ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP66 ラグナロク(聖闘士逹の戦い)

 ~サガ・カノンside~

 

 

「では行くぞ、カノン!」

 

 

「あぁ、兄さん!」

 

 サガとカノンは互いに顔を見合わせると、その場から駆け出し、ミドガルムオルズに迫る。

 

 ミドガルムオルズはそれに気付くと、サガ達に向かいその炎を放つが、黄金聖闘士がそうも簡単に攻撃を受ける訳がない。

 

 サガとカノンは容易く炎を避けると、2人は一気に接近しその拳を叩きこんだ。2人の拳はミドガルムオルズの固い鱗を砕いた。

 

 

 《グガアァァァァァ!!》

 

 ミドガルムオルズは悲痛な叫びを上げ、サガ達を引き離す為にその巨大な躰を動かした。たった2人の人間に傷付けられた……それがミドガルムオルズには許せなかった。

 

 例え【終末の大龍(スリーピング・ドラゴン)】の模造品であるとしても、北欧神ロキの子である大龍が、世界の終焉の龍が、たかが人間2人に傷付けられた事は、ドラゴンのプライドが許さなかった。

 

 

 《グオォォォォォォ!!》

 

 ミドガルムオルズはサガに向かい突進し、その牙で噛み砕こうとする。

 

 

「フン!ヌオォォォォォォ!」

 

 サガは下の牙を足場し、何とか噛み砕かれないと踏みとどまっている。ミドガルムオルズの牙は神殺しのフェンリルの牙ほどの力はないが、それでも普通の天使や悪魔からすれば十分に脅威だ。

 

 常人を越える|黄金聖闘士とは言え、サガは人間………真面にこの牙を受ければ|黄金聖衣を装着していても無事では済まないだろう。

 

 

「ハアァァァァァァ!」

 

 カノンが横からミドガルムオルズの顔を殴り飛ばした。その衝撃で、ミドガルムオルズは口を開いたため、サガは解放された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無事か、兄さん?」

 

 カノンは着地すると、直ぐに膝をついているサガの元に駆け寄る。

 

 

「あぁ……何とかな」

 

 

「なら早く、アイツを倒そう。一刻も早く終わらせ、アーシア殿逹の元に戻らねば」

 

 

「そうだな。王と邪神との戦いが始まる」

 

 カノンが手を差し伸べると、サガはそれを取り立ち上がった。その時、変化が起きた。サガとカノン、2人の身体から黄金のオーラ……小宇宙(コスモ)が溢れ出した。サガの小宇宙(コスモ)とカノンの小宇宙(コスモ)が互いに共鳴し合い、強大に膨れ上がる。

 

 双子座(ジェミニ)の黄金聖闘士は対となる双子であり、2人は代々いがみ合う運命であった。サガとカノンも同じ様に兄弟で在りながら、善と悪、光と闇と言った合わせ鏡の様な存在であった。だが女神(アテナ)の偉大な愛が、()の心が、彼等をその運命から解放した。

 

 そして今、2人は零の為に、世界を護る為に共に戦う。2人の小宇宙(コスモ)は燃え上がり続けている。

 

 

「「迸れ!我が小宇宙(コスモ)よ!うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」」

 

 2人の小宇宙(コスモ)が極限まで燃え上がり、黄金の小宇宙(コスモ)が2人を包み込んだ。

 

 光が止むと、そこには形状の変わった聖衣を纏ったサガとカノンがいた。これは神聖衣(ゴッド・クロス)……黄金聖衣が神の血を受け、限界まで小宇宙を燃やした時、一時的ではあるが神に近づける究極形態。

 

 

「終末の龍よ!聞くがいい!」

 

 

「星々が砕ける音を!」

 

 2人の周りに宇宙と星が広がり始めた。

 

 

「「【ギャラクシアン・エクスプロージョン!】」」

 

 2人の必殺技である、ギャラクシアン・エクスプロージョンが発動し星々の爆発のエネルギーがそのままミドガルムオルズに襲い掛かった。模造品の龍王とは言え、星々が砕ける程の大爆発を受けては跡形もなく吹き飛んだ。

 

 

「終わったか……童虎逹の方も戦いは直面を迎えている様だな」

 

 

「兄さん、戻った方が良さそうだぞ。もうすぐ王の戦いが始まる」

 

 

「そうするとしようか、カノン」

 

 2人は聖衣は既に黄金聖衣に戻っており、そう話し終わると互いに頷きアーシア達の方に向かい戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~シオン・童虎side~

 

 

「ハハハ!ほれほれワン公!こっちだ!こっち!」

 

 童虎はハティの牙を避けながら、そう挑発している。

 

 

 《グルルル!》

 

 

「童虎!あまり調子に乗ると痛い目をみるぞ!」

 

 

「ハハハ!大丈夫じゃ!流石に儂m《ドガッ!》ぐはっ?!」

 

 シオンがそう言うと、童虎がシオンの方を見た隙にハティが爪が襲った。

 

 

「っ~今のは効いたぞワン公」

 

 

「だから言ったのだ!お前は何時も何時も……」

 

 

「こんな時に説教は勘弁しろ……しかしあの牙、本当に厄介じゃのぅ」

 

 

「そしてあの爪もな……流石に神喰らいの狼、牙ほどではないが爪の殺傷能力も高いと見た。黄金聖衣と言えども神殺しにかかればそうなる訳か」

 

 童虎はシオンの手を借りながら立ち上がり、ハティの爪によりできた天秤座(ライブラ)の聖衣の傷を見た。黄金聖衣は聖衣の中でも最高位のものだ、それを傷付けるのは簡単ではない。それだけフェンリルの子であるハティに力があると言う事だろう。

 

 

 《ガアァァァァァァ!》

 

 

「【クリスタル・ウォール】!」

 

 シオンが透明な障壁を張り、襲ってきたハティの行く手を阻んだ。ハティはその牙と爪でクリスタル・ウォールを破壊しようとするが、そう簡単には壊れない様だ。

 

 

「ハアァァァァ!!」

 

 シオンが攻撃を防いでる間に、童虎はその身の小宇宙を爆発させて拳に収束させる。

 

 

「【廬山昇龍覇】!」

 

 拳を振り上げる、童虎の龍の形を模した小宇宙をハティの腹部に叩き込んだ。それによりハティは上空に吹き飛ばされた。

 

 

 《グルルルルル……》

 

 ハティは吹き飛ばされたが、何とか態勢を立て直し着地した。ハティは先程のことで童虎とシオンをかなり警戒しているのか、直ぐには攻撃を仕掛ける事は止めた様で、2人を睨みながら唸っている。

 

 

「むぅ……それなりに本気で放ったつもりじゃったが……」

 

 

「防御面でもそれなりと言う事だろう。本気で掛からねばまた痛手を負うぞ」

 

 

「そうじゃな。それにしてもこうしてお前と肩を並べて戦っておると昔を思い出すのぅ」

 

 

「フッ……確かにな。しかし今は昔を懐かしむより目の前の敵に専念しろ」

 

 2人は互いに横目で姿を確認すると、頷き、2人の身体から黄金の小宇宙が溢れだしている。どうやら小宇宙を高め始めている様だ。

 

 

「舞い上がれ!」

 

 

「唸れ!」

 

 

「「我が小宇宙(コスモ)よ!ハアァァァァァァァァ!」」

 

 黄金の小宇宙(コスモ)が眩い光となり、辺り一面を覆う。そして光が止むと、そこには神聖衣(ゴッド・クロス)を纏ったシオンと童虎が立っていた。

 

 

「フェンリルの子よ、我等が王の為に」

 

 

「地上の平和と愛の為に、此処で倒させて貰うぞ!」

 

 小宇宙は極限まで高めた2人は、自身の技を放つ為に構えをとった。

 

 

「【スターダスト・レボリューション】!」

 

 

「【廬山百龍覇】!」

 

 シオンの小宇宙が無数の光弾として、童虎の小宇宙が無数の龍として放たれた。ハティはそれを避けようと、動こうとするが、既に遅かった。攻撃が広範囲である為、避ける間もなくハティは光弾と龍に飲み込まれた。

 

 攻撃が止まり、光弾と龍が消えた時、そこにハティの姿は無かった。どうやら2人の攻撃により消し飛んだ様だ。

 

 

「取り敢えず終わったな」

 

 

「あぁ、サガ達の方も終わった様じゃな」

 

 

「もう直ぐ、王の戦いも始まる頃だ」

 

 

「ならば儂等はアーシア殿逹の元に戻るとするかの」

 

 2人の聖衣も黄金聖衣に戻っており、サガ達と同じ様にアーシア達の元に向かうのであった。

 




 神聖衣(ゴッド・クロス)

 聖衣の装着者の小宇宙が極限まで引き上げられること、神の血の2つが条件が揃った時になれる聖衣の究極状態。

 カノンの聖衣は零の作り出したレプリカであるが、同じ様に神聖衣化する事ができる。

 女神(アテナ)の血により、神聖衣となるのだが、此処に零の血も加えられているらしく、元々の神聖衣より格段に強化さてれいる。













 今回はサガや童虎達の話になりました。

 次回の話は黒歌・白音、零の召喚獣の話になると思います。

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