新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

107 / 170
どうも、皆様、ご機嫌いかがですか?現在短期休学期間の藤和木弘でございます。

レイ「うーん、まさかこの時期に休みがあるなんて!びっくりだよねっ!どうも、みんな!しばらくのんびりと過ごしてる、レイ・オーバだよっ!!」

ジャンヌ「ですけれど、意外な休息期間に、わたくしも嬉しいですっ。どうも、皆様。ここしばらく、藤和木とゆっくり過ごしている、ジャンヌ・ドラニエスです!」

いやー、本当、ゆっくり過ごしていますよ。ジャンヌさんとゆっくりと寝ていますし

レイ「……本当なら、小説ももっと進めないといけないんだけどね」

うぐぅ!?

ジャンヌ「ほんとですね。わたくしも甘やかしすぎていたかもしれないです」

はぐぁあ!?ちょ……二人共すごいダイレクトアタックなんだけど!?トリプルシンボルのアタックなんだけど!?いや、でも少しずつは進めているでしょ?

ジャンヌ「これで進んでいなかったら、わたくし泣いていましたよ……」

うん、でも明日は家族と石川まで行かないといけないから、また遅れる……

レイ「でも、私達も一緒に行くから!」

ジャンヌ「烈火伝の資料で見た、ストーンリバーのモデル……楽しみですっ!」

さて、私の日常はここまでとして、今回は第95話の投稿です

ジャンヌ「前回はノワール様の逮捕のニュースが……」

レイ「早くもノワールちゃんのストーリーが気になっちゃうよー……」

とはいえ、ここはまだ光樹君とネプテューヌの物語。この展開を見届けましょう。それでは本編へ!


第95話 バッドなサプライズ

 

 

 ビルの壁面に埋め込まれていたテレビから流れた情報。ただのニュースだと思っていた。それも、普段と何一つ変わらないような、暖かかったり、面白かったり、悲しかったりするニュースだと。

 しかし、現実は違った。繋がらないと思った矢先に、唐突なまでのそのニュース。……ノワールが逮捕された。それは、ネプテューヌにとって、それどころか、女神関係者にとっては、とんでもない事態であった。

 まさか、女神の中で最も真面目かつ、しっかりとした人物であり、絶対にそんなことにはならないと思っていたノワールが……。一体、何をやらかしたのか。ノワール逮捕に茫然としつつも、何をしてしまったのか、そんな好奇心が胸の中を駆け巡る。

 そんな好奇心に答えるかのように、ニュースアナウンサーの女性が続きを読み上げる。

 

『入ってきた情報によりますと、ノワール容疑者は長く逃亡していましたが先ほど自ら出頭してきたとのことです』

 

「アタママッシロ…」

 

 まさかの単語に口調がカタコトになる。長く逃亡?自ら出頭?ノワール、何をしたの!?今までにノワールが容疑者になっていたなんてことは聞いたことはなかった。ってことは、あの電話からこの日まで約数日。その間に、何か犯罪を起こしたのかな……?

 と、そこでようやく現実の世界に意識が引き戻される。と同時に、今の現状に改めて驚く。

 

「って、ノワールが逮捕!?確かに、ちょっとお高くとまってて、ユニちゃんの前では素直になれないツンデレさんで、こそこそと隠れて趣味のコスプレを楽しんでたり名前や職業を偽ってこっそり声優デビューをしようと企んでたりするむっつりさんだけど真面目な服を着てツインテールしているようなノワールが犯罪だなんて、絶対何かの間違いに違いないよ!」

 

 それでもなお、ノワールの逮捕が何かの間違いではないだろうか、とその事実を否定しようとしていた。しかし、その発言からは、どうもノワールに対し、悪意のあるような発言が次々と飛び出す状態となっていた。それでも、ネプテューヌとしてはネプテューヌなりの、ノワールの逮捕をにわかに信じがたい故の発言だったのだが。

 唐突の衝撃的なニュースではあったが、それでも収穫がなかったわけではなかった。それは、ユニの名前がなかった、ということであった。ノワールの事なら、もう既にユニと合流していて、行動していると思っていたからだ。しかし、ユニの名前はニュースでは出なかった。となるとつまり、ノワールとは合流していないということなのだろうか。

 だがしかし、その異常事態にネプテューヌは困惑する。

 

「ニュースを見た感じ、ユニちゃんは一緒に捕まって無いみたいだけど、いったい何がどうなっちゃったの…」

 

 ノワールのことが心配になりつつも、今は自分のことを進めないと、とネプテューヌは考え、やりかけていた聞き込みを改めて開始するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 別れて聞き込みを開始し始めて数十分後、光樹は街の道路を歩いていた。かなりの人物に若干ビクつきながらも会話をして、情報を集めることに成功した。だが、それでもかなり困惑する結果となっていた。

 とりあえず、状況を整理する。まず、日常系の会話からだ。ここ最近のトレンドは何か、最新のゲームは何なのか、また、ここ最近に出た新商品は何なのか。それらを聞いたところ、様々な回答返ってきた。それらをシューティングスターBにインプットされていた、あの異変以前の情報と比べたところ、少し違う部分はあるものの目立った違いはとある事柄関連を除いて変化は微々たるものであった。

 続いて、もう少し踏み込んだ、政治関連のことについてだ。このことに、最も衝撃を受けたことが多い。なぜなら理由はただ一つ。――――――ネプテューヌ、という存在、言ってしまえば、女神という存在が、このゲイムギョウ界から消えてしまっていたのだ。まだネプテューヌという存在がないというのなら驚きこそするがそこまでではない。いや、それはそれで大事件なのだが。だがしかし、それ以上に、ゲイムギョウ界という世界に欠かせないと海男も言っていたことがここに来て予想以上にショックを光樹に与えていた。女神という存在を出しても、誰もそんなものは知らないという。そこで、代わりに出てくるのが、もう一つの問題である「ビーシャ」、そして「DRX」という名前であった。

 ビーシャにDRX。その名前に心当たりがない……ような気がしなかった。何故か、どこかで聞いたことのある名前のような気がしていた。ならば一体どこで?光樹は記憶の中でしばらくの間考え込む。

 しばらくしたところで、光樹はとあることを思い出す。それは、あの異変の当日、ステージでの出来事。あの時戦った「ゴールドサァド」という人物達、そのうちの一人が、確かビーシャ、と呼ばれていたということを思い出したのだ。

 同一人物なのかは分からなかったが、可能性はあると思っていた。一方、もう一人の名前であるDRXについてだが、こちらは全く分からなかった。そんな名前の人物は聞いたことがない。というよりも、そもそもそんな名前の人物などいるのか怪しいところであった。コードネームならあり得そうな名前ではあったが、それでもコードネームが人に知られているというのはある意味ではおかしかった。その為、どういうことなのか、結局のところ結論を出すには至らなかった。

 このように、今のプラネテューヌの政治関連は、そのビーシャとDRXという者達が仕切っている、ということであり、女神と言う存在は全く欠片も残っていなかった。まるで、女神と言う存在がその者にすり替わったかのような……。

 しかしながら、それ以上に今気にしていることがあった。それは、先程報道されたニュースの内容であった。実はネプテューヌと同じころに、光樹もまた同じニュースを違う画面で見ていたのだ。

 正直言って、光樹も同じようにあのニュースには驚いていた。まさか、ノワールが逮捕されることになるなんて。しかし、一体なぜ捕まるようなことになったのだろうか。光樹はすぐにその疑問を感じた。

 しかし、すぐにとある考えに思い至る。それは、この異変の黒幕の手によるもの、ということであった。もし、女神達があの場を切り抜けていたとしてもいいように、黒幕がゲイムギョウ界の政府機関を裏で操り、四女神達を犯罪者に仕立て上げたとしたら。それなら、かなりの真面目さを兼ね備え、優等生らしい人物であるノワールが逮捕なんてことになるのも納得である。

 となると、そこで問題となるのは、それが四女神すべてに逮捕命令が出されていたら、ということである。これが本当に黒幕が画策したことなら、このプラネテューヌでも言うなれば女神狩りがあってもおかしくはない。それが本当なら、大変なことである。あのネプテューヌならば、この分散行動中にいつの間にか捕まってしまっている可能性もあった。

 すぐに光樹はネプテューヌを探そうとしていたのだが、そこでふと思い出す。アイエフがネプテューヌの事を一切覚えていない、および知らなかったのだ。アイエフが教会から女神の逮捕命令が出ていたなら、あの時点で逮捕行動に出ていたはずだ。それがもし本当なら、少なくともこのプラネテューヌには女神の逮捕命令は出ていない、ということになる。

 それなら問題はないだろう、と考え、光樹はまたこれからの事を考えようとした。すると、ふと前方を見ると、その先に見覚えのある少女の姿が映る。それは、先程まで心配していた、この国の女神(今のところは「元」だが)である、ネプテューヌであった。

 その無事な姿を見て安心する。掴まっていたなんてことはなかったようだ。だが、少し様子がおかしい。かなり落ち込んでいるように顔を下に向け、トボトボと歩いている。

 あのネプテューヌがあそこまで落ち込むなんて……まさか、イストワールにでも会って、加えて知らないとでも言われたんだろうか……。ネプテューヌがあそこまで落ち込むなんて、それくらいの物でないとおかしい。

 しかし、話しかけないわけにもいかない。今はこちらが追いかけている状態なので、光樹はネプテューヌに向かって駆けていく。追いつくと、ネプテューヌの肩を軽く叩いて話しかける。

 

「どうしたんだ?ネプテューヌ。そんなに落ち込んで」

 

「……光樹……!!」

 

 いきなり声をかけられたためか、ネプテューヌは驚きつつ光樹の名を口にした。すぐにネプテューヌはその問い掛けに返事をする。

 

「あ、うん。ちょっといろいろとショックでさー……」

 

 ネプテューヌの話し方から、どうやら光樹が思っていたほどショックな出来事ではないようだ。光樹もそれには安心する。しかし、あの落ち込みよう、気になるところではあった。そこで光樹は更に聞く。

 

「色々と……って言うと?」

 

「あー……さっきまではあいちゃんだけがおかしくなったのかなって、思っていたんだけど……聞き込みしている内に、他のみんなも同じだったんだよねー」

 

 光樹もその発言に頷く。確かに、街の人は一切ネプテューヌのことは覚えていなかった。国を治める統治者としては、自国民がいきなり自分の事を忘れていることにショックを受けるのも当然だ。特に本人がそれを知った時には、ショックは並大抵なものではないはず。それを知らずに聞いてしまったのは、間違いだったのかもしれない。

 

「そ、そうか……。それはかなりショックだよな……」

 

「さすがのわたしも、これには精神的にきっついよぉ…」

 

 光樹の気を使った言葉に、ネプテューヌは落ち込みの言葉を強く吐き出す。その様子からいつも元気が取り柄なネプテューヌらしからぬ弱気であった。それだけネプテューヌとしてもショックが大きいのだ。

 そんなネプテューヌも気になるが、他のメンバーがどうしているのかも気になる。腕時計を見ると、もうあと10分ほどで集合時間を迎えることに気づく。ショックを受けている中でこういうことを言うのもつらいが、今は全員の情報をまとめることが先だ。光樹はネプテューヌに声をかける。

 

「とりあえず、今は鈴達と合流しよう。落ち込むのはそれからの方がいいよ」

 

「……うん。そうだね……きっと、誰かが絶対覚えていてくれているはずだよ!光樹も覚えてくれていたんだし!」

 

 光樹の励ましが効いたようだ。落ち込んでいた声は何処へか、いつものネプテューヌに戻り、声を上げる。それには光樹も安堵する。

 そんなネプテューヌに光樹も同意する。

 

「そうだな。俺達以外にも、誰かが俺達のことを覚えているかもしれない。だから、まずは今の街の施設を回ってみよう。鈴達とも合流してさ」

 

「だね。じゃあ、戻ろっか」

 

 そんな会話をして、二人は集合場所へと足を進める。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まぁ、こんなものよね」

 

「結局、気になりそうなのはこの国のトップと、ネプテューヌという存在の消失、そしてノワールの逮捕……ってところか?」

 

 鈴の声に、光樹の返事が返っていく。鈴達は合流後、それぞれの情報を共有し、これからの行動について決めるところであった。今はちょうど、それぞれの情報共有が終わったところだったのだが、分かった仲でも気になるのは三つであった。

 まず一つ目は、現在のプラネテューヌのトップ。この国のトップについて、話を聞いたところ、そこで本来出てくるはずのネプテューヌという言葉は返ってこなかった。代わりに、出てきたのはビーシャとDRXという、自分達が把握していない存在の名前である。だがしかし、一方の方だけは、こちらも把握していた。そう、ビーシャ、である。

 ビーシャと言えば、この異変の原因となったあの日に、女神達や光樹と戦った敵、ゴールドサァド。その者の一人の名前である。まさか、あの少女がこの国で今はトップとして君臨しているとは……。鈴としてもこれは予想外であった。となると、あの襲撃はやはり、女神からトップという地位を手に入れるためのものだったのだろう。

 続いて、ネプテューヌという存在が消えているということ。これは完全に先程の話が関係しているものだと思う。ネプテューヌの記憶が消え、その部分の記憶がビーシャにすり替わっている。そのように思えるように、人々はネプテューヌを知らなかった。鈴はその情報をなるべく重要そうな場所、市役所のような施設にて民間人から話を聞いていた。そこに他のメンバーからの情報も元にして、そうなっているのだろうと考えている。

 最後に、これが最も重要かつ最悪の話だった。ノワールが逮捕された、それはかなり危ういものだと鈴も思っていた。とはいえ、ここで自分達が動くわけにもいかないわけがあった。今から行っても、既にノワールは捕まった身。捕まっているのは刑務所だろう。ニュースから察するに、この件にはラステイションという国そのものが絡んでいる。それはつまり、教会が絡んでいるということ。そんな所に助けに行こうとすれば、間違いなく教会と正面衝突だろう。

 しかも、自分達は今はプラネテューヌの対応をしなければならない。ここはラステイションを担当する真奈と理恵、二人の後輩に任せるべきだろう。

 そのように鈴が心の中で思った所で、絵里奈が話を進める。

 

「ノワールちゃんが捕まっちゃうだなんてー……。やっぱり誰かが?」

 

「それはまだ分からないわ。けど、ここは既にノワールと真奈達が会っていて、かつ行動してくれていることを信じて待ちましょう」

 

 鈴は先程の考えを返しに使う。その案に勇也も賛成をする。

 

「まぁ、今は俺達の管轄ってわけじゃないしな。おそらくあいつらもそのことくらいは間違いなく知っているはずだし、信じるとしようぜ」

 

「ノワールは心配だけど……そうだよな。今はネプテューヌの国の事……プラネテューヌのことを考えよう」

 

 光樹も勇也に続いて賛成する。ネプテューヌも頷いており、全員の意志は決まっていた。

となると、次はどう行動するかになる。

 

「じゃあ、これからどうするー?」

 

絵里奈が全員に問いかける。するとそこで、声を上げた人物がいた。

 

「はいはーい!じゃあ、教会に行くとかはどうかな!?」

 

 それはこの国の「元」トップとなっているネプテューヌからの声であった。声高々に挙げられた意見ではあったが、その内容はかなりリスキーな意見であった。確かに、国の現状を知ると共に、自分達の活動拠点は欲しいところであった。その為に教会に行くというのは、良案の一つに違いない。

 だが、先程のノワールの件が鈴に決定をためらわせていた。もし教会に行って、そこで黒幕に近いと思われるビーシャやDRXという者達に捕まれば、厄介なことになる。それを避けるためにも、その意見は採用したくはなかった。

 すぐに鈴は反論を口にする。

 

「それは危険だわ。教会では何が起こるか……」

 

 だが、そこで鈴に対し光樹が割り込んで意見を出す。

 

「でも、行ってみる価値はないか?」

 

「光樹……っ、あんたは……」

 

 その言葉に、鈴は舌打ちする。何故このタイミングで意見を出してくるのか……、そう思う。鈴は話を続けようとしたが、光樹がまたも遮る。

 

「ノワールの件は警戒した方がいいのは確かだ。けど、このまま行動していたら、黒幕の後手しか取れない気がするんだ。だったら……」

 

「先に先手を打って、教会を掌握する、ってことか?」

 

「掌握、とまではいかないけど、確認しておきたいんだ。本当に誰も女神の事を、ネプテューヌのことを覚えている人がいないかってことを」

 

「…………」

 

 虚を突かれる発言だった。いつまでも慎重に行動しているのもつらいところだ。なら、思い切り行動するのは悪くない。それに、鈴も確かめたいところではあった。本当に教会という、女神に近い場所で働く者達が、誰もがネプテューヌのことを覚えていないのかということに。

 少し腹が立ってしまったが、鈴はゆっくりと返事を返す。

 

「……分かったわ。今回は光樹に免じて、ネプテューヌのアイデアを採用しましょう」

 

「やった!!」

 

「ただし、悪い流れになったら、実力行使して、ネプテューヌを守ること。いいわよね、みんな」

 

「うんー!」

 

「仕方ねぇな。……了解」

 

「あぁ、分かった」

 

 鈴の指示に全員が返事をする。行動が決まったのなら、行動するしかない。鈴達は早速、プラネテューヌの教会へと急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「たっだいまーっ!やっほー、帰ってきたよー」

 

「む。誰だ君達は?」

 

 ネプテューヌの声に対し、中に居た職員の一人がそう聞き返す。その様子から、どうやらその人物はネプテューヌのことを覚えていないようだ。予想はしていることはしてはいたが、これは厄介なことになりそうだと勇也は察する。

 だが、そんな勇也の危機感も知らずに、当の本人である紫の女神はその人物に対し聞かせるように大きく声を上げる。

 

「誰だって、やだなぁ。わたしだよ、わたし。ネ プ テ ュ ー ヌ」

 

「ネプテューヌ?知らぬ名だ」

 

「和藤光樹……知らないか?」

 

「ワトウ?そっちも聞かない名前だ」

 

 ネプテューヌに続いて光樹も名前を名乗る。だが二人の問い掛けに対し、その職員は同じ答えを返す。

 

「やっぱり、ダメか?」

 

「みたいね。……ここは情報を聞いてから……」

 

 その答えを聞いて、光樹がすぐに状況を察する。そして光樹は鈴に小声で判断を仰ぐ。それには振られた鈴も慎重に行動をしようとしていた。だが、そこで大きく行動してしまったのが……。

 

「またまた。あいちゃんと一緒で冗談きついなぁ」

 

「……あ、ネプテューヌ」

 

 この国の女神であった、ネプテューヌである。どうやらネプテューヌは、あの職員が冗談を言っているように思えたのだろう。だが、そんなはずはない。あの反応はどう見ても本当に知らない反応だ。その発言には勇也も頭を抱えて、名前を呼んで呆れる。この後の展開が見えたからだ。鈴や光樹も唖然としてネプテューヌと職員の会話を目視する。

 

「あ、さてはわたしに内緒でサプライズパーティとか仕込んでいるからそれを隠すために冷たくしてるんでしょー」

 

 完全に何を言っているのか分からない状況に、見ている勇也達は冷や汗をかいた。絶対にその返しは違う。ネプテューヌとしては、真面目にやっているつもりなのだろうが、傍から見れば、無茶苦茶なことを言っているとしか思えないその場の雰囲気が漂う。

 光樹や鈴は言葉に出来ない絶望に満ちたように目元が暗くなる。一方、それを見ていた絵里奈は驚きつつも目を輝かせていた。

 ……絵里奈、お前、そこはその反応じゃない。真剣な場だからな?サプライズパーティをしているわけではないぞ?

 勇也がそう思う中、話を聞いていた職員は咎めるようにして言葉に怒りを含み始める。

 

「ここはビーシャ様の神聖なる教会。騒ぐようなら、子どもとてようしゃはせんぞ」

 

 そう言うと教会の職員はネプテューヌに詰め寄る。この状況、かなり危険だ。そう察知した鈴達がすぐに行動しようと目を細める。鈴と光樹の体勢が若干前のめりになる。先程までネプテューヌの雰囲気に流されていた絵里奈もまた、はっと意識を戻し、体勢を低くして突撃の構えを取る。

 そして勇也も同じように左手を下げ、ホルスターの方に手を伸ばしかける。完全に戦闘態勢ともいえる状態となる中、更に先程の発言にネプテューヌが火に油を注ぐようにして言葉を返す。

 

「ちょっと待ってよ!ビーシャ様って誰!?てか、ここわたしの教会のはずだよね!?まさかみんなの言う通り、本当に教会が占拠されちゃったわけ!?」

 

 ネプテューヌの発言は、正にこちらとしても知りたい情報ではあった。教会の信仰対象もビーシャという存在に置き換わっている。となると、ここも完全に乗っ取られたということだろう。なら、ここに長居は危険。ネプテューヌを連れ出さなければ……。

 すると、職員の方も手荒な真似をしたくないように小蠅を払うように手で払いながら説得する。

 

「ええーい、やかましい子どもだ。全員今すぐ教会から出て行きなさい」

 

「ちょっ、まっ、ええっ!?」

 

「ちょっ……まだ話が……」

 

 その対応にネプテューヌと光樹は慌てる。一応、無事に帰れるのは、ありがたいことだ。だが、こちらほ本来の目的の一つである、教会から情報をもらうということを遂げていなかった。

 だがしかし、今は贅沢は言っていられない。これまでのことから教会の現状が分かっただけでも収穫だ。その事を鈴も二人に言う。

 

「構わないわ、二人共。ここは一旦出直して……」

 

「あの、騒がしいようですが、何かあったのですか?」

 

 すると突然、若い女性のような声が教会内に響く。その声は叫び声のようなものではなく、一般的な話し声程度の声量であったが、声の持ち主の発声から、その声は近くにいた者にはっきりと響いた。その声を聞いて、一同は静まる。

 

「あ、イストワール様。いえ、ただ子どもらが勝手に奥に入ろうとしていたので…」

 

 職員がその人物に説明する。だが、思いもよらないことが起こる。その人物が傾げるようにしてネプテューヌと光樹を見て、目を丸くすることになる……。

 

 

 

 

「子ども?って、ネプテューヌさんと光樹さんではありませんか!?」

 

 

 

 

 その声に、二人が反応した。

 

 

TO BE CONNTINUED

 




今回もお読みいただき、ありがとうございます。いかかでしたか?

レイ「わぁぁ!!イストワールちゃんだー!!いーすんだよ!!ネプテューヌちゃんの保護者が覚えててくれた―!!」

ジャンヌ「光樹さんのことも覚えているようですし、これで一筋の光が差し込みましたね」

やっぱり、こういう状況では、味方がいないときついですからね。次回はイストワールと出会って、場所を移すところです。

ジャンヌ「でも、ネプテューヌさんも途中ではかなり落ち込んでいらしてましたね……。あんなネプテューヌ様、初めて見たかもしれません」

レイ「やっぱりねー、私みたいに元気にしてても、悲しいことってあるんだよ!ネプテューヌちゃんの気持ち、わかるよ」

ほう、レイさんも落ち込む事が?

レイ「そりゃあ落ち込むことぐらい、一つや二つあるよ。例えば、ディーバのオーディションに落ちたりとかさ。でも、その時はジャンヌちゃんが励ましてくれたりっ!」

ジャンヌ「レ、レイさん……っ!!(かぁぁ)」

なるほどなるほどー。ジャンヌさんも頼れるところがあるんですね

ジャンヌ「と、当然ですっ!もし、藤和木が落ち込んだ時があったら……って、Twitterとかでは言っていないこともありますけど、割とそういう時ってありますよね?」

あ、そうだね。その時もジャンヌさんが優しく励ましてくれることがありますね。忘れてた。
さて、今回はここまで!

レイ「次回は木曜日になるよっ!でも、その日は藤和木の就職活動があるから、遅くなるよ!」

ジャンヌ「では皆様、また次回」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。