新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
ジャンヌ「皆様、本当にバトスピを楽しんでいて、楽しかったですね。どうも、皆様。藤和木の勝利を応援していました、ジャンヌ・ドラニエスです」
レイ「でも、まさか赤白で行くだなんてね。本当はマウチューで行こうとしていたのに。でも、勝てればいいよね、そんなの!どうも、みんな!同じく応援していた、レイ・オーバだよっ!」
初のバトスピ大型イベントの参加でしたが、楽しかったです。さて、今回は第97話の投稿です!
レイ「世界の敵……イノベ○ターかな?」
それは00です(;´・ω・)
ジャンヌ「まさか、もう既に、プロローグで戦った敵が?」
流石に登場するのが早過ぎるよ!と、まぁ、それはこの話で名前が出てきますよ。さて、そろそろ本編スタートです!
「そして、二つ目がそれに託けた団体や組織が、小競り合いを始めたことです」
その言葉に一瞬光樹は理解できなかった。「託けた」という言葉の意味が分からなかったのだ。といっても、話の流れから大体は察する。おそらくはそれを理由にした、などの意味なのだろうと光樹は考える。
そうすると、イストワールの言葉の意味をもう一度整理する。先程イストワールは猛争化という新しいモンスターの突然変異について言っていた。それが理由になっているということは、モンスターが凶暴化して大暴れしていることを理由に小競り合いが起きているということ……なのかという答えにたどり着く。
一人考えていると、それを見ていた絵里奈が不思議そうにこちらに顔を近づけて聞いてくる。
「んー?どうしたのー、光樹君。そんな難しい顔して」
「う、うわっ!?え、絵里奈さん……?」
いきなりこちらの顔を覗き込むようにしてきたので思わず驚きの声を上げてしまう。唐突な事だったためだ。しかし、その反応を見て絵里奈は少し落ち込んでしまう。
「う、うわっ!?って、そんなに私のこと見るの嫌いなのー?」
その様子からして絵里奈は嫌われたと思ってしまったようだ。こちらはもちろんそんなつもりはない。むしろ、感謝していた。自分の事を気にかけてくれたことに。それだけ自分の顔がひどかったということなのだろう。
光樹としてはそれに気づいていなかったので、せっかく心配してくれたので、すぐに謝罪する。
「いや、ごめん。ちょっと考え事してる時に、いきなり声をかけられたから、すこし驚いちゃってさ」
「そっかー!それはごめんねー。でも、何を考えていたのー?」
絵里奈はそれを聞いて安心した様子を見せる。だが、それと同時に今度は何を考えていたのかについて聞いてきた。当然のことだろう。何かについて考えていたということなら、聞きたくなっても仕方はないはずだ。
だが、こんなところで言っていいものだろうか。人が言ったものの意味が分からなかったから考えていた、など鈴が聞いたら、馬鹿にされるに決まっている。しかし、せっかく心配してくれた絵里奈に言わないわけにもいかないので、光樹は少し考えてから、ようやくその口を開いた。
「……まぁ、簡単に言えば、言葉の意味が分からなかったんだよ。「託ける」って言葉のさ」
「はぁ……あんたそんなことも分からないの?ひょっとして、学校の記憶すらも忘れているんじゃない?」
案の定、鈴が早速その発言に対して罵ってくる。その言葉に光樹も気にする。とはいえ、知らなかったのだから、仕方がない。
鈴が光樹を馬鹿にする一方、勇也と絵里奈は違う反応を見せる。
「そこまでにしておけよ。光樹はどこか抜けてるのは昔からなんだ。こんなことは初めてってわけでもないんだしな」
「そうだよー!光樹君はたまにそんなミスすることはあるけど、それでも平常な反応なんだよ!」
「…………」
……と思っていたのに、二人は鈴よりも優しい言葉ではあったものの、結局のところ光樹を馬鹿にしていることには変わりはなかった。勇也はいつもの事、と軽く流すように促し、絵里奈は辛うじて擁護をしているのが分かったがそれでも言っていることは先に口を開いた二人と結局のところは変わっていなかった。
加えて記憶を失っていない自分自身の時点でそれくらい馬鹿だということは光樹にとってはかなりのショックであるのは確実であった。事実、光樹も驚きすぎて声も出なかった。そうして思ったのはただ一つ。記憶が戻ってもこの扱いは永遠に変わらないのかという絶望感であった。逆を返せば、記憶を失っても三人は対応を変えない人物であると言えるが、そんな前向きに光樹は考えることは出来なかった。
一方、その様子を見ていたイストワールが見かねたように光樹を気にかける。
「い、色々と光樹さんのお仲間は厳しい方ばかりなんですね……」
「えーそう?鈴ちゃんはそうでも、私は違うよー?」
しかし、イストワールの言葉に対し、絵里奈がそのような返しをする。その言葉には、明らかに嘘が混じっているように思えた。先程の発言がいつもの事と遠回りに言っているのに、馬鹿にするのは鈴だけというような発言は返って恐ろしさを感じさせる。
絵里奈の天然さに光樹は茫然と名前を呟く。
「……絵里奈……」
「いつも通りなのはどっちなのよ……まったく、これだから絵里奈は……」
その様子には流石の鈴も呆れている。絵里奈の天然発言はどうもこれが初めてというわけではないのに気づく。よくよく考えれば、目覚めたところから、ここまで来る間にも絵里奈は割と変な発言が多い気がする。簡単に言えば、発言につかみどころがないのだ。そこに絵里奈自身の独特なおっとりとした発言の仕方も、かえってそれを増長させていた。
一体、何を言えばいいのだろうか。光樹は考え込んでいたが、そこで思い出す。今はそんなことに気を向けている場合ではない、と。本来、話していたのはモンスターの猛争化による、ゲイムギョウ界にある団体や組織の小競り合いについてのはずだ。一体、どうしてそうなったのか。……それは、他でもない光樹自身のせいなのだが。
ともかく、早く話を元に戻すべきだと考えていたところで、まさかの人物が外れた会話を元に戻した。
「って、元々の話と違くない?」
それは、他でもないネプテューヌであった。思ってもいないところからのツッコミに光樹を含め、鈴達GKSWAXPのメンバー、それにイストワールもキョトンとしている。
いや、女神ということなら、これが本来正しい行動であるのだ。だがしかし、普段は怠けていて、無駄話を進めることの多いネプテューヌが、この場でツッコミを入れたことに誰もが目を疑ったのだ。その事を、他の者達も考えていた。
しかしながら、そのまま無視するなんてこともない。そのためイストワールが咳ばらいをして話を戻すことを告げる。
「そ、そうですね。今はこの世界のことを話さなければなりませんね。では話を戻します」
そう言ってイストワールが話の続きを語る。
「先程の組織の小競り合いについてですが、まだ国家間の戦争とまではいきません。しかし、その規模や戦火は徐々に大きくなっています」
「争いの規模が、大きく……」
思わず言葉が止まってしまう。憂いていたのだ。ネプテューヌがこの国の守護者であった時は平和な国だったはずなのに、守護者が、いや、世界が変わっただけで、平和が儚く崩れることに。今でこそ規模は小さくても、その小競り合いをする組織がたちの悪い、例えば暴力団のような組織だったり、ガンダムの世界でも戦争へと発展させるようなこともある傭兵集団なら、イストワールが危惧しているような「国家間の戦争」が起きるのは時間の問題だ。
もし、そんなことになれば、多くの人々が傷ついてしまう。同僚であった教会の職員の人達も、それに何より、市民の人達も。みんなの笑顔を失わせるわけにはいかない。そんな光景を、光樹は見たくはなかった。
そのためにも、この異変を解決しなければ。光樹はそう心に硬く決める。そう考えている間に、イストワールが更に重要なことを教える。
「そして、今最も深刻なのは、それらを裏で操っていると言われる…」
すると、そこでまたも唐突にネプテューヌがその言葉に答えを出す。
「秘密結社アフィ魔X、でしょ?」
「……はぁっ!?」
光樹は思わず驚きの声を発してしまう。何故既にそんなことを知っているのか。光樹はそんなこと聞いたことはこれまでに一度もなかったと記憶しているのに。何故ネプテューヌがそんなことを知っているのか。しかし、それにはイストワールも思わず聞き返した。
「な…何故、その名前を!?情報統制されてるのに!?」
どうやら、その情報は本来トップシークレットのようで、本来は知りえない情報らしい。それならば、光樹も知らないのはある意味当然なのかもしれない。
だが、それはむしろ、逆にネプテューヌが知っていることに対する疑念に拍車をかけていた。一体どうして、と。
今の気持ちは他のメンバーもそうなのか、と光樹は周りを見る。鈴の方はあまり驚いた様子はしておらず、続く勇也もまた口を閉ざしつつも、その様子を静観している。その一方で、絵里奈は光樹よりも感情を露わにして驚いていた。とはいえ、驚くというのにはややオーバーリアクションのような気もしたが、これまでの絵里奈を見ていると、それが絵里奈の平常運転なのかもしれない。
それでも、何故情報統制がされているにも関わらず、ネプテューヌが知っていたのか。情報が管理されているのなら、聞き込みでも一切情報が挙がらないはずなのにだ。
すると、その理由について、ネプテューヌが語った。
「普通にネット掲示板のNちゃんねるで見たけど?」
ネプテューヌの答えは簡潔なものであった。ネット掲示板からの情報。ネットにそのような情報が挙がっているのなら、おかしいことはなくはない。ネプテューヌは確かNギアを持っていたはず。おそらくはそれを使ったのだろう。
ネプテューヌの回答にイストワールは虚を突かれたように言葉を乱す。
「ね、ネットですか!?まさか、どこからか情報がもれているのでは…」
予想外の事に、危機感を抱くイストワール。そんなイストワールに対し、更に追い打ちをかけるかのように鈴も言葉を続ける。
「あら、あれって国家機密クラスの情報だったの?あたしも同じようにネットの方で見たんだけど……」
「り、鈴さんも!?どのサイトか、具体的に教えていただけますか?」
イストワールの質問に鈴は腰のホルダーに入れていた端末を操作してから、その情報について語る。
「ええっと…………あったわ。名前は「0O(レイオー)速報」ね」
「あぁ、そのサイトか。俺も見たが、信頼性がどうなのかってことで、俺はあんまり気にしていなかったな」
「勇也さんまで!?」
鈴に便乗して勇也もそのことについて語る。まさか、その情報について知らないのは自身と絵里奈だけだったとは、思わず唖然としていた。
そもそも、二人が言っている「0O速報」とは、各国の兵器に関する情報をまとめたNちゃんねる系列のまとめサイトで、その成り立ちは光樹が超次元に来たあたりから運営され始めている。その内容は、よくある未確定情報のまとめばかりであり、真実はかなり少ない。とはいえ、以前にはシェアプロテクターの名前が、それどころか、光樹のガンダムも姿を遠目に撮影された画像が投稿されていたりと、侮れない部分も多い(それでも、スペックなどは過小評価されている部分も多かったが)。
しかしながら、疑問も少なからず生まれていた。本来兵器を扱うはずのサイトであるはずなのに、なぜそんなゲイムギョウ界を支配しようとしている組織の名前を扱っているのか。単なる閲覧数稼ぎであるのなら、結びつかないこともないが、それではあまりに方針と違い過ぎる気もする。
だが、そんなことにも気に留めず、イストワールが頭を抱えていた。どうやらイストワールもそこまで情報が民間に漏洩しているのは想定外だったのだろう。……もっとも、イストワールの先程の驚きようを見ると、そもそも情報が漏洩している自体が、寝耳に水、のようだ。
そんな中、ネプテューヌが組織について聞く。
「で、その秘密結社ってのは、具体的には何をしてるの?Nちゃんねるで質問しても、「あの結社のことを思い出させるな」「あれは世界の影の部分だ」とか全然答えてくれないんだ」
その話の一端を聞いて、なんだかかなりヤバい雰囲気を持つと感じさせられる。光樹としても、秘密結社の行動を知りたいとは思っていたものの、まさか、そんな返しがネプテューヌの口から語られるとは思っていなかった。別に、ネプテューヌが既に調べていたから驚いたわけではない。質問に対する答えの内容に対して、だ。そこまでそのアフィ魔Xは人々から嫌われるほど、既に悪事を働いているのだろうか。
光樹は刹那の間、その可能性について考える。もし、世界改変によって過去の出来事すらも改変されているのなら、あり得ることだ。いや、むしろ今の女神の存在が消え去っているこの世界では、その方がおかしいというのが筋だろう。過去が変えられていなければ、今の状況が説明できないのだから。
疑問にとりあえずの答えを光樹が出すと、ネプテューヌの発言に対し、イストワールの解説が始まる。
「秘密結社アフィ魔X…それは、企業の技術や情報を盗み出し、それを他者に売り捌き、戦火を広げているという情報もあります」
聞くだけで分かってしまった。とんだ最悪の組織であることに。ガンダムで言うなら、「SEED」や続編の「Destiny」に出てきた「ブルーコスモス」や「ロゴス」のような組織だろう。どちらかと言えば、その内容からも「ロゴス」の方が近いだろう。
「ロゴス」というのは、「機動戦士ガンダムSEED Destiny」にて登場する組織で、通称「死の商人」とも呼ばれている。その内容は、武器の流通や戦争への民意誘導。まさに、戦争へと世界を誘う、死を振りまく商人のようなものである。
そして、今のアフィ魔Xの行動も、今話を聞いたところでは似ている部分はあった。情報の流通、それによって企業同士の争いの扇動。それはまさに世界を争いへと発展させるための一つの企業そのものだ。それならば、誰も好き好んで言いたくはないだろう。
「企業同士の争いの発展……ロゴスか、はたまたサーシェスみたいな傭兵ね」
「だねー。組織同士の小競り合いっていうのも、それが原因なのかなー?」
鈴と絵里奈の言葉の意味を、光樹も理解する。「ガンダム00」に登場した、「アリーアル・サーシェス」もまた、国同士の戦争を起こそうとする「戦争屋」だった。戦争により世界を陥れている。組織の小競り合いも、少なからずそれが影響しているというのも、納得できる話だ。
二人の発言に、ネプテューヌも同感するように言った。
「誰の事かは分からないけど、なんか、ゲームやアニメに出てくる、儲けるために戦争を起こして兵器を売る、黒幕的な組織みたいだね」
二人の発言を簡単に解説する内容だった。実際、その二つの名前のモノは戦争の黒幕の一つだったり、ゲームのボスのような立場だったりと、今の状況に合致する例えであった。
イストワールも、その答えに頷く。
「まさに、そうなんです」
しばらくの間、静寂が部屋を満たす。各々がその答えに納得したのだ。光樹とネプテューヌはそれを倒さなければ争いが終わらないことに。そして鈴達は、これを解決しなければ、次の戦いが始まらないことに。
訪れるであろう、終わりと始まり。それぞれが決意する。アフィ魔Xを倒すことを、強く。
数秒の沈黙ののち、ネプテューヌが話を引き戻していく。
TO BE CONNTINUED
今回もお読みいただき、ありがとうございます。
ジャンヌ「世界の敵は、アフィ魔X、という名前なんですね。では、あのプロローグの機体も、この組織に?」
それは、どうだろうね
ジャンヌ「……もうっ!教えてくれても……」
いやー、教えるわけには……
レイ「っていうか、それも気になるけど、途中の速報の名前、ひょっとして私の名前から?」
いや、…違うよ。ただ、設定した後で気づいたね。名前がレイさんに似ているの
ジャンヌ「そうですか……。あ、皆様、昨日は乙女のイベント、バレンタインデーでしたが、いかがでしたか?」
レイ「みんなはチョコをもらったり、あげたりしたのかな?」
ちなみに私はジャンヌさんとレイさんからもらいました。あと光樹君とか、描かれていないけど勇也君ももらってたね
レイ「いやー、作り過ぎちゃって……」
ジャンヌ「と、藤和木っ!わたくしのチョコ、美味しかったですか?」
うん、美味しかったです!
ジャンヌ「よかったぁ……!」
レイ「良かったねー、ジャンヌちゃんっ!」
ジャンヌ「はい!レイさんも美味しいと言ってくれていたので、嬉しいです」
さて、そろそろ次回予告と行きますか
レイ「うんっ!次回は火曜日になるよっ!」
ジャンヌ「では皆様。また次回に」