新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
ジャンヌ「他にも、様々な本を読んでいますよね。どうも、皆様。藤和木の就職関連のお手伝いをしている、ジャンヌ・ドラニエスです」
レイ「後々、色んな昔の物整理していたりするよねー。どうも、みんな!最近エアコンが直って、元のあったかい部屋で過ごしてるよ、レイ・オーバだよっ!」
マジであの時は寒かったですよ……。小説書いている時も指がかじかみますし。打ち間違いが多くなってたし。
ジャンヌ「本当に大変でしたよね……。アシスタントのわたくし達ももうすぐ春だというのに寒さに凍えてました」
さて、そんな話は置いておいて、今回は第100話の投稿です!
レイ「100話かぁ。黒の館含めるとそれ以上だよね」
ジャンヌ「そうですねっ。以前計100話目の時にも、そんなこと言ってましたね」
さて、タイトルのオバサンとは、あの方なのか?では本編へ!!
光樹達が演習のためにドームへと向かったころ、ネプテューヌはとあるダンジョンへと足を踏み入れていた。そこは、「サクラナミキ」という、文字通り桜が多く咲き誇るダンジョンだ。
なぜ、こんなところに来ているかというとそれはネプテューヌの視線の先にいる少女が関係している。その少女とは、他ならないネプテューヌの親友、アイエフだ。
光樹達と結果的に別れた後、すぐにネプテューヌは街の中でアイエフを探した。すると、すぐにアイエフは見つかった。
イストワールからの仕事の依頼をパパッと終わらせるためにも、ネプテューヌはアイエフに事件の調査を手伝うと言った。だが、それをアイエフは断った。危ないからという理由でだ。そしてきつく自分に付いてくるなと釘を刺し、アイエフはまたどこかへと聞き込みをしに行った。
分かってる。あいちゃんが今はわたしのことを分からないのは。目を合わせても自分の事を「ネプ子」と呼んでくれない。今はまさに赤の他人のような状態だ。だけど、それでもあいちゃんを助けたい。友達が困っているのを放っておけない。それにどれくらいかいれば、きっとあいちゃんもわたしのことを思い出してくれるはず。
そう考えたネプテューヌは、すぐにその後を追って行った。そして、情報を手に入れたアイエフが向かった先がこのサクラナミキ。今もネプテューヌはアイエフを尾行していたのだ。
ストーカーって思うかもしれないけど、これは違うよ?あいちゃんを守るために、見守っているんだよ!そう考えつつも、周りの岩陰に隠れ、耳を立てて独り言になっている呟きを聴く。
「ここが秘密結社の構成員が潜伏しているダンジョンね。見た感じ、怪しげな場所はなさそうだけど……まぁ、いいわ。とにかく調べてみましょ」
ダンジョンの様子を見て、罠がないかどうかを確かめたのち、アイエフは調査を始めようと足を進めかける。
だが、不意に足を止める。その行動に、慌てて岩陰から出そうになった体をひっこめる。これはある意味見つかったらダメなスニーキングゲームだ。行動には注意を払わなくてはならない。
アイエフはいきなりなぜ足を止めたのか。そして、辺りを見回しているのか。気になりつつもNギアの液晶画面でネプテューヌはアイエフの様子を確認する。
「……」
何やら怪しんだ様子である。だが、しばらくして再び足を進める方向に顔を戻すと、心配事を呟いた。
「……妙に嫌な予感がするんだけど、まさか、あのネプテューヌって子、つけて来てないわよね……?」
それはネプテューヌが自分の後を付けているかもしれないという心配であった。ネプテューヌの本来の姿を知らないアイエフとしては、民間人でしかない彼女が危険な所に首を突っ込まないか心配だったのだ。
おぉ……まさか、こんなところであいちゃんに気取られるなんて……流石あいちゃん!って言いたいところだけど、出来れば今は気づいて欲しくない。わたしがあいちゃんのピンチに颯爽と登場する!って感じの展開を求めてる今は、とにかく気づかないことを願うしかない!
木陰に何とか身を隠すネプテューヌ。気づいて欲しくないという願いが届いたのか、アイエフは再びダンジョンの方に目を向け、気のせいだと呟く。
「さすがにこれは私の考え過ぎよね」
そう自分に言い聞かせて、アイエフはダンジョンへと入っていく。そんな様子を見届け、十分な距離を取ったところで、木陰から出て、満足そうにその後ろ姿に言い放った。
「ところが、ぎっちょん!」
光樹がいれば、間違いなく反応する言葉を得意げに言った。見事に気づかれることなくやり過ごしたネプテューヌはそのことに安心し、気づかなかったアイエフに対し聞こえない言葉を口にする。
「一度や二度注意されたからといって、素直に言うことを聞くわたしじゃないんだなー、これが!」
まさにしてやったり、とでも言うべき発言だった。ネプテューヌは何度注意されたとしても、やろうと思ったことに対してはその凄まじい行動力をもってして挑む。例えどれだけ注意を受け、妨害をされたとしても。今のネプテューヌにそんな言葉は届かなかった。
そして、気づかれなかったことをいいことに、更にネプテューヌはアイエフの後を追って行った。
♦
「……バレてるわよ。いい加減出てきなさい」
ダンジョンの中腹あたりに達したところで、アイエフは立ち止まってそのように言葉を吐いた。周りには一見誰も見当たらず、誰もいないように見えた。
だが、アイエフは気づいていた。途中途中でやけに後ろからの視線を感じたことに。誰かまでは分からなかったが、なんとなく察しは付いていた。おそらくは、このダンジョンに来る前に協力したいと言ってきた、あの少女、ネプテューヌという少女だろう。
しばらくの間、静寂が辺りを覆う……ことはなかった。
「ぎくっ!?」
明らかに声にださなくてもいいような動揺の音を声に出して、隠れていた人物は驚く。しばらくして、草むらの陰から、紫色の髪の少女が姿を現す。それは先程の予想通り、手伝うと言って断った相手であるネプテューヌであった。
当たってはいたものの、何故か素直に喜べない。むしろ逆に呆れて溜息をつく。
「……はぁ、やっぱり」
「さすが、あいちゃん。いつから気づいてたの?」
対して自身がいることに気づいたことに賞賛を送るネプテューヌ。だが、そんなことに賞賛を受けても、今のアイエフにとっては何の喜びにもならない。むしろ、付いてきてしまったの……という気持ちが大きくあった。
別に目の前の少女の期待に応えるつもりはなかったが、その質問に鬱陶しそうな表情をしつつ答える。
「確証はなかったけどね。けど、何故かあんたならついて来そうな気がして、ダメ元で声に出してみたってわけ」
アイエフの回答、それは言うなれば賭けであった、ということだった。確かに視線はなんとなく感じていた。だが、それが本当に人が付いてきているかということにはつながらない。もしかすると、モンスターであるかもしれない。
加えて、もし視線を感じたのが自分の思い込みであり、本当は誰もいない中声を出すという状況になっていただろう。その事を、ネプテューヌも指摘してくる。
「それって、もしわたしがつけてなかったらかあり恥ずかしくない」
「う、うるさいわよ!てか、話を脱線させないの!」
あまりにストレートに言われたものだから、慌てて否定すると同時に元の話について話題を元に戻す。今は恥ずかしい話についてではなく、付いてきたことについて再び注意を促すのが先決だと考えたからだ。
「いい?何度も言ってるけど、子どもの遊びじゃないの。何かあっても守ってあげられないんだから、さっさとお家に帰ること。っていうか、一緒にいたあの子達はどうしたのよ」
「光樹達?なんか、光樹達は行くところがあるからってことで別れたんだよねー」
「そう。なら、あっちが出口だから。行った行った」
「はーい」
返事をすると、ネプテューヌは出口の方に向かって去っていく。途中で聞いたが、まさか、あのしっかりしていそうな4人はどうやら別行動のようだ。あの4人がいれば、ちゃんと帰ってくれるかもしれないが、居ないのなら仕方がない。
だが、それでも今の言葉で退いてくれたことを考えると、素直に従ったのだろうと思っていた。居ても守ってあげられない。それは付いてくる者を危険から遠ざけるのには十分な言葉だ。これで来るのは余程の心配性な人物か、ただの馬鹿か。ともかく、目の前から去っていったのを確認して、アイエフは安堵する。
「さすがに、このくらいきつく言えばあの子もわかってくれるでしょ。光樹とか鈴って子はそこまで馬鹿な感じはしなかったし、あの子の姿を見つければ、すぐに引き留めてくれるでしょうし。これで、心置きなく仕事ができるわ」
また戻ってくるなんてことがないように、あの少年達が少女を制御してくれることを祈りつつ、アイエフは仕事に戻ろうとする。だが、そこでアイエフはなぜか不自然さに引っかかる。
「……けど、何故かしら。初めて会ったはずなのに、あの子と話していると懐かしい感じがするわ」
アイエフの引っかかった不自然さ。それはあの少女、ネプテューヌと話す事自体であったネプテューヌと話したのは今日が初めて。それ以前には話したことも出会ったこともない。彼女だけではない。光樹という少年にも、同じ気持ちを感じていたのだ。まるで、以前によく話していたような……特に、ネプテューヌとは、先程のような言い合いを以前にも言っていたような気がしてならない。
「……って、なに感傷に浸ってるのよ私は。さ、仕事仕事。気分切り替えて行くわよ」
そんな話、あるわけがない。そう思ってアイエフは仕事を終わらせることを考え、立ち止まっていた足を再び動かす。
この時、アイエフは気づかなかった。主に二つの事に。離れたところでまたネプテューヌが笑顔で隠れて付いて行こうとしていることに。
そして、もう一つ。そのアイエフの様子を離れた場所で見ている人物に。
♦
しばらくしてから、ネプテューヌはダンジョンの最奥部近くまで来ていた。だが、そこでうろうろと様々な所を歩いていた。
何があったのか、簡単に言うと、見失った、の一言だ。実は、アイエフに気取られないようにと誰もいないと思った時のアイエフの恥ずかしがる様子を見たくて、先程よりも遠くを歩いていたのだ。おかげで見つかることはなかったものの、今度は本当にその場にいなくなってしまったという本末転倒な状況になっていた。
「んー……。あいちゃんどこだろう?もしかして見失っちゃったのかなぁ」
これは何とも……いや、非常に困ったなぁ。元々はあいちゃんを手助けに来たっていうのに、あいちゃんに断られて。それでもピンチの時に颯爽と現れて助けることを考えたら、あいちゃんを見失っちゃうなんて。さすがに女神でもあいちゃんがどこにいるかをわたし自身の特殊能力的な何かで探し出すってことも出来ないし……どうしよう。
これからの行動をどうしようか。そう考えたその時。
「ハーッハッハッハッハッハ!」
「ねぷっ!?」
思わず自身の特徴的な奇声を上げてしまう。いきなり声が聞こえれば、驚くのは誰でも分かるはずだ。だが、いきなり声を上げただけで驚いたのではない。それに加え、どこかで聞いたような声であったため、更に驚いてしまったのだ。
「な、なんだろう……。この嫌な予感がしまくる、一昔前の悪役みたいな高笑いは」
いかにも悪役という役が似合いそうな、見なくてもどんな姿か想像できてしまうほど、聞きなれている声。こんな笑い方をするのは、自身が知っている中でも、たった一人くらいしかいない。
なぜ、そんな人物がここにいるのか。そして、なぜいきなりそんな高笑いをその人物がしたのか。いやな予感がしたネプテューヌはためらいつつもその声の方へと向かう。
「とにかく、行ってみよう!」
♦
声のした方では、二人の人物がいた。一人は地面に倒れこむ少女、もう一人はその少女を遠目から見下ろす形でゆっくりと足を進めるオバサンだ。
倒れた体を起こそうとしている少女、アイエフに対し、オバサンことネプテューヌが想像していた人物であるマジェコンヌはその無様な姿を見て高笑いをして調子に乗っていた。
「ハーッハッハッハッハッハ!私を捕まえに来たはずが、逆に捕まるとは笑いが止まらんなぁ!」
「……っく。こんなはずじゃ……」
アイエフは舌打ちをしながら、今の状況を悔しがる。アイエフは今、窮地に立たされていた。
こんな状況になってしまったのは、アイエフの不注意ともいえる。ダンジョンの奥へと進んでいった先で、この見るからに怪しいオバサンを見つけた。遠目からその姿を確認し、考えた。この人物こそ自分が追っている事件の犯人だと。そして、後をつけ、この最奥部までやってきたのだ。
このまま行けば捕まえられる。そう思った所で突然ターゲットがこちらを向いた。やばいと考えた時には既に遅く、放たれた攻撃に対応できず、そのまま地面に倒れ伏せてしまう。そんなことがあり、今に至る。
尾行してきたアイエフに対し、マジェコンヌは笑みを浮かべたまま、どうするかについて触れる。
「貴様を生かしたせいで足取りがついては困るのでな、ここで始末させてもらう」
目の前のオバサンが言った言葉。それはアイエフをここで消すということであった。
「情けをあけて一思いに殺るか、それとも、私の恐ろしさを伝えるために惨たらしく苦しめながら惨殺するか……」
自身の殺害方法について、意気揚々と語るオバサン。その様子に危機感を感じる。急いでこの場から離れなければ、自身の身が危ない。
だが、先程の攻撃のせいで、うまく動けない。どうやらスタン系の攻撃だったらしく、逃げようという気持ちがあっても、ゆっくりとしか動けなかった。
動くのに四苦八苦している中、先程の言葉について、目の前のオバサンがその方法についてこちらに聞いてくる。
「貴様はどっちがいいと思う?」
「そ、そんな……」
その言葉に恐怖を感じる。そんなの、どっちもお断りな方法だ。どちらを選んでも、先に待っているのは死ぬことだけ。拒否するしかない。
恐怖を感じるアイエフの表情に、マジェコンヌが不気味な笑みを浮かべる。
「いいぞ。その絶望に染まった表情がたまらん」
ゲスな反応であった。自身の目の前にいるオバサンは、アイエフの顔を見て、喜びを感じていたのだ。そしてアイエフに対し、命乞いを要求する。
「死にたくないのならば、必死に命乞いをしてみてはどうだ?もしかしたら、気が変わるかもしれんぞ」
「……っ」
「泣き、跪き、助けを乞うのだ!そして、貴様の最も屈辱的な姿と態度で私に服従を申し出るのだ!屈辱的に染まり、一生私に服従を誓うだけで生命が助かるのだぞ?安いものだろう?」
悪役らしい言葉が次々とアイエフにかかる。命が助かるには、自身で切り抜けるか、それともその誘いに従うか。前者は今は自由に動けないのなら難しい。となれば後者しかない。だが……。
アイエフにそのつもりはない。その悪魔の囁きに対し、抗う。
「…………れが……!」
「あん?」
「誰があんたみたいな根っからの悪党に服従を誓うものですか!」
面と向かってそのようにマジェコンヌの言葉を突っぱねる。続けざまに自然と頭の中に出て来た言葉を口にした。
「例え、無残に負けたとしても、この国をもっと豊かにしていくって、あの子と交わした約束がある限りあんたなんかには絶対に屈しないんだから!」
そう、アイエフにはこの仕事を続ける理由があった。自身の親友である「彼女」との約束が……。そこで、ふと疑問が生まれる。
(……え?あの、子……?)
知らず知らずのうちに、そう言っていた。今まで頭の隅にも浮かばなかったはずなのに、何故か出て来た「あの子」という存在。
今の状態で、どうしてそんなことを思い出したのか。唐突に出た単語に、ピンチな状態であるにも関わらず困惑する。それでも事態は悪い方へと動いていく。
「そうか。せっかくかけてやった情けを無下にするとは愚かなやつだ」
先程の拒否を受け、マジェコンヌはイラつきを見せていた。もはや、オバサンには情けのひとかけらもなくなっていた(最初からなかったかもしれないが)。そしてその手を振りかざし、叫ぶ。
「ならば、死ねっ!」
ガキィン!!
杖に纏った魔法の刃がアイエフを襲う。が、そこで何かが弾かれる音が響いた。
「何っ!」
マジェコンヌが驚きの声を上げる。トドメを刺そうとしたはずが、邪魔が入ったためだ。一体誰が、アイエフを助けたのか。だがそれはアイエフの目にも見えていた。横合いから入ってきた人影が、目の前のオバサンの魔法で形成した刃を持っていた刀で弾いたのを。そして、それが誰なのかも、分かっていた。
攻撃を弾くと同時に、目の前の人物はアイエフを守るように手を横に振った。紫色の髪に、白いパーカー姿。間違いない、彼女は……。そう思っていると、少女はオバサンに向かって言い放った。
「嫌な予感がしてきてみたけど、やっぱりお前だったんだな、マザコング!」
薄い紫髪の少女―――ネプテューヌが対峙する。
TO BE CONNTINUED
今回もお読みいただきありがとうございます。
レイ「さっすがネプテューヌちゃん!!アイエフちゃんのピンチに颯爽登場だよ!!」
ジャンヌ「いつもながら、仲間の窮地を救う、主人公らしさがありますよね。しかし、またマジェコンヌですが……一体、なぜまだ生きているのか……」
レイ「ほんとだよー。うずめちゃんの言葉を借りるけど、ホントしつこすぎー」
マジェコンヌは生きていましたが、この「SSR」にて、共に戦ったエクスはどうしたんでしょうね?やはり、あの時に死んでいたのか?それとも?
ジャンヌ「……それを作者本人である藤和木が言うんですか?」
いや、まぁそうだけどね。でも、皆さんとしては、機械であるエクスは生きているんじゃないかって思うかもしれませんよ。果たしてエクスはどうなったのか、マジェコンヌが生きているわけは?そして、前回その少し前の様子をサポートメカを通して見ていた光樹達はたどり着くのか?
レイ「次回の投稿は日曜日になるよっ!」
ジャンヌ「では皆様。また次回」
うーん、やっぱりWordで打ってると、自動改行の所はハーメルンの投稿画面で反映されないんだな。
ジャンヌ「まぁ、それは文章の確認と同時に直していくしかありませんよ」
レイ「なんだか面倒だねー。もうサイトの方でやれば?それならスマホとかでも編集できるし」
でも自分のデータとして持っておきたいんだよね。注意しないと……