新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結) 作:藤和木 士
お待たせいたしました、第8話の投稿です。
今回はタイトル通り、他国の女神およびその候補生たち一斉登場です。
そして、今回から(遅すぎの)オープニングテーマとエンディングテーマを考えました。
オープニングは、ハートウェーブという曲です。ぜひYoutubeなどで聞いてみてください。
では本編どうぞ!
目に映る景色が、素早く移り変わっていく。と、言っても目に映っているのは雲と海、それに前方に見える大陸のみだ。
「光樹、機体の制御は大丈夫?」
「ああ、問題ないよ、ネプテューヌ。最初の内はエースに大分任せてたけど、今は俺がちゃんと制御してるし。」
「そう。もうすぐだから、そこまで頑張って。」
「了解。」
ネプテューヌにそう返しながら、空中を飛行し続ける。
現在、光樹達(アイエフとコンパは飛べないので今回はお留守番となった)は、海の向こうの大陸に存在する国家、リーンボックスへ向かっていた。ネプテューヌとネプギアは女神化して、光樹はブラックエースⅣを装着して飛行している。リーンボックスへ向かう理由は昨日、俺の機体であるガンダム・ブラックエースⅣの武装の解析、および性能の調査のためにリーンボックスで調べようということになったからだ。
昨日の話について少し整理する。
あの発言の後、特に反論はなかった。アイエフやイストワールも納得していた。国のトップであるネプテューヌは「いいねー、久しぶりにベールにも会いたいし!」と言って賛成してくれた。
そのため、すぐにイストワールとネプテューヌがリーンボックスの女神、ベールに連絡を取った。その答えはオッケーとのことだった。二人からの話によれば、むしろこちらから会ってみたい、という返事で、施設の方もちょうど現在、四大国家で合同制作していた「とある機動兵器」のテストが終わったあたりなので施設も人手が空いている、というのと、その機動兵器のテスト相手になってほしいらしい。
(一体、どんな兵器だ?)
そんな事を考えている内に、眼下には陸地が見えるようになっていた。すでにリーンボックスの領地に入っていたのだ。
と、周囲を見渡すと、横合いから戦闘機が近づいてきていた。そして音声が響く。
『こちら、リーンボックス航空部隊。そちらは、プラネテューヌの女神一行で間違いないか。』
「ええ、そうよ。」
『了解した、こちらの誘導に従ってくれ。』
「分かったわ、そちらの指示に従うわ。」
ネプテューヌが返答した後、先程の音声を発した戦闘機のあとについていく。ついていったその先はいわゆる軍事基地の飛行場というところだ。光樹達を誘導した戦闘機が先に着陸し、その後、光樹達も飛行場の滑走路に足を付ける。そして、女神化と装着を解く。
「さて、ようやく着いたな。」
「はい、でも少し時間がかかり過ぎちゃった気がします。」
「こういう時にあのルートビルド使えるといいんだろうけどな。まあ、まだ実用前だし、仕方ないか。」
そんな事を言っていると、一人の女性がこちらに近づいてくるのが見えた。金髪の髪に緑色のドレスを身にまとっている。ドレスと言うより、中華系のチャイナドレスというものの中世バージョンと言えばいいだろうか。
「お待ちしていましたわ、ネプテューヌ、ネプギアちゃん。」
「あ、ベール!ひさしぶりー!」
「ベールさん、お久しぶりです!」
声をかけてきた人物たちに返事を返すネプテューヌたち。そうだ彼女こそ、この国、リーンボックスの女神、ベールだ。
少し後ろの方に立っていた光樹だったが、すぐに前に出ることになる。ベールに声をかけられたからだ。
「あら、そちらの方が、もしや…。」
「そうだよ。光樹!こっち来てー!」
「ああ。…初めまして、和藤光樹です。ベール様でよろしいですか?」
「まあ、気になさらず。私のことは気軽に「ベール」と呼んでくださいな。」
ベールがそう返す。自分より年上な人(一応、ネプテューヌたちも年上だが、外見的に同い年くらいなのと、ネプテューヌが以前呼び捨てでと言ったので普通に呼び捨てで呼んでいるが)を敬語で呼ばなければならないと思うのだが、本人がそう言うのなら、そう呼ばせてもらった方が、いいのだろう。
「じゃあ、ベール、今回はこちらのテストに協力してくれて、ありがとうございます。」
「いえ、こちらも、別次元の兵器考証をしたいという現場の意見もありましたし、それに私自身が別の次元の方と会いたいという気持ちもあったので。」
ベールが少しお嬢様のような、いわゆる「ですわ調」で答える。そこで思ったのは、やはり別次元の話を聞きたいということなんだなと思う。実際、昨日の夜は、ネプギアにガンダムの事について聞かれたので、寝るまでの間ネプギアとついでにやって来たネプテューヌにガンダムの作品やモビルスーツについて語った。ホント、興味津々に聞いてきたので、久しぶりに熱く語れた。特にグフ・カスタムやウイングガンダムゼロについて話したが、あそこまで食いつくとは、流石と言うべきだろう。
そんな事を考えているとネプテューヌが言う。
「じゃあ、さっさとそのテストをやるところにいこう!終わったらゲームとかするためにさ。」
だがそのネプテューヌの考えはベールに覆されてしまうことになる。
「少し待ってくださいな、ネプテューヌ。まだお客様は来るのですわ。」
「え?誰が来るの?」
「それは…」
ベールが言おうとしたその時、上空から音が聞こえてくる。何かが落ちてくるような音だ。それが真上から聞こえてくる。
…ここまで分かっていれば起きていることはただ一つ。
こちらに向かって何かが落ちてきている、ということだ。
「…ってのんきに考えている場合じゃない!上から来るぞ!気を付けろ!回避!」
そう言ってその場から横にすぐに飛ぶ。
その3秒後、光樹の居た場所に二人の人物がシュタ!と着地する。少しでも避ける時間が遅ければ、その足が頭に直撃していただろう。俺はMではないので、そんな事されたら痛いだけだ。
と、先程急降下着地した人物たちが口を開く。
「あら、ちゃんと避けれたじゃない。伊達にフェンリルの群れを撃破してないってわけね。」
「いくらなんでも、これはやり過ぎちゃったんじゃない?いきなり落下するなんて。」
「そうかしら。でもちゃんと避けられたから、それなりに生身でも実力はあるみたいだしね。」
そんな事を言っている間に、光樹は考えていた。
(外見としゃべり方…あの二人でいいだろうけど…どう呼べば…。)
現在目の前にいる二人は四大国家の一つ「ラステイション」の女神と女神候補生だろう。女神化しているため、現在彼女らは銀髪の髪になっているが、女神化前は黒髪のはずだ。
そんな事は置いておいて、話を聞いていると、いきなり上空から強襲した理由は、どうやら実力を試したかった、とのことである。…どれだけ実力信用されてないの、俺。
理由もわかったところで、その二人に声をかける。
「初めまして、ブラックハート様、ブラックシスター様。まさか、あなた方まで来るとは。」
「別にかしこまらなくていいわよ。私たちの女神化前の名前も知っているんでしょ、そっちで呼べばいいわよ。」
「そうか、ならノワール、ユニ。さっきのはひどすぎないか?」
そう言うと、ユニが「やっぱりそうよね…。」と言い、ノワールが少し目をそらす。…何なんだろう、これは。
と、そうこうしている内にラステイションの女神らが女神化を解除する。光の中から現れたのは、先程の銀髪の少女たちではなく、黒髪の少女たちであった。この二人の姿が女神化前の姿であるラステイションの女神、ノワールと女神候補生のユニである。
だが、なぜここにラステイションの女神たちも来たのだろう。その理由をベールに聞いてみることにする。
「なあベール、なんでノワールたちラステイションの二人がここに来たんだ?」
「あら、聞いていませんの?今回は四国家で共同開発した「新兵器」のテストもするという話。」
「それは知ってるけどさ…ってまさか?」
その時、ようやくその理由が気づく。当然、新兵器の性能テストをするなら、関係者を呼ばなければならない。そして、今回はゲイムギョウ界の四大国家が合同で開発したものだ。そのために各国のトップが直接来る可能性もある。つまりはそのテスト戦を見るために来たのだ。だが、それに踏み切ったのは、図らずも光樹のガンダム・ブラックエースⅣが原因だろう。
そう思いながら、しばらくの間話し合っていた女神たちを横目に、とりあえずゆっくり待つことにしようとした、その時だった。
ビュン、と、風を切る音が聞こえる。
(なんだ?)
そう思った瞬間、声が響く。
「今よ!ロムちゃん!」
「うん…!」
「!?」
その声の意味を理解し、殺気、というか悪意を感じた光樹はすぐに緊急回避行動をとる。低くジャンプしつつ、横ロールするという方法だったが、無事に横から頭部と足を狙ってきた攻撃をかわす。
そしてその攻撃をしてきた襲撃者たちの方に向き直る。
「一体何…だ?」
と、そこで言葉が止まる。理由は簡単、その人物が自分の知っている人物だったからだ。とは言っても、会ったことがあるというわけではなく、知っているというだけなのだが。
その襲撃者は、小学生くらいの身長の子供であった。顔つきが似ており、違いは髪型と髪の色くらいだ。二人はその手に杖のようなものを持っていた。おそらくさっきの攻撃は、その杖によるものだったのだろう。当たっていたら、今頃光樹はベットの上だったかもしれない。
そこでこちらの様子に気づいたネプギアとユニがこちらの方に向かってくる。
「ロムちゃん!ラムちゃん!何やってるの!?」
「アンタ達、さっきのはかなり危なかったわよ!?」
ネプギアとユニがロムとラムと呼ばれた少女たちを怒る。しかし、当の本人たちは…。
「えー、別にいいじゃない!ちょっとからかおうと思っただけなのに!」
「でも、外れちゃった。(しょんぼり)」
ピンク髪のラムと水色の髪のロムが残念そうな声で反論する。そう、彼女たちは四大国家の一つである「ルウィー」の女神候補生たち、ロムとラムだ。二人は双子で、顔もよく似ているので女神化前は服装で、女神化後は髪の色でどちらがどちらなのか区別できる。ルウィーの女神候補生は二人なのだ。
だが、二人とも謝らないというのはちょっと困る。さっきの攻撃はほぼ偶然回避できたようなものなのに。…まあ、先程、上空から強襲してきたラステイションの二人とは違い、声を出してきたので、まあいいか。でも二人同時に別方向はきつい。
だがそう考えていると、上の方から声が響く。
「おい、ロム、ラム!何やってんだ!」
「あ、お姉ちゃん!」
「お姉ちゃん…すごく怒ってる。」
「当たり前だろ。いきなりあんな危ないことして…避けたから良かったけどな。」
声の方を向くとそこにはアイスブルーの髪をもみあげの部分を長く伸ばした、少女がいた。その様子から、女神ということは分かる。そして、目の前の人物が誰なのかも。
その少女が妹たちを叱った後、こちらに向き直って、女神化を解除する。ロムとラムも女神化を解除し、前に出てくる。
「ほら、ごめんなさいは?」
「はーい。ごめんなさい!」
「ごめんなさい…(オドオド)」
姉である少女の言う通りに、ロムとラムがこちらに向かって謝る。
「まあ、別にいいよ。当たらなかったし。」
「そう、それは良かったわ。…で、ここにいままでいなかったはずの人がいるってことは、あなたが?」
「ああ、そうだよ。」
その少女の名前を間違えないように思いながら、自己紹介をする。
「初めまして、ブラン様。別次元からやってきました、和藤光樹です。よろしくお願いします。」
「別に普通に呼んでくれていいわ、光樹。ただ、後で別次元の事について聞きたいから、話してくれる?」
「喜んで。」
そう言っていると、こちらの方に先程まで話し込んでいたネプテューヌ、ノワール、ベールがやってくる。
「これで全員到着しましたわね。では、移動しましょうか。」
「そうね、さっさとその機動兵器…確か「ガンダム」だったかしら?そのガンダムの実力を見せてもらいましょ。」
ベールとノワールの会話が終わると、すぐに飛行場の出入り口へと歩き始める。しばらく歩いたのち、ネプテューヌが光樹に話しかける。
「ねえ、光樹。さっきブランと話した時にさ、やけに嬉しそうな顔してたよね。何かあるの?」
「え、そんなに嬉しそうにしてた?…まあ簡単に言えば、元の世界ではブランのファンだったんだよ。」
ネプテューヌの質問に、若干恥ずかしそうにしながら答える。そう、この俺、和藤光樹は、ネプテューヌシリーズでは現在ブランのファンだったのだ。第二回ゲイムギョウ界総選挙でもブランに投票して…。
その時だった。
フッ
(!?)
頭の中で、違和感を感じる。
(あれ、本当にそうだったっけ?)
そんな事を思ってしまう。なぜそんなことを思ってしまったのだろう。だがすぐにその考えを捨てようとする。
現実に思考を戻すと、ネプテューヌが「良かったね!ブラン!」とブランに言っていた。
その当の本人は目を逸らしながら言う。
「そう、…ありがとう。」
その後、他のみんなにそのことについていじられながら、一行はテスト場へと歩いていくのであった。
♦
「さあ、ここですわ。」
ベールに案内されたのは、目の前のガラスの向こう側に白い部屋の広がる場所だった。おそらく壁などは特殊な金属を使うことで、被害を最小限にし、秘匿性を高めているのであろう。
そして部屋の危機の前には白衣を着た科学者たちが座っていた。
光樹達がその研究員たちにお辞儀をすると、ベールが言う。
「では光樹さん。こちらのドアから、あの部屋に入ってくださいな。装着は部屋に入ってからでよろしいかしら?」
「はい、大丈夫だと思います。それじゃあみんな、行ってくる。」
ネプテューヌたちにそう言いながら、ドアを開ける。ネプギアから「光樹さん、頑張ってください!」という声を受けながら、ドアを閉める。そして、次のドアを開け、白い部屋に入る。部屋の広さはかなりあり、ドーム並みの広さだと思う。
と、しばらく辺りを見渡していると、ベールの声が部屋に響き渡る。おそらく、マイクから発せられた声だろう。
『では、装着してもらいましょうか。』
「はい。…セット・オン!」
同時にノイズが天井をすり抜け、光樹を包み、装着が完了する。黒と赤、それに緑のカラーリングの機体が姿を現す。
『それがあなたの機体…でいいのかしら。』
『なかなか興味のそそられるデザインね。』
『ネプテューヌの言っていたガンダム、それがその機体なのですね!』
ノワール、ブラン、ベールがそれぞれそのような感想を述べる。それはネプギアを除く女神候補生たちも同じであった。特にユニがかなり興味を持ったような印象であった。
そんな様子をガラス越しで見ていたが、研究員の一人がベールに話しかけたのち、ベールが再びマイクを通してこちらの方に声をかける。
『では、テストを開始しますわ。ネプギアちゃんからいただいたデータから、まずはANヴァリアブルアームズのANヴァリアブルライフルモードの機能から測定していきましょうか。』
同時に後ろの方の床がせり上がり、的のような台が出現する。あれがターゲットなのだろう。
光樹はベールの言う通り、シールドに装備されたANヴァリアブルアームズをヴァリアブルライフルモードで手に持ち、構える。
「さて、始めるか…。」
その言葉と共に、試験は開始された。
TO BE CONNTINUED
今回の話はどうだったでしょうか。もし「おい、女神たちのしゃべり方変だったぞ」とか、「これ○○○の話し方じゃない!」などあれば、指摘いただけると助かります。
次回の投稿は、1週間後の水曜日になります。
では、今回はエンディングテーマ「夢地図」を聞きながらでお願いします。
それでは皆様、また次か…
光樹「おい、作者、あれ忘れてる。」
おっと、マジで忘れてた。
今回はこのオープニング、エンディングテーマで何がいいか、一応意見取りたいと思います。この投稿後、すぐに活動報告で聞きたいと思いますので、ご協力いただけると助かります。
では今度こそ、また次回の投稿で!