新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも皆様、ご機嫌いかがですか?こっちは雪が降っていて寒い思いしつつも、学校に行ってました、藤和木弘でございます。暖パンのありがたみを初めて知った気がする……

ジャンヌ「藤和木って、あまり暖パンは暑苦しいから、ということであまり着ないということを聞いていたのですが、今日はいい感じの気温だったようですね。どうも、皆様。学校への同行時にはミニモードで藤和木のジャンバーのポケットにいることが多いですが、今日は藤和木と一緒に歩いて雪を見ていました、、ジャンヌ・ドラニエスで……へっくちゅん!!」

レイ「あれ?ジャンヌちゃん風邪?」

ジャンヌ「うぅ……そうみたいです……」

多分私の風邪がうつったんだと思います

レイ「もー!それは逆パターンでしょ?どうも、みんな!雪が積もってたから、朝は普通サイズで雪を触っていた、レイ・オーバだよっ!」

ジャンヌ「レイさんって、本当に朝は元気ですよね。うらやましいです……。って、逆パターンとは?」

あー、要するにあれでしょ?傍で看病して「俺に風邪をうつせ」的な

ジャンヌ「ふぇっ!?(かぁぁ)」

レイ「大正解!!なのに何でジャンヌちゃんにうつすかなぁ……」

これは不可抗力ですよ。私は昔から風邪ひきやすいんですから……とはいえ、ジャンヌさんにうつしたのは申し訳ないです

ジャンヌ「……だ、だったら、か、看病して……くださいね?」

え、あ、うん。分かった。とまぁ、全国的な寒さに関する話は置いておいて。今回から第3章のネプテューヌ編こと、ネプテューヌSTORYの開幕です!

レイ「ネプテューヌちゃんのストーリーってことは、光樹君の出番だねっ!」

ジャンヌ「光樹さん達のストーリー……どのように展開するのでしょうか?」

さぁ、それでは本編へ行きますよー!っと、今回からOPチェンジ!曲は「流星Lovers」で!


第3章 超次元編 ネプテューヌSTORY 第1次超ロボット大戦G
第92話 プラネテューヌへの帰路で……


 

 

この時代、ゲイムギョウ界は大きな改変を迎えていた。突如として出現した黄金の塔、各国の政治体制の異常。そして、女神という存在の消失……。全てが変わってしまっていた。

 特にゲイムギョウ界という世界に欠かすことのできない存在、女神がいなくなってしまったことには、残された者達の中でも、それを悲しむ者達もいた。だが、全員がそう思っているわけではない。ゲイムギョウ界における異変。それは人々の記憶にも影響を与えていたのだ。

混沌の中、特に騒ぎを起こさないことはかえって不気味さを感じさせていたが、それを感じる者達さえもいなかった。

そんな中、プラネテューヌのはずれを歩く、5人の集団がいた。その集団が目指すのは、四か国のうち一つの国、プラネテューヌと、プラネテューヌ領土内に現れた、黄金の塔。それは、ネプテューヌ達、プラネテューヌへと行く、女神一行であった。

彼らは知らない。この異変に。しかし、それでも彼らは目指す。変わってしまった世界を、修正するために。光ある世界を目指して、硬い意志を…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だぁかぁらぁ!!こっちがプラネテューヌへの道よ!!」

 

「いやいや、違うって!!こっちがプラネテューヌだって!!記憶がないからって、馬鹿にしてんのか!?」

 

「そうね。とてもじゃないけど、記憶を失った馬鹿光樹のいうことなんて、信じられないわね」

 

「んな……!!鈴だからって、流石にそんなこと言うなら、こっちだって我慢の限界があるぞ!?というか、そっちが振って、なんで俺にここまで当たってくるんだよ!!」

 

『…………』

 

 

 

 …………硬い意志とは到底言えない、醜い争いをしてはいたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

全く……何でこうも俺の発言に色々と反応してくるのだろうか。

光樹は今、とてもイラついていた。いきなり怒るはずも当然なく、それには理由があった。それは、ネプテューヌと共にG-1グランプリの会場から平原に飛ばされる一幕の間に出会った、というより、再会した人物、光樹の所属する組織の仲間である、初代SSRNPのメンバーにあった。

最初は、何故ここに彼らがいたのかが理解できなかった。なぜなら、彼らは光樹が覚えている限りでは、ただの中学時代の友人、もしくは知り合いの関係。それに加え、うち二人は自分が特にいい印象を持たない二人、光木鈴と古谷勇也であるのだ。その二人にいい関係ではなかった光樹にとっては、今どうしてこんなことになっているのか、理解できなかった。

だが、それ以上に不満なのは、一緒に行動するようになった後の、鈴の態度であった。最初に会った時から、何故かこちらのことを馬鹿と呼び、更には行動も自分が中心となって行動している。

確かに、今の自分では記憶がないため、話しづらいとは思っていた。しかし、それでも光樹は思い出さなければならないと感じていたのだ。これからの戦いを戦い抜くことと、自身がどういった人物なのか、そして、記憶がないせいで誰かが悲しむのを見たくはなかった。

そんな所で、光樹は積極的に全員と記憶があった時はどうなのかを知るために話しかけていたのだが、そこから今回の言い争いは起きていた。絵里奈は比較的素直に答え、情報を多く教えてくれていた。特に、自身の影響もあり、絵里奈が今の仕事にやりがいがあるということに対しては、なんだかうれしくなっていた。自身のおかげで、笑顔になってくれる人がいるのだから。とはいえ、聞いてて冗談にも聞こえる物もあり、そこは笑って済ませたが。

 勇也に関してだが、鈴という、一人の少女を好きになって振られた者同士、息が合うようになったのかは知らないが、比較的こちらの質問には答えてくれた。勇也曰く、記憶を失う前の光樹も、勇也とはそこそこ仲は良かったということだ。まさか、勇也と普通に話せていたとは思わなかったが。

 そのようにして、順調に記憶を失う前のことは分かってきた。しかし、鈴だけは他二人とは違った。こちらが聞こうとすると、聞かないようにして無視してきたり、もしくは黙るように言ってきていた。そして、最終的にプラネテューヌへの道がどっちかということを発端として、言い争いが起きていたのだ。

 どちらも一歩も引かず、自分の言っていることが正しいということを主張する。

 

「だからさ、俺も記憶は失っているけど、ここでの記憶は失っていないんだから、こっちがプラネテューヌへの道だって!!」

 

光樹は鈴に対し叫ぶ。光樹が主張する理由は、以前この近くまでクエストで来たことがあったからだ。というのも、この分かれ道の近くに、見覚えのある石像を発見したのだ。それは単なる獣の像であったが、その姿はまるで四足歩行の動物と、手を持つ動物が混ざり合ったかのような像だった。

そんな珍しい像は光樹の頭の片隅にちゃんと残っており、帰る時の道もそっちであったため、その方向なら帰れるということが分かっていた。だからこそ、光樹はそれを主張していたのだ。

その発言に、聞いていた絵里奈やネプテューヌが支持する。」

 

「確かにー、光樹君はここでは結構生活しているんだし、ここに来たことがあるなら、なおさらだよー!」

 

「うん!光樹が言うんだから、こっちがプラネテューヌで間違いないよ!」

 

二人からの支持。これなら流石に鈴も従ってくれる、そう思っていた。だが、鈴はその考えを超える考えを持つことを話す。

 

「まぁ、確かにプラネテューヌへの道はこっちで合ってたかもしれないわね」

 

「だろ?……って、合ってたかもしれないってどういう意味だ?」

 

 鈴の発言に、光樹は疑問を浮かべる。かもしれない、という発言に対してだ。光樹は鈴が何を考えているのかを予測できなかった。

 光樹はどういう意味か考えていたが、その答えが出る前に、鈴は自身の考えを言う。

 

「でも、プラネテューヌへ行く前に、あの塔を調べておきたいことは……ないかしら?」

 

「あ……」

 

「あー、それはした方がいいかもー」

 

鈴の発言に、ようやく光樹もその狙いに気づくことができた。ゼロの距離予測では、あの塔は光樹達がいた地点から見て、手前側……つまりは距離で言えば、黄金の塔の方が先に到着できるのだ。つまり鈴は、先に行けるなら、その怪しげな黄金の塔へと行って、何かこの異変に関係しそうな証拠を掴もうと言っていたのだった。

そんな考えに、絵里奈に続いてネプテューヌも納得した様子を見せた。

 

「おおーっ!それはいい考え!さっすが光樹と同じ組織で働いているだけのことはあるね!」

 

「まぁ、こんなことは、GKSWAXPメンバーにとっては当たり前の考えよ。もっとも、そこにいる馬鹿は、一つの考えに縛られているみたいだけどね」

 

「……っ!」

 

鈴からの発言に光樹も苛立ちを見せる。その様子は、また言い争いの起きそうな雰囲気であった。しかし、そこで勇也が話に入ってくる。

 

「ま、ここで面倒な言い争いは止そうぜ。光樹もここは素直に鈴に従っとけ。鈴の方が今は経験もあるし、判断もいいと思うし」

 

その提案に光樹は嫌そうな顔をする。あまり素直に従って、後々の主導権を取られたくなかったのだ。そう思うのは、絵里奈から聞いた、光樹の元の世界での立場であった。

 光樹は私設式(以下略)ことGKSWAXPにて、全てのメンバーを束ねる、総司令であるということを教えられた。この辺りの話は、以前イストワールに見せたドッグタグのことから、ある程度は知っていたが、問題はどれほどの規模の総司令か、ということであった。絵里奈によると、光樹の肩書であるGKSWAXPの総司令は、世界の経済界にすら影響力を与えるほどの身分。国家間の戦争時にも、光樹の影響力があると言われているのだそうだ。

 それ程の階級なら、ここは自分に分かる範囲ならちゃんと隊員でもある鈴達に指示していかなければならない。そう思ったのだ。

 しかし、今のやりとりでも分かったように、鈴は今は自身よりも頭の切れる司令塔。光樹の留守を預かっていたほどなのだから当然であった。光樹も仕方なさそうにしつつも、鈴に従うことを全員に告げる。

 

「勇也……。っ!!分かったよ……とにかく、行くとしようぜ、ネプテューヌ」

 

「うん!じゃあ、まずは黄金の塔へ!!しゅっぱーつ!!」

 

「おー」

 

「ってぇ!!何あんたが仕切ってんのよ!?絵里奈も今の馬鹿光樹の雰囲気に乗らない!!」

 

「……やれやれ。記憶を失っても、周りをさりげなく巻き込むクセは健在のようだな。」

 

鈴がツッコミを入れつつ、勇也も呆れ笑いをして、先行く光樹やネプテューヌの後を追いかけていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…はぁ。やっと着いた…」

 

ネプテューヌは思わずそう呟く。あの言い争いから1時間ほど歩いて、5人はようやく、黄金の塔のふもとにまでたどり着いていた。しかし、その距離は長く、光樹もネプテューヌと同じように息が上がった様子を見せていた。

 

「ほんと、長すぎだろ……この距離。あそこから1時間近くかかるとか……」

 

しかし、そんな二人をよそに、鈴、勇也、絵里奈の3人はすぐに行動を開始していた。全員が同じような端末を持って、黄金の塔のあちこちを調べ始める。

 うわぁ、すごいなぁ。わたしは思わずそう思う。塔が凄い金ぴかだったり、高いこともそうだけど、それ以上に驚いたのは、鈴たちの女神じゃない子たちの体力。女神のわたしが少し息をつくくらいなのに、みんな息つく暇なく、すぐに色々と調べ始めるんだから。

 本当に疲れていないのか、気になったネプテューヌは、どうなのか聞いてみることにした。聞く相手は鈴ではない、もう一人の女子、絵里奈という少女にであった。

 

「ねぇねぇ、絵里奈ちゃん、だったっけ?」

 

「あ、はいー。なんでしょうか、ネプテューヌ様ー」

 

ネプテューヌの確認の言葉に対して、絵里奈はゆったりとした語尾をつけつつも、礼儀正しく答える。この反応に、ネプテューヌも少し困ってしまう。

 

(な、何だろう、この感じ……。どことなくぷるるんに似た話し方なんだけど、変に礼儀正しいっていうか……)

 

ネプテューヌとしても、絵里奈がどうしてそのような話し方なのかはある程度分かった。おそらくは女神という立場であるため、それを尊重しているのだろうと考えていた。しかし、その気遣いは、逆にネプテューヌに気を遣わせていた。見た目からして、大体ネプテューヌと同じくらいの容姿。年齢や考え方もネプテューヌとは同じくらいのはずで、気軽に話せる雰囲気が普通ならあってもおかしくはなかった。

しかし、目の前の絵里奈という少女は、口調こそのほほんとした、年相応の少女であったが、それでもその話し方から、どこか遠慮しがちな気をネプテューヌに感じさせていた。

すると、そこでネプテューヌは思い切って言ってみることにした。

 

「ねぇ、絵里奈。わたしのことは特に気を使わなくっていいから、気軽に行かない?」

 

「気軽にー?」

 

 その要求に、絵里奈は疑問符のようなものを浮かべる。言葉の意味が分かっていないようなので、ネプテューヌはその言葉に肯定しつつ、説明する。

 

「そうそう!わたしのことは、ネプちゃんとか、ねぷねぷとか、ねぷえもんって呼んでくれていいからさ!とりあえず、様付けっていうのは、わたしの性格にも合わないからさー」

 

 それを聞いて、絵里奈も理解を示したように頷く。

 

「あぁー!私今までネプテューヌちゃんのこと、様付けだったよ!ごめんねー、ネプテューヌちゃん」

 

 その言葉を聞いて、ネプテューヌも安心する。よかったぁ。結局のところ、絵里奈はわたしのことちゃん付けで今まで接しようとは考えていたんだね。ならよしよし!

 ネプテューヌはそれを確認すると、話を続ける。

 

「うん!それでオッケー!でも、まさかちゃんとわたしの名前を呼んでくれるとは……これも流石、秘密組織の一員ってところなのかな?」

 

「あ、うん。GKSWAXPだよー。でも、これとはあんまり関係ないかもー」

 

「オオウ!まさか、そんな風に返されるとは……流石だよ、絵里奈ー!」

 

二人でしばらくの間、話を華やがせる。すると、そこで塔を調べていた鈴が端末で絵里奈の頭に軽くぶつけて話を持ってくる。

 

「はいはい。お話はそこまでにしてもらえる?お二人さん」

 

「あ、鈴ちゃん」

 

「何かわかったの?」

 

鈴は若干怒り気味に二人に話しかけていた。さっきの言い争いがまだ鈴の中では不満なのか、それとも二人が今優先すべき、塔の調査をさぼっていたからなのか。それは分からないが、すぐに絵里奈とネプテューヌは鈴に返事をした。

二人の聞き返しに、鈴は全員を集める。

 

「まぁね。とりあえず、そこでへたばってる馬鹿光樹もこっちに来なさい。」

 

「そんなにへたばってないって。……で、この塔は何なんだ?」

 

光樹は溜息をつきながらも、鈴にこの黄金の塔の事について聞いた。それを聞いて、鈴は大きく息を吸ってそのことについて触れる。

 

「とりあえず、外観はね。で、分かったことは……」

 

『分かった、のは……?』

 

光樹とネプテューヌの声が重なる。二人共、その事実について気になるという雰囲気を出す。

 そして、鈴はその結論を出した。

 

「外からの解析が、全然ダメ。内部構造のスキャンが出来ないわ。」

 

『ズコーッ!?』

 

驚くほど、肩透かしな回答であった。要するに、分からなかった、ということであった。ネプテューヌとしては、先程の鈴の様子から、何か分かったから、早くこっちの話を聞いて欲しい、という風に見えたので、従ったのだが、まさか分からないと来るとは思わなかった。おかげで二人は大きくコケるような声を出してしまっていた。

鈴もその結果には思わず呆れた様子で手を横にして息を吐いてうなだれる。鈴としても、この結果は予想外のようだ。

一方、しばらくその様子を見ていた勇也が、少し笑う。

 

「……フフッ」

 

「何よ、勇也。そんな変な笑いをして。あんただってそっちで調べて同じ結果だったでしょう?」

 

その姿に、鈴は若干キレ気味に詰め寄る。ネプテューヌの目から見ると、何故かその様子が理不尽に勇也という少年……というより、青年が怒られているように見えてしまい、何故だろうと感じる。しかし、その考えに答えが出る前に、詰め寄られた勇也が先程の笑いの理由を呟く。

 

「いや、なに。光樹がここまで馬鹿になっているとは、ってな。」

 

「はぁ!?俺が馬鹿になってるって……」

 

かなりの変化球だった。鈴に笑った理由を話していたはずなのに、光樹の話になっていたのだ。いきなり話を振られた光樹も、唐突の事だったため、戸惑いつつも言い返す。

そんな姿に、ネプテューヌもまた笑う。

 

「あはは!光樹言われちゃってるよー!」

 

「ネ、ネプテューヌも笑うな!!」

 

「もうー。鈴ちゃんも勇也君も、光樹君は記憶がないんだからしかたないでしょー!?」

 

 反論する光樹に絵里奈がフォローを入れる。一緒に行動していて気がついたのだが、絵里奈はどうやら光樹のことが好きなんだ、と紫の女神は感じていた。だからこそ、自身の思い人が色々といじられていると保護したくなる。今のように。

 しかしながら、話が脱線してしまっていたことに気づく。まさか、中が分からないなんて、そんなのはおかしい。そう思い、ネプテューヌは直接的な行動へと移す。

 

「でも、中がわからないんなら、直接中に入ればいいだけだよ!中に入って上から見下ろせば、プラネテューヌがここからどの方向にあるのかもわかるしね!!」

 

そう言って、わたしは黄金の塔の入り口に向かって走り出す。そうだよ。外から様子がわからないんなら、中に入ればいいんだよ、要するに探索!いつもの行動。

 

「あ、ちょっと待ちなさ……」

 

制止する鈴の声を聞かず、ネプテューヌはそのまま黄金の塔へ入れるように見える扉へとたどり着く。そして、そのままその扉を開けようと取っ手に手を掛ける。

 

 

 

 

「それじゃあ、おじゃましまーっす」

 

 

 

 

その声と共に、扉は―――――開かれなかった。

 ……あれ?びくともしないけど……?あ、そうか、これ引くんじゃないかな?そう思ってわたしは押すのではなく、引いてみた。

 だが、それでも扉は開く気配を見せない。それどころか、引いた時の力で腕に疲労が貯まる。その状況に、ネプテューヌは叫ぶ。

 

「ちょっとちょっと!引いても押しても全然開かないよ!?」

 

 怒るのも当然だ。自分は扉なら開くはずだと思い込んで、力を込めて開けようとしたのに、扉は1ミリたりとも動くことがなかったのだから。

 なぜ開かないのかと騒ぐネプテューヌに、鈴が溜息をつきながら説明する。

 

「まったく……言おうとしたのに」

 

「何々!?どういうことなの!?」

 

「この扉、力任せじゃ絶対開かない扉よ」

 

それを聞いて、ネプテューヌは一瞬、どういうことかと思ったが、その説明を聞いた光樹の言葉によって理解する。

 

「それってつまり、何か特殊なものがないと開かないのか」

 

それは、この扉がある条件下でしか開かないということを意味していた。それが正解であるということを、鈴も語る

 

「その通り。よく分かったじゃない、光樹」

 

「そりゃどうも」

 

 鈴からの皮肉ともいえる賞賛に、光樹は嬉しそうにはせず、不満そうにしながらも礼を言った。だが、それではこの塔を調べることは不可能ということを意味してしまっていた。

 どうしようかと考えていると、絵里奈が提案を行う。

 

「そうだー。じゃあ、空を飛んであの塔の頂上まで行けばいいんじゃないかなー?」

 

 それは、このメンバーではもっともな考えであった。幸いにも、このメンバーは全員が何かしらの方法で空を飛行することができるメンバーだ。光樹たち別世界の人物たちはガンダムになれば飛べる。そして、ネプテューヌ自身は、女神化すれば飛べる。それを知っている絵里奈に限らないが、全員の力を知っているからこその考えであった。

 ところが、そこで問題があった。それはネプテューヌに起こっていた問題であった。

 

「うーん、確かにいい考えなんだけどなー。わたし、女神化しようとしても、ゴールド何とかに負けたダメージかなんかのせいでいまいち女神化出来ないんだよねぇ…」

 

「え?それは本当なの?ネプテューヌ」

 

「うん。途中で道をどっちに進むかでもめた時に女神化しようとしたんだけど、どうもうまく女神化出来なくって……」

 

 それは唐突なカミングアウトであった。女神化出来ない。その問題は、共に行動するうえでもっとも重大な問題であった。いつもシェアが他の国と比べてギリギリな国なのに女神化できていた今までの事もあり、ネプテューヌもこの状況には困っていたのだ。

 そして、その情報は、一緒に居た光樹はもちろん、鈴や勇也、絵里奈にも動揺を与えていた。

 

「えー!ネプテューヌちゃん、女神化出来ないのー!?じゃあ、飛べないよー」

 

「……とはいえ、四人も飛べるやつがいるんだ。一人くらい、誰かが抱えて行けば問題ないんじゃないか?」

 

絵里奈はそのことに落胆してしまうが、そこで勇也が機転を利かせる。飛べないのはネプテューヌだけ。なら、誰かが運んでいくことが出来れば、余裕で行けるはずだ。

 それを聞いて、鈴もその方向で行くことを決めたようで、話を進めていく。

 

「じゃあ、誰が運んでいく?あたしの機体は陸戦重視で、空なんか飛べないわよ?」

 

 自分の機体ではネプテューヌを運べないという鈴。だが、そこで勇也が思いもよらない発言をする。

 

「大丈夫だろ。お前はビースト形態でネプテューヌがそれにつかまって登っていけば」

 

「はぁっ!?あんた正気!?」

 

思わず鈴は怒声を発しながら、勇也に問い詰める。一体、何を言っているのか、ネプテューヌには分からなかったが、そこで光樹からも質問が出る。

 

「なぁ、要するにどういうことだよ?」

 

「……これ考えたの、元々はあんたなんだけどね……。―――――要するに、あたしの機体が機体のかぎ爪で塔に張り付いて登るから、その背中にネプテューヌが乗ってくれってことよ」

 

 へぇ、そんな風に……って、何その斬新なアイディア!?思わずわたしは心の中でそうツッコんだ。え、何?鈴が壁に張り付いて登るから?わたしはその背中に落ちないようにしてしがみ付いてろってこと!?

 ネプテューヌも流石にその考えにビックリ仰天してしまう。誰も思わないだろう。まさか壁をよじ登っていくような人の背中に付いて、塔を上るなど。

 そのダイナミックなクライミング法には光樹も苦言を呈する。

 

「うーん……いくらネプテューヌでも、それはどうなんだ?」

 

「俺が知っているネプテューヌなら、このくらいはやると思うんだがな」

 

 ところが、その勇也の言葉に、ネプテューヌは反応した。

 わたしならやる?つまりは、わたしならそれをやるってこと。つまり、わたしにしか出来ないってことかな!?わたしにしかできないってことは、それはつまり、主人公にしか出来ないこと!?

 そのようにネプテューヌは様々な考えを巡らせる。勇也が言っていた言葉の意味を考えずに、主に、自分の長所を拡大解釈しながら。そして、危険性を一切無視し、出した答えはただ一つ……。

 

 

 

 

「わたし、やるよ!!」

 

 

 

 

それは、自殺宣言とでもいうべき発言であった。その宣言に、誰もが唖然とし、頭を抱え、苦笑いをする。しかし、彼女の意志は変わらない。

その宣言を聞いて、諦めた様子を見せた鈴が、声を大にして言う。

 

 

 

 

「分かったわよっ……!でも、絶対に離さないでよね。結構揺れるし、落ちても知らないから!!」

 

そうして、全員は黄金の塔へと昇る準備を始めた。数分後、彼らは黄金の塔の頂上を目指して登り始めた。

 

 

TO BE CONNTINUED

 




今回もお読みいただきありがとうございます。

レイ「いきなり開始早々から、光樹君と鈴ちゃんの言い争いが来るだなんて……光樹君記憶戻ってるんじゃないの?」

いや、光樹君はGKSWAXPを介さない元々から鈴さんに嫌われているような感じですからね。記憶を持っている鈴はもちろんのこと、光樹君もGKSWAXPの記憶がなくても苦手意識があるから、こうなっているんだと思いますよ?

ジャンヌ「それには今後上手くやっていけるのかという不安が残りますね……。でも、それ以上に勇也さんのアイデアに驚きなんですが……」

レイ「そうだよ!!壁を駆けるようにして登っていく鈴ちゃんのガンダムの背中に捕まるなんて、よくネプテューヌちゃんもやる気になったよね……私よりすごいかも」

勇也さんの話によれば、それ当たり前の光景なんだとか(笑)

ジャンヌ「え?」

レイ「ってことはつまり、他にもやった人いるの!?」

らしいよ。でも本編でも言ってたとおり、それを考え付いたのは他でもない光樹君だという

ジャンヌ「光樹さん……」

レイ「規格外すぎだよぉ……。で、でもそんな感じのアトラクションがあったら、一度は乗ってみたいかも!」

ジャンヌ「だ、駄目です!レイさんをそんな危険な目に遭わせたら、絶対に駄目ですっ!!」

うん、レイさん。さすがにあれは常人では不可能に近いから。あんなのやれるの多分普通の人なら大人ネプテューヌくらいしかやらないと思う。

ジャンヌ「いや、大人ネプテューヌ様でも、流石にやらないと思いますよ!?」

今度聞いてみましょうか。聞けるときにでも(笑)
さて今回は話の構成を少し変えてみたのですがいかがったでしょうか?

ジャンヌ「段落下げを行なったんですね。他の方の作品を見て、やろうとしたのでしたっけ?」

いや、小説書く上での基本知識的なものにあったからです。よく考えると、段落さげてないと読みづらいかなと思ったのは前々からも少し思っていたのですが、機会がなかったので

レイ「あ、あとセリフの所!最後が「。」で終わらなくなってるね」

それも変更点ですね。他の方のを見てこちらも今回から変更いたしました。それでは、次回予告です

レイ「次回は日曜日だよっ!」

ジャンヌ「では皆様。今回から想定EDも復活ですっ。曲は「迷々コンパスはいらない」を聞いてお別れですっ。皆様もお体を大事にしてくださいねっ!」

では皆様、また次回!

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