ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP83 二人三脚の練習。そして折れる骨。

 ~駒王学園 2年教室~

 

 

 零はこの日、考え事をしていた。と言うより作業だが……。

 

 

(このオーフィスの巫女服……アーシアのセーラー服……白音のゴスロリメイド服……黒歌の水着……ギャスパーのドレス……どれもいい感じに撮れている。ん?この写真は母様達から没収した……十二単衣、女児用の水着、シルクのドレス……ロクでもない写真ばかり。処分しよ)

 

 零が行っているのは、これまで撮った写真の整理である。授業中に何をやっているのだと言いたいが、現在は体育祭の出場種目を決める為のHRだ。HRに参加しないのもどうなのかと思うが、零にとって写真整理の方が重要なのだろう。流石、天照の息子だけはある。

 

 

(燃やしても再生されたら困るから……纏めて、虚数空間に送るっと)

 

 零は作業を机の下で行っている。自分の机の中を虚数空間に繋げるとそこに放り込んだ。虚数空間……オーフィスが元々居た、次元の狭間と言う場所ではオーフィスや特殊な存在・力を持たない限り、そこに存在し続ける事ができない。人間でも、物でも次元の狭間に放り込まれれば、消滅する。零はその性質を利用して写真を処分する事にした。勿論、天照達でさえ触れれぬ様に封印処理を施してだが……。

 

 

「ちょっと、天王理!」

 

 

「ん?桐生か……何か用か?」

 

 彼女の名前は桐生藍華。このクラスのクラスメイトで、三つ編みの眼鏡少女だ。何故か、眼鏡を通して「男についてるアレ」を数値化する能力を持つ存在。一誠を始めとする変態三馬鹿やアーシア達とも交流のある人物だ。

 

 

「何か用か?……じゃないわよ!アンタ、何に出るつもりよ!?」

 

 

「………きょh「絶対参加よ」チッ……」

 

 

「はぁ……なら二人三脚ね」

 

 

「まぁいいか……それでいいよ」

 

 桐生はそれを聞いてニヤッと笑みを浮かべる。

 

 

「良かったわね、アーシア。天王理がペアよ」

 

 

「えっ……」

 

 零は後ろを向いてみると、恥ずかしそうに手を上げるアーシアがいた。

 

 

「えっと……宜しくお願いします、零さん」

 

 

「おう……それよりも、なんでクラスの男子達は親の仇を見る様な目で俺を睨んでるの?」

 

 変態三馬鹿を含めた、男子全員から今にも襲い掛かりそうな眼で睨まれている。勿論、原因は二人三脚の事である。始めアーシアが手を上げたのをきっかけに、話しを聞いていなかった零以外の男子がこぞって手を上げ、アーシアとペアになろうとしていた。

 

 クラスの男子生徒にとって、ペアを組む事でアーシアと触れ合え………転んだ拍子に抱き着けるなどと考えていたからだ。そんな下心丸出しの男達を見て桐生は呆れ果てて、話しを聞かずに他の事をしている零を見つけ、声を掛けたのだった。勿論、それだけでなくアーシアが明らかに零に好意を持っている事を知っているので、彼女なりに友人として応援したいと考えたのだろう。

 

 

「じゃあ、練習はちゃんとしておきなさいよ」

 

 

「やるからには勝つに決まってるだろう」

 

 桐生の言葉にそう答える零なのだが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~放課後 運動場~

 

 

「きゃあぁぁぁ!」

 

 

「うおっと、危ない、危ない。大丈夫か、アーシア」

 

 現在、二人三脚の練習をしている零とアーシアなのだが、アーシアの運動神経はお世辞にも高いとは言えないので転んでしまうのは当然で、転ぶ際アーシアが怪我しない様に零が自分の身体を滑り込ませ、下敷きとなっている。

 

 

「うぅ、ごめんなさい。零さん」

 

 

「いや、始めはこんなもんだろう……起きれるか?」

 

 

「はっはい」

 

 アーシアが何とか起き上がると、零も立ち上がったが、アーシアが再びバランスを崩し後ろに倒れそうになる。しかし人間、反射的に立ち直ろうとする。その影響で、零の胴体に抱き着いてしまった。

 

 

 《ボキッ!バキッ!》

 

 

「ぐほっ………」

 

 骨が折れる音がした。それも盛大に……。

 

 

「ぜっ零さん、ごめんなさい!急な事で、魔力操作しちゃいました!?」

 

 

「あっうん……大丈夫。コレくらい、数秒で治る……クソッ……あの猫かぶり聖女めぇ。アーシアに余計な事を教えやがって」

 

 零の脳裏に、睨みだけで竜を黙らせる事のできる聖女が笑っている姿が思い浮かぶ。

 

 事の発端は零がアーシアの修行の為に呼んだ、聖女マルタである。ジャンヌ・ダルクと共にアーシアに修行をつけることになったマルタは、アーシアに身体を鍛える事と竜の扱い方を指導した。

 

 その中でアーシアは魔力操作に長けている事に気付き、足りない身体能力を魔力操作により補う事を思いついた。それによりアーシアは通常時の数倍の力を発揮できる様になった。今回は急な事で魔力操作を誤り、瞬間的とは言え全魔力を筋力に回してしまった。それにより零の肋骨が折れたのだ。

 

 急な事とは言え、アーシアは魔力操作に長けているのでそうそう魔力操作を誤る事はないが……零に抱き着いた事で急に恥ずかしくなった乙女の事情だろう。

 

 

「治った……よし続きだ」

 

 数秒で骨折が完治し再び、練習を始める事にした。

 

 

 《ボキッ!》

 

 

 《バキッ!》

 

 

 《ゴキッ!》

 

 

 《ベキッ!》

 

 練習を続ける度に零の身体の骨が折れていく。その度に零に謝るアーシアの声が運動場に響くのであった。

 

 

『あらっあらっ、大変ですね。でも貴方程の力の持ち主なら直ぐに治るから問題ないでしょう……と言うか、男ならそれ位我慢しなさいよ!………ゴホン……大丈夫、きっと貴方なら耐えれます』

 

 と声を掛けてくるマルタの声をきっと気の性である。




パワーバランスが分からないと言う感想があったので、少し考えてみました。

組織関係なく表すと。

純粋な力だけで表すと





・1位(この世界最強)

 原初世界の神々(権能なし):零=天照(太陽)<グレートレッド=オーフィス=素戔嗚(地球)=オーディン<月読(月)

【基本的に神の力はその象徴の大きさに比例します(あくまで個人的な考え)。

零と天照達は戦う事がないですが、天照の子供なので天照と同じ位の強さです。

グレートレッド=オーフィスとなっていますが、実際にはグレードレッドの方が強い】



・2位

この世界の神々(権能を使った場合)

【権能は地上では使う事を禁忌とされているので、権能を使わなければ魔王達と同等の強さと考えて下さい】

この下に五大龍王や九尾の妖狐など。しかし条件によっては倒される可能性がある。


・3位

大天使(四大天使)=魔王=堕天使(総督クラス)=ヴァーリ(覇龍・ルシファーの力全開)<英雄派<怒った時の一誠(禁手)<上級・天使や悪魔など


・4位

(物にもよるが)人間の神器使い=中級・天使や悪魔など<下級・天使や悪魔など<それ以下


現段階ではこの様な感じです。

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