ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP52 グレモリー家の屋敷。そして修行

 ~グレモリー家 屋敷前~

 

 温泉を出て着替え、向かったのはリアスの実家であるグレモリー家の屋敷だ。アザゼルは用事があるらしく、此処にはいない。

 

 

「おお、こりゃまたデカい屋敷だ。部屋の数も、大きさも結構ありそうだ………掃除大変だろうな」

 

 零は大きな屋敷を見てそう呟いた。

 

 そして出迎えには前に現れたグレイフィアが出て来た。案内されて、屋敷の中に入るとズラリとメイドと執事が並んでいた。

 

 

「(こりゃまた凄い数のメイドだな。まぁこんだけ居れば掃除やらは困らんだろうな……家の状況だったら無理だ。家事ができるのは俺、白音、アーシアだけだし……黒歌はまず自分でしようとしないから戦力外、オーフィスは……駄目だな。壊れるイメージしかない)殆どが物置状態だろうな」

 

 などど考えていた。

 

 

「リアス姉様~お帰りなさい!」

 

 

「「「ん?」」」

 

 前を見ると、赤い髪の少年が走って来た。

 

 

「ミリキャス、久しぶりね。見ない内に大きくなったわね」

 

 

「お姉様?」

 

 

「リアスさんの弟ですか?」

 

 一誠とアーシアが首を傾げた。

 

 

「私の甥っ子……お兄様の息子よ。ほらっミリキャス挨拶なさい」

 

 

「はい!ミリキャス・グレモリーです!」

 

 ミリキャスは元気よく挨拶した。

 

 

「ほぉ……元気のよい子だな」

 

 

「あっ……銀色の髪、それにその赤色と金色の眼……もしかして伝説の戦士様ですか!?」

 

 ミリキャスが零の姿を見ると、キラッキラッした目で零を見つめる。と言うより迫っている。突然街中に現れた特撮ヒーローに集まる子供の様な目だ。

 

 

「まぁ……天使や悪魔とかの間ではそう呼ばれてるな。俺的には降り掛かった火の粉を払っただけなんだがな」

 

 と言いミリキャスを見る。どう反応すればいいのか分からないのか無動だ。

 

 

「ミリキャス、失礼よ。この方は大事なお客様なんだから」

 

 

「あっごめんなさい」

 

 リアスに窘められ、ミリキャスは下がり謝った。

 

 

「構わない……まぁアレだ、ミリキャスくんとか言ったか。話は後にしよう……まずはこの屋敷の当主に挨拶しないとな」

 

 零はそう言うと、しゃがみミリキャスの視線と同じ高さまで来ると笑みを浮かべる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから案内され、リアスの母であるヴェネラナ・グレモリー、リアスの父であるグレモリー卿に挨拶し、食事をする事になった。

 

 

「ハハハ、まさか伝説の戦士殿が家にいらっしゃるとは。色々と家のリアスがご指導いただいているそうで」

 

 

「ハハハ、俺は俺のしたい事をしているだけですから」

 

 などと話しているグレモリー卿と零。

 

 

『おかわり』

 

 

「ところで兵藤一誠くん」

 

 

「あっはい」

 

 

「ご両親はお元気かな?」

 

 

「はい!家を改築して頂いてとても喜んでいます!」

 

 どう言う訳かグレモリー卿は一誠の家を改築した様だ。

 

 

『おかわり』

 

 

「もっと大きな城の様にしようと思ったんだがね」

 

 

「お父様!此方の文化を押し付けては」

 

 街中にある日、突然城ができれば騒ぎになるだろう。まぁ悪魔なので色々と細工はしそうだが。

 

 

「なのでメイドを50人ほどつけようとしたんだが」

 

 

「メイドを50人?!」

 

 メイドを50人と聞いて一誠の頭の中はエロ一色に染まった。既に鼻の下は伸び、涎を垂らしている。

 

 

「だが娘に『そんな若い女性が傍にいたらイッセーの私生活に支障がでます!』と言われてね」

 

 

「流石部長……よく分かってらっしゃる」

 

 一誠は涙を流しながら落ち込んだ。

 

 

『おかわり』

 

 

「それよりも一誠くん……どうだろう、今日から私の事を『お義父さん』と呼んでみないかね?」

 

 

「お父様たらっ!もぅ!」

 

 それを聞いたリアスは顔を真っ赤にすると、席から立ち上がり何処かに行ってしまった。

 

 

「一誠……この際、1つ言っとくぞ。お前はハーレムやらおっぱいやら言ってるが……まぁ男ならハーレムを作ろうとするのは分からんでもない。しかしだ……そこに『愛』があるか?」

 

 

「あっ愛?」

 

 

「好きになった相手の喜びも、哀しみも、苦しみも、家族も、仲間も、力も、醜い所も、何もかもを受け入れる事が『愛』だ。少なくとも俺はそう思っている………ハーレムを作るにしろ、そう言う事をするにしても、そこに『愛』がなければ意味がない、俺も永いこと生きているが何時の時代も、何処の世界も、それは共通していると思う」

 

 

『おかわり』

 

 

「ほぅ……流石は伝説の戦士殿、言う事が違いますな」

 

 

「いやいや只々、長い事生きているだけですよ…………さてと、俺はそろそろ用意して頂いた部屋の方に戻るとします。明日からは修行なので」

 

 零が立ち上がると、白音達も後に続いて出て行った。

 

 

「愛……愛ってなんなんだ?」

 

 零に言われた事が今一分かっていない一誠は愛について思考を巡らせていた。

 

 

「あっあの……ご当主、報告があります」

 

 突然、シェフの格好をした悪魔が入って来た。

 

 

「どうかしたか?」

 

 

「そっその……食材がなくなりました。備蓄していた分も、全て」

 

 

「なくなった?……まさか倉庫にも結構あった筈だが………あっ」

 

 グレモリー卿が机を見ると、ある席の所に凄まじい数の食器が積み上げられていた。因みに此処に座っていたのはオーフィスである。

 

 オーフィスは一夜にしてグレモリー家の食材を食べきってしまったらしい。流石のグレモリー卿も顔を引き攣らせていたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~翌日~

 

 食事の後、屋敷の前に集合した面々。その前にはアザゼルが立っている。

 

 

「じゃあ、これから人間界の時間で8日間、それぞれのトレーニングメニューを考えてきた」

 

 どうやら前々からアザゼルもトレーニングのメニューを考えていた様だ。

 

 

「まず一誠。今回の課題は体力の底上げと禁手(バランス・ブレイカー)に至る事だ。修行相手は」

 

 

 《ドォーン!》

 

 大きな音をたてて現れたのは先日現れたタンニーンだった。

 

 

「フム、ドライグを宿すものを育てるのは初めてだ」

 

 タンニーンは一誠を掴み上げた。

 

 

「うわぁ!?」

 

 

「一誠!」

 

 掴み上げられた一斉に向け、リアスが声を掛ける。

 

 

「部長~」

 

 

「気張りなさい!」

 

 

「そうでした、部長も修行に関しては厳しい~のわぁぁぁぁぁ!」

 

 一誠はタンニーンに連れられ彼方に消えた。

 

 

「次は木場、お前は禁手(バランス・ブレイカー)の維持時間を伸ばせ。剣術に関しては零が相手を用意してくれるらしいが……零、何処にいるんだ?」

 

 そう言ってアザゼルが零を見ると、「ぁあそんな事も言ってたな」と思い出した様だ。

 

 

「直ぐに呼ぶ。【ソウルコード:アルトリア・エミヤ:召喚】」

 

 零の右眼が眩い光を放つと、零の隣にアルトリアとエミヤが現れた。

 

 

「アルトリア・ペンドラン、召喚に応え参上しました」

 

 

「特に言う事もないが……エミヤと呼んでくれ」

 

 白音達以外がそれを見て驚いている。

 

 

「アルトリアは伝説のアーサー王だ、剣術を習うといい。木場祐子の神器(セイグリット・ギア)は魔剣を造り出す物……エミヤは剣を造る事を極めている、剣製のいろはを習うといい。ついでに聖龍剣(フォース・オブ・ドラゴスレイブ)邪竜剣(グレイズ・オブ・ドラゴスレイブ)を使いこなせるようにすればいい。アルトリア、エミヤ、その娘を頼む」

 

 

「分かりました、零の頼みとあらば」

 

 

「了解した」

 

 

「おっと、これを持っていきな」

 

 零は懐から1枚のカードを取り出すとエミヤに渡した。

 

 

「あぁ……アレか。分かった……では行こうか」

 

 裕子、アルトリア、エミヤの足元に魔方陣が展開し、何処かに消えた。

 

 

「アーサー王本人って……まぁいい。次にゼノヴィア、お前はデュランダルを手懐けろ。デュランダルは持ち主を選ぶじゃじゃ馬だ。扱えるようになれ」

 

 どうやらゼノヴィアの課題は聖剣デュランダルを使いこなす事の様だ。

 

 

「私は相手はいないのか?」

 

 

「零と話し合った結果、今は使いこなす事が重要だという結論に至ったんでな」

 

 

「その通りだな。だが木場に手を貸してお前に手を貸さないと言うのもアレだ……これを貸してやろう」

 

 アザゼルの次に零がそう言うと、懐から黒い包帯を取り出した。受け取ったゼノヴィアは首を傾げる。

 

 

「コレをお前の腕とデュランダルを結べ……それだけでいい」

 

 

「良く分からんが、分かった……貴方の言う事なら間違いないだろう」

 

 ゼノヴィアは納得すると、黒い包帯を大事にポケットに仕舞った。

 

 

「姫島朱乃、お前は自分の血を受け入れろ。そうすればお前の雷に光が宿り【雷光】となる。相手はこっちで用意している」

 

 アザゼルにそう言われると、朱乃の表情が曇った。

 

 

「リアス、お前は基本トレーニングと【(キング)】としての素質を磨け。これについては零も協力するらしい」

 

 アザゼルがそう言うと、リアスは驚いた顔をしている。どうやら零が協力するとは思わなかったらしい。

 

 

「フン、俺がお前を気に喰わんのは変わらん。だがお前の眷族達の事を考えて、最後のチャンスをお前にやる。前に俺が言った【大切なこと】を修行で気付け。今回で気付かなければ貴様はそれまで……お前に眷族を率いる資格はない。俺からの課題『今までの自分を見直せ』だ……これを貸してやる」

 

 零はそう言うと、リアスに小さな水晶を渡した。

 

 

「これは【みえ~る水晶くん】。日常では常に肌身離さず、寝る前はこれを頭に当てて傍に置いておく……それだけだ」

 

 零は説明を終えると、直ぐに元の場所に戻った。すると、零の身体から黒い闇が溢れ出た。そしてそれが人の形になると零の【半身】が現れた。

 

 

「ギャスパーは我とお出かけだ。では往くぞ!」

 

 

「ひゃあぁぁぁぁぁぁっぁ!!」

 

 零【半身】はギャスパーを抱えると、そのまま何処かに飛び去った。

 

 

「アーシアには特別な指導者をつける」

 

 

「特別な指導者ですか……どなたでしょうか?」

 

 

「それは後だ。まずはこれだ……これの中の奴がアーシアを大層気に入っているから力を貸してくれるらしい」

 

 そう言って前に、アザゼルの所からぬs……迷惑料として頂いた紫色の宝玉がついた金色の短剣を渡した。

 

 

「ぁあ!それ!零、テメェ!」

 

 

「どうする?」

 

 

「OK!これで手を打つぜ!」

 

 アーシアに渡したのはアザゼルが創った人工神器。それを盗られたことを追求しようとしたが、零がアザゼルに対アザゼル用最終兵器(ヴァーリからパパへの手紙とプレゼント)を突きつけられ、受け取るとそれで解決にした様だ。

 

 アザゼルは対アザゼル用最終兵器(ヴァーリからパパへの手紙とプレゼント)を涙を流しながら、天に掲げていた。親バカ、此処に極まる。

 

 

「と言う訳だ。皆、行こう」

 

 零は残った全員をつれて何処かに向かった。




・修行展開

 一誠:原作通りタンニーンとの山での修行。課題は体力の底上げと禁手に至る事。

 裕子:課題は禁手の維持時間を延ばす事。今回、零が用意した相手は剣術:アルトリア、剣製:エミヤとなっている。

 ゼノヴィア:課題はデュランダルを使いこなす事。零から黒い包帯を受けったが、これが重要な鍵となる。

 朱乃:原作と変わらず、自分を受け入れる事を課題としている。相手は勿論……。

 リアス:基本的なトレーニングと零から与えられた課題「自分を見直す」と言う課題を熟す為に【みえ~る水晶くん】なるものを渡された。

 ギャスパー:課題も、内容も不明だが零【半身】により何処かに連れて行かれた。

 アーシア:特別な指導者をつけるらしいが、未だ誰なのか不明。零からアザゼルの造った(零の手が加えられている)人工神器を渡された。

 白音:不明。

 黒歌:不明。

 オーフィス:必要なのかどうかあやしい。















・登場アイテム

 名称:対アザゼル用最終兵器《ヴァーリからパパへの手紙とプレゼント》


 その名の通り、対アザゼル用の最終兵器。

 零がヴァーリに勝った事で、代償として用意させたもの。

 アザゼルのみにしか効かないが、絶大な効果がある。

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