新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも、皆様、ご機嫌いかがですか?最近は就職活動のおかげで胃が痛い、藤和木弘です。

ジャンヌ「藤和木、緊張し過ぎですって……リラックス、ですよっ?どうも、皆様。ジャンヌ・ドラニエスです」

レイ「履歴書も何回も失敗しているからねー。焦る気持ちも分かるよー。どうも、みんな!レイ・オーバだよっ!」

そんな合間にバトルスピリッツダブルドライブもいよいよ最終決戦になってしまった……そしてやはりバトスピアニメは消えるのね……。少し寂しいね。さて、今回のSSRは第103話を投稿です。

ジャンヌ「ZXといえば、絵里奈さんのガンダムですね」

レイ「必殺技かなっ!?どんなコンビネーションになるんだろう!」

前回の攻撃を、どう耐えたのか?それでは本編へ!!


第103話 ZXオーバーコンビネーション炸裂

 

 爆風が過ぎた後、一人の笑い声が響いた。

 

「アーッハッハッハッハッハ!!やったぞ!!遂にあの忌々しい小娘を倒したぞ!!」

 

 未だ爆煙が立ち込める方を向いての狂喜。それも当然。先程の攻撃を敵対していた存在に防御する暇もなく着弾させたのだから。

 まさか、この攻撃がこんなところで役立つとは……。マジェコンヌは喜びと共に、疑いが晴れたように感じていた。何にしろ、この攻撃は、元々マジェコンヌが考案した攻撃ではなかったからだ。

 元々の攻撃こそ、マジェコンヌの元来の魔法であったが、それにアレンジを加え、完成したのが、先程の魔法攻撃、バーサーク・アーチランサー。その攻撃を考えたのは、自分の主たる存在に力を貸す、「あの男」だ。

 胡散臭いやつではあったが、この攻撃はかなり使える。それも女神を倒す程の威力を持った攻撃。これならば、自身を葬った、あの橙の小娘にも……!

 

「まぁ、あっけないものだな、終わってみれば。さて、後はエクスの奴が……」

 

 残っている敵を任せているエクスの方へと向かおうとする。だがそこで、マジェコンヌはあることに気づいた。それは未だに残る爆煙に異変を確認したからだ。

 爆煙は今になってようやく晴れてきていた。その先にいるのは、攻撃を受け、無様に地に伏せている女神と小娘、そしてガンダム1機。その「はず」であった。だが、煙が晴れた先から見えたのは、そんな光景ではなかった。見えたのは、何やら光を帯びた、水晶のように透き通る物体。

 なぜ、そんなものが?そう疑問に思うマジェコンヌ。そんな疑問は、徐々に見えてくるその全貌が明かされていくにつれ、分かることとなる。

 マジェコンヌが水晶のようだと表現したもの。それは、巨大な剣であった。剣は地面に突き刺さるようになっており、その前面には、先程のバーサークアーチランサーの刺さった後のような傷が出来ていた。

 それは、パープルハートが咄嗟に繰り出したスキル技、「32式エクスブレイド」であった。それも、本来攻撃に使う時の物よりも、遥かに大きい。この攻撃を防ぐために、以前見たアニメを参考に仕様変更して防御に応用したのであった。

 

「な、馬鹿な!?防いだだと!?」

 

 巨大な剣の面による防御にあっけにとられる。だが、それが大きく隙を作ることとなる。突如として、盾となっていた魔力で生成された大剣に横一文字に切れ目が入る。切れ目にそって剣がずり落ちると、剣の向こう側から飛び出してくる存在が一人。

 飛び出してきたのは、機械の装甲を身に纏った少女、絵里奈。そして、絵里奈はその手に巨大なキャノン砲を持っていた。目の前にいる敵を排除するために。

 

「くっ……!突っ込んでくるか」

 

「悪いけど……あなたはここで倒すよ!」

 

 絵里奈による乱撃が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 絵里奈が勢いよく、切れたエクスブレイドの上を飛んでいくのを、パープルハートは見ていた。自身がエクスブレイドの解除をする前に、奇襲するために、と突撃していく絵里奈を。パープルハートはただただ驚く。まさか、ここまで絵里奈が積極的に攻撃をしていくとは。               

一見して、絵里奈は色々とのんびり屋で戦闘時にも少なからずそれが反映されるのではと思っていたのだが、そんな予想を裏切り、絵里奈は隙を逃さなかった。その奇襲は、間違いなくマジェコンヌに焦りを生ませていた。魔女が攻撃をギリギリ受け流していくのが多いのに対し、絵里奈のガンダムの方は両手に装備したキャノン砲で撃ち、時にはその大きさを武器に打撃兵装としても運用する。その戦い様は、少女でありながらも、まるで歴戦の傭兵のような戦い方だ。

 そんな様子を見ているだけでは、こちらも物足りない。まだあいちゃんのリベンジは果たせていないんだから!そんなわたしとあいちゃんはすぐに絵里奈の元に向かう。

 

「絵里奈、手伝うわ」

 

「パープルハート様っ!……うん、行こう!!」

 

「さて、じゃあ一斉に行くわよっ!」

 

 言葉を交わし合うと、3人はマジェコンヌへと突っ込んでいく。この戦いに決着を打つために。

 

 

 

 

 

 

 

 

「小癪な……調子に乗るなよ、小娘!!」

 

 マジェコンヌの憎しみのこもった一撃が、絵里奈に向けて放たれる。だが、絵里奈はそれを軽々と躱す。そして再び振り向くと返しの一発にANミラージュブラスターソードをミラージュブラスターモードに切り替え、腰だめにビームを撃つ。剣よりも大きなビームがマジェコンヌに伸びる。マジェコンヌは何とかそれを魔法障壁で受け止める。

 障壁に当たったため、ビームは着弾と同時に表面で爆発を起こす。爆風が立ち込めるも、そんな中で突っ込んだのは、アイエフであった。

 

「はぁっ!!」

 

「ちぃ!今度は貴様か……!!」

 

 姿勢を低くしてアイエフがマジェコンヌに接近していたのは絵里奈も見えていた。怪我をしていたのも分かっていた。だからこそ、先程も敢えてこちらに目を向けるためにわざわざウイングブースターユニットからノイズドエナジーウイングを展開し、目立っていたのだが、おかげで上手くマジェコンヌの元へ行かせることに成功した。

 絵里奈の見えない支援によりマジェコンヌへと接近したアイエフは、自慢のカタールを振る。初撃はマジェコンヌの杖に阻まれてしまうも、続いて二撃目のカタール攻撃をかける。蹴りも含めた次々と繰り出す攻撃を徐々にマジェコンヌは額に汗を浮かべていく。そして、アイエフの両カタールによる同時斬撃でマジェコンヌのガードを崩す。

 

「しまっ……」

 

「もらった!!「魔王暗翼刃」!!」

 

 その刹那に、アイエフは大技を繰り出した。カタールを後方に振ると、カタールを黒い粒子が覆う。その状態でアイエフは駆け出す。マジェコンヌの懐に潜り込むと、その刹那、左手のカタールでマジェコンヌを切りつける。そのままの勢いで、マジェコンヌの横を切り抜ける……と思われたが、違った。マジェコンヌの横を通り過ぎるわずかな時間にもアイエフは動く。カタールを振った勢いでそのまま回転する。そして両手のカタールで同時にマジェコンヌの体を切りつけたのだ。

 アイエフの2連続攻撃にマジェコンヌが苦しい表情をする。すぐにその傷口を抑える。しかし、そこをこちらは見逃さない。パープルハートが既に攻撃の構えを取って急加速でマジェコンヌの所にまで接近していた。

 

「まだまだ行くわよ!!」

 

「ちぃぃ!!」

 

「せぇい!!」

 

繰り出される刀の一閃を受け止めるが受け止めた時の衝撃でマジェコンヌが表情を崩す。生じた力の緩みを感じ取ったパープルハートはそのまま力任せに振り上げる。痛みの方に気がいったマジェコンヌの力は弱い。勢いよく切り上げると、その杖は勢いよく宙へと飛んでいった。一方のマジェコンヌは杖が打ち上げられたことで回収しようとそれを追いかける。

 

 

 

 

 だが、それを絵里奈は許さなかった。

 

 

 

 

「ターゲット、シュートー!!」

 

 素早くANHXキャノンバスターを向けると、そのまま一泊置くことなく放つ。放たれた弾丸はエディットバスターモードではない。ところがその弾は一直線に杖へと伸び、大きく弾き飛ばした。

 

「なっ……!?」

 

 いきなりの狙撃にあっけにとられるマジェコンヌ。その驚愕は味方であるパープルハートやアイエフにも伝播していた。

 

「すごい……」

 

「あの距離であの早撃ち!?」

 

 2人が驚いた絵里奈の早撃ち。しかしそれに絵里奈は目を向けない。絵里奈の目に映っているのは倒すべき敵だけだ。

 今までのようなのほほんとした表情からは考え付かないほどの思考。だが、口を開けば……。

 

「さー、あっちはコンビネーションを見せてるんだしー、こっちも大技、いっくよぉー!!」

 

いつも通りの絵里奈である。しかしながら、彼女もしっかりとしている部分があるという証拠でもある。しっかりと、光樹達の戦いを戦闘中にも目視していた。あちらが既に仕上げの段階に入っているのを。

 なら、こっちもやるしかないよー。私はこの機体の切り札を使う。脳波による指示をR-ZXことゼクスちゃんが読み取る。

 

『了解です。オーバーインヴォークシステムオンライン。アタックドライブ「ZXオーバーコンビネーション」!』

 

「まずはコロイドを散布っ!!」

 

支援AIのゼクスとの掛け声と同時にR-ZXの機体装甲が開かれる。更に脚部の増加装甲もスライドして展開される。展開された装甲からは青い粒子が散布される。散布される粒子は急激に周囲を覆いつくす。覆いつくされた粒子により周囲の視界が悪くなる。

 

「すごい……霧、と言えば、いいのかしら?」

 

「なんにも見えないじゃない!!」

 

 パープルハートとアイエフはその濃度の濃さに困る。だが、これこそが絵里奈のアタックドライブ……劣化ノイズフォースビックバンの攻撃法なのだから。

 

「二人共、迷惑かけるけど、すぐに終わるからねー」

 

 2人にそう声をかけて、絵里奈は攻撃を開始する。ANHXウイングスラスターを吹かせて滑空する。滑空状態のまま、ANHXキャノンバスターを通常射撃のキャノンモードで砲撃を開始する。この視界の悪さでは絵里奈は相手を見えないように思えるが、それは間違いである。絵里奈の方は機体が散布したミラージュコロイド粒子を通して敵の位置を把握しており、確実にマジェコンヌへの攻撃を行っていた。

 見えない視界からの攻撃に対しマジェコンヌは手を焼く様子を見せていた。散布されたコロイド粒子により見えない場所から正確な攻撃が襲い来るのは厄介や恐怖といったもの以外の何物でもない。

 加えて、この粒子は絵里奈のガンダムの特殊能力、ミラージュガストレイドコロイドシステムによるもの。この特殊粒子により、絵里奈のガンダムはステルス状態となっている。粒子を散布することで相手の視界を悪くし、こちらは身を隠す上に相手の場所が丸わかりという、圧倒的に絵里奈が有利な状況へと変えたのだ。

 だが、それはあくまでアタックドライブの準備段階のことだ。そのまま絵里奈はキャノンによる飽和攻撃を行う。

次々と行われる正確無比な精密砲撃に晒されるマジェコンヌ。だが、そこで更に絵里奈は攻撃の方法を変更する。ANHXキャノンバスターをANHXウイングスラスターの側面に装備すると、再び腕部を突き出す。突き出された腕部から、次に繰り出されたのは、紫色のエネルギー物体だ。

 その攻撃は両腕部に取り付けられたANPXアームズギアから放たれた、ノイズドエナジー結晶を手裏剣状に加工した攻撃であった。腕部のスロット口から次々と攻撃が放たれる。

 攻撃が変わったことで、マジェコンヌの方も混乱が発生していた。

 

「くっ……今度は小物を繰り出してくるか!っ!!」

 

 連射される弾幕のような手裏剣はマジェコンヌの体を次々と切り裂いていく。傷は浅いながらも、その刃は鋭く、マジェコンヌにダメージを与えていく。

 ある程度撃ちまくった後、絵里奈は続けてANPXアームズの表面を開く。開いた中から今度はノイズドエナジー結晶で形成された苦無が排出される。ANノイズドエナジークナイをその手に取ると、そのクナイに電気が走る。

 R-ZXの特殊能力、エレメントシフト。機体の攻撃に風・火・水・闇・無のエネルギーを纏わせ、属性に応じた付加攻撃で敵にダメージを与える機能である。元々はMP・NPの中でもSSRシリーズの特殊機能として知られていたが、鈴達のガンダム「Rシリーズ」からはMPも運用できるように改良された機能である。

 今回絵里奈が使用した属性は風。だが、属性の掛け合わせ……今回は火と風を掛け合わせたため、属性合成により雷属性を纏ったのである。

 電気を帯びたクナイをコロイド粒子が覆う中に投げ込む。その先には、もちろんマジェコンヌがいた。死角から投げられたクナイにマジェコンヌは対応しきれず、右肩近くに刺さる。

 と、同時にマジェコンヌの体を電撃が走った。

 

「ぐぉぉっ!?電撃攻撃とは生意気な……!!」

 

 クナイに刺されたマジェコンヌはクナイから流れる電撃のせいで体を動かすことが困難になる。そう、雷属性攻撃の影響、「スタン」だ。敵の神経系、もしくは電子機器にダメージを与える攻撃。その効果をマジェコンヌは受けてしまった。

 絵里奈もそのことは機体の解析映像から分かっていた。これこそ、こちらの願っていた状況である。スタンが効いたのなら、次の攻撃に繋げられる。なら、行くしかない。一気に絵里奈はマジェコンヌとの距離を詰める。十分な距離まで接近すると、ANHXウイングスラスターの上部カバーが開く。開いた中には、小さな槍のようなものが搭載されていた。それが目の前に射出される。射出された槍は、一瞬のうちに伸長し、本来の姿へと変形する。

ANLXハルバード。この機体の武装シリーズ「Xウエポン」の系列の兵装だ。戦斧へと変形した武器を手に、絵里奈はマジェコンヌに振るう。下から振り上げる斧がマジェコンヌに迫る。

 

「っ!?!?馬鹿な、そこから!?」

 

 姿を見ることが出来なかったマジェコンヌは攻撃を受けつつも驚愕を叫ぶ。だが、それでも絵里奈は攻撃を続ける。こちらはミラージュコロイド粒子のおかげで敵からの視認は至近距離でも攻撃を振るわないとそれを察知できない。実際、マジェコンヌもそうであった。

 どこから来るかもしれない攻撃を絵里奈は繰り出していく。横薙ぎに振るい、大振りをかまし、突きを繰り出す。そして、攻撃が来れば、ANHXスラスターを急噴射して場所を巧みに変える。

 拘束乱舞を繰り出したのち、一旦下がる。だが、その途中でも攻撃は続ける。ハルバードに代わり、今度は主兵装「ANZXアームズ」をZXバスターモードに切り替えて放つ。連射される弾丸はマジェコンヌに襲いかかり、貫いていく。

 地面に滑りながらの着地を行い、止まるとその地面を蹴って再接近する。その手にはセイバーモードに切り替えられたANZXセイバーが握られていた。

 

「これで、決めるっ!!!」

 

 前方にクロスして構える。そして、そのまま切り裂くように振るった。

 

 

 

 

「てぇーいっ!!」

 

 

 

 

ザンッ!

 

 

 

 

 クロスするように刻まれたXの傷跡。マジェコンヌは傷口を抑えて倒れる。

 大丈夫。あの傷は熱で付いた物。だから、本当には斬れてないよ。でも、痛みはあるけどね。そう心の中で言いながら、私はマジェコンヌに向き直る。

 向き直ったタイミングで、散布していたコロイド粒子が途切れる。徐々に視界が晴れ、同じように霧の中にいたパープルハートやアイエフの姿を確認する。霧が晴れたことで状況を確認したアイエフ達が、その状況に驚きを見せる。

 

「嘘でしょ!?あのオバサンをあそこまでやったの……!?」

 

「あの視界の悪い中で……よくもまぁ、あれだけのダメージを……」

 

かなり茫然としているようだ。あれだけ視界が悪かったにも関わらず、敵に的確にダメージを与えたことに対して、だ。あの中で行動できるタネが分からなければ無理はないことだ。

 マジェコンヌが動けなくなったところに、横合いから物体がよろよろと浮遊してくる。それは光樹と戦っていた、エクスであった。

 うん、これで終わりだよね。私は目で見てその事を理解する。どちらもあのダメージなら、あの二人だけで逃げ切るのは難しそう。

 絵里奈はそのように判断すると、パープルハートの方へと大きく回って合流した。

 

 

TO BE CONNTINUED

 




今回もお読みいただき、ありがとうございます。マジェコンヌにも大ダメージを与えて、ネプテューヌ側が勝利しました!

レイ「でも、すごいねっ!絵里奈ちゃん、あんな中で行動できるなんて!」

ジャンヌ「機体のシステムによるものとはいえ、所々でとんでもない腕を見せてますね。高速狙撃だったり」

まぁ、絵里奈さんはステルス戦・狙撃特化ガンダムのアズールシリーズの初代マスターだからね。あのしゃべり方からは想像できないくらい、狙撃戦では恐ろしいですよ。

ジャンヌ「以前話した時からは、全然感じられませんでしたから、余計驚きますよ。これであとはマジェコンヌとエクスの確保だけですね」

レイ「でも、簡単に捕まるのかなぁ?」

さて、レイさんの不安が現実になるのか?次回に続きます。

レイ「次の投稿は水曜日だよーっ!」

ジャンヌ「それでは皆様、次回もよろしくお願いいたしますっ」

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