ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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第5章 冥界合宿、新たな絆の力
EP50 合宿?俺には関係ない……と思ってたのに


「どうしてこうなった?」

 

 

 《ガアァァァァァァァァ!!》

 

 零は今、何処かの谷底でドラゴンに襲われていた。ドラゴンは朱乃、裕子、ゼノヴィア、一誠が戦っている。零の後ろでは白音、黒歌、オーフィスがトランプをしていた。

 

 

「おっ大きなドラゴンさんです!」

 

 

「ヒィィィィィィ!ドラゴン怖いですぅ!!」

 

 アーシアとギャスパーに至っては零の背に隠れている。

 

 

「えぇと………確か」

 

 零は少し記憶を遡ってみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~数時間前~

 

 

 俺がリアス・グレモリー達に誓約を科して一週間が過ぎようとしていた。

 

 

 この頃、色々と変わった事があったな。

 

 

 まずは、何故かアザゼルがオカ研の顧問になっていたが、それについては了承した。何せアイツほど、神器(セイグリッド・ギア)に詳しい奴はいないからな。来たその日に盗った神器(セイグリッド・ギア)を返せとか言ってきたがスルーしてやった。

 

 

 次に黒歌が学園に入学した。元々学生と言うものに興味があったらしい。だがどうみても、アイツは高校生には見えないが……まぁ置いておこう。因みに三年生だ。だが白音がうざがってたな……。

 

 

「なんで姉様を入学させたんですかか!?学園でまで抱き付いてきてうっとおしいです!」

 

 とか言ってたな。まぁシスコンだから仕方ないか、白音が可愛いから仕方ないと言ったら顔を赤くしてたな、何でだろう?

 

 

 

 次はギャスパーか、色々とあって学園に来れなかったが、今は普段は俺が邪眼を封印し、制御法の訓練をしている。ギャスパーは人見知りだが、白音と同じクラスだから問題なく学園に通っている。やはり学園生活は重要だ、様々な面でな。

 

 まぁ……ギャスパーも十分可愛いから余計な蟲が寄らんとも限らないな。可愛い娘を心配する親の気持ちってこんなんかな?

 

 ギャスパーの性別?女の子だが、何か?

 

 因みに放課後は以前の様にオカ研に行っている。リアス・グレモリーもギャスパーとはなす機会があるが、無理矢理連れ戻そうとする気は無い様だが………まぁ警戒はしておかないとな……。

 

 

 白音はギャスパーを妹の様に思っているのか、ギャスパーの世話を焼いているな。オーフィスもギャスパーと仲が良い。仲良き事はいいことだ。

 

 

 

 それは置いておいて……俺達は何故か冥界に行く列車に乗っている。えっと……在った事を整理しよう。

 

 学園は終業式が終わり、夏休みに入った⇒折角の夏休みは何処に行こうと考えていた⇒その日はあの三馬鹿に海に行こう(零を連れて行けば女の子は集まると考えた)と言いだした。まぁ目的は分かってたので断ったがな⇒それから放課後にアーシア達がオカ研に赴いた時に冥界に合宿に行くとリアス・グレモリーに言われた。ついでにと言う事で誘われたらしい。

 

 アーシア・白音・黒歌は行きたいらしい。オーフィスはどっちでも良い様だ。ギャスパーはどちらかと言えば行きたくないらしい。俺は面倒だからと言ったが、アーシア達に涙目をされたので渋々了承したが……流石に悪魔の巣窟にアーシア達だけを行かせる訳にはいかんからな。それに母様から魔王達に宛てた手紙を届ける様に言われたし……面倒だが、母様の頼みであるならば仕方ない。

 

 

「はぁ………」

 

 零は溜息を吐きながらソファーに座り、膝に座っているオーフィスを撫でている。オーフィスは気持ち良さそうに目を細めている、無表情だが満足そうな雰囲気を出している。横には黒歌が座っていた。

 

 アーシア、白音、ギャスパーは朱乃や一誠達と談笑している。だがあの一誠の眼は頂けん、エロガキの眼だ。

 

 

「オーフィス、そろそろ交代にゃ」

 

 

「ん、分かった」

 

 黒歌にそう言われ、オーフィスは零の膝から立ち上がると横に座った。黒歌は空いた零の膝に寝転んだ。

 

 

「さぁご主人様、思う存分撫でるにゃ」

 

 

「じゃあ遠慮なく(なでっなでっ」

 

 

「はにゃ~やっぱりご主人様は撫で上手にゃ~」

 

 黒歌は気持ち良さそうに目を細めて、零の脚に頬ずりしている。表情は蕩けきっており、尻尾までハートの形になっている。

 

 それを見て、苦笑している・朱乃・裕子。涙を流しながら羨ましそうな眼で見ている一誠。リアスは複雑そうな表情で見ていた。

 

 

「おいっ一誠、家のアーシアや白音、ギャスパーに変態的な視線を向けるな。次にその眼で見たら………」

 

 

「みっ見たら?」

 

 

「複数の聖剣・聖槍で四肢を貫いた後に、傷口に聖水をぶっかける」

 

 

「なっなんて恐ろしい事を言いやがるんだ!?悪魔にとっては思いっきり致命傷じゃねぇか!」

 

 

「そっそうです、一誠さんが死んじゃいますぅ~」

 

 零と一誠の会話を聞いていて、内容を想像したのか涙目になりながら零に訴える。

 

 

「チッ……仕方ない。アーシアは優しいからな………そうだな、両手足を縛って漢女の集団の所に放り込んでやる」

 

 

「乙女の集団!?何それご褒美ですか?!」

 

 どうやら一誠は勘違いしている様だ。乙女と漢女……読み方は同じでも意味は全く違うのだ。一誠は後にその事を身をもって知る事になる。

 

 

「阿呆め………まぁいい。今回は見逃してやる」

 

 

「ほっ…」

 

 零は一誠から眼を離すと、懐から手紙を取り出した。その手紙には達筆な字で魔王殿へと書かれていた。今回の零の仕事内容からすれば天照が書いた物だろう。

 

 

「(内容は見てないが………恐らく誓約の話だろうな。素直に魔王達がこれに同意するとは思えんが………その為に俺が行く事になったんだろうが………全て俺に任すと言われたが……どうするか?)……まぁなる様になるか(キィィィィ」

 

 零の右眼がぼんやりと光っている。

 

 

「ご主人様、眼が」

 

 

「えっ……眼……」

 

 白音にそう言われて窓ガラスに映る自分の眼を見てみると確かにぼんやりと光を放っている。

 

 

「ぁあ………大丈夫だ。特にこれと言って問題はない(前兆か………まぁ気にしないでおこう)」

 

 少しの間右眼を閉じると光は収まった。

 

 

 《キィィィィィィ!!》

 

 突然、乗っている電車が停止し浮遊感を覚えた。そして全員の視界が真っ暗になった。

 

 

 

 ~回想終了~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、眼を開けると訳の分からない場所で………目の前には大きなドラゴン……まぁ俺が相手するまでもないか……」

 

 

「ぜっ零さん、一誠さん達を助けなくていいんでしょうか?」

 

 

「いいの、いいの…………まぁドラゴンだから、自分より強いのには攻撃してこないだろう」

 

 零はそう言ってアーシアとギャスパーに被害が来ない様にオーフィスや黒歌達の傍に行かせると、自分もトランプを始めた。

 

 

 《ガアァァァァァァァァァ!!》

 

 一誠達と戦っているドラゴンがブレスを吐き、それが零達の真上の崖に当たった。それにより崖が崩れ大きな岩が零達の真上に落下してきた。

 

 

「ん」

 

 オーフィスが手を鉄砲の形にして向ける。

 

 

「ばきゅん」

 

 そして指先から黒い球体を撃ち出した。黒い球体は落下してくる岩に直撃すると、岩は跡形なく消滅した。

 

 

 《ガァン》←?

 

 

「フッ……(どやぁ」

 

 そして、銃口の煙を吹き消す様な仕草をして零に向かいドヤ顔をした。

 

 

「流石オーフィス、『ばきゅん』って凄く可愛い……(パシャパシャ」

 

 零はそんなオーフィスの写真をカメラで撮影していた。

 

 

「さてと………迷惑だな。【ソウルコード:ライディーン】フェードイン」

 

 零の左腕に金色の腕輪が出現し、そこから溢れた光が全身をつつみ鎧と化した。

 

 

「【神の弓(ゴッド・アロー)】」

 

 右腕に装備されている装飾が弓の形に変化した。そして左手を矢を引く様に構えると、指先に光が収束し始め光の矢が完成した。

 

 

「そこっ!」

 

 矢を放つと、その矢はドラゴンが吐いたブレスを貫通した。神の弓(ゴッド・アロー)に貫かれたブレスは中心部から発生したブラックホールの様な物に吸い込まれ消滅した。

 

 全身が矢の飛んできた方向を見ると、再び神の弓(ゴッド・アロー)を構えている零の姿が目に入った。

 

 

「そこのドラゴン………お前悪魔……転生悪魔だな。例え一誠達を試す為であっても、一応日本神話側の大使である俺やアーシア達に害を成すと言う事は……悪魔は我等との戦争を望んでると思ってもいいって事だよな?」

 

 どうやら先程の岩を落としてきた事を怒って居る様だ。その怒気に圧されて全員が黙ったままだった。

 

 

「沈黙は肯定を意味するぞ………OK、何も答えないって事はそういう事だな。安心しろ、痛みは一瞬にしてやる」

 

 

「タンニーン、久しい………タンニーンは零の敵?敵なら我が倒す」

 

 どうやら零が本気なのを感じると、オーフィスが目の前のドラゴンに向かいそう言った。

 

 

「おっオーフィス、違う!此方に敵意は無い!事故だ!」

 

 タンニーンと呼ばれたドラゴンは顔を青く?しながら両手を上げて敵意のない事を伝えている。彼の名はタンニーン。【魔龍聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)】と呼ばれた元龍王の1匹だ。

 

 流石に元龍王の1匹であっても………いや元龍王であるが故に無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)であるオーフィスの力を知っている。そして目の前の黄金の鎧が誰なのか、直ぐに分かった様だ。

 

 

「事故?……敵ではない?」

 

 

「そうだ……伝説の戦士殿にも大変失礼した」

 

 

「………」

 

 零は無言のまま、ライディーンを解除する。すると何時もの零とは違っていた。頭に漫画で見る様な大きなタンコブが出来ていたのだ。何時で来たのだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 良く思い出して貰いたい、オーフィスが煙を吹き消す真似をする数秒前の事だ。

 

 

 《ガァン》←コレ

 

 

『フッ……(どやぁ』

 

 そうこの時にオーフィスが消した岩とは別の小さい岩が零の頭に直撃していたのだ。タンコブが出来る程だから、かなり痛かったと思う。しかし零はオーフィスの写真を撮る事を優先していた。

 

 そしてこの時、零はこう考えていた。

 

 

(痛い……痛いけどオーフィス可愛い!後であのトカゲ、コロコロしてやる!おっと写真、写真)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうやら、全部アザゼルの仕業の様だ。

 

 一誠達の実力を測る為であったが、手違いで零達も送ってしまった様だ。勿論、零は一誠達を試す為だと気付いていたが、もしもあの岩が誰も傍にいない状態のアーシア達に落ちれば無事で済んでいない。

 

 だからこそ怒っている。決して岩が頭に当たって痛かったからではない。きっと………多分。


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