれは……!」
紫色の機体に、ブースターのようなウイングユニット。女神のような装甲。加えてその機体が持つのは、ビーム刃の発生したアサルトライフル。間違いなかった。あの機体は……。
武装化したモンスターに突き刺していたビームソードを抜くと、その機体を操る少女の声が発せられる。
「まったく…………。何なのよ、この状況は!!」
パープルプロテクター、それを操る、海鳴海優であった。
TO BE CONNTINUED
今回もお読みいただき、ありがとうございます。はい。マジェコンヌ達は捕まらず、ムッチャ変な敵が現れました!
ジャンヌ「オリジナルモンスター……ということでいいんですよね?」
レイ「元々はガーダー系のモンスターで、それが色々暴走して、今の姿になったんだよね?」
そうです。猛争化したところで、武装化が同時に起こって、同じ個体同士で共鳴して誕生したんですね。機械系モンスターなので、強化するなら合体する感じかなと思い、設定しました。ちなみにモデルはスマブラXのガレオムさんだったり。
ジャンヌ「そ、そうなんですか……。でも、久しぶりに海優さんの登場ですね!」
レイ「この海優ちゃんは、記憶を覚えているのかなっ?」
さて、彼女が現れた理由とは?それはまた次回かな。
ジャンヌ「次回は火曜日に投稿になりますっ」
レイ「それじゃあみんな、また次回ッ!」
レイ「この後は、私達はバトルスピリッツのアニメ最終回を見るね。実は、これでバトスピのアニメは8年の歴史に幕を下ろすんだ!」
長かったなぁ。バトスピのアニメも。途中でやめた時もあったけど、面白かったと思う。特にブレイヴの最終回。
ジャンヌ「藤和木はやはりダンさん世代なんですね」
激覇の最終回も良かったし、バトスピ最終回のランキングでは激覇とブレイヴが来るね。さて、最後のバトル、どんなのになるか!