ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く 作:始まりの0
~教会内~
俺は教会の扉を蹴り破りる。中は少し荒れている、そう言えば此所に人がいるのは見たことないな。
「おやおや~、こんな廃れた教会に御用ですか?お祈り?懺悔?どちらにしても子供が出歩いていい時間ではないでしゅよ」
壊れた十字架の前に白い髪の神父がいた。でもこいつ、目が逝っちゃってるな。しかも手に銃を持ってるし、殺気放ってる、しかも血の匂いがする。
「俺祈るつもりも懺悔するつもりもない。ただ知り合いを助けに来ただけだ」
「知り合い?もしかしてアーシアたんの事ですか、でも残念でした」
神父は銃を向けてくる。思いっきりやる気だなこりゃ。
「アーシアたんは可哀想に天に召されることになりました、神器を抜かれて。でも、大好きな神様の所に行けるんだしいいんじゃね」
今、何て言ったこいつ。何であんな、優しくていい子が殺されなきゃならないんだ?久しぶりに頭がプッツンしそうだ。
「アーシアは何処だ?」
「アーシアなら、この祭壇の下に繋がってる地下にいるよ~、でも、君はこのフリード・リヒゼンに此処で殺されるから関係ないよね!」
どうやら俺を殺す気でいるらしいな、さっさと行かないとアーシアが危なそうだ。一気に行こうか。
「アヒャャャ、じゃあバイビー!」
神父が銃で此方を撃とうとした。
「【メモリーコード:
零の金色の目が光った瞬間、世界の時間が停止する。
この停止世界の中で動けるのは零のみ、零はフリードに接近すると、拳を握り締めた。
「オラオラオラオラオラオラ!オラァァァァァ!」
凄まじい回数の拳を放つと、最後に回し蹴りを食らわせる。
「そして時は動き出す」
やがて世界の時間が動き始め、停止世界で放ったラッシュと回し蹴りのダメージと衝撃がフリードに襲い掛かる。
「うぎゃぁぁ…………(キラーン」
悲鳴をあげる前に教会の天井に穴を開けて飛んで行った。
「ふぅ……行くか」
先程、フリードが言っていた祭壇を蹴り壊すと地下へ向かった。
~教会の地下~
「あぁぁぁぁぁぁ」
俺は地下空間に大勢の黒服の者と先に現れた女の堕天使がいるのを見た。
アーシアは一番奥の十字架の様なものに張り付けられている。なんか怪しい光放ってるし、アーシアは苦しそうに悲鳴を上げている。そして、アーシアの中から光を放つ指輪が姿を現した。
何だ?これは?こんな事が許されるのか?
唯、一生懸命に生きている彼女を苦しめて、命を取ろうとしている。
俺は怒りで自分の中の何かが切れたのが分かった。
~アーシアside~
私は今、堕天使レイナーレ様に変な機械に張り付けられている。これは神器を私から引き剥がす物らしい。その証拠に、私の神器【
段々と薄れいく意識の中である人の事を思い出した。私の話を聞いて、怒ってくれた、そして笑いかけれてくれたあの人の事を。
主よ、願わくば最後に一度だけでもあの人に合わせて下さい。
『ふざけんなぁぁぁぁ!』
幻聴だろうか?あの人の声が聞こえた。私は最後の力を振り絞り、目を開けた。
~零side~
俺は我慢できずに飛び出した。
「ふざけんなぁぁぁぁ!」
零は激昂と共に黒服達と堕天使レイナーレの前に現れた。
「貴様は!?この間の!!」
レイナーレは、一誠を襲った時に邪魔をしてきた人間だと言う事に気付く。だが前の時は違っている事がある。
「あの時………貴様を見逃したのは俺の過ちだったようだな。あの時の自分をぶん殴ってやりたいと思うよ」
それは本気で零を怒らせた事だ。その証拠に零から凄まじい殺気が放たれている。一誠の時は感じなかった、その理由は一誠の時は未だ一誠は生きていた。レイナーレを倒し、一誠を治療しても助けられた。
だが今回は既に
「何故……アーシアをこんな目に合わせた?」
零はゆっくりと歩を進める。
「簡単な事よ、私はこの神器
レイナーレはアーシアから奪った
「それで?」
「それにその子も幸せでしょう?異質な力を持つ者は他者から否定される。だったら此処で大好きな神様の所に行かせてあげたんだし感謝して欲しいくらいよ」
レイナーレは笑いながらそう言った。
「そうか………なれば貴様は絶対に許さない。【多重結界・
零の紅い右眼が光り出すと、零の周りに蒼の光が現れると凄まじい光を放ち始めた。その瞬間に、辺りは蒼い光に包まれた。
~一誠side~
「部長!アーシアを助けに行かせて下さい!!」
一誠は先日知り合ったアーシアが目の前でレイナーレに攫われた事で助けに行こうとしていたが、主であるリアスがそれを許さなかった。
「駄目よ、これは貴方だけの問題ではないのよ……これh…!?」
リアスは途轍もない力を感じ外を見た。そして眷族達も同じく外を見る。外の景色は変わっていた、街の建物などはそのままだ。しかし空に巨大な魔方陣が浮いていた。
「これは結界でしょうか?……ですがこの様な結界見た事はありません」
リアスのクイーンである朱乃がこれが結界だと気付くがどう言った物なのかは分からない様だ。
「部長!アレ!!」
一誠はある物を指差した。皆がその方向を見ると、蒼い光柱が立ち昇っていた。
「何だアレは?」
祐斗が光柱から何とも言えぬ力の波動を感じた、そして次の瞬間に光柱から何か長い巨大な物が現れた。
「アレは……龍?」
それは蒼い龍だった。蒼い龍は空中で蜷局を巻く様に飛んでおりその視線は下にある何かを見つめている。
「あの方向って……アーシアのいた教会があった筈だ!?」
一誠がそう言うと、全員が反応する。
「取り敢えず、行ってみましょう。あんな物が私の管轄下に現れるなんて」
リアスは直ぐにその方向に向かって翼を広げ飛び立った。