新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも、皆様、ご機嫌いかがですか。たまに約束を破る、藤和木弘です。

ジャンヌ「でも、今回の約束破りは、皆様としては嬉しいのではないでしょうか。どうも、皆様。ジャンヌ・ドラニエスです」

レイ「土曜日に投稿すると言ったよね。あれは嘘だよ!どうも、みんな!レイ・オーバだよっ!」

「あれは嘘だ」のセリフ、オリジナルの意味では、今回の状況とは違いますけどね(うろ覚え)。さて、Twitterで見ていた方は知っての通り、ストックに余裕が出て来たので、今回1日前倒しで投稿しますっ。今回は第102話の投稿です。

ジャンヌ「前回のあとがきでは触れていませんでしたが、今は光樹さんがピンチでしたね」

レイ「光樹君、どうやってこの危機を乗り越えるのかな?」

さて、それでは本編へ!


第102話 少しの記憶、久々のコンビネーション

 

 目の前に迫る危機に、光樹は諦めを感じていた。既に敵のビームサーベルはこちらの首筋を捉えている。頭を飛ばされれば、いくら電子化で痛みが少ないとはいえ、かなり痛むはずだ。それに加えて、メインカメラを失ってサブカメラに切り替える間にこちらのコアを狙われてやられる。

 ならば回避か。だが、回避するにもここから回避するには首を傾けるしかないだろうが、ロボットの首を曲げても人体ほどの可動域はない。曲げれたとしても誤差程度であり、回避しても甚大な被害は免れない。確実にどこかがダメージを受ける。

 それでも光樹は諦めることは許されなかった。諦めれば、絵里奈や鈴が泣くかもしれない(鈴は本当にどうかは分からないが)。なら、生き延びることを考えなくてはならない。

 ただひたすらにウイングへの緊急機動を命令する。それでもZEROシステムの予測では間に合わない。

 

(もう、間に合わないのか……?)

 

 そんな言葉が心の中で過ぎった。その動きがシュバルトゼロの動きを止める。

 

「消えよ、黒の少年ッ!!!!」

 

 エクスの声が響く。サーベルが、ゴッドクロスの首筋に伸びた――――――

 

 

 

 

 その時だった。脳内に一瞬でビジョンが流れる。

 

(なん……!?)

 

 一瞬の出来事に光樹は混乱する。が、それが光樹の考えを変える。そうだ。回避が出来ないのなら、「防げ」ばいい。その答えにたどり着く。なら、どうすればいいか。この武器を装備する間にも攻撃されるような状況で。今までの光樹なら届かなかったであろう方法。それを、光樹は行った。

 

 

 

 

『ANクロスビームボウガンⅣ、抜刀』

 

 

 

 

 ゼロの声が響き、ビームサーベルの火花が散る音が鳴る。鈴と勇也はその瞬間を目撃していた。そう、エクスのビームサーベルが、光樹の首筋を…………ギリギリ外しているのを。そして光樹のゴッドクロスが、腕部のユニットから発したビームソードでビームサーベルの軌道を逸らしていたのを。

 

「ナイスよ、光樹!!」

 

「相変わらず、見事なカウンター術だ!」

 

 鈴は目の前の攻撃から目を離して称賛する。勇也もまた同じように褒める。勇也の言葉から、それは普段の光樹にとっては当たり前の防御手段であったようだ。

 それに対して突きを放ったエクスは動揺を見せていた。

 

「馬鹿な……この距離で防がれただと!?」

 

「エクス……悪いな。俺もまだ、こんなところじゃ、終われない!!「彼女の願い」を果たすまで、はな!!」

 

 光樹はそう言い放った。今もなお流れ込んでくる記憶の影響もあり、普段とは違った声のテンションと口調で。そのまま腕部端末に出力されたビームソードを機体の腕の力だけで弾き飛ばす。そのテンションの変わり様は大きく、つい夢の橙の女神についても、意識しない内に言うほどであった。

 弾き飛ばされたエクスは機体の制御に手を取られていた。その隙を、光樹が攻める。左手に残っていたANロング・メガ・マグナムを構えエクスに向かって連続して放つ。放たれた攻撃は最初こそエクスに避けられていたが、徐々に掠めていき、遂に敵の本体に着弾する。

 

「ぐぅあ!?」

 

「今だ!!」

 

 好機と見た光樹は、ゴッドクロスを突撃させる。突撃中も左手のANロング・メガ・マグナム、そして右腕部のANクロスビームボウガンを放って敵を逃さない。自身の危機を感じたエクスは、鈴と勇也に放っていたアイオスファンネル戻して光樹への迎撃に当てる。

 増した弾幕に、光樹は少し手間取る。だが、手間取る程度だ。何せ、相手がファンネルを戻したことで、こちらには鈴と勇也がこちらに戻って来ていたのだから。弾幕を避けつつ接近してきた勇也がこちらに指示を要求する。

 

「助かったぜ、光樹。で、どうする?」

 

「相手の弾幕が多い。こっちも同時に迎撃するか、ドラグーンを使うか……でも」

 

「でも?」

 

 鈴が聞き返す。その先が気になったためだろう。そこで光樹は、鈴達が驚く一言を言い放つ。

 

「でも、これくらい、コンビネーションR-3αで対応出来る……だろ?」

 

「!!」

 

「その名前は……!!」

 

 「コンビネーションR-3α」。それは、光樹・鈴・勇也が行う、コンビネーション戦術であった。本来なら今の光樹が知っているはずのない攻撃方法だったが、先程の記憶のフラッシュバックで光樹は思い出していた。その為光樹の口からその名前が出て来たのだ。

 そのことに驚きつつも、意図を理解した二人は頷いた。

 

「……分かったわ。でも、ミスはしないでよ?アンタがミスしたら、あたし達が危ないんだから」

 

「あぁ、分かってる」

 

「じゃあ、突撃してくるぜ。援護頼むぞ?」

 

 声をかけ合い、鈴と勇也が二手に分かれて弾幕を張ってくるエクスに突っ込んでいく。その後を追うように光樹も機体を飛行させる。先行する二人に、ビームの弾丸が迫っていくと、光樹は両腕部のANクロスビームボウガンを展開する。ボウガンモードに変形したユニットからビームの矢が連続して放たれる。飛んでゆくビームの矢はカーテンのように二人の前を流れて飛んでいく。ビームは一見乱射しているように見えたが、実際は違う。確かに弾幕に対する弾幕であり、ある程度は適当だが、ビームのカーテンをすり抜け、襲ってくるビームに対しては中央部のブレード発振口から発射するビームで狙い落としていた。

 ビームのカーテンにより先行する二人は守られた。では光樹自身はどうなっているのか。それはいたって簡単な答えで、前方にANシェイブシフトドラグーンのシールドモードを張って弾を防いでいた(透明化も行なっている)。攻撃の防御をゼロの操るドラグーンに任せつつ、光樹は鈴と勇也の防御を担当する。そして、一定の距離まで近づいたところで、動きを変える。

 突如二人が更に上空へとスラスターを噴射して飛び上がる。飛び上がった二人に、エクスが注意を向けた。

 

「おのれ、上空からの攻撃などと……!ファンネルッ!!」

 

 宙に静止して地上を狙っていたファンネルを飛び上がった二人に向ける。飛び上がった二人の機体は元々地上戦特化の機体。空中での回避性能はあまりない。今攻撃されれば二人が危険だ。

 だが、この瞬間をこちらも待っていた。ドラグーンの注意があちらに向くのを。二人を狙うエクスに対し、光樹はエクスに向け、「オーディン」を放つ。

 

「ドライブモード始動!「オーディン」、てぇーーーー!!」

 

「くっ!?このタイミングでだと!?」

 

 いきなりの大出力ビームによる攻撃がエクスを襲う。だが、当然エクスもただ見るだけではない。すぐに後方へと飛び上がってビームを回避する。それでもエクスの足先を飲み込み、ファンネルも数機巻き込んで爆発を起こす。

 脚部の爆発により下半身のバランスを失うエクスに、飛び上がった鈴と勇也が追撃をかける。勇也がバックパック左に装備するコンテナを開いて展開したANビームショットキャノンでファンネルを撃ち落し、ビーストモードに体勢変形した鈴が爆風を突っ切ってEXAフェースの姿をしたガンダムに襲い掛かる。

 

「グッ!鈴の少女……」

 

「遅いっ!!」

 

 攻撃を防ごうとするエクスだったが、遅かった。瞬間的にトランザムシステムを起動した鈴のグレイガが速度を増して一閃する。振るったANビームメイカーのトンファーモードでエクスの左肩に装備されていたブラスターカノンのような武装を真ん中から切り裂き、使い物にならなくする。

 エクスはすぐに使用不可となったキャノン砲を切り離す。切り離されたキャノン砲はスパークを帯びて破壊された。しかし、暇を与えるわけにはいかない。既に光樹はウイングの出力を上げ、エクスのすぐ近くまで接近していた。

 

「っ!!今度は黒の少年か……ッ!!」

 

「ゼロ!このまま……切り裂く!!」

 

 厄介そうに光樹のことを呼ぶエクスに、光樹はANクロスビームボウガンⅣのソードブレイカーモードを起動させる。盾状のユニットから高出力のビームソードが発生する。

 防御態勢に入るエクス。だが先の鈴のガンダムの攻撃により初動が遅れる。それにより防御するよりも先に光樹の攻撃が通る。ビームソードによる斬撃がエクスの体を切り裂く。それも一度ではない二度三度と、連続して切り裂いていく。

 一度攻撃の手を緩めると、光樹は後方に下がる。代わりに勇也のR-ZEROがコンテナユニットからワイヤー上の武器を放つ。放たれたワイヤーは先程切り裂いた装甲の隙間に刺さると、電流をエクスの体に浴びせる。

 

「ぐがぁぁぁぁ!?これは……電気攻撃……ッ!?」

 

「御名答。ANエグナーウィップⅤだ。こいつは痺れるぜ?」

 

 勇也がエクスの問いに得意げに答える。「ガンダム00」にも出て来た対パイロット・電子機器兵装は機械であるエクスには強烈にダメージを与えていた。

 勇也が拘束している間に、鈴が無駄なく次の工程を開始していた。サイドアーマーに装備していたユニットを分離させる。分離したユニットは宙を自由自在に飛行し、エクスの周りで静止する。

 

「さて、キツイの行くわよ……!」

 

 鈴が手を前にかざす。そして、勇也と光信号でコンタクトを交わすと、勇也が放っていたANエグナーウィップⅤをエクスから引きはがす。そのタイミングを見計らって、鈴は浮遊させたユニットに指示を出す。

 

「ANインパクトブレイカーユニット、バーストウォール、アクティベート!!」

 

 その叫び声に呼応して二つのユニットから視認可能なエネルギーフィールドが生成される。生成されたフィールドは一瞬で膨張し、ちょうどエクスを両フィールドで抑え込むような状態を作り上げる。

 そのフィールドに押しつぶされる形となったエクスは動けないことに苛立ちを叫ぶ。

 

「ぐぅぅ!!この程度のフィールドでぇ、我を止められるものかぁ!!」

 

 その言葉が正しいかのように、エクスは徐々にその両腕でフィールドを押し返す。だが、先程の電撃のせいでその体は未だにスパークが散り、電撃が走る度にフィールドに再び押しつぶされていく。

 この攻撃により、完全に敵の動きが止まった。それこそが、こちらの狙いだ。最後の仕上げにかかる。光樹はANデストロイイーターⅡを、鈴はANブレイク・スライサーⅡを、そして勇也はバックパック右側のANエクサランスアームズⅡを攻撃の体勢で構える。

 一瞬の溜めのあと、遂に機は訪れる。エクスを縛り付けていたインパクトブレイカーモードのユニットから、エネルギーフィールドが解除される。これにより、ようやくエクスは解放されることとなる。だが、決して隙を与える為ではない。こちらが、一斉攻撃を行うために、だ。

 フィールドが解除された瞬間、光樹を含めた三人は一斉に攻撃を行う。

 

「これで、決める!!」

 

「避けられないわよね!」

 

「始まりの三人の一撃、受けてみろ!!」

 

 勇也がエクスの左腕部を切断、鈴は右肩部をウイングごと思い切り脚部を蹴り上げ、スライサーで本体から両断。最後に光樹のゴッドクロスがANデストロイイーターⅡを横薙ぎに切り抜ける。両腕を斬り飛ばし、敵腹部の装甲に左半分の切断跡を残す。切断面からは、機械のスパークと多量のAN粒子が血のように噴き出していた。

 攻撃をし終えた光樹達は、地面を滑りつつエクスに向き直る。攻撃を受けたエクスに向かって光樹が呟く。

 

 

 

 

「これが、俺達の新たなる始まりだ……」

 

 

 

 

 光樹が言い終わると同時に、エクスを爆発の炎が飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、マジェコンヌとの戦いを演じていたパープルハート達。絵里奈達がマジェコンヌの攻撃を迎撃、およびマジェコンヌへの牽制を行いつつ、パープルハートを送り出す。パープルハートの上段からの渾身の一撃は、すんでの所でマジェコンヌが左手に発生せた魔法の障壁で受け止められる形となった。

 攻撃を受け止められたことで、パープルハートはその場に留まる。そのまま押し切ることを選んだからだ。その考えを見通したマジェコンヌは逆の手に持っていた杖を空に掲げる。すると、上空に長大な棒のような魔力の塊が生成される。その魔力の塊は、先端が鋭く、まるで槍のような形状を生成していた。

 

「えぇい!!このまま貫かれよ!!」

 

 マジェコンヌのその言葉で、絵里奈は危機感を感じた。あの槍がそのまま降ってくれば、パープルハートことネプテューヌはただでは済まない、と。すぐに絵里奈はR-ZXのスラスターを全開にする。加速している状態で右手に構えていたANHXキャノンバスターを前に向ける。すぐにモードをエディットバスターモードに切り替える。

 エディットバスターとは、ANHXキャノンバスターの持つ射撃モードの1つである。その特徴は、脳波コントロールによる、ビーム弾の遠距離精密誘導弾を放つこと。原理としてはマスターの空間認識能力によるイメージに沿って、砲身から放たれたビームの余剰エネルギー波を制御することでビームを自由自在に制御することが出来るのである。

 敵の魔力槍が放たれると同時に、絵里奈はANFXキャノンバスターを放つ。放たれた弾丸はそのまま真っ直ぐと砲身の延長線上の真空を貫いていく。しかし、若干こちらのビームの方がスピードが速い。このままでは先にビームが通り過ぎることになる。当然、絵里奈もそれを分かっていた。そこで、ビーム弾の動きが変わる。

 直進していた弾丸が、突如上方向に壁に弾かれたように軌道を変更する。それによりビームの到達点がずれる。しかし、それでもまだ誤差が出る。すると今度は下方向に対し、軌道が若干変わる。再びビームの弾丸に干渉したのだ。

 二度の軌道変更を行ったビームはパープルハートに向かって落下する魔力の槍に目がけて着弾し、爆発する。魔力槍によるものか、それともビームによる爆発か。それは分からなかったが、ともかくこれでパープルハートを守ることが出来た。邪魔をされたマジェコンヌは苛立ちを露わにする。

 

「馬鹿な!?あれを撃ち落されただと!?小癪な……!」

 

「絵里奈ね、援護ありがとう。……せぇい!!」

 

 援護をした絵里奈に対しパープルハートが礼を口にしつつ、攻撃を撃ち落されたことに気が向いていたマジェコンヌを魔力壁ごと押し返す。力が緩んだマジェコンヌを押し返すのは簡単で、機械刀の一振りでマジェコンヌは大きく弾かれる。しかし、マジェコンヌも反撃に転じる。地面に足を着け、勢いを殺しながら杖を振って魔法を放つ。

 

「この……喰らうがいい!!」

 

「くぅ!!マズイ……」

 

 突発的に放たれた攻撃にパープルハートは防御態勢を取る。腕のプロセッサユニットを盾代わりにして防御するも面積が少なく、本体の部分にも爆風が起こるのが見えた。

 

「ネプテューヌちゃん!!」

 

 絵里奈はすぐに無事を聞いた。その問い掛けに攻撃を受けて後方に下がってきたパープルハートが答える。

 

「……えぇ、大丈夫よ」

 

「よかったぁー……」

 

 パープルハートからの答えに絵里奈は安堵する。本来こんな戦闘状況で安堵をすれば危険だが、絵里奈にとってはこの世界の重要人物に何かあれば、と思うと、心配せずにはいられなかったのだ。他にも、今のマジェコンヌに対し、それ程危機感を感じなかったという、いわゆる余裕を感じたためでもあったのだが。

 だが、安心している間にマジェコンヌは攻撃を行なおうとする。杖を地面に突き立てる動作をすると、魔方陣がその先に生成される。大出量を持つ魔力攻撃の動作だ。絵里奈もパープルハートもその攻撃に気づく。すぐにその場から退避しようとするが、その必要はなかった。

 その魔方陣に重なる様に、新たな魔方陣が生成される。だがしかし、その魔方陣の色はマジェコンヌが今まで発生させた魔方陣の色である禍々しい黒や紫色ではなく、全く正反対の印象を与える白色の魔方陣である。

 それに何より、その魔方陣に気づいたマジェコンヌがいきなり発生した白の魔方陣を見て、驚愕していた。その反応から、マジェコンヌが発生させたものではないことを察した。マジェコンヌはすぐにその場を離れようと後方へと退くが、発生した白の魔方陣は思った以上に大きかった。大範囲に展開された魔法の円陣はマジェコンヌが範囲内から退避する前に光を放った。放たれた光は、神々しく輝きを放ってマジェコンヌに襲い掛かる。光の奔流に巻き込まれ、マジェコンヌは体の至る所にダメージを負う。

 

「よし、上手くいったわ!」

 

「アイエフちゃん!?ナイス追撃ー!!」

 

 先程の攻撃はアイエフの攻撃によるものであった。先程パープルハートの攻撃を支援したっきり、しばらく見なかったが魔法攻撃を行うための準備をしていたようだ。かなり時間のいる魔法だったらしく、その発動タイミングが、たまたま今さっきの瞬間。しかしながら、攻撃のタイミングはこれ以上ないグッドタイミングであった。

 この隙を逃さない手はない。既にパープルハートが攻めに入っていた。

 

「あいちゃんの作ってくれた隙、逃さないっ!!」

 

 腰溜めに機械刀を構えて突撃する。先程の攻撃を受けてマジェコンヌは動けていなかった。どうやらかなりダメージを受けたようだ。攻撃の出来るレンジまで近づいたパープルハートは武器で切りかかる。

 

「クリティカルエッジ!!」

 

 振り下ろしの後、斬り上げを行う。生身の女性の腕ながらも、その力強い一撃でマジェコンヌの体が宙に飛ぶ。

宙に舞うマジェコンヌ。それを追うようにパープルハートが飛ぶ。それに便乗し、絵里奈もANHXウイングスラスターを吹かせる。丁度マジェコンヌと同じ高さに到達すると、二人は攻撃態勢を取る。パープルハートは機械刀を両手で持ち、絵里奈はR-ZXのANZXアームズのZXセイバーモードを両手に装備する。

 そして、一気に振り下ろす。

 

「せぇい!!」

 

「くっらえー!!」

 

 息の合った同時攻撃で、マジェコンヌの腹を叩き付ける。剣の一閃による傷が3つ、マジェコンヌの腹部に刻まれつつ、その体が急降下する。叩き落とされたマジェコンヌの体は、地面に激突すると地表を割る。かなりの力で叩き付けられたのが見て取れる。

 流石に、これは勝ったんじゃないかな?そう思った私は頭部ユニットの中で笑みを浮かべる。このオバサン、別の次元で会った時もかなりしぶとかったけど、この連携攻撃なら、たぶん大丈夫でしょ。

 余裕を見せる絵里奈に、パープルハートも同じように終わったようなことを呟く。

 

「さて、これならしばらくは大丈夫でしょ……う!?」

 

 が、途中でその言葉に驚愕が混じる。何があったのかと、その方向を向くと、そこには切り裂いた部分から紫色の血のようなものを流す、魔女の姿がそこにあった。

 

「う、ウッソー!?ま、まだ生きてるのー……!?」

 

 絵里奈は思わず驚きを露わにする。が、そんな言葉は届いていないかのように、マジェコンヌは傷口を抑えつつ、ゆっくりと空中に浮遊しなおし、憎しみを込めて声を発する。

 

「こ、この程度……まだ終わらぬわ!!」

 

 そんな叫びと同時に、急速に前面を魔方陣が覆いつくす。その量はかなりのもので、確実にこちらの動ける範囲までを制圧するかのような多さであった。

 

「い、いきなりこんな大魔法を!?」

 

「まずい!!みんなわたしに集まって!!」

 

 アイエフが危機を感じ、パープルハートが上空に手をかざして集合を叫ぶ。そんな一瞬のうちに、攻撃は放たれた。

 

 

 

 

「バーサーク・アーチランサー!!」

 

 

 

 

 マジェコンヌの号令と共に、魔方陣から大多数の槍とも矢とも見える攻撃を放つ。攻撃が放たれ、一瞬で土煙と突風が盛大に引きおこる。と同時に轟音が周囲に響き、風圧をより一層強くする。それが数秒の間、続いた。

 そして、魔力弾の斉射が終わると、辺りは静寂に包まれた。

 

 

TO BE CONNTINUED

 




今回もお読みいただき、ありがとうございます。さて、光樹君達がコンビネーションを見せてくれました!

レイ「必殺技って感じがしていいね!やっぱりガンダムには、連携攻撃の方が見栄えいいよねっ」

ジャンヌ「はいっ♡レイさんの言う通りですっ!でも、鈴さんと光樹さん、あれだけ喧嘩していたのに、よく合わせられましたよね。光樹さんだって本調子というわけではないというのに」

光樹君も、三人との再会で戦闘の感だけじゃなく、自分らしさを取り戻している、ということでしょう!

レイ「だねっ。それで、ネプテューヌちゃんの方だけど、あの攻撃すっごいね。マジェコンヌが終わりがけに放ったあの魔法攻撃」

ジャンヌ「……気のせいでしょうか。似たような攻撃をアニメで見た気が……」

やけに金ぴかな王様お兄さんの攻撃なんか真似してませんよ~(笑)

ジャンヌ「……とりあえず、何も言いませんからね?」

ま、まぁ原理は別だけど、似てはいることは認めよう。ギルなんとかさんってサーヴァントの攻撃に似ているというのは!

レイ「あ、あはは……。うん、これでもう終わりかなっ?」

ですね。次回予告に行きましょう。

レイ「次回は木曜日に投稿予定だよー!」

ジャンヌ「それでは皆様、また次回にお会いいたしましょう」

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