ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP61 緊急会談

 ~会議室~

 

 魔王アジュカ・ベルゼブブにより乱入してきた北欧神ロキは会場から冥界の荒野に転送・封印された。しかしそれもほんの数日しか保たないそうだ。天使の長・ミカエル、堕天使総督・アザゼル、サーゼクスやセラフォルーを含む四大魔王、北欧の主神・オーディン、日本神話の代表・零が会談を行っていた。それぞれの後ろには護衛役も居る。

 

 ミカエルやサーゼクス達は話し合いを進める中、零だけがかなり不機嫌になっている。そしてアジュカの方を睨みつけている。

 

 

「てっ天王理殿……私になにか?」

 

 

「お前が邪魔しなければあのまま奴をブッ飛ばせたのにと思ってな………まぁいい。爺」

 

 零はアジュカにそう言うと、零はオーディンに目を向けた。

 

 

「なんじゃ?」

 

 

「俺としては母様を侮辱したあの野郎を存在ごと消してやりたいんだが………一応、奴もこの世界の神の1人だ」

 

 

「フム………儂としては奴を消されると困る。今すぐに儂が北欧に戻り【ミョルニル】を此方に送ろう、それで奴を封じてくれんかのぅ?」

 

 

「戦神の大槌か………まぁいいだろう。大槌が転送されるまではお前等で何とかするんだな」

 

 零はそう言って魔王達を見た。

 

 

(ロキ)が世界を破滅に導くと言うならば俺は止める。しかし悪魔がどうなろうが知った事ではない、この冥界は貴様等の領土だろう。自分の領土なら自分で護るんだな」

 

 零はそう言うと、護衛のサガとカノンと共にその場を去った。

 

 

「フム………相変わらずじゃのう、アイツは……ロスヴァイセ」

 

 

「はっはい!」

 

 

「お主は此処に残り、零と共に行動せよ」

 

 

「はっはい……ですが何故、あの方と共になのですか?先程の話し様ではあの方はギリギリまで動かないのでは?」

 

 

「はぁ……全くお主は相変わらず頭が堅くて見る眼がないのう、まぁあの子と共に居れば直ぐに分かる」

 

 オーディンはそう言うと、北欧に帰る準備をする為にその場から離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~零の部屋~

 

「で………アンタがなんで此処にいるんだ?」

 

 

「私だって分かりません。オーディン様の命なので………」

 

 

「そう……爺か。それでアンタの名前は?」

 

 

戦乙女(ヴァルキリー)のロスヴァイセです」

 

 

「天王理零だ。んでこっちの、白くて可愛いのが白音、黒くて可愛いのがオーフィス、黒歌とアーシアだ……いたたたっ……なんだ2人とも?」

 

 自分達の紹介に可愛いと言うのが抜けていたので、頬を膨らませているアーシアと白音。2人は零の頬をつねった。

 

 

「むぅ~(ぎゅ~」

 

 

「ご主人様には女心が分かってないのにゃ(ぎゅ~」

 

 

「なんの話だ?いたたたっ」

 

 ロスヴァイセはそんな零を見て、本当に彼が伝説の戦士なんだろうかと考えてしまった、しかしその考えは直ぐに訂正されることになる。

 

 

「まぁいいや………童虎、シオン、サガ、カノン」

 

 部屋の隅にいた童虎達に目を向けた。

 

 

「「「「はっ!」」」」

 

 

「あの邪神どう見る?」

 

 

「流石は神と言うべき力であった」

 

 

「しかし一番厄介なのはあの魔狼かと」

 

 零がロキについて尋ねると、童虎とシオンがそう答えた。

 

 

「神をも砕く牙………その性質故に」

 

 

「あの牙にかかれば我等とて無事では済みますまい」

 

 サガとカノンが、フェンリルの牙の危険性についてそう話した。伝承では神々の黄昏(ラグナロク)が起きた

 際にフェンリルはオーディンを噛み殺すと言われている。故に神殺しと言われている。神をも殺す力を持つので神以外に対しても殺傷能力は十分にある。幾ら零に呼び出された黄金聖闘士(ゴールド・セイント)と言えどフェンリルの牙に傷付けられれば無事ではすまない。

 

 

「だろうな。世界は違うと言えど神殺しか……対策がない訳ではないが……俺以外が相手するとなると少し面倒になるな」

 

 

「零、我ならあいつら倒せる」

 

 そう言ったのはオーフィスだった。確かに無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)であるオーフィスであればフェンリルを倒すことは可能だろう。しかしこれはロキが三大勢力に対して掛けた戦争、それに日本神話の代表となったオーフィスや零達がそう簡単には介入できない。

 

 世界の危機であれば問題ないが、現在の状態では世界の危機とまではいかないので手を出すことができない。

 

 仮にこの戦争に零やオーフィス達が参加したとしたら、他の神話体系に日本神話が三大勢力と手を組んだと思われる。零としてはそれは避けたい。特に悪魔と関係があると他の神話体系に思われた場合は面倒なことになるからだ。

 

 現在の悪魔の開発した悪魔の駒(イーヴァル・ピース)は世界的に問題となっているからだ。そんな中で悪魔と日本神話は関係しているとなれば、他の神話体系に目を付けられる。そうなれば天照に面倒を掛けるだけでなく、日本神話の関係者として零も巻き込まれるだろう(本人にとってはこっちが主)。

 

 

 世界の危機であれば、世界を救うために零が参加しても問題ないだろう。仮に何か言われても幾らでも言い様はある。

 

 

「でも……まぁ…何とかなるだろう」

 

 こうして、その時は刻一刻と迫るのであった。そしてこの時、零の瞳にぼんやりと何かの紋章が浮かんでいるのに誰も気づかなかった。

 


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